著者
小倉 啓司 小穴 孝夫
出版者
一般社団法人 日本放射線影響学会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集 日本放射線影響学会第50回大会
巻号頁・発行日
pp.257, 2007 (Released:2007-10-20)

我々はショウジョウバエに低線量・低線量率の電離放射線を照射すると非照射に比べて突然変異の頻度が低くなることがあることを報告してきた。ショウジョウバエの未成熟精子を持つ胚に60Coを線源とし、500µGyのガンマ線を1.5分間でショウジョウバエの未成熟精子に照射し、伴性劣性致死突然変異法によって遺伝的影響を観察した。この放射線量ではDNAの二重鎖切断やそれに伴うDNAの修復はほとんど起きないと言われているが、子孫における伴性劣性致死頻度が自然突然変異頻度(0.3%程度)より有意に低下し、約0.1%であった(P<0.05)ことを昨年度報告した。この現象がどのようにして起きるのかを調べるために、この低線量刺激効果が観察できなくなる線量を調べることにした。本発表では40µGyのガンマ線を1.5分間で照射を行うと伴性劣性致死突然変異の頻度が0.29%とほぼ非照射のレベルに戻り(P=0.86)、500µGyのガンマ線照射を受けたときの突然変異率よりも変異率が有意に増加する(P<0.01)ことを報告する。さらに、500µGyのガンマ線照射を受けたショウジョウバエの胚で発現量が変動するdefense response関連の遺伝子群やアポトーシス関連遺伝子について報告する。
著者
小倉 俊一郎 中山 沢 山本 新九郎 福原 秀雄 花﨑 和弘 井上 啓史
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.238-248, 2023-01-15 (Released:2023-01-15)
参考文献数
40

5-アミノレブリン酸(ALA)は生体内で合成されるアミノ酸の一種であり,ポルフィリンやヘムの前駆体である.がん患者にALAを経口投与した場合,腫瘍特異的なプロトポルフィリンIX(PpIX)の蓄積が認められる.ポルフィリンが蛍光物質であること,さらには可視光照射下において活性酸素種を発生させることを利用して,がんの光線力学診断(ALA-PDD)や光線力学療法(ALA-PDT)へ応用されている.休眠がん細胞は,腫瘍内の微小環境などの影響によって,細胞増殖が抑制されたがん細胞である.周囲の環境変化により再増殖をするうえ,化学療法や放射線療法に対して抵抗性を持つため,がんの再発と密接な関わりがあると考えられている.本研究では,ヒト前立腺がん由来細胞株PC-3を用いて,細胞密度に着目したin vitroにおける休眠がん細胞モデルを構築した.また,休眠がん細胞モデルにおけるALA添加後のPpIX蓄積およびPDT感受性の評価を行い,休眠がん細胞のALA-PDTに対する感受性が高いことを示した.さらに,休眠がん細胞モデルに対してマイクロアレイ解析を行うことにより,休眠状態への移行に付随して脂質代謝が亢進することを明らかにした.Acyl-CoA synthetase(ACSs)の抑制剤(triacsin-C)を添加することによって,PpIX蓄積が減少し,ALA-PDTに対する感受性が低下した.以上のことから,休眠状態への移行に付随するALA-PDTの殺細胞効果の亢進は,脂質代謝の亢進と相関するものであることが判明した.
著者
高島 正之 加納 源太郎 福井 武久 小倉 毅勇
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1984, no.7, pp.1083-1089, 1984-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
17
被引用文献数
3

イットリウムとネオジムの酸化物とフッ化物との固相反応によって新規化合物としてネオジムイットリウムフッ化酸化物が合成された。Y2O3とNdF3の反応は反応温度によって段階的であり,200~600℃ ではY2O3とNdF3の間でO2-とF-の交換反応が進行しYFOとNdFOを生成する。900℃を越えるとNdFOがYFOに置換型に固溶化し始め,1200℃以上でネオジムイットリウムフヅッ化酸化物が生成した。NdF3の混合割合が48~52mol%で斜方面体晶の,58~78mol%で正方晶の単一相生成物が得られた。前者ではY,NdF3O3が,後者ではY,Nd2F,O3が量論的化合物として合成された。Y2NdF3O,は530℃ 付近で斜方面体晶から立方晶への可逆的な相転移があるが,Y2Nd2F6O3は1400℃ 以下では空気中で安定で相転移もなかった。酸化物イオン導電性の立場から電気伝導性を調べた結果,Y2Nd2F,O3が650℃ で電導度が1.2×10-2S/cmで,酸化物イオン輸率が0.85以上の高い酸化物イオン導電性を示した。
著者
白倉 正博 亀井 淳 赤坂 真奈美 中軽米 美里 小山 耕太郎
出版者
岩手医学会
雑誌
岩手医学雑誌 (ISSN:00213284)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.183-199, 2019 (Released:2019-12-21)
参考文献数
22

知的に正常な早産極低出生体重児の家庭生活状況と自尊心および親子関係について調査した.対象は2002年4月から2011年3月に当院新生児集中治療室に入院し,就学前の知能検査で正常知能が確認され,2017年4月の時点で学齢期にある108人である.自尊心はPopeの子ども用5領域自尊心尺度で評価し,結果はおおむね良好であった.自尊心評価が完遂できた96人の各尺度を従属変数とし,周産期情報およびアンケート情報の計16項目を独立変数とした重回帰分析を行った結果,出生体重,呼吸窮迫症候群,脳室周囲白質軟化症,調査時年齢と有意な関連を認めた.親子関係も対象の殆どが良好であった.自尊心尺度と親子関係は子からみた母子関係に相関する項目が多く,特に男子の家族尺度が「被拒絶感」と強い負の相関 ‹r = −0.7471, p< 0.001› があった.一方,自尊心と「心理的侵入」,「厳しいしつけ」および「達成要求」は殆ど相関しなかった.
著者
米谷 芳枝 石倉 豊昭 永井 恒司
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.408-415, 1988-06-20 (Released:2009-11-10)
参考文献数
29
著者
和田 佳郎 山中 敏彰 北原 糺 倉田 純一
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.119, no.9, pp.1201-1209, 2016-09-20 (Released:2016-10-07)
参考文献数
17
被引用文献数
3 3

日常診療において原因不明の浮動性めまいを訴える患者は多い. われわれは重力感受性障害が浮動性めまいを引き起こすと考え, その仮説を検証する第一段階として重力感受性を定量的に評価する臨床検査法の開発を行った. 予備実験から, 頭部 roll 傾斜角度が30度以内では頭部傾斜角度 (HTA) と頭部傾斜感覚 (HTP) はほぼ直線関係 (相関係数が身体傾斜条件では0.991, 頭部傾斜条件では0.999) となることを示した. この直線性を利用して, 座位における頭部傾斜時の自覚的視性垂直位 (SVV) と HTA から頭部傾斜感覚ゲイン (HTPG) を求める方法を確立し, 頭部傾斜 SVV (HT-SVV) 検査法と名づけた. 重力感受性は HTPG>1であれば過大, HTPG<1であれば過小と評価できる. 健常人329人を対象に HT-SVV 検査を実施し, 解析結果から HTPG (1.02±0.12, 0.80~1.25), HTPG の左右差指数 (4.7±3.7%, 10.0%以下), 頭部直立 SVV の絶対値 (1.1±0.8度, 2.5度以下) の平均値±標準偏差および基準値 (中央値を含む健常人の95%が含まれる範囲) を求めた. 今後, HT-SVV 検査装置のソフト, ハードの簡便化, 迅速化を進め, 浮動性めまいを中心とする各種めまい患者を対象とした臨床データを検討することにより, HT-SVV 検査法の臨床的意義を明らかにしていく予定である.
著者
米本 倉基 Kuramoto Yonemoto
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.109-125, 2012-03-15

本研究の目的は、医療分野において注目されている女性医師の増加に関して、その現状を国内外の統計データ、および先行論文をレビューすることで明らかにし、女性医師の就業支援が、今後のわが国の医療政策の重要な視点の一つとなることを論じることである。レビューの統計データは、主に厚生労働省、およびOECDヘルスデータを、論文は国内をCiNiiに、海外はPub Med Centralを中心として収集した。その結果、わが国において、女性医師の占める割合は、諸外国に比べていまだ低いことが確認されたが、その割合は近年急激に増加しており、その対応策の遅れが、わが国の医療現場の疲弊にいっそう拍車をかけることになる懸念が示された。現状における政策の問題点をあげれば、女性医師は、眼科や皮膚科などの特定の専門診療科へ集中する傾向や、結婚や出産後における離職と復職へのハードル、特にパート勤務や診療所開業医への転出する割合は男性医師よりも高く、病院経営に大きく影響している。にもかかわらず、その対策としての女性医師のキャリア支援や柔軟な勤務スタイルの整備など、勤務医のワーク・ライフ・バランス支援策が遅れ、これによって、わが国全体の勤務医不足に影響を与えている現状が明らかとなった。一方、すでに女性医師の割合が、わが国よりはるかに高く、その対策も進んでいる諸外国においても、前述した女性医師の特徴的な傾向を認めることができるが、その政策には見習うべき点が多く、今後の「研究上の視点」とした。
著者
仁科 弘重 高倉 直
出版者
The Society of Agricultural Meteorology of Japan
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.201-211, 1983-12-10 (Released:2010-02-25)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

As the first step of a study on solar greenhouses with latent heat storage systems, thermal properties of phase change materials (PCMs) were tested and solar heating experiments applying these PCMs to small greenhouses were performed.Several PCMs which have melting points between 10-30°C were selected from the literatures (e.g. Hale et al., 1971), and measurements of melting points and heats of fusion were made. Considering these test results (Table 1 and Fig. 1), and because of the extremely high price of paraffin, we chose polyethylene glycol (PEG) and calcium chloride hexahydrate as the most suitable PCMs for solar heating greenhouses at the present time.Three types of solar greenhouse systems were constructed, and solar heating experiments were performed in both 1979 and 1980. We used two small identical glasshouses (floor area is 7.2m2, surface area 25.2m2) with the north wall (4.8m2) insulated.In the Type I solar greenhouse (without thermal screen), polyethylene tubes (3.0cm in diameter) were filled with 600kg of PEG (# 600 and # 400) and hung by steel bars in the insulated heat storage unit. Air was circulated by a fan between the greenhouse and the heat storage unit, and solar heat was collected from the air inside the greenhouse (Fig. 2). Typical patterns of diurnal changes in temperatures in the Type I solar greenhouse on a clear day are shown in Fig. 3. Solar heat stored in the daytime was 9, 900kcal and heat released in the nighttime was 11, 060kcal. The average efficiency of heat storage on clear days was 20%, based on the outside solar radiation.In the Type II solar greenhouse (with one layer thermal screen), three 1.6m2 air-type solar collectors were attached. PCMs, 300kg of CaCl2⋅6H2O and 200kg of PEG (# 600), were encapsulated in double-layered polypropylene panels (1.2cm in thickness) and were installed in the heat storage unit. In the daytime, air was sucked from the greenhouse to the collectors, and heated air was then sent to the heat storage unit and was returned to the greenhouse. In the nighttime, the path to the collectors was closed by a damper, and air was circulated between the greenhouse and the heat storage unit, although the direction of the air flow through the heat storage unit was opposite to that in the daytime (Figs. 4 and 5). The heat collected in the collectors was 12, 060kcal, and the heat stored in the heat storage unit was 8, 380kcal (7, 520kcal to CaCl2⋅6H2O, 860kcal to PEG) on Feb. 3, 1980. The temperatures of CaCl2⋅6H2O and PEG were kept almost at the melting point of each, which indicated that the storage capacity of latent heat was not yet filled. The inside air temperature was kept at 8.0°C in the early morning on Feb. 4, when the outside air temperature was -0.6°C. The average efficiency of heat storage on clear days was 17%, taking into account the receiving area of both the collectors and the greenhouse.In the Type III solar greenhouse (with one layer thermal screen), double-layered polypropylene panels (1.5cm in thickness) which contained 56kg of CaCl2⋅6H2O were installed in front of the inside surface of the north wall. They could be called a heat storage panel. In addition to this, 200kg of PEG (#600) was encapsulated in PVC pipes (3.2cm in diameter) and was installed in the small heat storage unit. The heat storage panel can store heat from direct solar radiation. In the heat storage unit, heat was collected from the inside air by circulating air between the greenhouse and the heat storage unit. Typical patterns of diurnal changes in temperatures in the Type III solar greenhouse on a clear day are shown in Fig. 6. The heat stored in the heat storage panel and the heat storage unit was 2, 860kcal and 7, 560kcal, respectively.
著者
森 裕樹 倉岡 正高 相良 友哉 藤原 佳典
出版者
日本世代間交流学会
雑誌
日本世代間交流学会誌 (ISSN:21857946)
巻号頁・発行日
pp.jsis1301_01, (Released:2023-08-15)

本研究では全国のシルバー人材センターを通じ、参加者の年代と交流形態の点から通いの場での活動実態や運営上の課題を比較検討した。シルバー人材センター職員を対象に高齢者を含む多世代が参加する通いの場について、「発足経緯」「活動概要」「参加者の特徴」「活動の専門性と課題」「活動が地域に及ぼす影響」を尋ねた。分析対象の211事例は、参加者の年代を基に「高齢」「高齢×未成年」「高齢×成年」「高齢×未成年×成年」に分類し、発足経緯や活動内容と運営上の課題を比較した。その結果、高齢者のみの活動と比べ、未成年を含む事例ではボランティア活動の割合が、成年を含む事例では趣味・文化活動や就労的活動の割合が高かった。この結果は、多世代の参加による活動が、多様な高齢者に介護予防の機会を提供し得ることを示唆するものの、活動の普及度という点からは活動継続のための資金獲得やノウハウ継承の難しさ、担い手不足が課題として挙げられた。
著者
秋山 滋男 新井 克明 輿石 徹 石田 志朗 倉田 なおみ
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.220-226, 2019-02-28 (Released:2019-03-21)
参考文献数
8
被引用文献数
1

Objective: We conducted a survey on drug information accumulated by pharmaceutical companies about the adequacy of administration of crushed or simply suspended internal medicines through enteral feeding tube, examination methods to confirm adequacy and inquiries from medical institutions to pharmaceutical companies about the adequacy of these methods.Methods: We sent a questionnaire to 162 pharmaceutical companies that sell internal medicines to collect information. The survey was conducted from May 1, 2016 to March 31, 2017.Results: The questionnaire response rate was 61% (99 companies responded). Eighty and 90 percent of the companies possessed information about the drug crushing methods and simple suspension methods used for administration of internal medicines,respectively. The type of information and examination methods used varied among the companies, was very limited, and was often limited to new drugs. The information acquisition rate about crushing methods was 69.3% in original examination methods of pharmaceutical companies. On the other hand, 90.3% of the information about simple suspension methods was obtained by the unified method of Hand Book of Simple Suspension Method.Conclusions: In the future, medical practice and patients will benefit if examination methods to confirm the adequacy of crushing and administration through feeding tubes are commonly and consistently obtained by pharmaceutical companies. Furthermore, it would be very useful for information of crushing methods and simple suspension methods to be included in package inserts and interview forms.
著者
坂口 裕亮 田中 宏 北村 雅彦 松本 有紀 中垣 佳浩 松倉 将史 川辺 朋美 中山 正成
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.e193-e196, 2023 (Released:2023-08-05)
参考文献数
9

CT検査により脊柱管内を大きく占拠する石灰化した椎間板物質を認めた椎間板ヘルニアのミニチュアダックスフンド2症例に遭遇した.2症例ともに脊髄造影検査を実施したところ,神経徴候が悪化した.片側椎弓切除術にて,椎間板物質の摘出を試みたが,周囲組織と癒着しており摘出は困難であった.このことから,CT検査で認められた石灰化した椎間板物質は,脊柱管内で時間経過を経たものと考えられ,脊柱管内を大きく占拠する椎間板物質に長い経過で圧迫されている脊髄に対し,造影剤を注入することで脊髄障害を悪化させた可能性が考えられた.以上より,CT検査によって脊柱管内を大きく占拠する石灰化した椎間板物質を認める症例に対し,脊髄造影検査を実施する際には悪化の可能性を考慮する必要があり,また,手術法やその適応など十分検討が必要であると考えられる.
著者
高田 哲雄 広内 哲夫 平野 雅道 羽倉 弘之 海津 ゆりえ 若林 一平
出版者
文教大学
雑誌
湘南フォーラム:文教大学湘南総合研究所紀要 = Shonan Forum : Journal of the Shonan Research Institute Bunkyo University (ISSN:18834752)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.117-137, 2008-03-01

Cultural tourism has become an important phase of the new age tourism. Attractively archiving cultural resources provide cultural tourists with an intellectual and practical guide especially to a performing aspect of the urban and rural culture. This study focuses on the 3D imaging of performing rituals, festivals and lodging accommodations.“Shonan” is mainly the coastal region facing Sagami Bay extending from Kamakura and Enoshima, through Chigasaki and Hiratsuka, to Oiso and Ninomiya. This region has a fine view of Mount Fuji and “Shonan” beach. The Kamakura Shogunate have left a wide variety of historical and cultural heritage in “Shonan” area.Minamoto No Yoshitsune (shortly "Yoshitsune") is the younger brother of Minamoto No Yoritomo who is the founder of the Kamakura Shogunate. But Yoshitsune is a famous tragic general of Japanese samurai. He was named as an “enemy of the Emperor” by the shogunate, and finally betrayed by his patronage and forced to commit suicide “harakiri.”He is enshrined in Shirahata Shrine in Fujisawa.Our research team successfully achieved a challenging 3D image recording of Shirahata Shrine “Kagura.” The chief priests of shrines related to and emerging from the Shinto religious or historical legend perform “Kagura.”Another challenge is VRML technology. We have reconstructed Maita “Honjin” official accommodations for “Daimyo” warriors using VRML stereoscopic technology. Maita “Honjin is official accommodations managed by Maita family in Fujisawa “juku”lodging spot.
著者
大倉 正敏
出版者
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

豚レンサ球菌は豚やヒトに重篤な疾病を引き起こす重要な人獣共通感染症起因菌であり、莢膜多糖の抗原性の違いにより30以上の多様な血清型に分類されている。本研究では現在、血清型別に使用されている全35血清型参照株の莢膜多糖合成に関わる遺伝子群[Capsular polysaccharide synthesis(cps)gene cluster]について比較・解析を行った。その結果、本菌の血清型は「cps gene clusterの交換による大規模な変異」及び「cps gene cluster内の少数の遺伝子の塩基配列置換や欠失・挿入などによる小規模な変異」の両方により多様性を創造していることが示唆された。さらに、解析により明らかとなった、複数血清型共通遺伝子及び血清型特異的遺伝子を利用し、2回のマルチプレックスPCRにより分離株の血清型を推定する型別法を開発した。
著者
倉本 圭
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.123-127, 2023-06-25 (Released:2023-07-07)

火星衛星探査計画MMX (Martian Moons eXploration) の探査機開発が,来年の打ち上げに向け佳境に入っています.今号から,MMX計画について紹介する連載を開始することにしました.色々な切り口から,MMXの魅力,奥行き,面白さを,お届けしたいと思います.第一弾の今回は,MMXの目的地である火星の月と,MMX計画の狙いと概要について,紹介します.
著者
安部倉 健 吉見 光浩 堤 省吾 土田 晃貴 小宮 諒 前田 慶明 浦辺 幸夫
出版者
公益社団法人 広島県理学療法士会
雑誌
理学療法の臨床と研究 (ISSN:1880070X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.20-25, 2022-09-30 (Released:2022-10-01)

【目的】超音波画像診断装置を用いて、棘下筋トレーニング終了後の棘下筋筋厚の経時的変化を明らかにすること。 【方法】14名の健常成人男性を対象とした。棘下筋トレーニング前と、トレーニング終了直後から60分後までの棘下筋筋厚を10分ごとに測定した。トレーニング内容は、重錘2.0 kgを用いて側臥位で肩関節外旋運動をオールアウトまで反復するものを1セットとして、3セット実施するものとした。統計学的解析には、各時点での棘下筋筋厚について反復測定分散分析を行い、事後検定としてDunnettの検定を実施した。有意水準は5%とした。 【結果】トレーニング前と比較して棘下筋筋厚は終了直後に平均3.0 mm増加し、終了40分後まで有意に高値を示し(p<0.05)、50分で差がなくなった。終了後の棘下筋筋厚は、時間経過に伴い減少した。 【結論】運動直後の棘下筋に生じる筋厚増大はトレーニング直後に最大となり、その後は減少を続け、50分以内に消失する一時的な現象であった。
著者
竹内 洋平 溝口 仁志 尾原 明子 中原 麻衣 大倉 亮一 南木 伸基 岡内 泰弘 中尾 克之 井上 利彦 徳田 道昭
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.1, pp.88-94, 2018-01-10 (Released:2019-01-10)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

43歳,女性の不明熱患者.持続する発熱に加え,慢性蕁麻疹と無菌性・非腫瘍性の多発する骨髄炎を認めた.さらにIgM-κ型のM蛋白が検出され,自己炎症症候群であるSchnitzler症候群と診断した.トシリズマブによる治療にて上記の症状は消失し,以後,寛解を維持している.しかし,長期的にはリンパ増殖性疾患を発症することがあるため,注意深い観察が必要である.
著者
豊倉 穣
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.193-203, 2021-06-30 (Released:2022-06-30)
参考文献数
35

2 つの課題を同時に行うと成績が低下する二重課題コストの発現機序は完全には解明されていない。 機能画像, 事象関連電位, 磁気刺激, 動物実験など多彩な研究手法によって二重課題の処理メカニズムが検討されている。最近の機能画像のメタアナリシスでは, 両側の 3 領域(背側前運動野, 頭頂間溝, 前頭弁蓋部)と左側の 2 領域(下前頭溝~中前頭回, 下前頭回~上側頭回の前部)が処理要求の増大に対処する資源共有モデルの能動的, 機能的適応プロセスを反映していると報告されている。  脳損傷はしばしば情報処理速度の低下をもたらすが, 分配性注意の障害をきたすこともある。両者は並存することが少なくない。その場合, 分配性注意障害の正確な診断は困難となる。  複数作業の同時処理困難に対して二重課題を用いた認知リハビリテーションの効果が報告されている。 これによって実生活での改善も期待できる可能性がある。
著者
加藤 貞武 倉田 邦夫 杉沢 慶彦
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.315-318, 1965-07-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
5

99Moを親核種として得られる99mTcは, その半減期およびガンマ線エネルギーから, すぐれた生体内診断用核種の1つと考えられるが, 半減期の関係から, 使用直前に製剤化し, 試験されなければならない。本報では, まず99Mo-99mTc generatorの取扱いについて述べ, ついでTcO-4液およびTc2S7コロイド液の注射用製剤の製法および試験法について報告する。これらを実験動物に静注して体内分布を経時的に追跡した結果, TCO-4液は胃に, Tc2S7コロイドは肝に選択的に集積された。
著者
山崎 一夫 高倉 耕一 今井 長兵衛
出版者
THE LEPIDOPTEROLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.173-175, 2010-07-30 (Released:2017-08-10)
参考文献数
14

オオタバコガの幼虫が大阪市の家屋内でパンを摂食しているところを見出された.この幼虫は偶然に人家,食料品店,あるいはパン製造所のいずれかに侵入し,パンを見つけて摂食にいたったものと考えられる.この幼虫はそのままパンを食餌にして飼育したが,蛹化せずに死亡した.本報告は大蛾類が加工穀物食品を加害した稀な報告例であり,本種のパン食の記録としては2例目である.本種は葉以外に花や果実などを好んで摂食する習性があり,鱗翅目幼虫を捕食することも知られている.本種において稀にパン食が見出されるのは,多食性とタンパク質を多く含む食物を選好する習性が原因なのかもしれない.