著者
朝倉 優子 清田 隆毅 杉浦 宏季 出村 慎一
出版者
日本体育測定評価学会
雑誌
体育測定評価研究 (ISSN:13471309)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.35-42, 2017-03-31 (Released:2017-08-03)
参考文献数
32

Physical fitness of elementary school children has reportedly decreased over the past few years, physical fitness of present-day children who exercise regularly may not necessarily be inferior to that of the children in the past. This study aimed to examine the secular trend and sex differences in physique, muscular strength, and flexibility in 9–10-year-old children who took part in swimming practice and training at a swimming sport club. The participants were divided into the past group (1996–1998) comprising 601 persons (boy: n = 251, girl: n = 350) and the modern group (2010–2012) comprising 456 persons (boy: n = 201, girl: n = 255). In conclusion, the physique of elementary school children regularly attending the swimming sport club did not show marked time period and sex differences. Muscular strength was superior in the present-day children and ankle mobility was superior in the past children. In addition, marked sex differences in muscle strength and flexibility, except for trunk flexion, were not found in both periods.
著者
倉本 賢一 白石 章 中西 有 甲斐 真 上野 儀治 上田 八尋
出版者
Japanese Society of Equine Science
雑誌
日本中央競馬会競走馬総合研究所報告 (ISSN:03864634)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.26, pp.23-30, 1989-12-26 (Released:2010-08-10)
参考文献数
29

競走馬のトレーニング効果あるいは競走能力を評価する一指標として心エコー撮影による左室機能検査をトレーニングセンター在厩のサラブレッド45頭 (2歳-7歳) について試みたところ以下の成績が得られた。1) 心エコー図の撮影は左側第3・4肋間 (心切痕部) に限定されたプローブ位置からのアプローチによって, 左室の最長軸断層像を正確にとらえることでがき, 簡便で汎用性の高い撮影方法と考えられた。2) 心エコー法と色素希釈法による1回拍出量をサラブレッド15頭 (3-5歳) について比較検討したところ, 両者は相関係数, r=+0.956を有する回帰直線y=0.782x-0.147で示され, 心エコー法による1回拍出量の測定の信頼性が高いことが確認された。3) kg当たりの1回拍出量は加齢と調教の進行に伴ない増加するが, 3歳以降ではほぼ安定した数値 (2.42-3.37ml/kg) を示すことが分った。一方, 比較的優れた競走成績をもつ馬群 (4歳馬5頭) と平均的競走成績をもつ馬群 (4-6歳馬10頭) の1回拍出量を比較したところ, 前者は平均3.55ml/kgで後者 (平均2.85ml/kg) に比べ有意な高値を示した。4) 収縮末期径には被検馬群間で差は認められないものの, 拡張末期径では平均的競走成績をもつ馬群と優れた競走成績をもつ馬群間で明瞭な差が認められた。これらのことから, 本法が競走馬の左室機能の評価に有用であることが示唆された。
著者
山倉 智宏
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.118, no.1, pp.1-5, 2004-01-10

麻酔薬の作用標的として神経伝達物質依存性のイオンチャネルが重要であると考えられている.最近の研究により麻酔薬の作用部位がチャネルを構成するサブユニットあるいはサブユニット上のアミノ酸レベルで同定されてきた.さらに個体レベルで特定のサブユニット分子を欠失するノックアウトマウスや分子上のアミノ酸を置換変異したノックインマウスの作成・解析により,全身麻酔という個体反応と麻酔薬の分子レベルでの作用との間の直接の連関性を検索することが可能になりつつある.
著者
内田 二依菜 園田 祐三 熊倉 梓 金井 泉 今井 昭宏 永田 雅彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.211-214, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
11

1歳齢,避妊雌のヒマラヤンの側腹部,尾根部,前胸部に外傷性脱毛がみられ,体幹触診時に過剰な舐め行動が誘導された。プレドニゾロン,選択的セロトニン再吸収阻害薬,神経障害性疼痛治療薬にて改善するも,プレドニゾロン休薬に合わせ再発を繰り返し,その後認められた落屑性脱毛からDemodex gatoiを検出した。フルララネル製剤を投薬し2ヶ月後に軽快,D. gatoiも陰性になった。これまで使用していた投薬を終了後外傷性脱毛が再発,フルララネル製剤3ヶ月毎投与とともにプレガバリンとフルオキセチンの再導入により寛解,プレドニゾロンとフルララネル製剤を休薬することができた。D. gatoi寄生とネコ知覚過敏症候群との関係を考察した。
著者
板倉 尚子 柴田 雅貴
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.C0301-C0301, 2006

【目的】N女子体育大学某運動部(以下B部)は平成14年度より新監督が就任し競技成績向上をめざす方針のもと指導が開始された。チーム編成はA軍およびB軍(競技活動主体に活動)とレフリーブロック(審判活動を主体に活動、以下R軍)としているが、これまではセレクションによりチームへの振り分けをしていたが、A軍のみセレクションとし、B軍以下は学生の希望を優先しチーム編成をすることとなった。このようなチーム運営の結果、平成11年度から平成13年度新規利用者年間平均35件(合計105件)と比較し、平成14年度47件(134.2%)、平成15年度64件(182.9%)、平成16年度76件(217.1%)となり新規利用者数の増加がした。今回、平成14年度以降の外傷発生状況を報告する。<BR>【新規利用状況】平成14年度から平成16年度までの学生の延べ数は388名、ブロック構成数はA軍49名、B軍140名、R軍199名であった。3年間のB部の新規利用者数は187件(A軍68件、B軍97件、R軍22件)であった。部位別内訳では最も多いのは膝関節70件(37.4%)、次いで足関節43件(23.0%)であった。この膝関節と足関節について受傷時の学年および所属ブロック別に分類し、新規利用者件数を各ブロック構成数で除した発生率で示した。膝関節ではA軍は1年生14.3%、2年生12.2%、3年生10.2%、4年生4.1%であった。B軍は1年生15.7%、2年生5.7%、3年生2.9%、4年生1.4%であった。R軍は1年生3.0%、2年生1.5%、3年生2.5%、4年生0%であった。足関節ではA軍は1年生6.1%、2年生8.2%、3年生2.0%、4年生14.3%であった。B軍は1年生9.3%、2年生3.6%、3年生2.1%、4年生0.7%であった。R軍は1年生2.0%、2年生0.5%、3年生0.5%、4年生0%であった。R軍に比べA軍およびB軍の下級生に利用件数が多い結果が得られた。<BR>【考察】平成14年度からのチーム編成方法の変更により、技術が乏しい学生も競技活動を主体とするB軍への所属が可能になった。チームは競技成績向上を目指して活動しており、そのためA軍とB軍では練習強度が増加、技術力が乏しい学生には許容量を超えた練習内容となったため外傷が多発したと予想される。特にB軍1年生で膝関節および足関節の外傷が多発しており、新入部員への対応は個々の体力や技術力、また入学前に生じた外傷の後遺症などへ配慮し指導を行う必要があることが示された。A軍およびB軍の膝関節外傷は上級生になるほど新規利用件数の低下がみられた。B部に対してスキルエクササイズを指導し運動部活動中に実施させている。今回の結果は体力や技術向上が外傷発生を防止できる可能性を示していると思われた。しかし足関節外傷についてはその競技特性のため不可抗力が原因で外傷が生じることがあり、上級生が低下する結果とはならなかった。<BR>
著者
都能 槙二 中嶋 正明 倉田 和範 迎山 昇平 龍田 尚美 野中 紘士 秋山 純一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.F1015, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】関節拘縮は生じると日常生活に支障をきたすことがあるため、その発生を未然に防ぐことが重要である。関節拘縮の発生予防に対して温熱療法と運動療法を併用し、その効果は知られている。しかし、温熱療法のみで関節拘縮の予防効果を検討した報告はない。そこで今回,我々は温水負荷による温熱療法が関節拘縮の発生予防に対して単独で効果があるのかを検討し興味深い知見を得たので報告する。【方法】関節拘縮モデルの実験動物として72週齢のWistar系雌ラット30匹を使用した。関節拘縮モデルの作成は右後肢を無処置側、左後肢を固定側として左膝関節を屈曲90°でキルシュナー鋼線による埋め込み式骨貫通内固定法によりに固定した。固定処置後のラットは無作為に、温熱療法群と対照群の2つに分け、それぞれ2週間固定、4週間固定、6週間固定の5匹ずつに分けた。温熱療法は固定後3日間の自由飼育の後、41°Cの温水に下腿部を15分間、一日一回,週5回浸漬した。関節拘縮の進行の度合いは関節可動域を測定し評価した。関節可動域の評価は温水負荷期間終了後、麻酔下で膝関節に0.049Nmのトルク負荷にて最大屈曲角度、最大伸展角度を測定した。組織学的評価は川本粘着フィルム法を用い、矢状面で薄切しHE染色を行った。【結果】関節可動域は、関節固定前が135.7±7.4°、2週間後、温熱療法群が66.2±5.7°、対照群が64.8±7.9°、4週間後、温熱療法群が59.8±6.8°、対照群が45.0±3.2°、6週間後、温熱療法が53.4±7.7°、対照群が43.4±4.5°であった。2週目では有意差は見られなかったが、4週目・6週目では有意差が見られた。【考察】1ヶ月以内の関節不動で起こる拘縮は、筋の変化に由来するところが大きく、それ以上不動期間が長くなると関節構成体の影響が強くなると言われている。関節構成体の主な変化としては、線維性癒着、関節軟骨の不規則化などが報告されている。今回の結果では固定4週間以降に有意差が見られるため、温熱療法が筋の変化に対してよりも関節構成体に対して抑制効果があったと考えられる。本研究において温熱療法が関節拘縮予防に有効であると言う結果が得られたため、臨床現場に温熱療法を積極的に使用するべきだと考える。【まとめ】今回の実験では温熱療法によって関節不動による関節可動域の減少が抑制されることが明らかになった。多くの患者が関節拘縮の発生により回復後においても日常生活に支障をきたす例があることを考えると貴重な発見である。今後,温熱療法による関節拘縮発生予防効果の機序とその効果的な適用条件を検討していきたい。
著者
峯岸 正勝 熊倉 郁夫 岩崎 和夫 少路 宏和 吉本 周生 寺田 博之 指熊 裕史 磯江 暁 山岡 俊洋 片山 範明 林 徹 赤楚 哲也
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.51, no.594, pp.354-363, 2003 (Released:2003-09-26)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

The Structures and Materials Research Center of the National Aerospace Laboratory of Japan (NAL) and Kawasaki Heavy Industories, Ltd. (KHI) conducted a vertical drop test of a fuselage section cut from a NAMIC YS-11 transport airplane at NAL vertical drop test facility in December 2001. The main objectives of this program were to obtain background data for aircraft cabin safety by drop test of a full-scale fuselage section and to develop computational method for crash simulation. The test article including seats and anthropomorphic test dummies was dropped to a rigid impact surface at a velocity of 6.1 m/s (20 ft/s). The test condition and result were considered to be severe but potentially survivable. A finite element model of this test article was also developed using the explicit nonlinear transient-dynamic analysis code, LS-DYNA3D. An outline of analytical method and comparison of analysis result with drop test data are presented in this paper.
著者
朝倉 こう子 濱﨑 俊光
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.474-484, 2015-11-25 (Released:2016-02-25)
参考文献数
12
被引用文献数
2
著者
漆畑 稔 倉沢 正樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.107, pp.28-30, 2006-09-10

——2月の日薬副会長選挙で落選が決まった直後に、「人物評価ではなく組織票に負けた」と話されました。落選をどう総括していますか。漆畑 あの時に話したことと今の考えは全く変わっていません。都道府県ごとの会員数で代議員数が決まり、その代議員が投票する選挙では、東京や大阪などの大票田を押さえた候補が勝つのは当たり前の話です。
著者
伊藤 毅志 板倉 貴章
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.31-36, 2015-09-18

チェスや囲碁・将棋のような完全情報確定ゲームを題材にした認知科学研究として,様々なレベルのプレイヤごとの思考過程の違いを比較した研究が行われてきた.本研究では,「氷上のチェス」と呼ばれるほど高度な戦略的思考を必要とされるカーリングを題材にして,プレイヤの思考過程の研究を行った.カーリングは,将棋などとは異なり,不確定要素を含むゲームであるが,その思考過程について確定ゲームと違いがあるかどうかを,「次の一手問題」を用いた認知科学的実験から検証していく.
著者
倉橋 耕平
出版者
近畿大学総合社会学部
雑誌
近畿大学総合社会学部紀要 = Applied sociology research review Kinki University (ISSN:21866260)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.47-58, 2013-03

[Abstract] This article treats the conflict of revisionism in court. Especially, the object is TV program "Series JAPAN Debut" broadcasted by NHK in 2009. Why does the plaintiff take proceedings against public broadcasting? And what does the case mean? To these questions, we can point out 2 ways of consideration. One is to start by considering the aspect of institution between the principle of tort liability in civic law and Broadcast Act. Another is the considering the way and the context of appearing the standpoint of the plaintiff on the scene. In the process, we will be able to have the conclusion; the mechanism doing the invocation of legal institution to claim own history recognition, and the changing the interpretation of the neutrality in Broadcast Act to aggressive logic.著者専攻: 社会学
著者
望月 祐志 坂倉 耕太 秋永 宜伸 加藤 幸一郎 渡邊 啓正 沖山 佳生 中野 達也 古明地 勇人 奥沢 明 福澤 薫 田中 成典
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.119-122, 2018 (Released:2018-01-30)
参考文献数
14
被引用文献数
8

We have been developing the ABINIT-MP program for the fragment molecular orbital (FMO) method. The list of inter-fragment interaction energies (IFIEs) is available from FMO calculations and is useful in analyzing the nature of interactions in a given target system. In this Letter, we summarize the current status of ABINIT-MP and also the machine-learning assisted analyses of IFIE data.
著者
倉石 一郎
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.360-369, 2007-09

高知県の「福祉教員」とは、戦後の新学制の発足直後の長欠・不就学問題対策のため配置され、その後同県の同和教育を担う人材を輩出した独特の教員制度である。本稿では、教育界の内と外の境界上に位置し、その開閉を通じて内外の調整をはかる存在という視点から福祉教員を位置づけ、その活動の軌跡の検討を通じて、長欠・不就学問題やその背後にある部落問題といった、教育実践の安定構造を脅かす危機(<社会>)に直面することによって教員の職分を画する境界にどのような変容が生じるかを考察した。分析から浮き彫りになったのは、境界を開いて問題状況を呈している子どもに、教育関係を媒介せずに直接的に働きかける側面と、その逆に自らが外部の盾になって遮断につとめ、かつての安定構造への回帰をもくろむ側面の両方であった。しかしこうした矛盾ともとれる両面性にもかかわらず、あるいはそれゆえに、福祉教員の足跡には多くの今日的示唆がある。
著者
戸ヶ里 泰典 米倉 佑貴 井出 訓 Taisuke Togari Yuki Yonekura Satoshi Ide
出版者
放送大学
雑誌
放送大学研究年報 = Journal of The Open University of Japan (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
no.33, pp.11-25, 2015

保健・看護系の大学院生が、効率的に必要十分な統計学的知識の定着をはかり、データ解析ができるための学習支援のプログラムの開発に向けて、本学の保健・看護系修士課程大学院生における、①統計解析の学習に関する意向とニーズを明らかにすること、②統計解析スキル向上に向けた演習を構築しその評価をすること、③良く質問され、かつ研究遂行上重要なQ&Aを探索し整備すること、の3点を目的とした。 目的①に対しては一定の統計解析を行って修士論文を作成した本学保健・看護系大学院生・卒業生13名を対象とした自記式質問紙ないし構造化面接調査を実施した。また、目的②に対しては極力わかりやすい解説の元、論文の結果表を読み取り、自身の研究データ解析に活用できる授業の構築、ならびに、参加者が自分の研究データを扱っている感覚でデモデータを分析する演習の構築を行い、終了後に感想を聞くとともに、目的①の質問紙調査において感想を聞いた。目的③については、新たに専用の統計相談窓口を設置し、統計解析に関する相談を受け付けることを通じて、どのような質問が寄せられるかを整理した。 修士論文作成に使用した統計解析ソフトウエアはR/Rコマンダーが6名、SPSSが5名、Excel統計が4名であった。統計解析方法については、教員からの指導に依存し、補足的に自学自習をしているスタイルであった。事例が豊富な教材を期待する声が大きかった。講義、演習については、概ね良好に受け入れられたが、回数が限られており分量が多く、スピードが速いといった指摘が見られた。統計相談の内容の傾向としては、量的変数として扱ってよい場合とそうでない場合、必要なサンプルサイズについて多く寄せられていた。 統計解析に関する知識を概観し、自己学習のきっかけをつくるうえでの講義授業は重要であることが伺われた。同様に自主演習をすすめるきっかけとしての演習授業も重要であることが伺われた。