著者
岩倉 いずみ
出版者
一般社団法人 日本女性科学者の会
雑誌
日本女性科学者の会学術誌 (ISSN:13494449)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.15-22, 2016 (Released:2016-03-29)
参考文献数
34

化学反応遷移状態を計測したいと思ったことはありませんか?人間の目で直接観測できない高速な現象を、高速ストロボを用いて可視化するように、化学反応に伴う結合生成過程や結合開裂過程を計測することは、化学者の夢でした。分子振動周期よりも十分に短い可視5-fsパルス光の出現により、分子振動変化を振動の実時間で計測することが可能になった。その結果、光反応に伴う分子構造変化を分子振動の瞬時瞬時の周波数変化として直接計測できるようになった。しかし、より一般的な熱反応遷移状態の光計測は課題として残されていた。本研究では、可視5-fsパルス光による誘導ラマン過程を利用することで、フェムト秒の時間領域で電子基底状態において液相分子の熱反応を瞬時に開始する手法(コヒーレント分子振動励起反応)を開発した。さらに、光反応のみならず、熱反応に伴う分子構造変化をも光計測したので報告する。
著者
棚次 亘弘 成尾 芳博 丸田 秀雄 秋葉 鐐二郎 倉谷 健治
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.13-54, 1983-03

宇宙科学研究所は昭和51年から行ってきた液水/液酸ロケット開発における最終段階の試験としてステージ燃焼試験を行った。ステージ燃焼試験は最初に7トン級エンジンと小形厚肉タンクシステムを用いて, 次に10トン級エンジンを用いて行った。これらのエンジンは昭和55年と56年にそれぞれ確認試験を行っている。ステージ燃焼試験は昭和56年10月から昭和57年4月に3期に分けて8回実施し, ステージシステムが計画した性能で自立運転状態になることを確認した。また, ステージシステムの起動と停止シーケンス, およびシステムの予冷運転の方法が確立され, タンクの推進剤を過不足なく消費するためのPU制御も試みられ良好な結果が得られた。
著者
後藤 徹 田崎 淳一 東谷 暢也 今井 逸雄 塩井 哲雄 丸井 晃 坂田 隆造 舟木 健史 堀川 恭平 安部倉 友 宮本 享 木村 剛
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.465-470, 2013 (Released:2014-09-13)
参考文献数
7

症例は77歳, 女性. 脳梗塞の既往あり, 胸部大動脈瘤 (70mm) を指摘され当院受診した. 手術ハイリスクのためステントグラフト内挿術 (thoracic endovascular aortic repair ; TEVAR) を施行した. 術前評価にてAdamkiewicz動脈がTEVARに伴い閉塞することが明らかであり, スパイナルドレナージ (cerebrospinal fluid drainage ; CSFD) を挿入したうえで, TEVARを施行した. 外腸骨動脈の石灰化および狭窄のため大腿動脈からのTEVAR用シース挿入困難であり, 後腹膜アプローチにて総腸骨動脈からシースを挿入し, TAGステントグラフトを留置した. シース抜去時に血管壁を損傷したため, 術中から輸血を要し, 外科的に修復して閉腹した. 術後, 播種性血管内凝固症候群 (disseminated intravascular coagulation syndrome ; DIC) となり輸血を要したが, 翌日に意識混濁と右共同偏視を認め, CTで右急性硬膜下血腫を認めたため, 緊急開頭血腫除去術を施行した. 開頭術後は頭部再出血および出血による神経学的後遺症は認めず, 輸血治療によりDICは改善した. TEVAR施行後にendoleakは認めず, 術後47日目に転院となった.  TEVARによる重篤な合併症の1つに対麻痺があるが, その予防目的にCSFDは有用な手段である. 急性硬膜下血腫はCSFDの予後にかかわる重大な合併症であるが, TEVARにおけるCSFD後の急性硬膜下血腫の頻度は報告されていない. 今回われわれは, 早期発見と他科との連携により後遺症を残さず救命に成功した症例を経験したので報告する.
著者
二宮 和彦 新倉 潤 佐藤 朗 寺田 健太郎 齋藤 岳志 松崎 禎一郎 友野 大 川島 祥孝 篠原 厚 久保 謙哉 齋藤 努
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.13-17, 2020-01-15 (Released:2020-01-15)
参考文献数
16
被引用文献数
1

大阪大学核物理研究センター(RCNP)ミューオン実験施設(MuSIC)から得られる,大強度の連続ミューオンビームを用いて,近年注目されている負ミューオンを用いた元素分析法の適用可能性を検討した。銅板で包まれた天保小判(19世紀,日本)について銅板を傷つけることなく,ミューオン特性X線の測定によって小判の金の含有率が53質量パーセントであることをわずか14分間の測定で同定した。本論文では,MuSICにおけるミューオン特性X線測定による元素分析の現状を概観する。
著者
島倉 聖朗
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2017年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.100340, 2017 (Released:2017-05-03)

1.研究の目的 日本における西洋音楽の受容ついては,他の多くの西洋文化と同様に,当時の交通事情に影響を受け,海外に向けた出入り口として,横浜,神戸といった港湾都市は独自の存在感をもっていた.横浜,神戸は,現在ともに「ジャズの街」や「日本のジャズ発祥の地」と標榜されており,どちらもジャズ輸入時期にその窓口となったと言われている.大正初期に横浜からサンフランシスコへの国内資本による太平洋航路において,客船内で音楽演奏をする,いわゆる「船の楽士」が日本へジャズをもたらしたことは,音楽史の分野での先行研究では明らかにされているが,地理学的視点で捉えた研究はほとんどない. そこで,本研究では,その「船の楽士」の活動に着目して,彼らの果たした役割,演奏技術の移転,その後の職業音楽家としての活動の場といった視点から,西洋音楽受容と横浜の関係性を明らかにすることを目的とする.2. 「船の楽士」の始まり 1912年(大正元年)8月,橫浜港よりサンフランシスコに向けて出航した東洋汽船の客船に,東洋音楽学校(現在の東京音楽大学)の卒業生らが,5人の小編成楽団を組み,主に昼食・夕食時に演奏した.私立の音楽学校は就職先を確保することが困難な時代,卒業生が外国航路の客船に乗船し,乗船客向けに演奏を提供できれば,働きながらも海外で新しい音楽を直接見聞できるということであった.彼らは「船の楽士」と呼ばれ,彼らの活動は,メンバーを変えながら大正年間を通じ,さらに昭和16年までの約30年間に渡った.クラシック,後にジャズと呼ばれるダンス音楽など幅広い音楽を吸収し,「船の楽士」を通じて日本国内に広まった.3. 演奏技術の習得と陸に上がった楽士の活動       サンフランシスコでは,楽譜,楽器,レコードを購入し,それらを日本へ持ち帰ったと同時に,停泊期間中に現地ホテルの専属楽団からの演奏指導,他国の客船楽団との交流を通じて新しい音楽技能を身につけた.初期の「船の楽士」は,陸にあがったのち,乗船時代の経験を生かし,東京銀座の活動写真館での無声映画伴奏をはじめ,帝国ホテルなどにおけるサロン音楽演奏のオーケストラのメンバー,浅草の劇場でのオペラ演奏楽団員,横浜鶴見にあった花月園ダンスホールの専属バンドのメンバーとして活動した.これが昭和に入ると,カフェーやダンスホールなどでのジャズ演奏家に転じるものも出てきて,日本ジャズ創世期を担った.4. 結論「船の楽士」は,現在でいうところの「ジャズ」を完成された形で輸入したわけではなく,その時々に流行したダンス音楽の影響を受け,ジャズに転じたことが明らかになった.また,横浜は,海外からの文化の出入り口であったが,外国人が文化をもたらすだけでなく,横浜港から海外に出て行き,帰ってきた日本人によって海外の文化が日本にもたらす場としての二面性を持っていたことも明らかになった.〔文献〕大森盛太郎(1986) 『日本の洋楽1』新門出版社瀬川昌久+柴田浩一(2015) 『日本のジャズは橫浜から始まった』一般社団法人ジャズ喫茶ちぐさ・吉田衛記念館武石みどり(2006) 「ハタノ・オーケストラの実態と功績」お茶の水音楽論集 2006-12 お茶の水女子大学
著者
田中 理恵 河村 麻衣子 袴塚 高志 花尻(木倉) 瑠理
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.5, pp.739-750, 2020-05-01 (Released:2020-05-01)
参考文献数
21
被引用文献数
8

To prevent the abuse of new psychoactive substances (NPS), a total of 2372 substances and two plants are controlled as “Designated Substances” in Japan as of September 2019. Although the distribution of these substances has decreased for the past three years, newly-emerged NPS are still being found. In this study, we detected four lysergic acid diethylamide (LSD) derivatives as designer drugs from four paper sheet products, which were obtained from 2014 to 2017 in Japan. The compounds were identified as 4-Acetyl-N,N-diethyl-7-methyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (ALD-52), N,N,7-triethyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (ETH-LAD), 7-Allyl-N,N-diethyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (AL-LAD), N,N-diethyl-7-methyl-4-propionyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (1P-LSD), by GC-MS, LC-MS, LC-Q-TOF-MS and NMR analyses. Further, we studied the extraction methods of LSD derivatives from paper sheet, and the analytical conditions of GC-MS, LC-MS and LC-FL(fluorescence). Among LSD derivatives, 1P-LSD have been controlled as designated substances (Shitei Yakubutsu) under the Pharmaceutical and Medical Device Act in Japan since April 2016. For the legislation of the other derivatives identified in this study, the evaluation of their pharmacological properties are now in progress.
著者
増村 千佐子 今井 貴夫 真貝 佳代子 滝本 泰光 奥村 朋子 太田 有美 森鼻 哲生 佐藤 崇 岡崎 鈴代 鎌倉 武史 猪原 秀典
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.72-78, 2017-04-30 (Released:2017-06-01)
参考文献数
15

The differential diagnosis for positional dizziness/vertigo, such as vertigo upon waking up or standing up, includes benign paroxysmal positional vertigo (BPPV), orthostatic hypotension (OH), autonomic dysfunction, and so on. A correct and efficient diagnosis of this condition is important. The purposes of this study were to clarify in which cases is a Schellong test the optimal means of diagnosing OH among patients with positional vertigo and to obtain specific answers to our original questionnaire on dizziness/vertigo among OH patients. All the patients who visited our office complaining of dizziness/vertigo between 2012 and 2015 were asked to perform the Schellong test and to complete our questionnaire. We used a conventional BPPV diagnostic maneuver to diagnosis BPPV. The results were analyzed statistically. A total of 309 cases returned analyzable questionnaire results. Overall, 38 cases were finally diagnosed as having certain BPPV based on the observation of positional nystagmus; 104 cases tested positive using the Schellong test. None of the items in the questionnaire were correlated with either a positive or negative Schellong test result. When 13 Schellong test-positive cases were excluded from the certain BPPV group, three answers to the questions in the questionnaire differed significantly between the certain BPPV group and the Schellong test-positive group. These answers were as follows: a waking up/lying down movement or rolling over in a supine position triggers vertigo, and a specific head position exacerbates vertigo. In conclusion, when a patient complains of vertigo upon waking up or standing up, the following two specific questions should be asked: “Is your vertigo triggered by waking up/lying down or by rolling over in a supine position?” and “Does a specific head position exacerbate your vertigo?” If a patient answers ‘yes’ to either of these questions and positional nystagmus is not observed, a Schellong test should be performed to diagnose OH.
著者
椋本 介士 福田 明 吉廣 安昭 中野 啓 大市 聡 長澤 正氏 山岸 久雄 佐藤 夏雄 門倉 昭 YANG H YAO M ZHANG S HE G JIN L
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.636, pp.13-18, 2004-01-23
被引用文献数
5

本稿では,筆者らが南極大陸で行っている流星バースト通信実験の内,第43次南極観測隊が行ったデータ伝送実験の概要とその実験結果を報告する。この実験は, MCC社の通信装置を用いて中山(中国)一昭和基地間で行われた。実験結果から,南極域(オーロラ帯)でも,流星バースト通信によるデータ伝送が可能であることが示される。また,この地域では,不定期ではあるが定常的に流星バーストによるものとは異なる伝搬現象が発生し,データ伝送に利用できることが示される。
著者
長澤 正氏 椋本 介士 福田 明 吉廣 安昭 中野 啓 大市 聡 山岸 久雄 佐藤 夏雄 門倉 昭 YANG Huigen YAO Mingwu ZHANG Sen HE Guojing JIN Lijun
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.636, pp.19-24, 2004-01-23
被引用文献数
5

43次南極観測隊により2002年4月から2003年3月にかけて南極域における流星バースト通信路の性質を調査するためにトーン送受信実験が行われた.観測データの解析の結果,南極域に於いても通信に利用可能な流星バースト通信路が発生すること,また16時から24時(UTC)にかけて流星とは異なる伝搬現象が頻繁に現れ,これも通信に利用できる可能性があることが明らかになった.本論文ではトーン実験の結果から南極大陸におけるこれらの見通し外通信路の統計的な性質について報告する.
著者
庄司 一郎 倉沢 文夫 浜野 真理子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.415-419, 1986

電気自動圧力鍋を用いて精白米を炊飯した際の炊飯特性について検討し, 次の結果を得た.<BR>1) 圧力鍋炊飯は, 常圧釜炊飯に比して温度上昇が早く, 内部温度が高く, 炊飯時問が短い.<BR>2) 圧力鍋による飯は, 粘りが強く, 黄色味をおび, 老化速度がおそい傾向を示した.<BR>3) 圧力鍋炊飯が常圧釜炊飯より粘りが強いのは, 高温加熱により, 飯粒の組織が崩壊し, そのため飯粒の周囲部に付着するデンプン量が多く, これが粘りの原因と考えられる.<BR>4) 圧力鍋炊飯は, 粘りが強くなることが特徴であり, 粘りの少ない米での食味改善が期待できる.
著者
石倉 智樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.565-570, 2010-10-25
参考文献数
14

パンデミックは人類の歴史上繰り返し発生し、大きな健康被害とこれに伴う社会的影響をもたらしてきた。近年でも、高病原性インフルエンザ(A/H5N1型)の流行など、世界的な感染症流行の拡大が生じている。パンデミックが生じると、都市の社会機能や経済活動の混乱が起きる。パンデミックが発生した際には、ワクチンの開発には最低でも3~6ヶ月はかかると言われている。それまでの間、感染拡大を抑制または遅延させるための有効な政策として、公共交通の停止や学校閉鎖といった人々の活動制限が考えられる。一方でこれらの政策は、経済活動の縮小を伴うものであり、行うタイミングを誤れば効果が半減するだけでなく、経済活動へ大きな損失を与える。すなわち、活動制限による適切な政策効果を得るためには、政策実施を適切なタイミングを把握することが求められる。そこで、本研究は、パンデミック時の、特に初期の段階、すなわちワクチン生産等の医療対策が整っていない段階において、公共交通の停止や地域間境界閉鎖のような水際対策などの社会経済活動制限を行うか否かの判断、および活動制限の最適な実施タイミングを導出する方法論を提案する。
著者
倉方 俊輔
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.67, no.558, pp.279-284, 2002-08-30 (Released:2017-02-04)

This study aims to clarify architectural works of Chuta Ito (1867-1954) known as the first Japanese architectural historian and critic. This paper treats his works in the end of the Meiji era. As the result below mentioned 3 points become clear. 1) Definite shapes of 2 uncomfirmed works and detailed processes of forming 3 works. 2) After he returned from his travel to Asia and Europe(1902-05), he started to design introducing various Asian styles. 3) It was the method of its designing to arrange a compromise between historical architecture forms and design of details chosen in historical context.
著者
東山 薫 IMUTA Kana SLAUGHTER Virginia 北崎 充晃 板倉 昭二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.440, pp.103-107, 2015-01-30

心の理論研究は,誤信念課題の通過年齢におけるメタ分析が行われるほど膨大なデータが揃った。その結果,最もデータ数の多い欧米を基準とするとオーストラリアの子どもはそれより早く,日本の子どもは最も通過が遅れることが明らかになった。Naito & Koyama(2006)は,日本語は心的状態語を明確には表現しないために心の理論の発達が遅れると指摘したが,各文化内における検証はなされていても,文化間において共通の文脈下で検証している実証研究はない。子どもの心の理論の発達には母親の言語使用が密接に関わっていることから大人の言語使用についての文化差を見ることが重要だと考えられる。欧米よりも通過が早いオーストラリア,そして最も遅れる日本の文化差の原因を言語使用から検討する。
著者
赤倉 康寛 瀬間 基広
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.369-382, 2010 (Released:2010-08-20)
参考文献数
28

中国・インド等の旺盛な資源需要を背景に,石炭,鉄鉱石,穀物等のドライバルク貨物を輸送するバルクキャリアの大型化が,急激に進展している.我が国産業の国際競争力の維持・強化や,より安定した食糧原料の供給のためには,この大型化動向に対する我が国港湾の対応方策を,十分に検討しておく必要がある.一方,ドライバルク貨物輸送は,特定荷主のための不定期輸送であり,その情報は非常に限られている.以上の状況を踏まえ,本研究は,バルクキャリアの大型化動向の分析,我が国港湾施設の輸送船大型化に対する制約状況の把握,大型化による輸送コスト削減効果の算定により,我が国への三大バルク貨物輸送船の大型化に向けた方策について考察したものである.