著者
石原 哲 小林 覚 前田 真一 斉藤 昭弘 兼松 稔 栗山 学 坂 義人 河田 幸道 小口 健一 小林 克寿 出口 隆 北島 和一
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.24, no.9, pp.1291-1295, 1991-09-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
15

血液透析患者における膿尿, 細菌尿の実態を知る目的で, 尿路感染症の急性症状を示さない時期に尿検査を実施した結果を報告する.尿沈渣白血球数は5コ/hpf以上が59.7%, 10コ/hpf以上が43.5%, 細菌尿は104CFU/ml以上が29.8%, 105CFU/ml以上が21.0%と, いずれも高頻度であった. 膿尿, 細菌尿の頻度に有意な性差はなかった. 腎炎群, 糖尿病腎症群間にも有意差は認められなかったが, 多発性嚢胞腎が原疾患である症例では, 膿尿, 細菌尿の程度が高い傾向が認められた.1日尿量と膿尿および1日尿量と細菌尿の分布および統計学的検討より, 少なくとも1日尿量400ml以下の場合には通常の基準を用いて感染尿の決定をすることは好ましくないと考えられた.
著者
末永 隆次郎 前田 勝義 山田 統子 沖 真理子 照屋 博行 高松 誠
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.134-146, 1986-07-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

過去のいちごハウス栽培者の健康調査成績から, いちご栽培作業では、腰部等への負担の大きいことが推測された。そこで、年間を通してのいちご栽培者の生活時間構造を明らかにするとともに、収穫i期における収穫作業と選果・箱詰作業について、腰部を中心とした労働負担の調査を実施した。作業姿勢の面からみると, 収穫作業においてはいちごの生物学的制約から中腰姿勢を強いられ, 選果・箱詰作業では畳の上などでの坐位姿勢が中心であった。そして, いちご栽培者の腰部等への負担を明らかにするために, なす栽培者を対照として自覚症状および疲労部位調査を実施するとともに, 脊柱の柔軟性の測定を行なった。その結果, いちご栽培者は腰部に関する疲労症状の有訴率が高く, 脊柱の柔軟性も劣ることが明らかとなった。次に, いちごの収穫時と選果・箱詰時の代表的.な作業姿勢を実験室内で再現し, 表面筋電図を用いて筋負担の程度を検討した。また, 収穫時に無意識にとられていた “肘一膝” 中腰姿勢については, 腰部等への負担軽減姿勢と考えられたが, 筋電図による解析結果と生体力学的解析結果とから判断して, この姿勢は筋負担の軽減よりも, むしろ腰仙関節にかかる力のモーメントの軽減, すなわち骨, 関節, 靱帯などに対する負担の軽減によるものと推測された。最後に, いちご栽培者の腰部を中心とする慢性局所疲労の軽減策について考察を加えた。
著者
前田 祐希 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
Journal of Computer Aided Chemistry (ISSN:13458647)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-10, 2011 (Released:2011-02-16)
参考文献数
18

光電極を用いた水分解による水素製造法は二酸化炭素をほとんど副生せずに太陽光エネルギーを水素に変換するための方法であり、その活用が期待されている。しかし、光電極に用いる光触媒に関する研究は盛んに行われている一方、反応器に関する研究はほとんどなされていない。そこで本研究では、光電極による水素製造装置を設計することを目的とした。反応器において高効率な反応を達成するためには、反応器の構造パラメータを反応に対して適切に決定する必要がある。このような反応器の最適設計問題に対して、流体シミュレーションが有効な手段の一つとなる。しかし、流体の流れが反応に有利な状態を形成するように反応器の構造を決定するためには、多くのシミュレーション回数が要求される。特に一回当たりの計算時間が長いシミュレーションを用いる場合、その高い計算コストが障害となる。そこで本研究では、シミュレーション結果を統計解析し、構築した統計モデル(メタモデル)を利用する事でシミュレーション回数を抑制しながら反応器の最適設計を行うことを試みた。本研究で解析の対象である光電極による水素製造装置は、効率的な反応を達成するために最適化を行うべき応答因子が複数存在し、それぞれの因子がトレードオフの関係にあるという特徴を持っている。そのため、反応に有利な構造パラメータを決定する事は困難と考えられていた。しかし、メタモデルの構築と遺伝的アルゴリズムによる多目的最適化により、100回の流体シミュレーションから構造パラメータのパレート最適解を導出した。またこの解析により、統計手法による流体シミュレーションの反応器設計への効率的な適用の可能性を示した。
著者
鈴木 雄太 浦辺 幸夫 前田 慶明 笹代 純平 森田 美穂
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.209-212, 2016 (Released:2016-04-29)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

〔目的〕競泳選手と非競泳選手の上肢挙上時の脊柱アライメントの変化の違いを探るため,立位とストリームライン(以下,SL)での脊柱アライメントを比較した.〔対象〕競泳群26名,非競泳群20名とした.〔方法〕Spinal Mouse®を用いて立位とSL立位の胸椎,腰椎および骨盤のアライメントの変化量,SL立位での上肢挙上角度を測定した.〔結果〕競泳群では上肢挙上角度が大きな対象ほど,胸椎の後弯,腰椎の前弯,骨盤の前傾が小さかった.非競泳群では,いずれの変化量も上肢挙上角度と有意な相関は認められなかった.〔結語〕上肢挙上角度が大きい競泳選手は胸椎の伸展運動によって腰椎前弯と骨盤前傾を小さくすることが可能であることが示された.
著者
前田 一雄
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.2, no.5, pp.322-327, 1988-05-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
21

超音波診断装置の安全性は厚生省研究班, JIS, 日本超音波医学会見解に示されているとおりである. 新しい血流計測ドプラ法では, やや高出力のロングパルスを用い, 米国FDAは1976年当時の出力を基準とした規制を行っている. 超音波の作用閾値は種々の生体作用実験により検討されているが, 診断装置の進歩に伴い新しく計測パラメータと計測方法がIECやWFUMBなどで検討されており, 今後急速に進展をみるものと期待される.
著者
遠矢 将太郎 園田 達彦 前田 憲成
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.201-206, 2022-03-05 (Released:2022-05-11)
参考文献数
10

Nucleic acid extracted from environmental samples is an important analyte in instrumental analysis. With respect to the phenomenon in which sodium tungstate promotes the methane production in anaerobic digestion, the analyses of microbial community using RNA were conducted; however, we noticed that only RNA concentration measured by absorbance measurement (NanoDrop) was remarkably high. Therefore, in this study, DNA and RNA were extracted from the anaerobic digestion sludge samples with sodium tungstate, sodium selenite, or sodium molybdate, and these nucleic acids were quantified and compared by absorbance measurement, fluorescence measurement (Qubit), and gel electrophoresis. Interestingly, it was found that only the RNA concentration of the sample containing sodium tungstate measured by NanoDrop was 3 times higher than that by Qubit analysis. In addition, there was no difference between the RNA concentration measured by Qubit and gel electrophoresis. Regarding DNA concentration and the other compounds, there were no differences. Hence, these results indicate that the Qubit system is useful for the quantification of the RNA concentration in the environmental samples.
著者
赤池 孝章 野口 陽一郎 前田 浩
出版者
熊本大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

ウイルス感染病態における一酸化窒素(nitric oxide,NO)の役割を解析するため、マウスインフルエンザウイルス肺炎モデル、ラット狂犬病ウイルス/単純ヘルペス脳炎モデルを作製し、各ウイルス感染病巣におけるNOの過剰生成を解析し、NO合成阻害剤であるN^G-monomethyl-L-arginine(L-NMMA)を投与し、生体内のNO合成を制御することで、ウイルス感染病態がどのように修飾されるかを検討した。その結果、マウス、ラットの肺、および脳内において、ウイルス感染に伴い誘導型NO合成酵素(NOS)が強く誘導されることが、誘導型NOSのcDNAプローブを用いたRT-PCR/Sourthern blot法、およびNorthern blot法により明らかとなった。また、ウイルス感染局所におけるNO生成を電子スピン共鳴(electron spin resonance,ESR)法により、110Kにて解析したところ、過剰に産生したNOに由来するNO-ヘモグロビンアダクトの有意な生成が認められ、これは、NOS阻害剤であるL-NMMAを動物に投与することにより著明に抑制された。さらに、L-NMMA投与により、インフルエンザウイルス感染マウスの生存率が有意に改善(100%致死率→50%生存)した。以上の知見より、マウスインフルエンザウイルスをはじめとする各種ウイルス感染の病原性発現機構において、NOが重要な増悪因子として作用していることが明らかとなった。
著者
前田 光一 三笠 桂一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.3497-3502, 2011 (Released:2013-04-11)
参考文献数
8

日本呼吸器学会の院内肺炎ガイドラインは,2002年の初版の検証をもとに2008年に改訂されて現在のものとなっている.2008年版ガイドラインでは重症度分類が予後に基づくものに変更され,各群における抗菌薬の選択とPK/PDを考慮した投与法,わが国の医療事情に即したde-escalationの方法が提唱された.ただし,わが国でも医療・介護関連肺炎の概念が導入されたことから,さらにその内容の見直しが今後も必要となる.
著者
前田 拓生 阿部 嶺一 保井 俊之
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.29-44, 2021 (Released:2022-03-31)
参考文献数
17

本研究では、群馬県西毛地域の内、高崎市及び富岡市をコミュニティ経済と捉え、SDGsの「11住み続けるまち」として西毛地域が持続可能であり続け、当該コミュニティの価値や理念の実現に貢献できる地域通貨を如何に設計していくべきかについて考察を行った。その際、地域通貨が、コミュニティ経済の共創と活性化を進めるためには、栗田(2020)がいう互酬性をはかる必要があることから、PEACECOINを模した紙ベースの割引クーポン券を配布し、当該割引クーポン券を利用する人々の主観的ウェルビーイングを観測することにより、互酬性に関する検証を試みた。
著者
野山 広 岩槻 知也 石黒 圭 藤田 美佳 石川 慎一郎 横山 詔一 前田 忠彦 名嶋 義直 大安 喜一 石井 恵理子 佐藤 郡衛
出版者
大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、現在の社会状況や多様な言語・文化背景を持った日本語使用者が共存・共生する時代に応じた(約70年ぶりの)日本語リテラシー調査(主に読み書きの力に関する調査)の実施に向けて、調査方法の開発を目指す。そのために、以下の1)~3)の実態調査(国内外)、コーパス構築、学際的な観点(基礎教育保障学、日本語教育学、生涯学習論、統計科学、異文化間教育などの多様な分野)からの分析・検討、国際シンポジウム等を実施するとともに、調査の在り方(方向性)や姿勢の追求(追究)、調査方法の開発、試行調査を行う。1)日本語使用の実態調査2)コーパス構築とデータ分析3)調査方法の開発
著者
山本(前田) 万里 奥田 祐 大菅 武 物部 真奈美
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.586-591, 2014-12-15 (Released:2015-01-31)
参考文献数
33

茶葉中の健康機能性成分であるメチル化カテキン,エピガロカテキン(EGC),テアニンを給茶機RICH+®を用いて短時間で自動抽出する条件を検討した.最適抽出条件と飲用カップ1杯(120 mL)当たりの最大抽出量は次のとおりであった.茶葉中にメチル化カテキンを1.7 %含有する「べにふうき」緑茶1.9 gを94°C20秒間攪拌抽出することによって19 mgのメチル化カテキンが抽出された.EGC/EGCG含有比1の「ゆたかみどり」緑茶1.5 gを10°C30秒間攪拌抽出することによってEGC/EGCG含有比2.5のEGC 39 mgが抽出された.テアニンを1.4 %含有する「さえみどり」緑茶1.7 gを65°C20秒間攪拌抽出することによってテアニン20 mgが抽出された.メチル化カテキン,EGCに関しては,健康機能性が期待される1日必要成分量のおよそ 1/2量であった.
著者
樋口 仁 若杉 優花 川瀬 明子 前田 茂 宮脇 卓也
出版者
一般社団法人 日本歯科麻酔学会
雑誌
日本歯科麻酔学会雑誌 (ISSN:24334480)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.81-96, 2021-07-15 (Released:2021-07-15)
参考文献数
19

【要約】 緒言 : アーティカイン塩酸塩 (アルチカイン塩酸塩) は, 歯科治療に際して世界的に広く使用されているアミド型の局所麻酔薬であるが, 現在日本では薬事承認を受けていない. そこで本邦での歯科用アルチカイン製剤 (OKAD01) の導入を目指し, OKAD01を日本人の口腔粘膜下に投与した際の安全性および血中薬物動態を検討するため, 日本人を対象としたOKAD01の第Ⅰ相試験を行った. 方法 : 健康な日本人成人男性を対象とした. OKAD01 1カートリッジ (1.7ml) および3カートリッジ (5.1ml) を口腔粘膜下にそれぞれ6名ずつに投与した. OKAD01投与前, 投与終了15, 30, 60分後, および2, 4, 12, 24時間後の血漿中アルチカイン濃度の測定を行った. またOKAD01投与前, 投与後に臨床検査, バイタルサインなどの測定を行い, OKAD01投与による有害事象を検討した. 結果 : 1カートリッジ群の薬物動態パラメータ値 [平均値±標準偏差 (最小値-最大値)] は, 最高血中薬物濃度 (Cmax) が374.35±97.65 (252.7-514.5) ng/ml, 最高血中薬物濃度到達時間 (Tmax) が0.25±0.00 (0.25-0.25) hであった. また3カートリッジ群では, Cmaxが694.00±175.23 (517.9-970.4) ng/ml, Tmaxが0.42±0.13 (0.25-0.5) hであった. 有害事象は1カートリッジ群に 「頭痛」 が1件認められたが, OKAD01との因果関係はなしと判断された. 結論 : OKAD01を日本人の口腔粘膜に投与した際のCmaxは, 本治験の安全域とした5.0 μg/ml未満であることが確認された. また, OKAD01に関連した有害事象は認められず, OKAD01は, 20歳以上の健常日本人男性に対して忍容性が認められ, 安全性に問題はないと考えられた.
著者
宮本 いずみ 貝沼 純 前田 浩
出版者
久留米大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

看護師以外の職種が手術の器械出し業務を行っているがその職種の違いによる器械出し業務の実態は明確にされていない。本研究の目的は、職種別の器械出し業務の現状と器械出し時の状況判断とアセスメントを明らかにする。全国の器械出し業務従事者に,郵送法にて器械出し業務に関する質問紙調査を実施した。質問紙の回収は629人。235人が看護師以外の職種も器械出しをしていると回答し,医師81名,臨床工学技士81名,医療器材を取り扱う業者5名などであった。その理由は,看護師不足が最も多かった。看護師以外の職種は看護師と同じように器械出し業務を実施していることが明らかとなった。
著者
森田 明理 前田 晃
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

大規模分子疫学的調査:人種差による環境因子(喫煙、紫外線、大気汚染)に対する皮膚老化の差違(ドイツ・デュッセルドルフ大学環境医学研究所との共同研究)-JAGE project(JAGE=Study of extrinsic skin ageing of Japanese and German women)の疫学調査をすすめ、解析をすすめた。ドイツ人では早期にしわができやすく、日本人ではしみができやすいこと、しみに関しては大気汚染との関連が統計上明らかとなった。また、喫煙としわの関係が明らかとなった。JAGE2として、都市と郡部での皮膚老化に対する違いを検討する予定である。また、喫煙者のTH17が末梢血中に多いことが明らかとなり、乾癬、掌蹠膿疱症でTH17が末梢血中で上昇していることが明らかとなり、タバコ煙抽出液でTh17が誘導されることが明らかとなった。さらに、タバコの煙には3800以上の成分があるともいわれ、水溶性以外に水不溶性の成分が含まれる。その中には、Aryl hydrocarbon receptor(AhR)のシグナル伝達経路を活性化するものが含まれていることが推定されている。タバコ煙抽出液の水不溶性成分とAhRの関係を分析するために、ヘキサンに溶解するタバコの煙抽出液(ヘキサン抽出液)を作成し、培養人繊維芽細胞を使用した。ヘキサン抽出液は、AhRのシグナル伝達経路であることを示すチトクロームP1B1(CYP1B1)発現を有意に上昇させ、また有意にMMP-1発現誘導した。また、AhRノックダウンした細胞では、タバコ煙抽出液の添加で、MMP-1の上昇はなく、AhR経路の活性化によってMMP-1表現を誘導することを明らかとなった。このことは、タバコ煙がAhR経路を活性化することを示しただけでなく、AhR経路が、環境因子による皮膚老化に関与することを示唆するものである。
著者
井上 廉 坂井 義和 浅野 稔久 前田 弘
出版者
CRYOGENICS AND SUPERCONDUCTIVITY SOCIETY OF JAPAN
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.163-170, 1995-04-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

Recently, we successfully developed a new Cu-Ag microcomposite alloy with a promising combination of high mechanical strength and high electrical conductivity. When a Cu-16 at% Ag alloy ingot was cold-worked into a wire or a sheet with several times of intermediate annealing at 350-450°C, it shows high conductivity of 75-83% IACS and a high tensile strength of 0.7-1.1GPa at room temperature. These values are superior to those of Cu-Nb microcomposite alloy. The Cu-Ag microcomposite alloy shows excellent mechanical strength with cold work of over 93% areal reduction ratio, while a very heavy cold work of more than 99.97% areal reduction ratio is necessary for realizing such mechanical strength in the Cu-Nb microcomposite. A further advantage of the Cu-Ag microcomposite is easy casting of the alloy ingot, resulting in excellent homogeneity of the microstructure and, therefore, the properties in the alloy wire and sheet. We wound the Cu-Ag microcomposite alloy wire into several pulsed magnets. One of them generated non-destructively 73.4T with duration time of 5msec in a 10mm bore. An other one generated non-destructively 65.3T with duration time of 100msec in a 16mm bore. The feasibility study of the Cu-Ag microcomposite alloy sheet as Bitter magnet sheets is progressing now in collaboration with the Francis Bitter National Magnet Laboratory and the National High Magnetic Field Laboratory. A steady field of 35.2T could be generated by inserting the Cu-Ag microcomposite alloy Bitter sheets into the highest-field region in Hybrid III of FBNML. These pulsed fields and the steady one are world records as of this writing.
著者
前田 憲寿
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.3-10, 2012 (Released:2012-02-22)
参考文献数
22
被引用文献数
2

肌の見た目や肌表面の状態は,肉眼やマイクロスコープで見れば明らかである.しかし,より詳細に皮膚の状態を観察するためには,何らかの方法で皮膚の特徴を抽出して解析する技術が不可欠である.本稿では,美容皮膚科や機能性化粧品分野において有用な分光・偏光イメージング技術を用いてシミと微小循環血流の状態を画像表示して解析する方法について紹介する.紫外線または青緑色光を利用して皮膚を撮影し,さらに独自の成分解析法を適用することによって,メラニンやヘモグロビンなどの光吸収成分の分布を画像表示することができる.たとえば,紫外線ストロボを用いると,シミの状態を解析することができ,皮膚に青緑色光を入射させることで毛細血管網の状態を解析することが可能である.微小血管観察装置を用いて頭皮を観察したところ,毛髪の多い部位には微小循環(毛細血管)が観察されたが,毛髪が少ない部位には微小循環はほとんど観察されなかった.