著者
土屋 俊 竹内 比呂也 佐藤 義則 逸村 裕 栗山 正光 池田 大輔 芳鐘 冬樹 小山 憲司 濱田 幸夫 三根 慎二 松村 多美子 尾城 孝一 加藤 信哉 酒井 由紀子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、今後の学術情報流通環境における大学図書館の役割を追求し、大学の教育研究の革新という観点から検討を行うとともに、それを実現するための要件を明らかにし、「2020年の大学図書館像」を描き出すことを目的とした。そのために大学図書館における情報サービス(NACSIS-ILL)と情報資源管理(NACSIS-CAT)の定量的、定性的分析を行い、時系列的変化を明らかにするとともにその要因について考察した。これらを踏まえ、さらにシンポジウムなどを通じて実務家からのフィードバックを得て、「2020年の大学図書館像」について考察した。
著者
加藤 由樹 加藤 尚吾 赤堀 侃司 Yuuki KATO Shogo KATO Kanji AKAHORI 東京工業大学 東京工業大学 東京工業大学 Tokyo Institute of Technology Tokyo Institute of Technology Tokyo Institute of Technology
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 = Journal of social informatics (ISSN:13440896)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.17-33, 2007-09-30

本研究では,電子メールに注目し,電子メールの書き手の性別が読み手の感情面に及ぼす影響について検討した。本研究では,実験Iと実験IIを実施し,それぞれで得られた結果を考察した。実験Iでは,電子メールの書き手の性別がわかっているときの読み手の感情面について分析した。また,実験IIでは,電子メールの書き手の性別がわからないときの読み手による書き手の性別判断と,読み手の感情面について分析した。両実験で得られた主な結果は,顔文字の使用が,性別の差の指標になっている可能性が示唆されたことである。そのため,提示されたメール文の書き手の性別とそのメール文の内容が,合っている場合に快感情を生じ,合っていない場合に不快感情を生じた。また,男性,女性の両被験者において,性別判断の結果に最も影響を及ぼしたのは,メール文における顔文字の有無であった。This study examined the influence of e-mail senders' gender on recipients' emotional aspects using university students, and it is twofold consisting of Experiments I and II. In Experiment I, the authors analyzed the emotional elements related to the e-mail readers with revealing the gender of writers. In Experiment II, the subjects were asked to identify the gender of e-mail writers; here further analysis was done on the ways the readers identified the gender of writers and the emotional elements related to the readers under such a condition. The major finding from the two experiments is the possibility of emoticons serving as index for gender identification. Actually, the existence of emoticons in the e-mails affected the subjects' gender identification most significantly regardless of the subjects' gender. In addition, when the subjects felt that the "assumed" gender of a writer suited the content of corresponding e-mail, pleasant/favorable emotions were generated, whereas when they didn't match, unpleasant/unfavorable emotions were caused.
著者
加藤 尚吾 加藤 由樹 小林 まゆ 柳沢 昌義
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.31-39, 2006

本研究では,電子メールにおける顔文字の機能である,感情を相手に伝える役割に注目した調査を行った.具体的には,女子大学生24名に,163種類の顔文字を提示して,それぞれの顔文字から解釈される感情を尋ねた.この調査で得られたデータを用いて,それぞれの顔文字から解釈される感情の種類の数をカウントし,感情解釈の種類の多い顔文字と,感情解釈の種類の少ない顔文字の差異について,検討を行った.主な結果として,ポジティブ感情を表す顔文字の方が,ネガティブ感情を表す知見から,ポジティブ感情を表す顔文字の方が,感情的な誤解やすれ違いを生じにくい可能性のあることが示唆された.しかし,書き手の感情状態を表す役割として顔文字を捉えると,顔文字には,感情解釈の幅の広いものと限定的なものがあり,注意を要することも分かった.
著者
加藤 由樹 加藤 尚吾 赤堀 侃司
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.35-43, 2006
被引用文献数
2

本論文では,携帯メールにおけるコミュニケーションで喚起する感情の中で,特に「怒り」の感情に注目した.「怒り」の感情は,コミュニケーションで生じる感情的なトラブルに密接に関連する.従って,この感情について分析することで,感情的なトラブルを回避するための示唆を得ることが期待できる.本研究では,三つの調査を行った.調査Iでは,普段の携帯メールの使用における「怒り」の感情に関する経験を調査した.次に,調査IIでは,調査Iで得られた結果から,携帯メールにおける返信時間と「怒り」の感情について調べるために,携帯メールとパソコンによる電子メールとを比較する調査を行った.そして,調査IIIでは,携帯メールにおいて,顔文字の不使用および短いメール文が「怒り」の感情へ及ぼす影響を調べるために,これら二つの要因を操作したメール文を被験者に提示し,生じる感情を調査した.全体的な結果として,顔文字の有無以上に,短文で書かれた携帯メールの場合に,被験者は,「悲しみ」や「怒り」をより感じ,「嬉しさ」をより抑える傾向があり,短文かどうかの要因が,感情により影響を持つことが示唆された.
著者
細谷 実 加藤 千香子 小玉 亮子 熊田 一雄
出版者
関東学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究が4年間に予定していた計画と、それぞれにおいて得られた成果は以下の通りである。(1)近現代日本の言説空間においてどのような男性性がたちあらわれ、どのような社会的事象を生みだしたのか、またそれぞれの男性性がどのような布置の中で競合・協働してきたのか、という全体像のマッピング:新聞雑誌等の文献大量調査については、1930年代『東京朝日新聞』『東京日日新聞』等にあらわれた「モダン・ボーイ」と「三勇士」言説の分析、明治期『愛国婦人』における兵士言説分析、中学校同人誌r初雁』における「青年」言説分析などをおこなった。一方で教科書や育児書などの分析は完全に終了せず、今後の課題となった。したがって、競合・協働の全体像のマッピングの完成までにはまだ必要な作業が残されているが、研究協力者等よりアメリカやドイツの男性史の知見について専門的知識の提供を得たことで、全体像についての仮説提示までにはいたることができた。(2)男性性の歴史的構築におけるキーパーソン達についての人物研究を行い、個別の思想についてのより具体的で詳細な考察を深め、かっそれを(1)で明らかにした近現代日本における男性性問の競合・協働の全体像の中に位置付ける:大町桂月、出口王仁三郎、山田わか、石川啄木、福沢諭吉、新渡戸稲造、中山みきなど、さまざまな人物研究を行なった。その結果、国民軍形成過程における「武士形象」と「男」であることとの複雑な関係性など、新たな知見を1獲得した。(3)(1)(2)の成果を公刊し、また成果に関するシンポジウムを開催する:2003年度に年次報告書『モダン・マスキュリニティーズ2003年』を刊行・頒布したことで、男性史への関心をひろく喚起することができた。シンポジウムについては、ジェンダー史学会のシンポジウム参加などを行なったものの、本研究プロジェクト単独での開催には至らず、今後の課題となった。
著者
山崎 亮輔 浅木 信吾 馬場 暁 大平 泰生 新保 一成 加藤 景三 金子 双男 サマンタ サチャ ロックリン ジェイソン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.59, pp.21-25, 2010-05-20
参考文献数
8

グレーティングカップリング表面プラズモン共鳴法は、金属で覆われたグレーティング基板上に入射した光の波数にグレーティングベクトルが足し合わさることによりプラズモンの波数と一致して表面プラズモンを共鳴励起する方法であり、プリズムを必要としないことなどから、実用的なセンサーへの応用が検討されてきている。我々は、金属格子上での白色光照射多重励起型表面プラズモン共鳴現象を利用したセンサーへの応用を行ってきている。また、可視域で大きなエレクトロクロミズムを持つPEDOT-PSS/テルピリジン鉄錯体ポリマーを用いて、センシング感度の向上を試みている。今回、格子間隔の異なるグレーティングを用いてセンシングを行い比較・検討を行ったので報告する。
著者
馬場 暁 山崎 亮輔 大平 泰生 新保 一成 加藤 景三 金子 双男 サマンタ サチャ ロックリン ジェイソン
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.7-11, 2009-03-06
参考文献数
8

グレーティングカップリング表面プラズモン共鳴法は、金属で覆われたグレーティング基板上に入射した光の波数にグレーティングベクトルが足し合わさることによりプラズモンの波数と一致してSPを共鳴励起する方法であり、プリズムを必要としないことなどから、実用的なセンサーへの応用が検討されてきている。本研究では、金属グレーティング上での白色光照射多重励起型表面プラズモン共鳴現象を利用したセンサーへの応用を行ったので報告する。また、可視域で大きなエレクトロクロミズムを持つPEDOT-PSS/テルピリジン鉄錯体ポリマーを用いて、センシング感度の向上を試みた。
著者
河村 雄行 廣瀬 敬 圦本 尚義 丸山 茂徳 神崎 正美 加藤 工
出版者
東京工業大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2000

本研究では世界最古の岩体であるカナダのアカスタかこう岩体の地質調査を行い、ジルコンを用いた年代測定と地質構造上の関係から、岩体の形成史をあきらかにした。またオーストラリアのピルバラ地塊の調査により、太古代中期30-35億年前の中央海嶺や沈み込み帯における火成活動や熱水活動をあきらかにした。その結果当時の海水中には多量の二酸化炭素が含まれており、熱水活動により炭酸塩が多量に地殻に生成され、さらに沈み込みにより地球深部へ多くの炭素が運ばれていたことを明らかにした。また太古代に特徴的なコマチアイトマグマ中のメルト包有物の測定を行った結果、太古代のプルームマントル中には多くの水が含まれていたことがわかった。またマルチアンビルプレスを用いた高圧高温実験により、下部マントル上位におけるマントルかんらん岩と玄武岩の融解実験を行い、融解相関係や微量元素分配を決定した。さらにこの結果から現在進行中のコア・マントル境界における融解現象において、微量元素分配はCaSiO3ペロブスカイトに支配されることを示した。実験結果から期待される特徴的な微量元素の濃度パターンは現在のプルームマントル中の捕獲岩に残されていることから、ハワイや南太平洋のプルームはコア・マントル境界由来である可能性を指摘した。本研究ではダイヤモンドセルを用いたマントル最下部までの条件の超高圧高温実験をも行った。その結果、SiO2相は下部マントル中で2回の相転移を起こし、マントル最下部ではα-PbO2相が安定であることなどがあきらかになった。
著者
加藤 謙一 山中 任広 宮丸 凱史 阿江 通良
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.291-304, 1992-12-01

The purpose of this study was to investigate cross-sectionally the development of running speed, step frequency, step length, running form, and maximal anaerobic power (MAnP) in high school boys. Subjects were 134 high school boys ranging from fifteen to seventeen years of age. They participated in power tests including the 50 m dash, maximal bicycle pedalling, vertical jump and long jump. They were videotaped during the 50 m dash to analyze their running form.Variables analyzed were: 1) 50 m running time, running speed, step frequency and step length, 2)step time, support time and non-support time, 3) path of the whole body center of gravity (CG),4)maximal anaerobic power, vertical jump, and long jump. The results were summarized as follows; 1. The running time for 50 m decreased from 7.44 s to 7;14 s with age. Running speed increased from 7.70 m/s to 8.00 m/s with age. Step frequency increased, while step length and step length/body height ratio showed no significant change. The increase in running speed resulted, therefore, from the increase in step frequency rather than the step length. 2. MAnP increased from 766.0 W to 823.6 W with age, but no noticeable change occurred in the MAnP/body weight. 3. At each age, significant correlations were found between step frequency, step length,and step length/body height except step length/body height of fifteen year old boys. Furthermore, running speed and variables for physical fitness such as MAnP showed significant correlations. Running speed and MAnP/body weight showed a significant correlation for each age group. 4. The relationship between running speed and the CG motion indicated that it was important to shorten support time, increase step frequency and reduce the bouncing motion of the CG in order to improve running speed. The relationship between running speed and the motion of the lower limbs suggested that motion of the toe relative to the hip during support phase, forward motion of the free leg and backward swing motion of the toe prior to foot contact at high speed help to improve running speed. 5. Based on the averages and the standard deviations of variables examined for each age group, running performance was classified into five categories. Averages of step frequency, step length, step length/body height, MAnP/body weight, vertical jump and long jump for the categories were listed in Table 6. This will be useful to evaluate the running performance of students and teach sprint running in physical education classes.
著者
加藤 誠巳 大西 啓介
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.347-348, 1991-02-25

近年、都心部においては車の台数の大幅な増加と狭隘な道路網のため慢性的な渋滞が生じている。そのため、リアルタイムの渋滞情報を考慮し、特定の道路区間に集中しないように各車を分散させ、渋滞を緩和させるようなシステムの開発が望まれる。本稿ではリアルタイムで渋滞情報が得られるものと想定し、この渋滞を考慮した経路探索及び車載を想定した経路誘導を行なうシステムについて検討した結果について述べる。
著者
加藤 節 西崎 文子 亀嶋 庸一 富田 武 藤原 帰一
出版者
成蹊大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

近年、「内戦」が冷戦終結後の世界における戦争の新たな形態として頻発し、人々の関心をよんでいる。しかし、ふりかえってみると、20世紀全体が「戦争と革命の世紀」であるとともに、あるいはむしろそれゆえに、すぐれて「内戦の世紀」であった。今世紀は、ロシア革命に続く内戦から、ユーゴあるいはアフガニスタンの内戦に至るまで「内戦」を構造的に反復し続けてきたからである。本研究は20世紀がなぜそのように「内戦」を反復し続けてきたかを、多様的領域を専門とする政治学者の共同研究によって解明することを目的として発足した。その場合、本研究では次の三点に留意して分析を進めた。「内戦」を国民国家の擬制的性格に関連づけること、国民国家形成期における「内戦」の諸相に歴史的な光を当てること、国民国家体系としての現代世界における内戦の要因に理論的な考察を加えることがそれである。こうした作業を通して、本研究は歴史と理論との両面から「内戦」に政治学的考察を加えることができたと考えている。
著者
久保 喜延 木村 吉郎 加藤 九州男
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

社会インフラとしての橋梁等の構造物は、耐用年数が長いため、耐久性に富んだ構造物とするには、フェアリング等の耐風安定化部材を使用せず、耐久性の高い構造物とすることが必要である。橋梁断面に発生する風による振動は、流れの剥離によって生じる。剥離を剥離で制御する方法が、剥離干渉法という研究代表者が開発した方法である。これを用いれば、耐風性の良好な橋梁断面を開発できるという成果を得た。