著者
米田 信之 阿部 昭博 狩野 徹 加藤 誠 大信田康統
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.25, pp.75-82, 2007-03-15
参考文献数
12
被引用文献数
2

近年,観光地では高齢者や障害者を含む,様々な人に配慮したユニバーサルデザイン(UD)の考え方が重視されつつある.我々は,2008年世界遺産登録を目指す古都平泉にてUD 観光情報システムの研究開発に取り組んでいる.本研究では,平泉町中尊寺をフィールドに,携帯電話とアクティブRFIDを用いたUD観光情報システムの開発を行った.またシステムの評価として,一般利用者を対象とした社会実験を実施した.その中で得られた知見について報告する.In recently years, in tourist sites, the notion of universal design, which gives special consideration to various types of tourists including elderly, disabled and foreign people, is becoming increasingly important. In Hiraizumi areas that are expected to be registered on the World Heritage List in 2008, we are currently conducting experimental field tests for the universally designed tourist information system. This paper describes some important points through developing a system based on the UD approach for tourism information using active RFID and executing a social experiment in the field of Tyusonji.
著者
加藤 内藏進 加藤 晴子 赤木 里香子 湯川 淳一
出版者
岡山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本研究の最終的な目的は,地球温暖化などに伴う地域気候の『変化の兆候』について(東アジアを例に),科学的視点と感覚的視点を双方向に駆使して,いち早く把握出来る『眼』を涵養するための教育プログラム開発にある。本年度は,前年度までの成果を更に発展させて取りまとめた。また,研究遂行の結果,気候変化を捉える際のベースとなる詳細な季節サイクル自体を把握する『眼』の育成が特に重要との認識が更に高まったので,その取り組みも重点的に行った。ドイツにおける5月の雨が子供を成長させるというモチーフの民謡は,気温が季節的に急昇温する時期(5月)の雨という意味が大きいことが,気象データも併せた分析によって示されるなど(論文掲載),日本の春との違いを比較できる格好の素材を提示した。一方,唱歌『朧月夜』を接点とした前年度の中学校での研究授業を分析し,春の温帯低気圧・移動性高気圧の周期的通過に伴う気象状況の特徴について,『朧月夜』の歌詞からもそれなりに的確にイメージ出来ており,気象データによる学習への活用の可能性が示唆された。また,『中間的な季節』にも踏み込んで,日本の季節サイクルと唱歌や絵画の鑑賞や色による季節の表現を軸に,学際的な研究授業を本年度も行い成果を分析した(岡大・教育学部,「くらしと環境」)(論文掲載)。更に,冬から春への進行に注目して,唱歌『早春賦』を軸に,その表現活動と気象・気候の特徴に関する学際的授業を,岡山城東高校で実施した。また,秋から冬への時期に注目し,日本海側での『時雨』を軸に,気象状況の把握と時雨を歌った和歌(新古今集等)の鑑賞に関する国語と連携した授業開発を行った。生物との連携に関しては,地球温暖化に関連するミナミアオカメムシの分布北上の実態,タマバエ類の発生期と寄主植物フェノロジーの同時性のずれなどについて研究成果を発表するとともに,本の分担執筆や各地での講演により,研究成果の普及に努めた。更に,房総半島や日本海側の海岸植生で,キク科植物に虫えいを形成するタマバエ類に関する分布調査を行い,分布北限等を確定した。一方,地球温暖化と日本付近の気候変化の昆虫への影響に関連して,昆虫類の年間世代数の増加,分布域の変化,昆虫と餌植物の同時性のずれ,高温による発育障害や繁殖障害,等,一筋縄ではいかない影響の絡み方を意識させるような研究授業を,岡大・教育学部の初等理科内容研究の講義で実施し,その成果や問題点を分析した(2011年5月に気象学会で発表予定)。なお,学校現場での参考になるよう,3年間の成果をまとめた冊子体の報告書も作成した。
著者
松本 淳 遠藤 伸彦 林 泰一 加藤 内藏進 久保田 尚之 財城 真寿美 富田 智彦 川村 隆一 浅沼 順 安成 哲三 村田 文絵 増田 耕一
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

1950年代以前のアジアモンスーン諸国における紙媒体気象データをデジタル化したデータセットを作成し,20世紀全体でのアジアモンスーンと台風の活動や経路の長期変動を解析した。その結果,日本の冬季モンスーンが弱まり,冬の期間が短くなる傾向や,フィリピンで夏の雨季の開始時期が近年遅くなる傾向,東南アジアで降雨強度が強まる傾向,台風発生数の数十年周期変動,台風の低緯度地方での経路の長期的北上傾向等が見出された。
著者
長谷川 まどか 加藤 茂夫 田中 雄一
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,携帯デバイスを対象としたマルチセンソリー認証方式の開発を目的としている.現在,携帯デバイスでの認証には暗証番号やパスワードが多用されているが,覗き見への耐性の面で問題がある.本研究では,画像などの視覚情報,音声などの音響情報,振動などの触覚情報といった複数の知覚要素を組み合わせて認証に利用することで,覗き見への耐性が高く,かつ,ユーザが使いやすい認証方式の検討を行った.さらに,携帯端末を振る動作や空中描画動作などの行動的特徴を認証に利用する方式についても検討を行った.
著者
加藤 慶一 秋岡 明香 村岡 洋一 山名 早人
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.22, pp.1-8, 2010-11-05

Twitter に代表されるミニブログは新たなメディアとして注目を集めており,そこでの発言の解析や,テレビや新聞等の他のメディアとミニブログとの相関関係の解析に対する需要が高まっている.しかし,ミニブログにおける発言は,特定の作品や商品に関する言及を多く含み,これらの多くは複合語であるため,そもそも形態素解析を正しく行なうことが難しい.そこで,ミニブログにおける出現頻度が急上昇した自立語,特に名詞に注目し,複合語で構成される固有名詞 (注目語) を取得する手法を提案する.提案手法により,ミニブログにおける形態素解析の精度向上が期待でき,ミニブログや他のメディアでの関連ある話題をより正確に追跡することが可能となる.
著者
市川 裕一 バルトコ ミハエル 加藤 信男 宮内 博之 佐々木 孝基 田中 享二
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.70, no.593, pp.17-24, 2005
参考文献数
8
被引用文献数
4 3

A waterproofing membrane is partially fixed to a substrate by fasteners in mechanically anchored systems. For designing a safer anchored waterproofing system against typhoons, it is needed to make clear the behavior of it under strong wind. Two kinds of full size specimens with a parapet and without one were exposed to high wind speed of a wind tunnel. The behavior of the system was investigated from the three aspects such as wind forces to a membrane, deformation of a membrane and tensile forces of fasteners induced by high wind. Strong wind force was observed in the area close to the windward edge for the roof without a parapet and about 1m on the leeward from a parapet for the roof with a parapet. The membrane was lifted up by wind to about 60mm in maximum height and was extended to about 0.6% in maximum elongation and it oscillated about 5-20Hz in periodic time. The tensile force of more than 160N was observed in some fasteners, depending on the location in the roof.
著者
加藤 精一
出版者
兵庫医療大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

平成19年度は,18年度に引き続き大阪大学で開発されているP2PフレームワークであるPIAXを用いて,望遠鏡のコントロールをネットワークを介して遠隔制御するソフトウェアの開発を行うとともに,こうした望遠鏡を提供するユーザとそれを利用するユーザがP2Pネットワークでコミュニティを形成した際に,お互いを信頼するために必要な基準を提供する仕組み提案した.以下具体的に述べる.(1)望遠鏡システムについて晴れている地点の望遠鏡を選択するために,各地の気象センサのデータを利用して予測し,空間的に補間することでセンサの無い場所の気象状態を把握できるようにした.(2)レピュテーションシステム望遠鏡を共有するようなコミュニティにおいては,各ピアが信頼できるかどうかをリソース提供側,使用側ともに判断する必要がある.我々はこれにWebのページランクなどで用いられるEigen trustモデルを元に,信頼できないピアを効率的に排除する手法の提案を行った.
著者
吉村 武彦 杉原 重夫 加藤 友康 川尻 秋生 柴田 博子 市 大樹 加藤 友康 川尻 秋生 柴田 博子 市 大樹
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

墨書土器に関する研究文献データベースは、総計が1,866件になった(継続中)。墨書土器データベースは、全国簡易版(釈文・遺跡名・所在地・出典データ)が108,744点、詳細版は四国4県、鹿児島を除く九州6県と、北陸の富山、東海の静岡、および飛鳥・藤原・平城宮出土の墨書土器を公開した。この成果により、関東以西の墨書土器の全国的比較研究と都城との比較が可能になった。地域研究は、千葉県市川市を対象に進めている。
著者
栗田 弘之 加藤 淳也 川島 正久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.315, pp.13-18, 2007-11-08
参考文献数
10
被引用文献数
1

近年、公衆無線LANによるアクセス環境が普及しつつある。一般に公衆無線LANではIPアドレスの動的割当てが行われるため、接続ごとにIPアドレスが変化する。SIPなど永続的なIDをIPアドレスにひも付けてサーバに登録するアプリケーションを利用する時、IPアドレスの変化に対してサーバが保持する登録状態が追従できないと意図しない端末への誤転送が生じる。本論文ではIDにもとづいたIPアドレスの貸出しを行うネットワーク接続制御方式を提案し、意図しない端末への誤転送を防止する。またIPアドレスを詐称した端末によるパケットの奪取を防止するため、IPアドレスの詐称の抑止方式を提案する。
著者
深沢 克己 齊藤 寛海 黒木 英充 西川 杉子 堀井 優 勝田 俊輔 千葉 敏之 加藤 玄 踊 共二 宮野 裕 坂野 正則 辻 明日香 宮武 志郎 那須 敬 山本 大丙 藤崎 衛
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

当初の研究計画に即して、国際ワークショップと国際シンポジウムを3年連続で組織し、第一線で活躍する合計14名の研究者を世界各国から結集して、キリスト教諸宗派、イスラーム、ユダヤ教などを対象に、広域的な視野のもとで異宗教・異宗派間の関係を比較史的に研究した。これにより得られた共通認識をふまえて、研究者間の濃密な国際交流ネットワークを構築し、研究代表者を編集責任者として、全員の協力による共著出版の準備を進めることができた。
著者
加藤 哲郎 田中 ひかる 丹野 清人 堀江 孝司 小野 一 岡本 和彦 井関 正久 大中 一彌 高橋 善隆 鳥山 淳 島田 顕 許 寿童
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、研究代表者が長年進めてきた現代国家論研究と近年取り組んでいる情報政治研究の結節点で、経済のグローバル化と共に進行する国内政治の国際政治化、国際政治の地球政治化を解析した。モノ・カネ・ヒトが国境を越える「帝国」型グローバル政治の形成と、そのもとで進行する民衆の移動・越境・脱国家化の動きに注目し、既存の概念の変容と新しい課題を実証的な国際比較と歴史的・思想的系譜から考察した。
著者
加藤 松三 清水 弘子 久松 完 小野崎 隆 谷川 奈津 池田 廣 市村 一雄
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.385-387, 2002-05-15
被引用文献数
2 19

カンパニュラメジウム切り花の受粉花と未受粉花の老化とエチレンとの関係を調べた.カンパニュラの小花の老化はエチレン処理により促進された.受粉により花弁の老化は著しく促進されたが, 柱頭の圧砕ならびに柱頭を含む花柱の除去は老化を促進しなかった.未受粉花では小花全体, 花弁および雌ずいのエチレン生成量は非常に低い値で推移したが, 受粉によりこれらの器官からのエチレン生成量は著しく増大した.エチレン作用阻害剤であるチオ硫酸銀錯塩処理は未受粉花の老化を著しく抑制した.以上の結果より, カンパニュラメジウムの花はエチレンに対する感受性が高く, 受粉はエチレン生成を増加させ, 花弁の老化を促進するが, 未受粉花では老化に対するエチレンの関与は少ないと考えられた.
著者
大岸 智彦 井戸上 彰 加藤 聰彦 鈴木 健二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.165-166, 1995-03-15

近年、異機種間通信の重要性が高まり、各種のOSI通信システムが開発されている。これらの通信システムは、テスタを用いてシステム内の各層の振る舞いを試験する適合性試験を経て、運用が開始される。しかしながら、運用中においても試験で検出されなかった誤りにより、通信障害が生ずる場合がある。このような誤りを検出するには、通信を長時間観測しデータを解析する必要がある。筆者らは、回線上を流れるデータを監視/解析することにより、通信システムのプロトコル手順に従わない誤り箇所(プロトコル誤り)を検出するインテリジェントOSI7層リンクモニタを提案している。本稿では、本モニタにおいてプロトコル誤りを検出するための方針及び実現方法について述べる。