著者
竹原 健二 須藤 茉衣子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.164-172, 2014 (Released:2015-05-30)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

背景 わが国では立ち会い出産に対する認識は広まっている。その一方で,出産に立ち会うことが男性にとって,不安やうつ,トラウマといったメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性も指摘されつつある。パートナーの出産に立ち会った男性が,分娩開始前から産後までにどのような気持ちになり,どのように気持ちが推移していったのか,ということを質的に記述することを本研究の目的とした。方 法 東京都およびその近郊にある2か所の病院において,過去3か月以内に陣痛中から分娩終了までのプロセスに立ち会った男性10人を対象に,半構造化面接を実施した。収集したデータについて,2人の研究者が独立して要約的内容分析をおこなった。結 果 対象者10人のうち7人は,今回の立ち会い出産が初めての経験であった。対象者は皆,分娩第一期から分娩が終了するまで立ち会った。面接調査によって得られた文脈からは,立ち会った男性の気持ち・想いを表す【妻を支えたい】,【未知の世界に対する不安と恐れ】,【共に立ち向かう】,【男女の違いの気づき】,【成長】という5つのカテゴリーと,それを構成する13のサブカテゴリー,立ち会い出産をした男性の気持ちに影響を及ぼした外的要因として,【影響を及ぼした要因】というカテゴリーと,2つのサブカテゴリーが抽出された。【妻を支えたい】は妊娠期の男性の気持ちや行動を表す文脈によって構成されていた。同様に,【想像がつかない世界】や【共に立ち向かう】,【男女の違いの気づき】は分娩時を表す文脈が中心となり,【成長】は分娩直後や産後の男性の気持ちや行動を表す文脈によって構成されていた。結 論 本研究の結果から,立ち会い出産に臨む男性の気持ちは出産前から産後にかけて変化していくことが示された。助産師を中心とした医療スタッフは男性の状態も観察し,適切な声掛けや働きかけをおこなっていくことにより,男性の立ち会い出産の体験をよりよくすることができると考えられた。
著者
吉田 優太郎 林 亮 舛屋 賢 高木 賢太郎 有田 輝 田原 健二
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.573-576, 2023 (Released:2023-07-27)
参考文献数
8

A Straight Twisted Polymeric Fiber Actuator (STPFA) has attracted attention as a new rotational actuator because it is soft, lightweight, silent, and inexpensive. It can rotate when heating, and be back when cooling. However, it is difficult to improve the response, especially in the cooling phase when using natural cooling. In order to improve the response in natural cooling, antagonistical actuation is one of the effective methods. However, the diactivated-side actuator generates a disturbance-like torque when the other-side actuator is activated due to its passive torsional spring-like characteristics. In order to realize the antagonistical actuating module using a pair of rotational-type STPFA, in this paper, the models are constructed that can estimate the torque generated at both ends of an antagonistically arranged rotational STPFA from the change in heater resistance. A sensorless output torque control method is proposed for the total torque obtained as the difference between the torques at the two ends using the proposed STPFA models. The effectiveness of the proposed method is demonstrated through fundamental experiments using a prototype module.
著者
相澤 有輝 三木 一徳 藤井 照子 室田 祐大 岩瀬 遼 藤田 恭平 唐鎌 淳 前原 健寿 根本 繁 壽美田 一貴
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.11, pp.795-804, 2020 (Released:2020-11-25)
参考文献数
15

頭蓋内外主幹動脈閉塞 (tandem lesion) に対する再開通療法は複雑であり確立されていない. 特に, 頭蓋内病変の治療を優先させる逆行性アプローチと頚部病変の治療を優先させる順行性アプローチのどちらが優れているか, また, 頭蓋外病変に対して初回治療時にバルーン拡張術に留めるべきかステント留置術も行うかに関しては議論の残る問題である. われわれは大口径の吸引カテーテルとステントリトリーバーを併用するcombined techniqueを用いて先に頭蓋内病変の再開通を目指す逆行性アプローチを第1選択としている. 当院における治療手順および治療成績を文献的考察と併せて報告する.
著者
北原 健二
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.488-492, 1997-06-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
10
著者
本田 浩也 大河原 健伍 吉本 好延
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.85-89, 2021 (Released:2021-02-24)
参考文献数
19

〔目的〕本研究の目的は,地域在住高齢者のTether-release法を用いたステップ動作能力が転倒に関連するか明らかにすることであった.〔対象と方法〕対象は,独歩可能な地域在住高齢者36名とし,過去1年間の転倒の有無から転倒群(8名)と非転倒群(28名)に分けた.ステップ動作能力は,最大身体前傾時牽引量の体重比を測定した.〔結果〕群間比較の結果,転倒群と非転倒群で最大身体前傾時牽引量の体重比に有意差を認めた(p=0.038).ロジスティック回帰分析の結果,転倒と最大身体前傾時牽引量の体重比は有意な関連を示した(オッズ比:0.840,95%信頼区間:0.711-0.992).〔結語〕地域在住高齢者のTether-release法を用いたステップ動作能力と転倒に関連がある可能性が示唆された.
著者
柏木 正之 原 健二 ウォーターズ ブライアン 久保 真一
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究期間内において、ヘッドスペース固相マイクロ抽出(HS-SPME)法、ガスクロマトグラフ・タンデム型質量分析装置(GC-MS/MS)を用いて、インスリン製剤の添加物であるm-クレゾールの検出が可能であることが確認され、応用することにより、その定量も可能であると考えられた。また、インスリンアナログの検出法について、液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析装置(LC-MS/MS)を用いて検討を行い、その定量の可能性が示唆された。
著者
佐藤 稔久 長谷川 国大 Wu Yanbin 木原 健 中野 公彦 楊 波 合田 美子 戸田 真志 松葉 龍一 新目 真紀 半田 純子 伊藤 誠 周 慧萍
出版者
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
雑誌
SIP成果報告書 (ISSN:27584089)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.1, pp.103-107, 2021 (Released:2023-03-31)
参考文献数
16

SIP第2期自動運転(システムとサービスの拡張)の“走行環境条件の逸脱や自動運転システムの機能低下における適切な運転引継のためのHMI等に関する研究開発”と“運転者や歩行者等が習得すべき知識とその効果的な教育方法に関する研究開発”の取り組みを概説する.前者では,自動運転から手動運転への運転交代前におけるドライバーの周辺監視状態の評価指標の検討や,HMIによるドライバーのシステム理解への効果の検討等に取り組んでいる.後者では,主な研究目的に基づき,(1)個人特性を踏まえた教育方法の提案,(2)動機づけ手法の提案,(3)部分教育を意識したモジュール化可能な完全教育教材の開発の3つの研究テーマを設定し研究を行っている.また,試作した教材を用いて,自動運転に関する一般的な知識を事前に提供することの効果についてドライビングシミュレータを用いた検証を行った.これらの成果をもとに,日独連携として自動運転と教育についてのワークショップを担当した.
著者
藤原 健太 伊庭 斉志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.FIN-003, pp.11, 2009-09-12 (Released:2023-01-06)

In this paper, we proposed automated trading system using Genetic Algorithm(GA) and Genetic Programming(GP). There are many reports which focus on system trading. In recent years, these researches have attracted attention because of impact of finance crisis. Among them, we focus on two area, one is optimization of technical indicators, the other is optimization of technical indicators combination. There is not research which focuses on both parts. So we proposed automated trading system by optimizing indicators and combination of them. At first, their parameters are optimized by GA. Each indicator is fitted on movement of current market by this process. Then, using optimized indicators, combination of them is optimized by GP to generate buy-sell strategy. To verify effectiveness of proposal method, we simulated using real data given by Gaitame.com. Consequently, we got good result and verified effectiveness of proposal method.
著者
藤原 健志 村上 達也
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.311-321, 2020-09-30 (Released:2021-02-18)
参考文献数
45
被引用文献数
5 6

本研究の目的は,小学生を対象として,抑うつに関連する認知と抑うつ症状,そして特性感謝の関連について,短期縦断デザインを用いて検討することであった。小学4年生から6年生598名に対し,対人的感謝と抑うつスキーマ,そして抑うつ症状に関する質問紙調査を2回行った。構造方程式モデリングを用い,交差遅延モデルについて,学年間の多母集団分析を行った。その結果,小学4年生においては抑うつスキーマよりも特性感謝の方がその後の抑うつ症状と強く関連していた。一方小学6年生になると特性感謝よりも抑うつスキーマの方が,その後の抑うつ症状を強く予測することが明らかとなった。抑うつ症状に与えるポジティブ要因とネガティブ要因の影響について考察された。また,抑うつスキーマと抑うつ症状の関連では,抑うつ症状がその後の抑うつスキーマを高めることが明らかとなり,児童期における抑うつ症状形成のメカニズムについても考察された。
著者
内田 丈聖 岡 美里 西原 健 坂谷 洋一郎 長田 隆
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-23-00012, (Released:2023-05-11)

日向夏飲料の微生物学的安全性確保のために,原材料製造工程における日向夏搾汁について,各種細菌芽胞の汚染度を調べた.計11試料において,好気培養では51菌株,嫌気培養では12菌株を分離し,TABについては検出されなかった.また,分離した菌株のうち,Paenibacillus属細菌を最も多く検出し,その他Bacillus属,Paraclostridium属,Clostridium属細菌を得た,これより,これら細菌種が日向夏100%ジュース(pH3.1)中で発育できないため,殺菌指標菌として管理する必要はないことがわかった.今回の実験では検出できなかったTABだが,過去の変敗事例や本菌種の諸性質を考慮すると,殺菌指標菌として検討する必要がある.そのため,今後はTABによる日向夏100%ジュース中での発育試験を行い,発育する場合は,加熱殺菌指標菌として適切な加熱殺菌条件を設定して管理すべきと考える.また,さまざまな野菜汁や果汁を混ぜるミックスジュースでは,pHによってはPaenibacillus属が発育する可能性があるので注意が必要である.
著者
加藤 承彦 越智 真奈美 可知 悠子 須藤 茉衣子 大塚 美耶子 竹原 健二
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.21-040, (Released:2022-03-16)
参考文献数
50
被引用文献数
2

目的 近年,父親の育児参加に対する社会の関心が高まりつつある。しかし,父親が積極的に育児参加することによってどのような影響があるのかあまり明らかになっていない。本研究では,我が国で主に2010年以降に報告されている父親の育児参加に関する研究の知見についてレビューを行い,日本社会において父親の育児参加が母親,子ども,父親自身に与える影響に関する知見をまとめた。さらに,今後の課題についても検討を行った。方法 医学中央雑誌文献データベース,JSTPlus,JMEDPlusを用いて,「乳幼児関連」,「父関連」,「育児関連」のキーワードで2010年以降に掲載された和文原著論文の検索を行った。また,PubMedを用いて,「father or paternal」,「childcare OR co-parenting OR involvement」で英文原著論文の検索を行った。また,日本国内の研究,乳幼児期がいる家庭を対象,質問紙を用いた量的研究,2010年以降に掲載などの条件を設定した。これらの条件を満たした26編の論文(和文22編,英文4編)について,対象者(母親,父親,両者),育児参加方法の内容,アウトカムの内容,得られた知見などについて検討を行った。結果 父親の育児参加の影響に関する過去10年間の和文論文および過去20年間の英文論文の文献レビューの結果,次の2点の傾向が見られた。第1点目として,母親が父親の積極的な育児参加を認知している場合,母親の育児負担感が低く,幸福度が高い傾向が見られた。また,子どもの成長においても,母親が父親の積極的な育児参加を認知している場合,子どもの健康や発達(怪我や肥満の予防)に良い影響を及ぼしている可能性が示唆された。しかし,第2点目として,父親が自分自身で評価した育児参加の度合いは,母親の負担感などとは直接に関連しない可能性が示唆された。父親の育児参加が父親自身に与える影響(QOL等)は,研究の数が少ないこともあり,一貫した傾向は見られなかった。また,父親の育児参加の評価の方法がそれぞれの研究で異なっていた。結論 今後,父親の育児参加が積極的に推奨されると同時に,その影響についても社会の関心が高まると推測される。今後の課題として,父親の育児参加の量および内容をどのように適切に評価するのかに関する議論を深める必要が示唆された。
著者
原 健太郎 渡辺 雄貴 清水 克彦
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.239-252, 2019-12-31 (Released:2020-02-14)
参考文献数
22
被引用文献数
1

夜間定時制高校は,算数・数学の基礎学力に課題を抱える生徒が多く在籍している.本研究では,夜間定時制高校でのアクティブ・ラーニング型の授業設計の検討を見据え,数学科での反転授業の有効性について検証することを目的とした.そのためにADDIE モデルに従って開発した授業に対し,ID の目指す価値としての効果・効率・魅力の観点から検証し,以下の結果を得た.授業前に動画を視聴しない状況,動画を視聴していてもそれを前提とした授業展開は厳しい状況が見られた.学習形態の変容により学習に困難を抱える生徒は取り組みやすくなり,教え合いの対話的活動での動画活用や,復習として主体的な動画利用の状況が見られた.定期考査等の得点が低かった生徒でも得点が増加し,効果的な習得が確認された.学習場面での必要時間が短縮され,効率的な学習が行われた.反転授業によって,基礎学力に課題を抱える生徒において大きな効果が得られる可能性が示唆された.
著者
阿部 敬悦 上原 健二 高橋 徹 大滝 真作 前田 浩 山形 洋平 五味 勝也 長谷川 史彦
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.1, pp.10-18, 2009 (Released:2016-01-18)
参考文献数
21

生分解性プラスチックは,発酵により生産が可能である有機酸とアルコールを原料とするものであり,現状の石油系プラスチックに代わるものとして期待され,生産量が拡大している。本稿は,著者らが行っている,麹菌が生分解性プラスチックを効率的に分解するメカニズムの学術的な検討と,伝統的な麹利用技術を本プラスチックの分解に生かす新たな処理システムの構築につき,詳細な解読をしていただいた。
著者
相原 健志
出版者
日本スポーツ人類学会
雑誌
スポーツ人類學研究 (ISSN:13454358)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.19, pp.1-22, 2017-12-31 (Released:2023-01-18)

The objective of the present article is to pioneer a field of "anthropology of training," in tackling a methodological problem relevant to it: how conceptions which have been found in the sport filed and determine firmly the sport practice (training) should be treated and converted into anthropological knowledge or concepts. It can be supposed that training of modern sports is characterized by being determined by a training methodology that comprises a system of concepts. When opening a path to anthropology of training, solving the problem referred above, this article focuses on "translation", a method proposed by a Brazilian anthropologist, E. Viveiros de Castro, taking as a concrete case the concept "tiredness" in a football training methodology originating in Portugal, the "Tactical Periodization (PT)." Viveiros de Castro argues the essence of anthropology resides in "translating" concepts found in the field into academic ones. Though "translation" does not seem to express adequately, or does even seem to betray, what the original conception to be "translated" has meant, he insists, it is "translation" that brings to us a novel and innovative concept. Through "translation", a new concept can be produced, or a new reality can be opened or actualized which was hidden within those concepts anthropologists have had. Also, "translation" can be a method complementary in anthropology of sports, where not many methodological discussions have been made, in terms of what effects this discipline can make. Furthermore, considering K. Blanchard and A. Cheska suggested that studies of anthropology of sports would influence on us, including not only anthropologists of sports but researchers of other disciplines related to sports and actual practioners like coaches or schoolteachers, anthropology of training via the method of "translation" can offer another way of relativization than what anthropology of sports have made. More concretely saying, anthropology of training can provide us with possibilities that they transform our existing ways of training while influenced by those concepts "translated". Our case to be studied is the concept "tiredness" within the training methodology "PT," invented by an ex-professor at University of Porto and also professional football coach, Vítor Frade. While revising the literature of this methodology, I made fieldwork in an U-17 team of a club "F" at Porto, which applied this training methodology. Their training was determined according to how tired their players are out of the plays in the game (normally) held on Sunday. As for youth teams in almost every club at Porto, as far as I researched, training was usually held three days a week. "F" was not any exception to it, with the U-17 team scheduled to train on Tuesday, Thursday, and Friday. Tuesday was the first training day after the official game was held on Sunday as well as being the most distant day from the next game (also Sunday), with the next day (Wednesday) off for recovery. Therefore, the coaches set relatively low intense but not too low intense exercises. Similarly, on Thursday, when three days have passed from the previous game and the players have recovered from tiredness well enough to play a full-court game, each of the exercises was conducted with the longest duration of the training days. Again similarly, in Friday training, when just two days were left for the next game, the exercises were cut up into small sessions of short duration, which would help prevent the players from feeling tired when the game at Sunday started. (※Due to word limit in J-Stage, please refer to the PDF file below)
著者
土屋 弘行 加畑 多文 北野 慎治 上原 健治 森永 敏生 富田 勝郎
出版者
Japanese Society for Joint Diseases
雑誌
日本リウマチ・関節外科学会雑誌 (ISSN:02873214)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.237-248, 1999-06-10 (Released:2010-10-07)
参考文献数
11

Introduction of the Ilizarov external fixator has bought about a treatment revolution to resolve such orthopaedic problems as fracture fixation, limb lengthening, deformity correction, joint mobilization, and reconstruction of bone and soft tissue defects. One of the advantages of the Ilizarov method is its versatility, that is, different orthopaedic problems can be simultaneously treated with the Ilizarov method. In this study, we introduce a method of deformity correction of the lower extremities and reconstruction of skeletal defects using the Ilizarov external fixator. Deformity correction with the Ilizarov hinge system is very useful to realign the mechanical axis of the lower extremities. We also introduce a new concept of high tibial osteotomy called“mechanical axis lateralization”for genu varum resulting from unicompartmental medial osteoarthrosis, Blount's disease and so on. In addition, the Ilizarov method made it possible to successfully reconstruct extensive bone defects combined with or without intramedullary nailing. The Ilizarov method will become more widely used and advantageous if the treatment period is shortened.
著者
三栖 貴行 小田原 健雄 渡部 智樹 一色 正男
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3+, pp.205, 2018-05-01 (Released:2018-07-17)
参考文献数
6
被引用文献数
1

我々は生活空間における照明光色を有彩色にすることで,生体へ良い影響を与え,照明機器の利用価値を向上させることを目的とし,生体への影響を心理面および生理面の二つの調査を行っている.心理的影響の評価として,離散的な結果にならず,主観的な評価において信頼性と妥当性が認められているVisual Analogue Scale(VAS)法を採用した.VASの評価項目は,体感温度と疲労についての評価を行なった.生理的影響は,特にサーモグラフィカメラを利用した体表面温度(顔面表面温度)の測定を行った.また,唾液アミラーゼの含有量と心電データからLF/HFを測定し,それぞれをストレス指標として評価した.実験環境は,温度,湿度を一定に管理し,一般的な一人暮らしの部屋に模した実験室にフルカラーシーリングライトを設置した.このような条件下において,被験者が着座する机上面照度を同一にした赤,緑,青の光色を被験者に暴露した.被験者は既往研究と同様に赤で体感温度が上昇し,青で減少する傾向が見られた.