著者
長谷川 利拡 高野 順也 崎原 健 三橋 民和 大嶋 和則 片野 学 仲里 長浩
出版者
日本作物学会九州支部
雑誌
日本作物学会九州支部会報
巻号頁・発行日
no.60, pp.9-12, 1994

九州の主要良食味品種のミネアサヒ,ヒノヒカリ,ユメヒカリおよび沖縄の主要品種のチヨニシキの出芽期~二次枝便分化期までの発育特性を,堀江・中川の発育動態モデルを用いて解析した。データベースは,阿蘇と西表における作期移動試験である(n=13)。本モデルは,37~114日にわたる発育日数の変動を3,7~5,2日の精度で推定した。ミネアサヒとヒノヒカリの発育速度は気温に対してほぼ直線的な増加を示し,日長の影響は14時間以上においてのみ認められた。一方,チヨニシキおよびユメヒカリの発育速度は,気温に対して23℃あたりから頭打ちを示し,広い範囲の日長に反応することがわかった。
著者
橘 ゆり 入江 亘 菅原 明子 名古屋 祐子 林原 健治 塩飽 仁
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.9-16, 2021 (Released:2021-03-31)
参考文献数
15

医療的ケアが必要な重症心身障害児を亡くした親が、子どもと在宅生活をともに過ごしてきた時から子どもが亡くなった後の日常生活をどのようにとらえて過ごしてきたのか、家族一人ひとりの語りから体験を明らかにし、支援のあり方を検討することを目的とした。東日本の小児専門病院をかかりつけとし1年以上在宅で医療的ケアを受けながら過ごした重症心身障害児を20歳未満で亡くした親を対象に半構造化面接を行った。子どもとの死別時の状況、死別後から現在までの生活、子どもと在宅で過ごした時の生活やそれに伴う心境などを中心にインタビューを行い、Giorgiの現象学的アプローチを参考に分析を行った。親は複雑性悲嘆に陥りやすい要因がありながら子どもを亡くした悲しみと能動的に向き合い子どもとの新たな絆を結び直す体験をしていた。そこには、在宅生活で培われた親の高いレジリエンスが存在し、在宅生活からつながりが続いていたことが考えられた。
著者
江木 盛時 黒田 泰弘 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 小谷 穣治 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 志馬 伸朗 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 谷口 巧 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 鶴田 良介 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 土井 研人 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 土井 松幸 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 中田 孝明 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 中根 正樹 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 藤島 清太郎 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 小倉 裕司 細川 直登 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 升田 好樹 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 松嶋 麻子 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 矢田部 智昭 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 安宅 一晃 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井上 茂亮 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 射場 敏明 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 垣花 泰之 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 川崎 達也 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 久志本 成樹 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, 2020
被引用文献数
2

<p>日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。</p>
著者
篠田 昌宏 竹村 裕介 蛭川 和也 高岡 千恵 長谷川 康 尾原 秀明 北郷 実 阿部 雄太 八木 洋 松原 健太郎 山田 洋平 堀 周太郎 田中 真之 中野 容 板野 理 黒田 達夫 北川 雄光
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.101-108, 2021-02-01

わが国の肝移植は,かつてない大きな変革を遂げている.2019年,脳死肝移植は全移植数の1/5を数えるようになった.Allocation制度も大きく改変され,model for end-stage liver disease(MELD)制などが実臨床に大きな影響を与えている.ドナー情報を得られる機会が増加し,高MELDなど重症患者の増加も見込まれる中,脳死肝移植ナショナルデータ解析のプロジェクトもすすんでいる.さらに,働き方改革,互助制度,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)など新たな移植のスタイルが成り立とうとしている.
著者
中原 健志 藤本 孝
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
Dynamics & Design Conference
巻号頁・発行日
vol.2011, pp._107-1_-_107-8_, 2011

An energy regenerative active vibration control method using piezoelectric actuators, class D drivers, output filters and sliding mode controllers is proposed by the authors. DC voltage sources are used as power sources in the previous study and capacitors which can store regenerated energy also can be used as power sources. Class D drivers and output filters consist of switches and passive electric elements. Therefore, systems using capacitors as power sources can be considered as semi-active systems. Voltages of capacitors used as power sources are not constant because the capacitors are charged and discharged in control processes. An advantage of the proposed method is that characteristics of closed-loop systems are independent from voltages of power sources when systems are in sliding mode conditions. The advantage is suitable for systems using capacitors as power sources. The validity of the semi-active control method based on the proposed method is shown by numerical simulations of a SDOF model.
著者
藤原 幸一 坂根 史弥 宮島 美穂 山川 俊貴 加納 学 前原 健寿
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.4C1OS27a05, 2018 (Released:2018-07-30)

京都市祇園で起きた軽ワゴン車の暴走により,多数の死傷者が出た痛ましい事故は記憶に新しい.事故原因としてドライバのてんかん発作が挙げられている.てんかんとは脳細胞のネットワークに起きる異常な神経活動のため,けいれんや意識障害などのてんかん発作を来す疾患である.てんかん治療の第一選択は抗てんかん薬であるが,3割の患者は薬剤では発作を抑制できない.しかし,数十秒前に発作を予知できれば,患者は発作までに身の安全を確保し,生活の質を改善できる.我々はこれまでに心拍変動(HRV)と異常検知アルゴリズムを組み合わせたてんかん発作予知技術を開発した.オフライン解析によると,感度90%以上,擬陽性率0.7回/hが達成されている.発作予知技術が実用化できれば,発作起始の前に即効性抗てんかん薬の服薬することなどにより,発作を抑制または軽減できると期待される.このような治療法をClosed-Loopてんかんケアと呼ぶ.現在,AMED先端計測プログラムにて,Closed-Loopてんかんケアの実現に向けた研究開発を行っている.本発表ではてんかん発作予知システム開発の現状と今後の見通しについて発表する.
著者
江花 昭一 山本 晴義 秋庭 篤代 吉村 佳世子 境 洋二郎 津久井 はるみ 天保 英明 川原 健資 津久井 要
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.111-117, 2000
参考文献数
14
被引用文献数
1

心身医療は問題や疾患の同定から始めproblem talkを行うのが通例であり, 問題に焦点を当てずsolution talkを行う解決志向アプローチとは必ずしも整合的でない.また, 解決志向アプローチは多忙な臨床現場で十分な効果が発揮できる方法であろうか.今回われわれは, 2症例の検討を通して, これら2点の調査を行った.その結果, 多忙な日常臨床においても, 治療関係のタイプを吟味する, 問題を解決の資源として活用する, 可能性を引き出す対話を行う, 定型的質問を使用するなどの技法が実行可能かつ有効であった.解決志向アプローチは, 心身医療に組み込んでも, 解決を速やかにもたらし定着させる有用な方法であると考えられた.
著者
満原 健
出版者
西田哲学会
雑誌
西田哲学会年報 (ISSN:21881995)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.159-172, 2018 (Released:2020-01-29)

In the preface of the reprint written in 1936 to An Inquiry into the Good, Nishida confesses that the standpoint of this work is psychologistic. In 1937 he again makes the same point while also insisting that his theory of pure experience is not entirely psychologistic. These statements bring up the question of what part of An Inquiry into the Good is psychologistic and what part is not. This paper is an attempt to clarify this point. According to Windelband, Rickert and Husserl, psychologism, which is the view that the mental is the ground for general validity, inevitably falls prey to relativism. Takahashi also claims that we cannot distinguish between truth and falsity if the mental is considered to be the ground for general validity. Nishida asserts in An Inquiry into the Good that the most concrete direct fact is the origin of all truths and that the criteria of truth is the state of our pure experience. In addition, he claims that truth is not independent of the subject. We can say that these assertions are psychologistic. However, Nishida also introduces the idea of a principle(理), which is the power of unification. This principle is defined not only as independent of the physical and the mental, but also as that which allows the physical, the mental and the reality to take place. These assertations allow us a non-psychologistic interpretation of his theory of pure experience.
著者
満原 健
出版者
西田哲学会
雑誌
西田哲学会年報 (ISSN:21881995)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.105-117, 2010 (Released:2020-03-23)

Der Gedanke Nishitanis hat ziemlich viel Ähnlichkeit mit der Philosophie Nishidas. Andererseits gibt es einige Differenzen zwischen den gedanklichen Inhalten der beiden Denker. Eine der Differenzen ist das Verständnis der philosophischen Logik: Nishida fasst die Logik sehr positiv auf, dagegen eher Nishitani negativ. Der Zweck dieses Aufsatzes ist die Klärung des Grundes dieser Differenzen. Nishitani findet in Nishidas Philosophie zwei Probleme: die Unklarheit des Verhältnisses der Logik zum sie Überschreitenden und die Unvollständigkeit der Platzierung der verschiedenen Aspekte philosophischer Logik. Um die verschiedenartigen Spielarten der Logik unter einem System zu platzieren und diesen die eigene Bedeutung zu geben, versucht Nishitani zu klären, wie die Selbstnegation sich in diesen Aspekte der Logik zeigt. Nishitani denkt, dass auch Nishidas Logik Elemente der Selbstnegation aufweist. Nishitani sieht diese Selbstnegation als die Erscheinung der Kraft absoluter Negativität an, die für Nishitani das die Logik Überschreitende ist. Im Unterschied zu Nishida findet Nishitani die Bedeutung aller philosophischen Logik durch diese Selbstnegation oder durch die absolute Negativität. Das ist eben die Einheit aller Logik, die in Nishitanis Denken vorherrscht. Nishitani muss daher die Logik negativ auffassen, und darin besteht auch der Grund der Differenz zwischen den Gedankeinhalten der beiden Denker.
著者
藤原 健蔵 中山 修一
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.130-148, 1985-12-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1 2

干ばつ常習地域における農村開発の研究は,人間居住地域の安定的拡大の視点から,国際的な重要課題といえよう・本稿の目的は,デカン高原南部の干ばつ常習地域での現地調査を通して,現行の農村開発事業における問題点を明らかにしようとした. 現地調査は,1980年秋,エルドナ村及びビダラケレ村の両村で実施された.前者の農村開発は,1957年以降,大規模な潅漑用水計画を通して進められた.他方,後者では,1950年代後半以降,コンター・バンドや用水井戸の建設など,比較的小規模な開発事業が多様に展開された. 調査の結果,両村をめぐる開発事業は,その手法を異にするものの,農業の発展と生活水準の向上に一定の開発効果を上げていることが評価された.他方,今後解決されなければならない課題の幾つかが明らかとなった.エルドナ村では,潅漑用水路による過剰給水が,生態系のバランスを破壊し,耕地の塩性化という深刻な問題を引き起こしていた.また,ビダラケレ村では,農民がコンター・バンドの適正な維持に消極的なため,強度な表土流出によって耕地の荒廃が進みつつあり,加えて用水井戸の開発も,地下水源の限界から伸び悩みの状態であった。 デカン高原南部の干ばつ常習地域における農村開発は,今や開発手法の再検討が求められる.現行の手法の継続は,行政当局と農民の双方による急速な経済成長への強い期待も加って,生態系の破壊を一層押し進め,さらに農民間の社会的緊張関係をも増長することになるであろう.
著者
濱口 佳和 藤原 健志
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.59-75, 2016 (Released:2016-04-11)
参考文献数
55
被引用文献数
4 6

本研究は, 高校生用の自記式能動的・反応的攻撃性尺度の作成, 能動的・反応的攻撃性と身体的攻撃・関係性攻撃との関連, 能動的・反応的攻撃性類型の心理・行動的特徴を明らかにすることを目的として行われた。高校1~3年生2,010名に対して, 中学生対象に開発された自記式能動的・反応的攻撃性尺度を実施し, 探索的因子分析を実施したところ, 中学生同様の6因子が得られた。検証的因子分析の結果, 仲間支配欲求, 攻撃有能感, 攻撃肯定評価, 欲求固執からなる能動的攻撃性と報復意図と怒りからなる反応的攻撃性の斜交2因子モデルが高い適合度を示した。6下位尺度については, 攻撃肯定評価でやや低いものの, 全体として高い信頼性が得られ, 情動的共感尺度や他の攻撃性尺度等との相関により併存的妥当性が実証された。重回帰分析の結果, 性別と能動的・反応的攻撃性によって, 身体的攻撃の約40%, 関係性攻撃の約30%が説明されることが明らかにされた。クラスター分析の結果, 能動的攻撃性・反応的攻撃性共に高い群, 反応的攻撃性のみが高い群の2種類の攻撃性の高い群が発見され, Crapanzanoの重篤モデルを支持する結果が得られた。