著者
井原 健一郎
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.55, pp.142-154,26, 2004-04-01 (Released:2009-12-09)
参考文献数
15

Cet essai examine un problème bien connu concernant la relation entre deux thèses (ou hypothèses) cartésiennes qui dérivent de la toute-puissance de Dieu:la thèse sur la libre création des vérités éternelles par Dieu, et l'hypothése du Dieu trompeur comme raison de douter des vérités mathématiques. Pour aborder ce problème, nous nous demandons : (1) comment il est possible d'être toujours trompé dans les vérités mathématiques qui nous semblent extrêmement claires et distinctes; (2) si Dieu, créateur des vérités éternelles, peut nous tromper en exercant sa propre faculté de créer ou instituer librement des vérités éternelles ; (3) si est possible que Dieu nést pas en mesure de nous tromper à moins qu'il ne puisse pas créer ou instituter des vérités éternelles.Les considérations sur ces trios questions nous conduiront à une conclusion inattendue : on ne peut pas savoir si le Dieu trompeur est le créateur des vérités éternelles. Parce qu'existent deux facons de nous tromper (nous les appelons respectivement la «tromperie ontologique»et la «tromperie épistémologique») et que, de plus, it est presque impossible de dire, laquelle de ces deux tromperies, Dieu emploie pour nous tromper.
著者
青木 純一 前原 健二 樋口 修資 平田 昭雄
出版者
日本女子体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

学校はこれまで民間企業などの職務経験を積んだ後に教職をめざす人達を積極的に受け入れてきた。教員以外の職務経験が学校という「閉鎖的」な場を活性化すると考えたからである。しかし、中途入職教員が採用後の教育活動や、校務分掌や研修といった業務においてその経験をどのように活かし、活かされているかといった実態調査は、これまで必ずしも行われていない。そこで、中途入職教員やその任命権者である教育委員会へのインタビュー調査や質問紙調査によってこれらの課題を明らかにする。
著者
石谷 太 岡田 雅人 清水 誠之 佐久間 恵 石谷 閑 原岡 由喜也 龝枝 佑紀 小神野 翔平 Zou Juqi 古家 博信 梶原 健太郎 北野 圭介 大倉 寛也 河瀬 直之 Chen Ping-Kuan
出版者
群馬大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-07-10

本研究では、SrcとWnt経路の活性化が誘発する細胞競合の機序と、その脊椎動物における機能的意義、および腫瘍進展における役割の解明を目指している。まず、ゼブラフィッシュにおいて細胞競合可視化解析系を確立した。また、Wnt経路駆動性細胞競合の研究を行う過程で、発生プロセスで自然発生したシグナル異常細胞が細胞競合により排除されること、すなわち、細胞競合が発生プログラムのエラーを防ぐ発生ロバストネス制御機構であることを発見した。また、新たに構築した培養細胞系を用いた解析により、Src誘発性細胞競合におけるSrc活性化細胞の逸脱の方向性が細胞の種類によって変化することを発見し、その機序を明らかにした。
著者
栖原 健太郎 辻 幸和 真下 昌章 小竹 弘寿
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.166-172, 2019-03-29 (Released:2019-03-29)
参考文献数
4

膨張コンクリートの一軸拘束膨張試験方法のA法および一軸拘束膨張・収縮試験方法のB法について、JIS A 6202に規定されているダイヤルゲージ法だけでなくコンタクトゲージ法も併用し、A法およびB法のPC鋼棒とコンクリートとの付着が長さ変化率に及ぼす影響を実験的に検討した。その結果、A法では収縮率が-200×10-6程度まではB法と同様に収縮率が測定できることを、B法では収縮率が-300×10-6程度を超えるとPC鋼棒の転造ねじによる付着が端部で充分でなくなり、コンタクトゲージ法に比べて、ダイヤルゲージ法による収縮率の絶対値が小さくなることを、それぞれ明らかとした。B法における収縮率の適用範囲を限定する必要があること、およびA法にコンタクトゲージ法も併用すると、膨張コンクリートの一軸拘束状態の膨張率の測定を経た後の、拘束の無い収縮率も測定できる可能性を示した。
著者
鈴木 康譯 星野 良一 藍澤 鎮雄 大原 健士郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.561-568, 1981-06-15

抄録 母親(57歳)・息子(26歳)の間でみられたfolie à deuxについて,心理学的背景とその経過を中心に,臨床精神医学的な考察をおこなった。発端者は息子であり,劣位者であるはずの息子から優位者である母親に妄想が伝播しており,西田の『二重の結合』があてはまる。息子の妄想発症には,わずかな刺激で動揺する感情面の未熟さ・敏感さが関係しており,心因反応性に生じている。継発者の母親において妄想が強固であるが,①思考の発展性や可塑性が十分といえず細かいことに拘泥しやすいこと,②主観性の高いこと,③内的洞察力の不足,等といった心理状況が大きく左右していると思われる。従来folie à deuxの心理機制として,同情と共感・被暗示性などが言われているが,上記の事実も無視できない。なお,本症例では,経過中に母子心中未遂がみられているが,それがfolie à deux解体の動因となっていることも注目される。
著者
酒井 類 田中 博章 財田 由紀 小田原 健一 伊吹 憲治
出版者
愛知教育大学附属高等学校
雑誌
研究紀要 (ISSN:09132155)
巻号頁・発行日
no.44, pp.1-12, 2017-03-31

科目「現代社会」では、経済の項目において雇用・労働問題を取り扱うことになっている。しかし、高校生の多くは労働者としての経験がなく、そのためリアリティをもった授業を行うのが難しい現状にある。当該項目において教科書には多くの用語がゴシック体で並ぶが、授業展開はそれを追いかけることに汲々としていたのではないか、そんな問題意識があった。たしかに「労働基準法」という用語を知ることは大切だが、それだけで充分とは言えないであろう。今回の研究授業では、題材としてブラックバイト取り上げた。近い将来多くの生徒が関わるであろうアルバイトゆえ、興味・関心も高いと判断したからである。一方で知識のない学生は、問題に直面した際に、自分の経験で対処しているのが現状である。この状況を鑑みるに、高等学校で労働教育を行う意義は充分にあると考えた。もちろん、いずれ直面する就職の際にも、ここで学んだことは何らかの形で手がかりとなるであろう。本校における労働教育についての現状を報告したい。
著者
田澤 一二 阿部 利徳 笹原 健夫
出版者
日本植物細胞分子生物学会
雑誌
植物組織培養 = Plant tissue culture letters (ISSN:02895773)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.7-14, 1996-04-01
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

本研究では, シオデの節間由来のプロトコーム様体 (PLB) を液体培養することによって大量に形成させ, シオデの大量増殖を可能にした. すなわち, NAAを含む液体培地でシオデのPLBを液体振盈培養することによって, 1個のPLBから大量のPLB (クラスター) を形成させ, これらが幼芽に生長したのち, 一定期間の前培養を行い, ホルモン・フリーの固体培地に移植して発根させ, 大量の植物体を順化させた.<br>さらに, 液体培養したPLB-クラスターから人為的に切り取ったPLBを再度液体培地に移植した. この二次増殖系では, ホルモン・フリーの固体培地に移植することによってより多くのPLB-クラスターおよび幼芽・幼根が形成された. この手法によって, 多循環的にPLB-クラスターおよび植物体の再生・増殖が可能となった.<br>なお, 固体培地と異なり, 液体培地は褐変し, PLBおよびクラスターも褐変し枯死する結果となった. また, 褐変とともに液体培地のpHが低下した. この褐変とpHの低下は, 液体培地を2ないし3日間隔で新鮮培地で交換することによって緩和することができた.
著者
田沢 一二 阿部 利徳 笹原 健夫
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要 農学 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.395-401, 1997-01

【摘要】一般にアスパラガス(Asparagus officinalis L.)では雄株の方が雌株より生産性が良いことが知られている.このことは同じ雌雄異株植物である山菜のシオデ(Smilax old hami Miq.)でも経験的に認められている.本研究は,雌雄異株植物であるアスパラガスとシオデにおけるアイソザイムパターンの差異を調べ雌雄の判定ができるかどうかの基礎的知見を得ようとしたものである.幼植物の茎葉部から抽出用の緩衝液で粗タンパク質を抽出した後2種類の電気泳動によってタンパク質を分離し,その後それぞれの活性染色を行って差異を調べた.ネティブポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った後に,エステラーゼ,リンゴ酸脱水素酵素,酸性ホスファターゼ,およびグルコース6-リン酸脱水素の活性染色を行った結果,アスパラガスおよびシオデの雌雄間で差異が認められた.等電点電気泳動後に各種酵素の活性染色を行った結果では,エステラーゼおよび酸性ホスファターゼにおいて,雌雄間で差異が認められた.以上のことから,これらアイソザイムは雌雄異株植物であるアスパラガスおよびシオデの雌雄識別の基礎資料になると推察される.
著者
飯野 雄一 石原 健
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2017-05-31

線虫C.エレガンスは環境中の塩の濃度と餌の有無を連合して学習し、経験した塩濃度に向かう、あるいは避ける行動を示す。本研究はこの際の行動反転の分子・神経機構を明らかにすることを目的としている。この行動制御に重要であると以前の研究より分かっていたのがDAGシグナル伝達経路である。神経細胞内で、酵素ホスホリパーゼC(PLC)によりジアシルグリセロール(DAG)が生成される。生成されたDAGはプロテインキナーゼC(PKC)などの酵素を活性化する。このシグナル伝達経路が塩を感じる感覚神経(ASER神経)内で活性化されると線虫は高塩濃度方向に進み、不活性化されると低塩濃度方向に進むことが分かっていた。そこで、実際にDAGの量がどのように変化するかを調べた。このためにDownward DAG2とよばれる蛍光プローブをASER神経に発現させ、蛍光の変化を顕微鏡で観測することによりシナプス部位のDAG量を測定した。この結果、感覚入力としての塩濃度の変化に応答してDAG量が変化することが観察された。塩濃度が上昇するとDAGは低下、塩濃度下降時にはDAGは増加した。DAGの増減はASER神経の感覚受容に依存し、カルシウム、PLCに依存することもわかった。さらに、飢餓を経験した線虫ではDAG量の変化が小さかった。この単純な機構により、DAGは過去に経験した塩濃度と現在の塩濃度の差をコードできることがわかり、塩走性の反転機構の一部が説明できた。また、飢餓による行動変化におけるfoxo型転写因子の役割と働きかたについての研究を進めるとともに、ASER神経から下流の介在神経への情報伝達をカルシウムイメージングで解析した。さらに、全神経の活動の同時観察のための4Dイメージングシステムの導入を進めた。
著者
古河 隆二 佐藤 彬 川原 健次郎 楠本 征夫 棟久 龍夫 長瀧 重信 石井 伸子 小路 敏彦 土屋 凉一 大津留 晶 松尾 彰 後藤 誠 原田 良策 田島 平一郎 中田 恵輔 河野 健次 室 豊吉
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.753-758, 1985

3回の摘出術と2回の肝動脈塞栓術(TAE)により10年8カ月生存している肝細胞癌の1例を報告した.症例は62歳の女性,1971年肝生検で肝硬変と診断.1973年10月血中AFP上昇のため当科入院.HBs抗原,HBe抗原ともに陽性.血管造影で腫瘍膿染像をみとめ,摘出術施行,右葉後上区域の3.5cm大の肝癌を摘出した.非癌部は乙型肝硬変であった.6年10カ月後に肝癌の再発がみられ,やはり右葉後上区域にて2.0cm大の肝癌を摘出.さらに10カ月後に肝癌が出現,右葉後下区域より1.0cm大の肝癌を摘出した.組織学的には,3回ともtrabeculartypeであった.さらに1年8カ月後肝癌が出現,TAEを2回施行し外来通院中である.本例の肝癌発生様式は,多中心性と思われるが,血中AFPの厳重なfollowにより3回もの肝癌摘出術に成功し,10年以上の生存をみているため報告した.
著者
海野 徹也 山本 雅樹 笹田 直樹 大原 健一
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.147-154, 2015-12-28 (Released:2016-02-01)
参考文献数
24
被引用文献数
3 3

江の川で採集された通し回遊魚( 3 科 11 種)の耳石 Sr:Ca 比を分析し,回遊履歴を検証した.耳石 Sr:Ca 比のプロファイルより,河口付近で採集されたチチブは,終始,汽水域を主な生息域としていると考えられた.浜原ダムより下流の中流域で採集されたスミウキゴリ,ゴクラクハゼ,シマヨシノボリ,オオヨシノボリ,カマキリ,カジカ中卵型は回遊型と考えられた.ヌマチチブやウキゴリについては中流で採集された個体は回遊型であったが,浜原ダムより上流で採取された個体は非回遊型であった.浜原ダムより上流への回遊型のヌマチチブ,ウキゴリ,シマヨシノボリ,オオヨシノボリの移動は,同ダムの魚道評価の指標となり得る.トウヨシノボリ(宍道湖型)は浜原ダムより下流の個体にも非回遊型が存在することが明らかとなった.ヌマチチブ,ウキゴリ,トウヨシノボリ(宍道湖型)は,回遊パターンに対して柔軟性を有するとことで環境に適応していると考えられた.
著者
竹原 健二 三砂 ちづる 本田 靖
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.215-224, 2006-11-30 (Released:2011-02-25)
参考文献数
27
被引用文献数
1

The purpose of this study is to comprehend the correlation between the conditions of experience in sexual behavior and the sex education needs of high school students. We conducted a cross-sectional study in January-February 2004 using self-response sheetstargeting 681 students (15-16 years old) attending three public high schools in Ibaraki Prefecture and received valid responses from 627. The subjects of the analysis were divided into three groups depending on the conditions of experience in sexual behavior. We found that, as sexual behavior becomes more active, there are more pressing needs for sexual behavior related information such as "contraceptive methods" and "sexually transmitted infectious diseases" while lessinterest is shown in "male and female psychology" or "interaction between the sexes, " It became clear that the source of sex-related information is shifting from textbooks and school instruction to friends and news media. Although 30-40% of the subjects responded that they wanted to know more about the "nature of love" and "interaction between the sexes, " that is hardly handled in sex education. This suggests that needs and the sources of information on sex-related issues also differ.Judging from this result, if instruction in sex education had more varied content depending on experience in sexual behavior, there would likely be a strong possibility of being able to respond better to student needs. Though the primary issues handled in current sex education are probably centered in the provision of medical knowledge, it can be assumed that high school students want to know more essential matters as well as specific methods and it would be desirable for sex education to provide more multifaceted information.