著者
不動寺 浩 澤田 勉 古海 誓一 田中 義和 百武 壮 KOHOUTEK Tomas BARDOSOVA Maria BRUSH Lucien ERDAL Serap
出版者
独立行政法人物質・材料研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

著者らは高品質オパール結晶薄膜のコーティングを開発しその潜在的な工学的応用について研究した。前者については結晶成長制御により均一で均質な高品質オパール結晶薄膜の成膜プロセスを開発し、300 c㎡の大面積コーティングに成功した。一方、後者については(1)金属の塑性変形の可視化:金属片の塑性変形を構造色の変化として視認と歪み量計測に応用できること実証、(2)インバースオパール構造によるカルコゲナイトガラス(高屈折物質)によるワイドフォトニックバンドギャップの1次元フォトニック結晶への応用、(3)環境センシングの可能性:水中に微量存在するキシレン(0.18mg/mlオーダー)の検出が確認できた。
著者
古澤 毅 松本 興三 藤富 豊 穴井 博文 友成 一英 柴田 興彦 内田 雄三
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.1953-1959, 1988 (Released:2011-03-02)
参考文献数
42

若年者胃癌22例23病巣について胃癌取扱い規約に基づいて臨床病理学的検索を行った. 年齢は20歳から29歳, 平均26.3歳で, 男女比は1.4: 1であった. 頻度は切除胃癌の2.9%で, 初発症状では消化性潰瘍を示唆するものが多かった. 占居部位はMが78.3%を占めた. 肉眼型分類では0型が52.2%で, 3, 4型は合計30.4%と低率であった. 組織学的分類では低分化型が87%と多かった. 組織学的進行程度はstage Iが50%, IVは13.6%と低率であった. 手術成績は切除率100%, 治癒切除率86.4%であり, 遠隔成績は切除例の実測5生率は76.5%で, 治癒切除例のそれは92.9%であった. 若年者胃癌治癒切除例の予後は一般胃癌よりも優れた成績であった.
著者
古谷 雅理 櫻田 武嗣 瀬川 大勝 萩原 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.31, pp.55-59, 2005-03-18
参考文献数
3
被引用文献数
1

現在,防犯,犯罪の記録に監視カメラシステムが広く利用されている.監視カメラシステムの導入は,小人数で広範囲を監視,運用することが可能なため非常に有用である.しかし,異常が発生した場合,状況を確認するためには過去画像を検索する必要がある.また,異常を早期に発見,確認するためには,常にモニタを監視しなければならない.そのため容易に監視場所の状況を検索,確認できるシステムが必要である.本稿では,PDAと学内の無線LAN等のネットワークを利用した監視画像検索システムの構築について述べる.提案するシステムによりPDAの画面上からカメラ名,時間帯等を指定することで,監視システムに蓄積された画像から動画像を自動生成し,数分程度の動画像をPDA上で閲覧することが可能となる.本システムを利用することにより,広い範囲を少人数で巡回警備中に,巡回場所で過去に何が起きたかをその場で確認する,巡回中に別の場所の状況を確認することが可能である.We propose the development of the search system of the captured images using PDA and wireless LAN network. In this system, if the camera name and time are specified on the screen of PDA, the movie can be generated automatically from the stored images, and the movie of a few minutes can be monitored on PDA. We are using the system that stores the images which captured with the Web camera and views these images from PC now. We developed a new system that was able to monitor some surveillance places while the security guard patrolled away.
著者
古屋 俊彦
出版者
法政哲学会
雑誌
法政哲学 (ISSN:13498088)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.15-26, 2015-03-20
著者
横田 隆史 大津 金光 古川 文人 馬場 敬信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.120, pp.81-86, 2005-11-30
参考文献数
5
被引用文献数
4

予測器は一般に対象の過去の挙動をもとにして,可能性のある選択肢のなかから最尤のものを次の状態として「予測」する任を担う.予測器があらかじめ与えられる情報なしに働くならば,予測対象とする系の性質・挙動が予測器の性能となって現れてくるはずである.我々は,系の挙動に見られる偏りやランダムさに着目し,エントロピーを測度として定量化することで,予測器の性能を表現することを試みた.系を2値のマルコフ情報源と考え,その情報源エントロピーを,予測に関して系が持つ情報量と考えた.また,予測器が内部にテーブル構造を持つとき,テーブルエントリごとの使用の多寡からもエントロピーを定義し検討対象とした.予測器の方式によってエントロピー値と予測成功率の間に明らかな相関性が認められる.Predictors are responsible for predicting the next state by means of past events. When a predictor works without any knowledge on the system, its prediction performance should be influenced by statistical characteristics of the system at some level. We focus our viewpoint on randomness in the system behavior and introduce an entropy concept so as to quantitatively measure the system behavior, i.e., randomness. We define information source entropy and reference entropy. These entropy values reveal prediction performance in some prediction methods.
著者
尚古集成館編
出版者
尚古集成館
巻号頁・発行日
1991
著者
山口 眞由 古谷 昭雄
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.207-214, 2007-03-31

CAGリピート病SCA1の責任遺伝子の多型性とCAT配列の挿入および遺伝様式について健常日本人の四世代からなる家系とこの家系以外の血縁のない健常日本人のDNA試料を用いて検討を行った。この家系においてはすべてのアリルにCAT配列の挿入がCAGリピート中に認められ、構造多型も含め、10種の異なるアリルが存在し、いずれもメンデル遺伝に従うものであった。血縁のない他の健常人からはCAGリピート中にCAT配列の挿入がないアリル2種とCAT配列の挿入がある新たなアリル1種を見出した。本研究で検出したアリルはトリプレットの繰り返し数が20〜31回の範囲内の計13種で、ヘテロ接合度は0.83であり、多型性に富むことが明らかとなった。また、CAT配列の挿入したアリルは制限酵素SfaNIによるRFLP分析で容易に識別することができた。
著者
辻 宏道 畑中 雄樹 佐藤 雄大 古屋 智秋 鈴木 啓 村松 弘規 犬飼 孝明 三木原 香乃 高松 直史 中久喜 智一 藤原 智 今給黎 哲郎 飛田 幹男 矢来 博司
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

1.背景 国土地理院はGPS等の測位衛星(GNSS)の電波を受信する「電子基準点」を全国約1,300箇所に設置し、そのデータを利用して測量や地殻変動監視を行うとともに、そのデータを公開して測量・測位、防災分野等での活用を推進している。GPSはL1帯(1.57542 GHz)及びL2帯(1.2276 GHz)の信号を送信しているが、近年、準天頂衛星や次世代GPSはL5帯(1.17645 GHz)の信号も送信しており、最新型のGNSS受信機及びアンテナは、従来よりも広い周波数帯に対応した設計となっている。 一方、携帯電話サービスでは、LTEと呼ばれる次世代高速通信サービスが全国で開始されており、この中には1.5 GHz付近の電波を利用するものも含まれる。 2.現象 電子基準点「函館」で、2013年5月から観測される衛星の信号強度(SN比)が低下するとともに、データを解析して得られる電子基準点の高さに、見かけ上の変動(振幅:最大約5 cm、周期:2~3週間)が生じた。現地測量により実際の変動でないことは確認されたが、原因の究明には至らず、当該基準点は公共測量で利用できないように措置した。 その後も、電子基準点「焼津A」で、2014年3月からSN比の低下及び見かけ上の上下変動(振幅:最大約2 cm、周期:2ヶ月)が確認されるなど、2016年2月現在、同様な現象が「函館」以外に13点でも発生している(電子基準点名:「焼津A」、「大阪」、「神奈川川崎」、「石垣2」、「御殿場」、「足立」、「越谷」、「新富」、「大宮」、「楠」、「八郷」、「厚岸」、「指宿」)。いずれも水平変動はなく、上下変動も比較的小さいため、通常の公共測量では利用できるが、GNSS測量による標高の測量を行う場合は利用できない。 地殻変動の研究を行う場合、これらの電子基準点の「日々の座標値」や関連する基線に現れる周期的な上下変動は、実際の変動ではないことに注意が必要である。 3.仮説 これらの電子基準点に共通するのは、1)マルチGNSSに対応した同一機種の受信機及びチョークリング・アンテナを利用していること、2)周辺(概ね1 km以内)に携帯電話基地局があり、SN比の低下が始まった日に1.5 GHz付近の電波を利用するLTEサービスが開始されていることである。このため、GPSのL1帯の隣接周波数帯にあるLTE信号が、従来より広い帯域に感度を持つアンテナに混入し、アンテナや受信機のアンプが飽和する等によりSN比が低下しているとの仮説が成り立つ。しかし、そのデータを基線解析すると上下方向だけに周期的な変動が現れるメカニズムはよくわからない。 4.当面の対応 メーカー提供のL1帯隣接周波数帯の1.5 GHz信号を除去するフィルターをアンテナと受信機間に挿入して、「函館」及び「焼津A」で観測したところ、SN比は現象の発生前には戻らないものの改善が見られ、見かけ上の上下変動は大きく低減した。また、5~10 dBのアッテネータ(減衰器)の挿入によっても、ほぼ同様な効果が見られることを確認している。今後、減衰量の最適値を決定し、見かけ上の上下変動が発生している電子基準点にアッテネータを挿入することを検討している。
著者
大嶽 真人 古賀 初 田中 博史 須田 芳正
出版者
慶應義塾大学
雑誌
体育研究所紀要 (ISSN:02866951)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.39-45, 2002-01

サッカー競技の試合におけるハーフタイム時の選手の状態不安とパフォーマンスの関連性を明らかにすることを目的とした。対象は関東大学サッカーリーグに所属するJ大学サッカー選手25名とした。状態不安の測定にはSpielbergerらのSTAIの日本語版を用いて試合直前,ハーフタイム,試合直後の測定を14試合で実施した。その結果,以下のようなことが明らかになった。1.サッカー選手の平常時における状態不安の値は,一般学生に比べて低い傾向が確認された。2.試合直前に不安状態が高い選手は,指導者における前半戦の競技評価が低いことが認められた。3.ハーフタイム時の状態不安は,前半戦の試合結果および試合内容,競技評価の優劣に関わらず試合直前より高くなることが認められた。4.前半戦の試合結果および試合内容,競技評価の良し悪しによって,試合直前から状態不安の変化の度合いが異なり,悪くなるとハーフタイム時の状態不安は,より高くなる傾向が認められ,ハーフタイム時に,選手の不安傾向を軽減する心理的サポートを指導者が行うことの重要性が示唆された。
著者
古谷 博史 多田 仁
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:03877833)
巻号頁・発行日
no.103, pp.47-57, 2003-09

本論文では,大学生を対象にしたFORTRANプログラムの演習における,デバッグ段階についての研究結果を報告する。学習者のデバッグ作業に影響を与える要因としてプログラムの構成要素に着目し,文字数や行数,条件分岐や繰り返し等,プログラム課題の構成が,学習者のデバッグテストの成績に影響を及ぼしているか分析した。その結果,以下の結果が得られた。1)プログラム内の文字数や行数の多さは,学習者のデバッグに影響を与えている。2)文字数,入出力文の数,IF文の複雑さを説明変数とする重回帰分析によって,与えられたプログラムにおけるデバッグの難易度をある程度予測することが可能である。また,デバッグテストの成績とプログラミング経験,得意科目などのアンケート結果との関連も議論した。This paper describes results of a study on the debugging stage in a FORTRAN programming exercise for university students. We focus on elements of a program that may affect the program debugging of learners. We analyze the effect of components in test programs such as the numbers of characters and lines, the existence of the "if" and "repeat" statements on the achievement of learners in a debugging test. We find that 1) the numbers of characters and lines affect debugging by learners, and that 2) we can estimate the difficulty of debugging of a given program by using the multiple regression method with the number of characters, the number of input-output statements, and the complexity of "if statements. We also discuss the relationship between the grade of the debugging test and the result of a questionnaire regarding such topics as experience in programming, and strong subjects.
著者
福田 翼 三田 理香 古下 学 原田 和樹
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.163, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】さつま砂糖漬け鯛は、江戸時代の料理集「鯛百珍料理秘密箱」(1785年)に記載されている薩摩地方の保存食である。さつま砂糖漬け鯛は、一夜干しにした鯛を三年味噌漬けにした後、砂糖に漬け込んで作られる。本研究では、各製造プロセス、特に三年味噌への漬け込みの有無がさつま砂糖漬け鯛の保存性ならびに風味に及ぼす影響を明らかにする事を目的とした。 【方法】さつま砂糖漬け鯛の製造は次の様に行った。まず、三枚におろしたタイに食塩を添加し、25˚Cで一昼夜干した。干したタイは3 mm程度にカットした。カットしたタイは、滅菌ガーゼに包み、三年味噌に漬け込んだ(20˚C・48時間)。味噌漬けにしたタイを滅菌済みガラス容器に入れ、0-50%の範囲で砂糖を添加した。これを20˚Cで保存した。適宜、サンプリングを行い、一般生菌数を測定した。また、保存1ヶ月の試料については、嗜好性評価を実施した。 【結果】一般生菌数の経時変化を調査した結果、時間経過と共に減少した。さらに、砂糖の添加割合が高い程、減少傾向が見られた。保存1ヶ月目において、砂糖添加割合0%では5.2×104 CFU/g、50%では6.8×103 CFU/gであった。一方、味噌漬けを行わない場合、保存1ヶ月目において、砂糖添加割合0%では2.1×107 CFU/g、50%では5.3×107 CFU/gであった。したがって、味噌漬けを行った場合、一般的な食品の腐敗レベル106 CFU/g以下となる事が明らかとなった。嗜好性評価を行った結果、砂糖添加割合が同等の場合、全ての場合において味噌漬けを行った「さつま砂糖漬け鯛」の方が高い評価となった。さらに、砂糖添加割合0%を基準とし評価を行った。その結果、砂糖添加割合25%もしくは50%が高い評価となった。
著者
古田土 真一
出版者
千葉大学
巻号頁・発行日
1988

学位:千大院薬博乙第60号
著者
樋口 真理可 古屋野 太一 伊藤 篤 和田 哲
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.251-258, 2004-09-20
参考文献数
28
被引用文献数
2

高知県浦ノ内湾及び沖ノ島周辺で採集されたマガキガイの捕食者防御行動について室内実験をおこなった。本種は成長に伴い貝殻外唇部が肥厚するので、外唇部が厚さと防御行動の関係に着目した。ほぼ同一サイズの個体を用いた室内実験の結果、捕食者であるソメンヤドカリは外唇部の薄い個体を選択的に捕食したが、外唇部の肥厚によって捕食者防御行動に対する明瞭な影響は認められなかった。また、本種の行動に対する同一水槽内のソメンヤドカリの影響は認められなかった。ソメンヤドカリに捕らえられたマガキガイは多量の粘液を分泌したが、粘液の有無による本種の行動においても有意な違いは認められなかった。一方、つぶしたマガキガイが入った水槽では、コントロール条件に比べて本種が有意に早く完全埋没(自分の貝殻が底質表面から見えなくなるまで潜砂した状態)に至った。
著者
広田 知良 山﨑 太地 安井 美裕 古川 準三 丹羽 勝久 根本 学 濱嵜 孝弘 下田 星児 菅野 洋光 西尾 善太
出版者
日本農業気象学会
雑誌
生物と気象
巻号頁・発行日
vol.17, pp.34-45, 2017
被引用文献数
10

Although climatic conditions had hindered the introduction of Pinot Noir, a cultivar of wine grape (<i>Vitis vinifera</i>), to areas such as Yoichi and Sorachi, Hokkaido, northernmost Japan, the growing region of the cultivar has recently extended. We analyzed meteorological data to obtain the rationale for the successful cultivation of Pinot Noir in Hokkaido; climate shift since 1998 pointed by Kanno (2013), i.e., rise in summer temperature, facilitated cultivation of the variety. Today, Yoich and Sorachi have become the right locations for growing the cultivar, and it has also been grown in other areas. Indeed, the vintage chart in Tokachi indicated the consistent, good harvest of grape since 1998. There is negative correlation in the average monthly temperature between April and August, and positive correlation between August and September ever since the climate shift. We hypothesize the benefits of the climate shift in terms of wine production as follows: 1) in years with low April temperature and high summer temperature, the growth rate in early stage delays, but the temperature required for grape maturation is secured by high temperature in August and September; and 2) in years with warm April and subsequent cool summer, early growth start keeps the growing season long enough, which may have compensated the risk of poor grape maturation in cool summer. Thus, climate change is considered to have favored the cultivation of Pinot Noir in Hokkaido.