著者
吉川 幸造 島田 光生 栗田 信浩 西岡 将規 森本 慎也 東島 潤 宮谷 知彦 宮本 英典 寺嶋 吉保
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.56-60, 2010 (Released:2010-02-02)
参考文献数
17
被引用文献数
5 3

Bevacizumab使用中の手術は創傷治癒遅延のため投与後4∼6週間以降に施行することが推奨されているが,消化管穿孔などでは緊急手術が必要となる.今回,Bevacizumab使用中に緊急手術行った2例を報告する.症例1,50歳代男性.下行結腸癌同時性肝転移肺転移と診断され,腫瘍によるイレウスに対して人工肛門造設術を施行,その後,腫瘍の後腹膜への穿通に対して結腸左半切除術を施行.8日後に腸腰筋膿瘍に対して洗浄ドレナージ術を施行.症例2,70歳代男性.虫垂粘液嚢胞腺癌,腹膜播種と診断され治療を行っていた.消化管穿孔に対して緊急手術を施行.横行結腸に穿孔部が認められたが高度の癌性腹膜炎の状態であり洗浄ドレナージ術を施行し治療した.Bevacizumab使用時において消化管吻合が可能な場合においても吻合を行わず,人工肛門造設による2期的手術を行い,人工肛門閉鎖については,十分なBevacizumab休薬期間と原疾患の進行状況に合わせてその時期を検討する必要がある.
著者
山木 克則 小河 久朗 吉川 東水 難波 信由
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.347-351, 2006-09-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
13

アマモ場の再生に向けたアマモの苗の大量生産に向けたシステムの構築を行うために, アマモの種子を短期間に高率で発芽させる条件を見出すために発芽試験を行った。試験に用いたアマモの種子は東北地方と関東地方の4産地で採取し, 20℃の暗黒条件下で2か月間保存したものを用いた。試験は, 塩分と温度を一定条件にした水溶液中で行った。塩分は0 (淡水) , 5, 10, 15, 20, 25, 33psu, 設定温度は5, 10, 15, 20℃とした。試験の結果, 全ての産地に共通して20℃の淡水条件 (0 psu) で高い発芽率が見られ, 10日間で60%以上であった。発芽種子をTTC溶液で染色したところ活性が見られた。しかし, 淡水浸漬14日以上では発芽種子に胚軸の生育阻害及び腐敗が見られ30日でほぼ全ての発芽種子が腐敗した。種子の保存期間と淡水による発芽促進効果の関係を調べるために種子の保存期間 (20℃) を1, 7, 21, 30, 60, 180, 360日として発芽試験を行った結果, 保存期間が長くなるほど発芽率が高くなる傾向を示し, 60日以上の保存期間で高い発芽率を示した。
著者
松本 凌 西澤 侑吾 片岡 範行 田中 博美 吉川 英樹 田沼 繁夫 吉原 一紘
出版者
一般社団法人 表面分析研究会
雑誌
Journal of Surface Analysis (ISSN:13411756)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.155-167, 2016 (Released:2016-05-31)
参考文献数
15
被引用文献数
9 9

XPSスペクトルのバックグラウンド推定の方法は任意性が高く,バックグラウンドの形状によってピークの強度が変わるため定量分析の結果に大きく影響する.特に,最も多用されているiterative Shirley法では,指定されたXPSスペクトルの始点と終点でのデータ点の強度に大きく依存してバックグラウンド形状が変わる.本研究では,この依存性を低減する為,バックグラウンド推定をピークフィッティング中で行う動的Shirley法に着目し,これをCOMPROに組み込んで銅酸化物超伝導体のCu 2pスペクトルやSiO2薄膜のSi 2pスペクトルに対して適用した.その結果,バックグラウンドの端点位置やピークの関数型を変化させてもバックグラウンドの形状やピーク面積について変動の少ない安定した解が得られることが明らかとなった.
著者
渡辺 みはる 保科 洋美 吉川 文彦 根津 八紘
出版者
信州医学会
雑誌
信州医学雑誌 (ISSN:00373826)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.435-441, 2018-12-10 (Released:2019-02-06)
参考文献数
23

Suwa Maternity Clinic (SMC) has provided pre-adoption consultation to infertile couples since the consultation section for patients (Kounotori Sōdan-shitsu) was opened in the hospital in 2003. In this research, we analyzed cases of consultation to evaluate the significance of adoption-related information and support activities to sterile couples by medical organizations. We collected the treatment histories of couples who had sought pre-adoption consultation from their medical records which were kept by SMC. We explained the purpose of our research and obtained their consent to cooperate by telephone, and conducted a survey by e-mail asking them about their experience of adoption and their current circumstances. SMC provided consultation to 32 couples over 14 years. Nineteen couples adopted 21 children through the special adoption system (tokubetsu yōshi engumi). Fourteen out of the 19 began adoption procedures while they were undertaking infertility treatments, and 5 couples began after giving up treatment. The age of the adopted children when they started to live with adoptive parents ranged from 0 days to 23 months old ; 15 children were less than 7 days old. The adoptions of 11 children were coordinated by a public organization, the local Child Consultation Center (Jidō Sōdan-sho), while those of 10 were coordinated by private adoption agencies. SMC set up networking opportunities for adoptive families. We conclude that pre-adoption consultation at medical organizations for treatment of sterility is meaningful for the well-being of adopted children as well as infertile couples who have given up treatment.
著者
吉田 泰寛 吉川 徹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.50-56, 2021-06-08 (Released:2022-06-08)
参考文献数
9

本研究は、私鉄の駅前の広告物の色彩には沿線ごとに傾向があり、また開業年や乗降客数などの駅特性にも影響を受けるのではないかとの仮説を検証することを目的とした。このため、京王相模原線、東武東上線、小田急多摩線を対象として、色彩と駅特性の関係を、判別分析とクラスター分析によって検討した。結果として、沿線ではなく都心部からの距離によって、またターミナル駅より都心側か郊外部側かによって、色彩が大きく異なっていた。
著者
太田 修司 吉川 衛 庄司 和広 谷藤 泰正
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.360-364, 2006-12-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
23

鼻内処置ならびに経鼻挿管治療において, 出血予防目的でエピネフリンが一般的に用いられている。しかしながら, 現在までに鼻内塗布血管収縮薬について有効濃度についての報告は少ない。今回我々は, 出血予防で鼻内処置に使用するエピネフリンおよびフェニレフリンの使用至適濃度について比較検討したので報告する。対象は鼻, 副鼻腔疾患の既往がなく, 1週間以内に上気道炎を罹患していない24-32歳 (平均 : 26.3±3歳) の健常成人ボランティア9名 (男性5名, 女性4名) 。測定は0.02%-0.001%エピネフリン, 0.5%および0.1%塩酸フェニレフリン, 及び対照用生理的食塩水を用い, 各濃度別薬剤2mlを染みこませたガーゼを被験者の右鼻腔内に3分間挿入した。その後内視鏡による貼付処置前後の色調及び粘膜収縮の観察と, 通気度計による通気度 (圧・流量曲線) 測定を行った。結果は, 内視鏡による粘膜色調, 収縮変化観察において, 対照を除く各群において収縮および下鼻甲介粘膜に貧血様の蒼白色調変化を認めた。通気度改善率の検討では対照群 (生食) との比較において0.02%, 0.01%エピネフリン群及び, 0.5%フェニレフリン群問に有意な通気改善を認めた。経鼻挿管に使用する出血予防血管収縮薬至適濃度は0.01%エピネフリンおよび0.5%フェニレフリンで効果があると考えられる。
著者
佐野 友美 吉川 徹 中嶋 義文 木戸 道子 小川 真規 槇本 宏子 松本 吉郎 相澤 好治
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
pp.2019-010-B, (Released:2019-10-26)
被引用文献数
2

目的:医療機関における産業保健活動について,現場での事例をもとに産業保健活動の傾向や実施主体別の分類を試み,現場レベルでの今後の産業保健活動を進めていくための方向性について検討した.対象と方法:日本医師会産業保健委員会が各医療機関を対象に実施した「医療機関における産業保健活動に関するアンケート調査」調査結果を活用した.自由記載欄に記載された現在取り組んでいる産業保健活動の記述内容を対象とし,複数名の専門家により各施設の産業保健活動の分類を試みた.特に,1.個別対策事例(具体的な取り組み事例・産業保健活動の主体)2.産業保健活動の取り組み方を反映した分類の2点に基づき分類を行い,各特徴について検討した.結果:有効回答数1,920件のうち,581件の自由記載があり,1,044件の個別の産業保健活動が整理された.1.個別対策事例のうち,具体的な取り組み事例については,個別対策毎の分類では「B労務管理・過重労働対策・働き方改革(35.7%)」,「Cメンタルヘルス対策関連(21.0%)」,「A 労働安全衛生管理体制強化・見直し(19.3%)」等が上位となった.また,施設毎に実施した取り組みに着目した場合,「B労務管理・過重労働対策・働き方改革関連」と「Cメンタルヘルス対策関連等」を併せて実施している施設が施設全体の13.2%に認められた.産業保健活動の主体による分類では,「a:産業保健専門職・安全衛生管理担当者(71.7%)」が最も多く,「b:現場全体(18.4%)」,「c:外部委託(2.4%)の順となった.2.産業保健活動の取り組み方を反映した分類では①包括的管理(42.0%)が最も多く,②問題別管理(23.8%),③事例管理(16.5%)の順となった.考察と結論:医療機関における産業保健活動として,過重労働対策を含む労務管理・働き方改革,メンタルヘルス対策への取り組みが多く実践されていた.特に,メンタルヘルスにおける一次予防対策と過重労働における一次予防対策を併せて実施している点,外部の産業保健機関,院内の各種委員会,産業保健専門職とが連携し産業保健活動が進められている点が認められた.厳しい労働環境にある医療機関においても,当面の課題に対処しつつ,医療従事者の健康と安全に関する課題を包括的に解決できる具体的な実践が進められつつある.また,各院内委員会や外部専門家との連携によりチームとして行う産業保健活動の進展が,益々期待される.
著者
吉川 堯 小山田 隆 吉川 博康 坂口 真紀子
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science) (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.875-881,885, 1981-12-25 (Released:2008-02-13)
参考文献数
30
被引用文献数
2 4

ワラビ(pteris aquilina)の腫瘍原性について, ラット(211例)を用いて実験的研究を行った. そして特に膀胱腫瘍について組織形態学的検討を試みた. ワラビ給与例では膀胱の他, 小腸, 皮下, 腎臓および口蓋に腫瘍の発生を認め, ワラビの著しい腫瘍原性が確認された. 組織学的に膀胱には良性から悪性性格を示す乳頭腫(60例), 移行上皮癌(9例), 腺癌(2例), 腺維腫(6例), 平滑筋肉腫(2例), 血管腫(1例)が認められた. 腫瘍の発生はワラビ多給群において, より高率かつ悪性であった. 上皮性腫瘍の発生に対して粘膜上皮層の水腫および好酸性紡錘形細胞の出現を伴う上皮層の増生並びに肥胖細胞の動態が注目された.
著者
吉川 和孝 梅田 未希 中村 仁美 澤田 萌
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.355-359, 2022 (Released:2022-06-20)
参考文献数
12

〔目的〕間質性肺炎増悪が胸郭出口症候群発症の要因になった可能性のある症例に対して行った介入が,症状改善をもたらした例を報告する.〔対象と方法〕間質性肺炎により常時0.5 L/分の在宅酸素療法を行っていたが,呼吸困難感と左上肢の疼痛,感覚障害を呈し, 間質性肺炎増悪による経皮的動脈血酸素飽和度低下で入院となった80代女性を対象とし,左斜角筋群ストレッチ,リラクゼーション,胸郭ストレッチなどの呼吸リハビリテーションを中心に介入を行った.〔結果〕その結果,疼痛消失と感覚障害消失がみられた.〔結語〕呼吸機能に着目して行った介入が,間質性肺炎増悪が発症の要因になった可能性のある胸郭出口症候群の症状を緩和にしたことから,呼吸器疾患による胸郭出口症候群発症の可能性が示唆された.
著者
吉田 純 吉田 昌平 相馬 寛人 吉川 信人 橋尾 彩花 青島 早希 谷口 里奈 菅 寛之 毛利 尚史 辻原 隆是
出版者
Japanese Society for Joint Diseases
雑誌
日本関節病学会誌 (ISSN:18832873)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1-5, 2014 (Released:2015-06-10)
参考文献数
18

Objective: We examined the relationship between isokinetic knee extensor strength and lower limb skeletal muscle mass measured by the impedance method. The objective of this study was to clarify the characteristics of knee extensor strength in patients with osteoarthritis of the knee.Methods: The osteoarthritis (OA) group was composed of thirty-six lower limbs of twenty females with OA of the knee, and the control group was composed of fifty lower limbs of twenty five healthy females, respectively. The mean age of the OA group was 68.1±4.9 years and that of the control group was 70.3±3.6 years, respectively. We measured lower limb skeletal muscle mass by the eight electrode body impedance analysis (BIA) method. In addition, we measured the peak torque of the knee extensor muscle strength in 60 deg/sec. Investigations were also carried on primary lower limb skeletal muscle mass and knee extensor strength obtained from the control group. We then predicted the knee extension strength of the OA group, which was obtained using a formula.Results: Lower limb skeletal muscle mass for the OA group was 6.2±0.6 kg, and for the control group was 6.3±0.5 kg (n.s.), respectively. Knee extensor torque for the OA group was 60.0±16.1 Nm, and for the control group was 77.7±13.7 Nm (p < 0.01), respectively. The primary regression equation in the control group was y = 11.016x + 8.63 (r = 0.428). Predictive value of knee extensor strength of the OA group obtained from the regression equation was 77.4±6.7 Nm.Conclusion: The ratio of muscle output for skeletal muscle mass decreases in the patients with OA. Therefore, we think instead of simply increasing the muscle mass in the rehabilitation of patients with OA, it is necessary to continue to improve the ratio of muscle to muscle mass output.

1 0 0 0 尚書正義

著者
吉川幸次郎譯
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1940
著者
宗像 亮 小谷 英太郎 西城 由之 渋井 俊之 細川 雄亮 神谷 仁孝 吉川 雅智 堀江 格 上村 竜太 松本 真 中込 明裕 草間 芳樹 新 博次
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.1113-1118, 2008-12-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
18

症例は29歳,男性.以前より安静時胸部違和感の自覚あり.自宅で昼寝中に意識消失し,家人が心臓マッサージを行い救急車を要請.救急隊到着時は心室細動(ventrlcular fibrillation ; VF)で,除細動後に無脈性電気活動となり心肺蘇生術を継続し当院救命センターへ搬送された.収容後もVFは再発を繰り返し血行動態維持に補助循環〔経皮的心肺補助装置(percutaneous cardiopulmonary support ; PCPS),大動脈内バルーンパンピング(intraaorticballoon pumping ; IABP)〕を要したが順次離脱できた.洞調律復帰後の心電図でST下降を認めたため冠動脈造影を施行.冠動脈に有意狭窄は認めなかったがアセチルコリン(acetylchoiine ; ACh)負荷試験にて左冠動脈に心電図変化を伴うほぼ完全閉塞にいたる冠攣縮が誘発された.諸検査でほかに基礎疾患を認めず冠攣縮性狭心症によるVFと診断した.カルシウム拮抗薬の投与後発作なく,服薬下で再施行したACh負荷試験で冠攣縮が誘発されないことを確認し,植込み型除細動器の植え込みは行わなかった.VF例では救命することに加え原疾患の診断が重要であり,若年者のVF例で原因診断と後遺症を残さず社会復帰をし得た貴重な1例を経験したので報告する.
著者
粕谷 大智 沢田 哲治 磯部 秀之 赤尾 清剛 吉川 信 高田 久実子 山口 智 小俣 浩 山本 一彦
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.193-202, 2005 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8
被引用文献数
2

(はじめに) 我々は関節リウマチに対する鍼灸治療の有効性と有用性および安全性を、外来にて薬物療法を行っている群を対照とした多施設ランダム化比較試験により検討した。(方法) 鍼灸臨床研究において重要な endpoint (評価項目) は、1. ACRコアセット (アメリカリウマチ学会提唱の活動性指標) による改善基準と、2. RAのQOL評価法であるAIMS-2日本語版を用い、介入 (治療法) については、関節リウマチの病期別に患者の活動性や機能障害を考慮しながら局所と全身の治療を行えるように病期別治療法チャートを作成し、患者の病態に応じて統一した治療法にした。(結果)1. 症例の収集についてはA群 (薬物療法群) 80例 (女性80例、男性2例、うち2例脱落)、B群 (鍼灸治療併用群) 90例 (女性90例、男性6例、うち6例脱落) の計170例が解析の対象となった。2. ACRコアセット改善基準を満たしている症例 (改善例) は、A群80例中8例、B群90例中20例で、2×2カイ二乗検定よりP=0.04で両群間において有意差を認め、鍼灸併用群の方が有意に改善を示した。3. AIMS-2質問紙によるQ0L変化: 12ケ月時点で両群間でP=0.001と有意差を認め、鍼灸併用群の方が有意に改善を認めた。4. AIMS-2質問紙の各項目の変化: 両群間で有意に鍼灸併用群に改善を認めた項目は歩行能、手指機能、家事、社交、痛み、気分、自覚改善度であった。(結語) 今回、多施設ランダム化比較試験において鍼灸併用群で上述の項目において有意に改善を認めたことは、従来の治療に鍼灸治療を併用することで身体機能低下を予防し、血行改善や精神的安定も得られ、関節リウマチ患者のQOL向上に寄与することが示唆された。
著者
吉川英治 著
出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
vol.第1巻 (ちげぐさの巻), 1951
著者
柳沢 俊史 吉田 二美 伊藤 孝士 奥村 真一郎 小田 寛 池永 敏憲 吉川 真 樋口 有理可
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

これまでの近地球小天体の発見手法とは全く異なる新たな検出手法を開発し、実際に日本及び豪州でのサーベイ観測をとおして近地球小天体を9つ発見した。これにより小型の望遠鏡とFPGAを利用した高速解析による安価で効率的な近地球小天体の発見手法が確立され今後多くの近地球小天体、特にこれまでほとんど発見されてこなかった10m-数100m級の近地球小天体の発見に大きく貢献すると思われる。これにより太陽系進化に関するあらたな知見をもたらすことが期待されるとともに地球衝突天体の早期発見にも役立つはずである。
著者
内田 脩斗 吉川 大弘 古橋 武
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第34回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.214-216, 2018 (Released:2019-01-09)

Word2Vecを用いて単語の意味関係をベクトルへ埋め込む分散表現型単語ベクトルが近年注目を集めている.さらに,この単語ベクトルは,構文解析や文書分類など,言語処理分野において幅広く利用され,その有効性も報告され始めている.一般的に,単語ベクトルとして利用されるのは,Word2Vec学習ネットワーク上の入力側重みであり,同時に生成される出力側重みは利用されない.これに対し著者らは,対となる出力側重みの有用性に着目し,本稿において,前者と後者を併用した単語ベクトルを提案する.また,実際に単語ベクトルの性能評価実験を行い,その有効性を示す.
著者
大場 由実 中島 崇行 神田 真軌 林 洋 永野 智恵子 吉川 聡一 松島 陽子 小池 裕 林 もも香 大塚 健治 笹本 剛生
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.92-96, 2022-04-25 (Released:2022-06-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1

筆者らが開発したLC-MS/MSによるはちみつ中殺ダニ剤一斉分析法を用いて,2015年4月から2021年3月までに都内に流通していたはちみつについて,残留実態調査を実施した.127検体中,85検体からアミトラズが1.1~34.1 µg/kgの範囲で検出され,3検体からプロパルギットが2.4~3.8 µg/kgの範囲で検出された.いずれの検出事例も食品衛生法における残留基準値または一律基準値未満であった.6年間にわたる本調査の検出結果を解析したところ,アミトラズは毎年高い検出率で推移している.しかし,検出濃度は基準値を上回ることなく変動も小さかったことから,養蜂の現場で適正に使用されていることが示唆された.一方で,プロパルギットは2020年の国産はちみつから初めて定量下限値を超えて検出されており,新しい薬剤として養蜂分野で使用されている可能性が考えられた.