著者
渡辺 勇士 竹林 暁 吉川 綱希 藤原 尚聡
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2023-CE-169, no.30, pp.1-11, 2023-03-04

2020 年に起こったコロナウィルス感染症の流行は,世界中の学習スタイルに影響を与えた.多くの教育機関が従来の対面の授業スタイルからオンラインでの授業スタイルに切り替えることを余儀なくされた.2023 年現在,with コロナの生活も定着しつつあり,教育機関でも対面の授業スタイルに戻す状況が多く見られる.しかし,学習者の学習の利便性を考慮したとき,オンラインの教育も選択肢として発展せるべきである.その中で,オンラインでのアクティブラーニングをどのように行うかは議論の余地がある.本研究では,オンラインでのアクティブラーニングに特化した,コミュニケーションツール noiz を開発した.そして,予備的なものになるが,大学生に実際に使ってもらいアンケート調査を実施した.その結果,大学生は従前のビデオ会議システムよりも noiz の方がグループワークにおいてコミュニケーションがとりやすいと感じることがわかった.一方で,オンラインでのアクティブラーニングを成功させる要因として,ツールだけでなく,ファシリテータの存在が要望されていることもわかった.
著者
高橋 昌二 小原 利紀 吉川 美穂 川上 正人 中島 一彦
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E1131, 2006 (Released:2006-04-29)

【目的】座位姿勢の保持と変換は、健常者や軽度要介護者では少ない労力で済むためあまり意識せずに行える。重度要介護者では運動および感覚機能障害により、骨盤後傾し脊柱後彎した仙骨座りとなる場合が多い。仙骨座りを呈する症例では、身体を動かすあるいは姿勢のバランスを保持するための身体部位の位置決めや力の入れ方がわからなくなることが多く、座位で行う諸活動を拙劣にする要因になる。今回、支持基底面、支持基底面を通る重心線、筋活動など力学原理からなる身体力学(以下、ボディメカニクス)を応用した車椅子座位姿勢の保持と変換の動作練習を実施し、効果を検討したので報告する。【方法】障害高齢者の日常生活自立度B2で、座位姿勢の保持と変換が全介助または一部介助、通常は可でも健康状態低下時に要介助となる患者36名を対象とした。日常生活で使用する車椅子に座り、身体各部を意図的に動かし全身の協調による少ない筋力でも安定・安楽となる肢位が認識できるよう動作練習を実施した。保持は、先ず後傾した骨盤を垂直にするため体幹前面筋群および股関節屈筋群の協調的な収縮で股関節屈曲90度を保持しながら足底を床につける。次に後彎した脊柱を体幹全体で垂直方向に引き上げた最大伸展位から少し屈曲し、安定・安楽な肢位を認識する。変換である座り直しは、先ず安定を図るために上下肢による支持基底面の横幅を広くとる。次に座位バランスの保持を最小限の筋力で行うために、身体重心線が支持基底面内に収まるよう上体前傾を基本に、肩、肘掛けに置く手、床に接する足が側方から見て垂直に近づく位置とする。最後に力の方向として、上体前傾しつつ、手で肘掛けを真下に押すことにより上肢で殿部を挙上し座面との摩擦を軽減、足で挙上している殿部を前後左右に動かす。体幹と上下肢の位置を少しずつ変えて安定・安楽に座り直せる肢位を認識する。【結果】改善25名。不変11名。筋力が全身的に重度低下、活力と欲動が過度に低下した症例では改善が認められなかった。【考察】仙骨座りが改善し、座位姿勢の保持と変換が連動できるようになると、視野が広がる、テーブルや洗面所に体幹と上肢が接近する、上肢を挙上しやすくなる効果があるので、食事や整容を上手で綺麗に行うというニーズに応えることができる。なお、仙骨座りを呈する症例は健康状態が低下しやく、低下した場合は動作練習をその都度実施し改善を図る必要がある。【まとめ】重度要介護者でも心身機能が悪化していなければ、ボディメカニクスを応用した動作練習で仙骨座りを改善し、車椅子座位の活動向上に有効と考えられた。
著者
野崎 佑典 竹本 修 池崎 良哉 吉川 雅弥
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J106-B, no.3, pp.103-111, 2023-03-01

本論文では,軽量暗号Midori128に対する耐タンパ実装を提案する.提案手法は,RSMをベースとすることで,小回路規模でMidori128のサイドチャネル解析に対する耐タンパ性を向上させる.実験では,提案手法を適用したMidori128をFPGA実装し,その安全性について評価した.そして,提案手法はサイドチャネル解析に対する耐タンパ性を有しており,小回路規模で実現可能であることを明らかにした.
著者
篠崎 史郎 松沢 幸範 須沢 和美 山口 伸二 岡田 和義 早野 敏英 吉川 佐知子 藤本 佳作 小林 俊夫 関口 守衛
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.31, no.8, pp.1034-1039, 1993-08-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
14
被引用文献数
1

症例は37歳の男性. 昼間の傾眠および家人に睡眠時呼吸停止を指摘され, 精査目的で入院した. 終夜睡眠ポリグラフの結果無呼吸指数 (Apnea Index, AI) は57.5と高値を示し, 混合型と閉塞型無呼吸が優位の上部気道閉塞型の睡眠時無呼吸症候群 (SAS) と診断された. 背臥位と側臥位における体位別の検討を行った結果, AIは背臥位82.4に比べ, 側臥位では5.9と著明に低く, 無呼吸時間, SaO2の最低値, 睡眠の質はいずれも側臥位で著明に改善していた. 7kgの減量後の終夜ポリグラフの再検の結果, AIは33.2と著明な改善を示した. しかし体位別には背臥位77.3側臥位3.8とそれぞれ軽度の改善にとどまっており, AIのみかけ上の改善は側臥位睡眠時間が相対的に増加したための結果と考えられた. 上部気道閉塞型のSASには, その診断および治療効果判定に, 睡眠体位を考慮すべき症例が存在すること, また側臥位睡眠そのものが治療の一つになり得る可能性を示す重要な症例と考えられる.
著者
吉川 仁子
出版者
奈良女子大学
雑誌
叙説 (ISSN:0386359X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.44-56, 2008-03
著者
中山 研一朗 島田 久弥 浦東 聡介 岩井 大河 吉川 厚
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2022年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.120, 2022 (Released:2022-03-28)

1. はじめに 日本における合計特殊出生率(以下TFR)は、南西の地域ほど高く、北東の地域ほど低いことが知られている 。佐々井(2007) は、日本全国を9つのブロックに区分して、夫婦の出生力と、その原因と考えられる項目を比較・分析した。一方、国立社会保障・人口問題研究所による出生動向基本調査(2015)では、男女が結婚を決める理由と、夫婦が子どもを持つに至る理由について幾つかのアンケートを集め、分析を行っている。佐々井の研究におけるブロック単位での分析を、都道府県単位へと細分化することで、都道府県固有の特性にも視点を持たせたより詳細な分析を目指した。出生動向基本調査を踏まえながら、TFRに対する影響要素とそれを示す項目を仮説的に案出し、それらに相当する統計データとTFRの相関の状況を比較・分析した。2. 方法2.1 データ収集方法 項目の分析にあたっては、都道府県別(以下 県)で得られるデータを用いて2項目間の相関分析を行った。データの多くは国勢調査を利用したが、2020年実施分は未だ公開されていない項目があるため、2015年実施分を利用し、他の項目も原則として2015年のデータを用いることとした(2015年のものがない一部項目は近い年のデータを採用)。 2.2 仮説として設定したデータ項目 1)「女性の婚姻率」:日本における非嫡出子割合は低水準であることも踏まえ、TFRとの直接的な相関を確認 するとともに、同項目への影響要素として他項目を案出した。 2)「夫婦あたり子ども数」:同様にTFRに直接かかわる項目であることを確認3し、同項目への影響要素を案出。 3)「女性の就業率」:仕事を優先することで出産を控えるよう影響するものと想定。 4)「非正規雇用率」:非正規雇用による低所得や就業の不安定さが結婚、出産を躊躇させると想定。 5)「女性の大学進学率」:高学歴化により就業開始年を引き上げ、仕事への意欲から結婚の優先度が下がると想定。 6)「三世代同居率」:祖父母に子どもの面倒を見てもらえることが、子育てのしやすさに繋がると想定。 7)「女性の初婚年齢」:早期結婚は出産可能期間を拡げ、体力のある若い時期の子育てが多産へ繋がると想定。 8)「世帯年収」:収入が高いことで養育費、教育費が確保でき、多産につながると想定。9)「教育支出」:教育支出が高い地域では、2人目、3人目の出産を躊躇する傾向にあるとの想定。3. 分析結果の概要 今回の分析結果は要旨に記載した表1のとおり。 3)20代の女性就業率が高い県は婚姻率も高く、仮説に反して強い正の相関が認められ、TFRとの正の相関もみられる。 4)男性20代の非正規雇用率が高い県は婚姻率が低く、強い負の相関がある一方で、男性30代の非正規雇用率の場合、婚姻率との相関は低下した。 5)女性大学進学率が高い県は、30歳前後の女性婚姻率とTFRに強い負の相関がみられる。 6)三世代同居率は夫婦あたり子ども数とは相関はみられず、仮説には合致しなかった。 7)女性初婚年齢が高い県は、女性婚姻率、TFRともに低く、強い負の相関がみられた。 8)世帯年収が高い県は、仮説に反し、夫婦あたり子ども数、TFRともに低く、強い負の相関がみられる。9)教育への支出は、仮説に反して夫婦当たり子ども数には相関が見られない一方で、女性婚姻率とTFRに負の相関がみられた。4. 考察 分析前に立てた仮説に合致しなかったものについて、下記のとおり仮説を修正、考察する。 3)女性就業率との正の相関は、仕事をきっかけに出逢いの機会が得やすいことと、「出生動向基本調査」(2015)にある通り、結婚への最大の障害が結婚資金であるという調査結果を支持すると考える。 4)男性30代非正規率を県別に見ると、20代に比べ分散が低い。歳とともに正規雇用が増えることで県別正規雇用率が均され、婚姻率との相関が弱まったものと予想。 6)三世代同居率との無相関は、子どもが増えると家が手狭になり別居し始めることや、子ども数の少ない東北地域で三世代同居率が高かったことが背景していると予想。 8)世帯年収との負の相関は、世帯年収の高い世帯は共働き世帯が多く、出産を抑制する影響があるためと予想。 9)子ども数の少ない県では一人あたりの教育支出が高く、多い県では一人あたりの教育支出が低く、結果として子ども数と教育支出に相関が現れないと予想。更なる分析を行う上では、対象地域の細分化や、複数年度のデータによる精度の向上や、相関分析から一歩進め、因果関係の側面から掘り下げるなど、仮説の更なる検証を進める余地があり、これが今後の課題と考える。
著者
吉川 正剛 Masatake YOSHIKAWA
出版者
大手前大学CELL教育研究所
雑誌
大手前大学CELL教育論集 = Otemae University CELL journal of educational studies (ISSN:21855641)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.057-066, 2017-03-31

2011年の大学設置基準の改正により、大学でのキャリア教育やキャリア形成支援が原則義務付けられた。今後の就職支援部門の業務は、大学設置基準の趣旨を踏まえて学生のキャリア形成支援に資するよう再構成することが求められているが、そのあるべき姿は明確ではない。本稿では、文部科学省が想定している「キャリア教育」の意義から大学設置基準の条項を検討するとともに、職業紹介機関たる就職支援部門と厚生補導機関たる就職支援部門の位置づけを振り返ることにより、就職支援部門が行う「就職支援」の再定義を試みた。この中で、職業指導の「目標の二重構造」を提示し、今後の就職支援が「卒業後の進路決定」という学生の目標と「人生設計支援」という大学の目標の、2つの目標の二重構造の中で行われるべきことを示した。
著者
織田 恵輔 臼井 達矢 上田 真也 桂 良寛 吉川 貴仁 小林 茂 藤本 繁夫
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.313-318, 2012-06-01 (Released:2012-06-15)
参考文献数
31
被引用文献数
4

Although there are a number of reported cases of increased cerebral blood flow during exercise, there are no reports on the relation between changes of blood flow during exercise and attentional function. The purpose of this study is to clarify the relation between changes of blood flow during exercise with AT intensity and attentional function, using near-infrared spectral analysis. The subjects were 10 healthy males. The research protocol was to conduct steady load exercise. We randomly conducted two invention trials: 1) an exercise/task trial in which a trail making test (TMT) was performed as an attentional assignment during steady load exercise, and 2) a rest/task trial in which TMT was performed during rest as a control. As a result, we observed the following: increase of oxy-Hb in the prefrontal cortex during AT exercise, the significant shortening of TMT during exercise from 69.1±10.2 seconds to63.2±7.2seconds, and, with further control, that the more oxy-Hb rises, the more TMT time is shortened. From these results, it is suggested that 10 minutes of exercise would improve attentional function, and furthermore, there is a possibility that increased cerebral blood flow may be involved with the improvement of attentional function.
著者
吉川 祐子
出版者
国学院大学
巻号頁・発行日
2003

博士論文
著者
今野 義孝 吉川 延代 会沢 信彦
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 = Bulletin of Human Science (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.123-131, 2015-03-01

This study examined how self-esteem and assumed competence relate to bullying. Participants were 434 undergraduates (204 males, 230 females) . Participants recalled their experiences during junior high school as they completed a self-esteem scale and an assumed competence scale. Results revealed a significant positive correlation between the extent of bullying perpetrated and assumed competence for male participants and participants as a whole. In other words, bullies had a higher assumed competence score. Cluster analysis was performed using the standardized scores from the self-esteem scale and the assumed competence scale. Based on the results, participants were classified into five types: “Atrophy type” “Assumption type” “Self esteem type” “Omnipotent type.” and “Average type.” Bullies were often “Assumption type” and victim-bullies were often “Omnipotence type.” In contrast, “Self esteem type” participants experienced less bullying. These results were discussed in terms of self-esteem and assumed competence.本研究では、仮想的有能感と自尊感情が、いじめにどのように関係しているのかを検討した。調査協力者は、学生434名(男子204名、女子230)である。回答に当たっては、中学時代を思い出して、その当時のいじめについてと、その当時の自尊感情と仮想的有能感について答えた。いじめ被害の程度、いじめ加害の程度、仮想的有能感、および自尊感情の相関関係を検討した結果、いじめ被害の程度といじめ加害の程度との間には、全体と男子において有意な正の相関がみられた。仮想的有能感といじめ加害の程度との間には、全体と男子において有意な相関がみられた。仮想的有能感尺度得点と自尊感情尺度得点を用いて大規模クラスター分析を行った結果、調査協力者は「萎縮型」「仮想型」「自尊型」「全能型」「平均型」に分類された。「仮想型」には加害経験者が多いこと、「全能型」には加害・被害経験者が多いこと、「自尊型」にはいじめ経験者が少ないこと、「平均型」には傍観者が多いことなどが見られた。これらの結果は、仮想的有能感と自尊感情との関連において考察された。
著者
野村 哲也 西良 雅夫 中筋 加恵 澤井 克彦 吉川 範子 立川 茂樹 安宅 啓二
出版者
The Japanese Society of Intensive Care Medicine
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.223-226, 2004-07-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10

急性の肺血栓塞栓症を来し心停止となったが,3時間の心肺蘇生法の後に心拍が再開し,ほとんど神経学的欠損なしに回復した症例を経験した。症例は57歳,女性。左股関節再置換術を受けるため,深夜の長距離バスを利用して翌朝に来院,直後に心停止となった。乗車中ほとんど動いていなかった。3時間の胸骨圧迫による心肺蘇生法の後,心拍が再開し意識が回復した。肺動脈近位部の血栓が心臓マッサージにより破砕され,心拍が再開した可能性が考えられた。長時間の心肺蘇生法を行ったが出血所見を認めなかった。肺動脈の血栓を破砕吸引し,血栓溶解療法を行った。その後肺水腫となり,循環も不安定であったが,徐々に改善し人工呼吸器からも離脱できた。上肢にわずかに振戦を認めたのみで独歩退院できた。心肺蘇生法をいつまで行うかについては明確な基準はないが,長時間の心肺蘇生法にもかかわらず神経学的後遺症をほとんど認めなかった症例を経験した。
著者
吉浦 康寿 吉川 廣幸 木下 政人
出版者
国立研究開発法人水産研究・教育機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

現在、ゲノム編集技術による養殖魚の品種改良が注目されているが、実用化した場合、環境保護の観点において、ゲノム編集魚の逃亡による野性魚との遺伝子交雑問題は避けられない。そこで、養殖魚の不妊化に着目した。魚類では、三倍体化等の不妊化技術はあるものの、いずれの方法も実用化にあたり確実性が乏しい。本研究は、ゲノム編集技術を用いて100%の不妊化が可能な遺伝的不妊魚の作出を目指す。また、この不妊魚は次世代を作出できないため、大量生産が難しい。この課題を克服するため、代理親魚法を利用して、これらの遺伝的不妊魚を簡便かつ大量生産する技術を開発する。
著者
吉川 和希
出版者
京都大学東南アジア地域研究研究所
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.117-145, 2023-01-31 (Released:2023-01-31)
参考文献数
16

In the eighteenth and nineteenth centuries, Vietnamese dynasties attempted to extend their reach to Vietnam’s northern uplands—one of the most important regions in the integration of the state. This study examines local governance in the northern uplands during the early Nguyễn period, through an analysis of official documents—particularly the report submitted by the governor-general of the northern provinces (tổng trấn Bắc Thành) in the tenth month of the tenth year of Gia Long (1811). During the eighteenth century, the Lê Dynasty (r. 1428–1527, 1533–1789) depended on local chieftains to administer tax collection and military service in each commune of the northern uplands. After occupying northern Vietnam, the Nguyễn Dynasty found it difficult to gather information on the local chieftains in the northern uplands. It was unable to allocate sufficient resources and manpower to gather this information. In addition, regional officials (such as the governor-general of the northern provinces) did not provide this information to the Nguyễn court, and only some local chieftains cooperated with the Nguyễn Dynasty. Until 1810, the number of chieftains who took on the responsibility of tax collection, drafting soldiers in each commune, and gathering information on the northern uplands—thus cooperating with the Nguyễn Dynasty’s local system of governance—was smaller than the number during the Lê Dynasty. In 1810 the Nguyễn court compiled a list of local chieftains in the northern uplands; this list included the chieftains’ names, the communes where they were registered, and the communes where they collected taxes and drafted soldiers. This indicates that the Nguyễn court attempted to govern the upland provinces by consolidating information on the chieftains. However, it was still difficult for the Nguyễn court to gain full information on the local chieftains since the governor-general of the northern provinces and provincial officials appointed them without reporting to the court. This continued until the Minh Mạng emperor’s (r. 1820–41) well-known reforms, including abolishing the post of governor-general of the northern provinces and the hereditary status of local chieftains. Thus, through examining the transitioning local governance in the northern uplands, this study clarifies the Nguyễn Dynasty’s difficulty in integrating the state during its early years.
著者
朝野 晃 鈴木 則嗣 佐藤 由美 丹野 治郎 大井 嗣和 明城 光三 和田 裕一 吉川 和行 金藤 博行
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.676-678, 1998-11-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
8

妊娠子宮の尿管の圧迫による急性腎不全はまれである. また, 単腎症例の尿管閉塞は致命的な危険をともなう. 我々は, 先天性単腎症の妊娠経過中に尿管の閉塞による無尿をきたし, 腎痩造設術を行った後に妊娠36週で経膣分娩した1例を経験したので報告する.
著者
吉川 英樹 篠塚 寛志 永田 賢二
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.41-45, 2023-01-01 (Released:2023-01-01)
参考文献数
6

表面分析法は,深さ方向に原子層からマイクロメートルレベルの広いダイナミックレンジを持つ試料表層において,試料の組織や化学組成などを分析する手法である.そのため表面分析は,分析の際の試料処理やデータ解析における分析者の知識と熟練の経験を要し,計測分野の中でもデータ解析の自動化が特に困難な技術の1つとなっています.この困難さを克服してデータ解析の自動化を行うには,熟練の分析者の暗黙知となっている経験をデータ駆動型のアプローチによって明らかにすることが重要となります.本稿では,表面分析法の1つとしてX線光電子分光を対象としたデータ駆動型のアプローチによるデータ解析の自動化の実例を紹介します.