著者
鞍谷 文保 吉田 達哉
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

シンバルは薄板円板状の打楽器で,ブロンズの薄板円板をシンバル形状に成形する成形工程と音質を調整する音質調整工程(ハンマリング加工,音溝加工)を経て製品となる.本研究では,シンバルの音質に大きな影響を及ぼす成形加工後のベル(シンバル中央の膨らんだ部分)の形状とハンマリング加工に注目し,それらがシンバル音に及ぼす影響を明らかにする.最初に,音響放射効率を用いてシンバルの振動と放射音の関係を調べ,ベルサイズにより放射音特性が異なる理由を検討する.次に,ハンマリング加工後のシンバルの振動・放射音の変化予測法を提案し,それを用いてハンマリング加工によりシンバルの振動・放射音特性が変化する理由を検討する.
著者
藤江 徹 吉田 長裕 鎗山 善理子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集 (ISSN:1348592X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.97-100, 2016 (Released:2017-05-31)
参考文献数
5

大阪市は自転車分担率は高いが、放置自転車問題など自転車へのマイナスイメージが強い。そこで、自転車に関心のある市民有志が集まり、利用者目線で自転車を使ったみちやまちづくりをポジティブに提案するために、参加型イベント「御堂筋サイクルピクニック」を2011年から10回開催している。「ちゃんと走ろう!」と「もっと自転車レーンを!」をアピールしながら、大阪のメインストリート・御堂筋を自転車走行するイベントである。ママチャリやロードバイク、タンデム自転車など様々な車種、約300人が10人ずつのグループに分かれ、一列になって車道を走る。本発表では、参加者アンケートの結果や車道におけるアピール走行の実践、提案づくりの内容を報告する。
著者
近藤 浩子 牛久保 美津子 吉田 亨 豊村 暁 佐光 恵子 神田 清子 常盤 洋子 堀越 政孝 松崎 奈々子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.31-35, 2016-02-01 (Released:2016-04-05)
参考文献数
6
被引用文献数
3

群馬県内病院看護職の「在宅を見据えた看護活動」の実態把握を目的として質問紙調査を行った. 調査内容はA. 退院後の患者の生活をイメージした看護の提供, B. 地域の社会資源の活用, C. 患者・家族の負担軽減のためのケア方法の簡素化, D. 病状変化を予測した対応, E. 多職種との協働に関する25項目であった. 回答は, 県内11病院の看護職から2,136件が得られた. 調査結果によると, 入院前の生活状況の把握, 本人・家族の希望の把握, サマリーの記載に関しては比較的よく実施され, 実施率が5割を超えていた. しかしながら住居環境の把握や社会資源の把握, 障害認定や介護認定の評価・相談, ケア方法の簡素化, 今後を予測した対応, 多職種との連携はあまり実施されておらず, 実施率が4割以下であった. したがって, これらの視点について総合的に育成していく現任教育プログラムの開発が求められていることが示唆された.
著者
齋藤 雄輔 藤原 賢二 井垣 宏 吉田 則裕 飯田 元
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.416, pp.103-108, 2015-01-19

分散型版管理システムとそのホスティングサービスを用いたソフトウェア開発手法として,プルリクエストを基点とした制御を行う開発プロセス(Pull Request駆動型の開発)が提案されている. Pull Request駆動型の開発では,開発タスクごとに版管理システム上でブランチを作成し,実装を開始する際に対応するブランチの統合をプロジェクト管理者へ要求する.機能の実装に際して開発者は,各状況下において適切に版管理システムを操作する必要がある.しかし,これらの作業は煩雑であり,さらに版管理システムに対する深い知識を要求する.そこで本研究では, Pull Request駆動型の開発に適した開発者支援ツールを提案する.
著者
榊 剛史 鳥海 不二夫 吉田 光男
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

We are planning to develop information infrastructures for disaster management. As an example of those infrastructures,we develop a geographic information resource to assist digital volunteers who try to develop systems for disaster management. This system makes it possible to convert gps information and location name extracted from social media posts into administrative district information. In the final year of this session, we will evaluate the performance of the geographic information resource. Specifically, we verify how much improvement in performance can be obtained by applying the resource to the analysis we have performed in the past. Finally, we discuss the limits of the goals initially presented by this session and the efforts that will be needed in the future.
著者
熊野 陽人 吉田 雅行 千住 真智子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 第IV部門 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.343-350, 2012-09-28

本研究では,男子学生走幅跳選手の助走において,どの地点からストライドの調整が行われるのかを明らかにすることを目的とした。2010年K地区学生陸上競技対抗選手権大会・男子1部走幅跳の93試技を対象に競技会を撮影し,その映像を分析した。その結果,踏切6歩前(踏切約13.5m前)からストライドは大きく変動し,同時に一歩一歩の接地位置の変動は小さくなるという調整が行われていることが明らかとなった。これは世界レベル選手に関する先行研究の結果よりも1歩(約1m)以上踏切から手前であった。ストライドの調整を始める地点が早すぎると,助走リズムの停滞や助走スピードの減速が起こり得るため,この1mの差が世界レベル選手と国内学生レベル選手の競技力の差となっているのではないかと推察される。The purpose of this study was to clarify the start point of adjustment of strides in the run-up of the male student long jumper. We analyzed that 93 long jumps of men's long jump final(division 1)in Inter-University Athletic Championships of the K District. As a result, it was revealed that changes of strides became larger and changes of positions on the runway of the toe of each stride became smaller at six strides from the board by adjustment of strides. This point(six strides from the board)was a stride(about 1m) far from the result of preceding study about world levels jumpers. When the point which begins to adjust of strides is too early, stagnation of the run-up and slowdown of the run-up speed may take place. That is, it was thought that the difference of the adjustment point(about 1m) made the gap between world levels jumpers and student levels jumpers.
著者
吉田 治雄 小林 喜久二 佐藤 吉之 梅田 尚子 酒井 慎一 平田 直
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

GAを用いた地震観測記録の逆解析により関東平野内の地下構造の推定を実施した。使用した観測点はK-NET、KiK-net(防災科研)、MeSO-net(東大地震研)である。各点の推定地盤モデルに基づいて3次元堆積平野モデルを構築し3次元差分法により地震動のシミュレーションを実施した。既往の地盤モデルによるシミュレーション結果との比較により本研究の計算波は観測記録との適合性がより良いことが確認された。
著者
岡崎 航介 吉田 肇 入澤 優磨 櫻庭 隆貴
出版者
海上保安大学校
雑誌
海上保安大学校研究報告. Part 2, 理工学系 = Report of Japan Coast Guard Academy. 海上保安大学校 編 (ISSN:02872951)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.41-47, 2013

Not a few fires in the engine room of ships are caused from the ignition of spilled oil on the hot part of machines such as turbo-chargers, boilers etc. Authors have continued to investigate ignition and combustion phenomenon of oils on the hot surface of a metal plate with various conditions of the surface and many kinds of fuels for understanding of the mechanism of fires in engine rooms. However, it could not be well-considered about flow of the air in the reaction region because of the design of the experimental apparatus, although it is important for the ignition and combustion. In this study. CFD (Computational Fluid Dynamics) calculation using OpenFOAM is introduced for consideration of experimental results of the fuel ignition tests and some simple cases are simulated.
著者
中村海 本庄勝 橋本真幸 三島浩路 黒川雅幸 吉田俊和 長谷川亨
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.27-29, 2013-03-06

近年、中高生の間で発生するソーシャルメディアを使ったネットいじめが問題となっている。ソーシャルメディア上でのネットいじめは、旧来のいじめ対策同様、教師が中高生の間で発生したトラブルに介入し、人間関係改善のための指導をすることが有効であることから、対面での友人関係に加え、ソーシャルメディア上での人間関係やその変化を知り、ネットいじめの発生や予兆を検出することが必要となる。筆者らは中高生を対象としたソーシャルメディア上での人間関係を推定するフレームワークについて検討を進めてきた。本稿では、本フレームワークに基づいた「ネットいじめ防止ツール」の実装について報告する。
著者
本庄 勝 田上 敦士 橋本 真幸 黒川 雅幸 三島 浩路 吉田 俊和 長谷川 亨
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.15, pp.1-8, 2013-03-11

中高生の間で,プロフやマイリンク,ブログ,ゲスブと呼ばれるサービスを提供するソーシャルメディア (中高生向けソーシャルメディアと呼ぶ) の利用が広まっている.これらのサービスは,コミュニケーションツールとして円滑な人間関係構築に利用される一方で,特定の相手に対する無視や仲間外れといったネットいじめにも利用されることもあり,安心して利用できる中高生向けソーシャルメディアが求められている.我々はこれまでに,中高生の間で発生するネットいじめを自動で検出するためのフレームワークについて検討を進めてきた.本論文では,人間関係の推定に焦点を当て,教育現場の協力によって得られたソシオメトリのデータを用いて,中高生の二者が親密さを確認するために行う,特徴的な相互行為について分析調査を行った.また機械学習を用いた二者間の親密さの推定精度についても評価したので報告する.Recently, the use of social media which provides services such as profile, friend list, blog or guestbook (referred as teen's social media) prevails among high school or junior high school students in Japan. They utilize teen's social media aiming at maintaining intimate relationship with their friends, while they use it as a tool to attack their friends, namely causing cyber school bullying. In order to mitigate this problem, we have developed a framework which detects cyber school bullying among high or junior high school students. In this paper, we focus on the estimation of the intimate relationship and report an investigation results which analyzed mutual interactions among intimate friends on teen's social media, using sociometric data which was acquired through the cooperation with educators. Furthermore we evaluated the accuracy of estimation of intimate relationship using a typical machine learning engine.
著者
石田 倫彦 林 芳昭 上田 吉徳 吉田 一雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.71-81, 2010 (Released:2012-02-08)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

A special committee on “Research on the analysis methods for accident consequence of nuclear fuel facilities (NFFs)” was organized by the Atomic Energy Society of Japan (AESJ) under the entrustment of Japan Atomic Energy Agency (JAEA). The committee aims to research on the state-of-the-art consequence analysis method for Probabilistic Safety Assessment (PSA) of NFFs, such as fuel reprocessing and fuel fabrication facilities. The objective of this research is to obtain the useful information related to the establishment of quantitative performance objectives and to risk-informed regulation through qualifying issues needed to be resolved for applying PSA to NFFs. The research activities of the committee were mainly focused on the analysis method of consequences for postulated accidents with potentially large consequences in NFFs, e.g., events of criticality, spill of molten glass, hydrogen explosion, boiling of radioactive solution, and fire (including rapid decomposition of TBP complexes), resulting in the release of radioactive materials into the environment. The results of the research were summarized in a series of six reports, which consist of a review report and five technical ones. In this technical report, the research results about basic experimental data related to the consequence of the radiolytically generated hydrogen gas explosion postulated in the radioactive solution reserve tank caused by the loss of dilution air supply were summarized.
著者
飯野 成憲 辰市 祐久 山崎 実 茂木 敏 吉田 慎太郎 井上 宏 荒井 康裕
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.24, 2013

東京都は小型電子機器などが多く排出されているため、「都市鉱山」としてのポテンシャルが高い。しかし、不燃ごみ中の希少金属・主要金属は鉄やアルミなど一部の資源を除いて破砕を経て最終処分場に埋め立てられている<sup>1)</sup>。不燃ごみ中の有用な金属の再資源化のためには、小型電子機器等の回収可能量を定量的に把握することが必要である。<br> そこで、不燃ごみ中の電子機器等のごみ質組成を調査することにより、都内において実際に排出される小型電子機器等の総排出量を推計した。また、天然資源採掘量の削減という点に着目し、再資源化による天然資源採掘量の削減効果を推計したので報告する。
著者
稲葉 幸雄 吉田 智彦
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.219-225, 2006-09-15
参考文献数
27
被引用文献数
2 6

栄養繁殖作物のイチゴでは,限られた育種材料間での交配を繰り返すため近親交配が問題となる.そこで,近年育成されたイチゴ品種の近交係数を計算した.また,近交係数と収量との関係を調べた.近交係数の計算は推論型言語Prologとパーソナルコンピューターを利用した手軽な処理系で計算プログラムを作成した.交雑実生の近交係数と実生の選抜率との間に相関関係は認められなかった.栃木県農業試験場栃木分場の育成系統(3次選抜系統)の近交係数と収量の関係を調べたところ,-0.37(危険率1%)の有意な負の相関が認められた.また,イチゴでは近交係数が0.3程度までであれば,近交弱勢による収量の低下は見られないことが明らかになった.近年育成されたイチゴ品種の近交係数は,一季成り性品種では0.2を超えるものが多く,'とちおとめ','章姫','さがほのか','あまおう','さつまおとめ','ひのしずく','やよいひめ'はそれぞれ0.261, 0.222, 0.257, 0.213, 0.257, 0.247, 0.346であった.一方,四季成り性品種では'サマープリンセス'と'きみのひとみ'の2品種がが0.183と0.195でやや高い値であったが,それ以外はいずれも0.1以下であった.代表的な一季成り性品種15品種の総当たり交配による雑種の近交係数を計算した結果,自殖を除いた近交係数の値は0.067〜0.440で平均は0.210となり,近親交配の程度が高くなることが明らかになった.