著者
冨田 健夫 坂本 博 高橋 政浩 高橋 守 佐々木 正樹 植田 修一 田村 洋 渡邊 泰秀
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-11, 2005-03

LE-7A の開発中に発生したパルス的な強い横推力の原因究明と対処のため,旧NAL 角田ではコールドフロー可視化試験,CFD 及びサブスケール燃焼試験を実施してきた。その結果,LE-7A エンジンで発生した横推力が,LE-7A で新しく採用したノズル形状設計によって発生したRSS,およびフィルム冷却構造部分で発生した剥離の急速な移動という2つの現象により引き起こされたことを明らかにした。さらに,各現象と横推力に影響を与えるパラメータを洗い出した。この成果は改良型のエンジン設計に反映され,パルス的な横推力を発生しないノズル設計に役立った。
著者
坂本 圭 辻野 博之 中野 英之 浦川 昇吾 山中 吾郎
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.175-188, 2018

<p>著者らの海洋大循環モデル「気象研究所共用海洋モデル(MRI.COM)」は,開発が始まってから20 年近くが経過し,気象研究所と気象庁の様々な部門で利用されるようになるとともに,ソースコードの大規模化・複雑化が進んだ。このような状況の下でも,バグの混入や意図しない影響を抑えながらモデルを効率的に開発するため,現代的なソフトウェア開発で用いられるツールと手法を取り入れ,開発管理体制を一新した。まず,ソースコードの開発履歴(バージョン)を管理する「Git(ギット)」を導入した。このツールにより,複数の開発者が複数の課題に同時に取り組む並行開発が可能になった。また,プロジェクト管理システム「Redmine(レッドマイン)」を導入し,開発状況を開発者全員で共有した。このシステムによってデータベースに逐一記録された開発過程が,他の開発者や次世代の開発者にとって財産となることが期待される。これらのツールを用い,さらに開発手順を明確にすることで,開発チーム内の情報共有と相互チェックを日常的に行う開発体制に移行することが可能となったことは,コード品質の向上に大きく寄与している。現在,気象庁では,MRI.COMだけでなく,気象研究所と気象庁で開発しているほぼ全てのモデルをGit(またはSVN)とRedmineで一元的に管理するシステムを構築しており,モデルの開発管理及び共有化が大きく前進している。</p>

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著者
坂本健一 訳
出版者
隆文館
巻号頁・発行日
1914
著者
野上 雅弘 坂本 浩 永井 輝行
出版者
福井県園芸試験場
雑誌
福井県園芸試験場報告 = Bulletin of the Fukui Prefectural Horticultural Experiment Station (ISSN:09105387)
巻号頁・発行日
no.11, pp.9-26, 2000-02

ロゼット化および開花の特性が品種によって著しく異なるトルコギキョウについて,特別な処理を行わなくても,夏から秋にかけて高品質切り花が収穫できる品種を選定することを目的として二三の実験を行った。1. 3月24日に播種を行った場合,開花期は8月上旬から下旬となり,ロゼット化する品種はなかった。切り花長,切り花重,有効花蕾数といった品質に基づいて判断すると,8月上旬の収穫では'若紫','白雪',8月中旬では'F1あずまの朝','F1キングオブスノー','F1あずまの波','F1ロイヤルライトパープル','F1キングオブライラックローズ','F1あずまの銀河','ミスライラック','天竜乙女','F1キングオブホワイト','グローリーパープル','ホーリースモールレディ','天竜ホワイト',8月下旬では'桃の誉','フレッシュホワイト'および'ホーリーバイオレット'が適品種であった。2. 5月18日の播種では,9月下旬に開花する品種と10月に開花する品種とがあった。また,播種期を6月8日に遅らせると,開花期は11月中旬から12月下旬となった。この作製では,供試したほとんどの品種でロゼット化が起こったが,その程度は品種により著しく異なった。6月播種では,5月播種に比べてロゼット化率が概して大きかったが,いくつかの品種は,播種日に関係なく,相対的に安定したロゼット回避性を示した。切り花品質とロゼット回避性に基づいて判断すると,9月下旬の出荷には'F1あすかの朝','ニュースモールレディ','F1サンパープル'がよく,10月上旬の出荷には'F1あすかの粧','F1あすかの桜','F1ハイセンスパープル','マイテレディ','F1あすかの紫','F1サンホワイト'が,10月中旬の出荷には'マイテスカイ','F1クイーンオブローズ','F1サンピンク','F1ベガバイドリーム','F1サンニューパープル','F1つくしの霧'が,10月下旬の出荷には'F1サンコーラル','マイテピンク','ホーリーホワト3号'が,また,11月上旬の出荷には'F1スーパープリマドンナ'がそれぞれ適品種で,播種適期はいずれの品種も5月中旬である。但し,確実にロゼット化を回避したい場合には,'F1ハイセンスパープル','F1ベガバイドリーム'および'マイテピンク'を利用するのがよいと思われる。しかし,6月播種による11月以降の収穫は,切り花品質が低くロゼット化率が高くなるため実用的ではないと思われる。3. 'F1ハイセンスパープル','F1サンホワイト','F1ベガバイドリーム','F1つくしの霧'を1996年4月18日から5月24日の間に5回に分けて播種し,9月に収穫を行うための播種適期を検討した。しかし, 5月中旬播種の場合の開花期は1995年より1ヵ月以上早まった。アメダス気象データによると1996年は1995年および平年に比べて特に7月の日照時間が多かったことから,この作型では梅雨期の日照時間が開花期に大きく影響することが示唆された。このため,9月収穫のための播種期は判然としなかったが,おそらく4月上旬から5月上旬であると思われる。
著者
西村 明 坂本 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.91-99, 2010-02-01
参考文献数
16

振幅変調に基づく音響データハイディング技術を用いて,スピーカから再生される音に同期して情報を呈示するシステムを提案する.振幅変調に基づく音響データハイディング技術の特徴は,数秒の埋込時間フレームを用いて,広い周波数範囲にデータを埋め込むことによって残響や反射音,変動する付加雑音に対して頑強な点である.データ埋込済み音楽信号に対してPEAQを用いた音質劣化の客観評価を行った結果,劣化は平均的に「やや気になる」以下であることが分かった.また,データ埋込済み信号への残響及び背景雑音付加,入力過大による振幅制限,カラオケ伴奏と同期した歌詞表示利用を前提とする歌唱音の重畳による検出力への影響を,コンピュータシミュレーションによって調べた.その結果,それらの変形を経た信号からも,十分埋込データの検出は可能であり,表示の時間制御のもととなるデータフレーム境界時刻の検出精度も十分であることが分かった.
著者
中田 朋宏 池田 義 南方 謙二 山﨑 和裕 阪口 仁寿 上原 京勲 坂本 和久 中津 太郎 平間 大介 坂田 隆造
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.32-36, 2016-01-15 (Released:2016-02-02)
参考文献数
17

総肺静脈還流異常症(TAPVC)において,稀に左心系が非常に小さく,左心低形成症候群様の血行動態を示すものがあり,その対応に苦慮することがある.症例は1生日の女児,心エコーおよびCT検査にて下心臓型TAPVC,左心系の低形成(hypoplastic left heart complex),両側上大静脈,右鎖骨下動脈起始異常と診断された.肺静脈狭窄のため,1生日に準緊急的にTAPVC修復を行い,心房中隔欠損(ASD)作製術および両側肺動脈絞扼術(BPAB)も併せて行った.術後経過は良好であったが,術後の左心系の成長乏しく,47生日にNorwood手術(肺血流は右室-肺動脈導管5 mm人工血管で再建)を行った.その後もやはり左心系の成長乏しく,単心室型治療を選択することを決定し,6カ月時に両方向性Glenn手術,1歳11カ月時に完全右心バイパス手術を施行した.TAPVCを合併した左心系のボーダーライン症例に対して,TAPVC修復+BPAB+ASD作製を行うことで,左心系の発育を待ち,単心室/二心室型の治療方針を決定する方針は妥当と思われた.
著者
坂本 杏子 佐藤 智照 小竹 直子 〓 瑩 チュウ ロザリン 金 英周 小野 創 酒井 弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.184, pp.23-28, 2008-08-01
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では,成人日本語母語話者が新奇動詞を学習する際に,助詞を手がかりにした意味推論を行うかどうかを検討する実験を行った.その結果,日本語母語話者は助詞の違いに応じて使役事象から異なる局面を切り出して動詞と対応づけることが明らかにされた.さらに動詞の意味推論には,名詞句とガ格助詞を手がかりとした項構造の決定と,項構造に基づく事象の切り出しという二つの段階が関与していることが示唆された.
著者
秋葉 翔太 崔 明根 坂本 大介 小野 哲雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.689-700, 2021-02-15

本研究ではスマートフォンの片手操作時においてグループ化された複数のターゲットをユーザがタッチした際に,グループ内のターゲットを半円状に再配置した場合のターゲット選択手法を3つ提案する.提案手法では選択ターゲットを明示的に示すために,タッチされた点を中心として,選択候補となるターゲットすべてが指に被らないように指の周りに半円状に再配置する.本研究では,再配置した目標ターゲットを選択する手法として,目標ターゲットの方向へ直接指を傾けて選択するOne Half-Pie,2段に配置されたターゲットを押し込み動作によって切り替えながら選択するTwo Half-Pie,タッチした地点からドラッグした量に応じてターゲットの選択が行われるRailDraggerの3つの選択方法を実装し評価する.実験では3つの選択手法を用いてそれぞれポインティングタスクを行い,選択終了までの時間と選択精度の観点から選択手法の評価を行った.その結果,提案する3手法において選択時間に関してはRailDraggerが,選択精度に関してはTwo Half-Pieが最も優れていることが分かった.
著者
坂本 元子 杉浦 加奈子 香川 芳子 池上 幸江 江指 隆年 倉田 忠男 斎藤 衛郎 鈴木 久乃 八尋 政利 吉池 信男
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.311-317, 2001-10-10
被引用文献数
5 1

食品に含有する栄養成分についての表示が国際的な流れの中で, 急速に, また複雑な形で市場に出回ってきている。そのため, 厚生労働省では「栄養成分表示基準制度」を平成8年に発足し, 国民の普及啓発がすすめられている。食品表示制度の発足と市場にあふれる食品表示情報に対し, 消費者はどのような対応をし, どのように活用しているのか, さらに表示の内容, 方法, それに対する意識について調査をし, 消費者の現状について検討した。表示があることは約70%の人が認知しているが, 毎日の使用はまだ低率である。表示栄養素のニーズは, 主要栄養素を中心に女子ではエネルギー, 脂肪が多く, 男子ではミネラル類が多い。しかし, 日本人に不足している栄養素, カルシウムや鉄分, 過剰なもの, 脂肪やコレステロールについては表示へのニーズが高く見られた。表示の活用目的では男女, 年齢を問わず, 健康上の理由や食べ物に注意が必要なときが多く, 健康意識の高まりや健康維持のために使用を目指す人が多く, とくに高齢者層に多く見られている。栄養成分表示の利用について主要なポイントは,「自分の必要量がわからない」ために, どれくらいとっていいかが不明であるという指摘が見られた。今後の表示内容・方法の検討に重要な示唆となるであろう。
著者
橋詰 直樹 八木 実 石井 信二 浅桐 公男 深堀 優 七種 伸行 吉田 索 升井 大介 坂本 早季 恵紙 英昭
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.1093-1099, 2015-10-20 (Released:2015-10-20)
参考文献数
22

機能性ディスペスシアに対し漢方療法を施行し,胃運動機能の観点からその有効性が認められた1 例を経験した.症例は5 歳男児.急性胃腸炎症状軽快後より腹部膨満,心窩部痛,嘔吐を認め近医を受診した.約50 日間摂取後の嘔吐が続き,発症前より3.6 kg の体重減少を認めた.上部消化管内視鏡検査では軽度の胃炎が認められ,画像検査では器質的疾患は認められず,感染性胃腸炎を契機とした機能性ディスペスシアと診断した.胃運動機能検査では13C 酢酸および13C オクタン酸呼気胃排出機能検査,胃電図検査を用いて評価した.入院後アコチアミドとH2 ブロッカーにて治療を開始したが,薬剤性肝機能障害を認め,六君子湯に変更した.内服開始後も水分摂取にて上腹部膨満が認められたため茯苓飲合半夏厚朴湯を追加した.症状改善し固形食摂取可能となった.4 か月間の内服治療により正常な胃排出機能が確認され廃薬とし,廃薬後も経過良好である.