著者
小林 憲弘 鈴木 俊也 小杉 有希 菱木 麻佑 加登 優樹 金田 智 植田 紘行 河相 暢幸 北本 靖子 土屋 かおり 木村 慎一 古川 浩司 岩間 紀知 中村 弘揮 粕谷 智浩 堀池 秀樹 京野 完 髙原 玲華 馬場 紀幸 佐藤 信武 久保田 領志 五十嵐 良明
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.211-224, 2016 (Released:2016-11-10)
参考文献数
23
被引用文献数
7

水道水中のホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドを迅速・簡便に分析するために, DNPHで誘導体化した試料をLC/UVあるいはLC/MS/MSにより測定する方法を検討した。検討の結果, 水道水に塩化アンモニウムを加えて残留塩素を除去した後, リン酸とDNPHを加えて誘導体化した試料を測定した。いずれの測定機器を用いた場合も両誘導体のピークは短時間で良好に分離し, ホルムアルデヒドの基準値の1/10の濃度 (0.008 mg L-1) まで高精度に分析できた。さらに, 本研究で確立した分析法が全国の水道水質検査に適用できるかどうかを検証するために, 15機関において水道水を用いた添加回収試験を行った結果, いずれの測定機器を用いた場合も両物質について「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」の真度, 併行精度および室内精度の目標を満たした。以上のことから, 本分析法は水道水の標準検査法として利用可能と考えられる。
著者
堀部 篤 伊藤 亮司
出版者
東京農業大学農業経済学会
巻号頁・発行日
no.124, pp.23-35, 2017 (Released:2017-08-03)

2009年の標準小作料制度廃止後,円滑な地代交渉を行うために,公的機関(農業委員会や市町村など)が先導して,従来の標準小作料に変わる参考賃借料を算定・公表している地域がある。本稿では,その中でも2014年産米価格の下落を受けて参考賃借料制度を導入した新潟県村上市を対象に,当制度の導入に至る過程および公的機関の果たした役割について考察した。村上市において当制度が導入された要因としては,(1)地代負担が過重だったこと,(2)特に深刻な地域で制度導入の実績をつくり,それを他地域に波及したこと,(3)行政による支援があったことが明らかとなった。また,当参考賃借料制度の導入の効果については,地代の低下と,地代の統一による担い手間の借地交換や畦畔除去による圃場大区画化が確認された。
著者
堀 久男
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.54-58, 2014 (Released:2016-02-01)
参考文献数
25

有機フッ素化合物は耐熱性,耐薬品性,界面活性等の優れた性質を持つ.このため様々なところで使われているが,近年になって環境残留性や生体蓄積性,さらには廃棄物の分解処理が困難といった負の側面が顕在化しつつある.環境中で検出されているのは主に界面活性剤として用いられてきたペルフルオロアルキルスルホン酸類(PFAS類,CnF2n+1SO3H)やペルフルオロカルボン酸類(PFCA類,CnF2n+1COOH),およびそれらの誘導体である.中でもペルフルオロオクタンスルホン酸(C8F17SO3H,PFOS)やペルフルオロオクタン酸(C7F15COOH,PFOA)といった化合物は生体蓄積性が高いため,使用や排出に関する規制(自主規制も含む)が世界的に進行している.このような有機フッ素化合物の環境リスクの低減のためには,有害性の度合いに応じて排水や廃棄物の無害化を行う必要があるが,炭素・フッ素結合は炭素が形成する共有結合では最強なため容易に分解しない.焼却は可能であるものの,高温が必要であるだけでなく,生成するフッ化水素ガスが焼却炉材を損傷する問題がある.これらの物質をフッ化物イオン(F-)まで分解できれば,既存の処理技術により環境無害なフッ化カルシウムに変換できる.フッ化カルシウムの鉱物は蛍石で,硫酸処理によりフッ素ポリマーを含むすべての有機フッ素化合物の原料であるフッ化水素酸になるため,フッ素資源の循環利用にも寄与できる(図1).これまでにも電子線照射やプラズマ等の高エネルギー的な手法を使えば,フッ素ポリマーでさえ分解できることは知られていた.しかしその場合,毒性が非常に高いペルフルオロイソブチレン(CF3C(CF3)CF2,PFIB)や温暖化係数が二酸化炭素の数千倍のテトラフルオロメタン(CF4)等の有害ガスの発生が懸念されている.以上の背景から,我々はPFCA類やPFAS類,さらにはそれらの誘導体について種々の比較的穏和な反応手法を開発し,F-までの完全分解,すなわち無機化を達成してきた.本稿ではそれらについて,他の研究者の報告例も交えて報告したい.
著者
宍戸 勇気 深堀 清隆 窪田 陽一 三ツ畑 紀子
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究論文集 (ISSN:13495712)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.59-71, 2007-06-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
23

There are many historical brick sluice gates constructed in Saitama Prefecture during the Meiji-Taisho era. This study aims at creating criteria to clarify the characteristics of the sluice gate in Saitama Pref. According to the field and literature survey, they are classified into authenticity, aesthetics, and accessibility to the site and they include surrounding spatial features and situations. These criteria were rated by counting or judging physical and spatial features of the sites. In addition, in order to know the value of the site, the impression of people was observed in a questionnaire survey. It is important to know what criteria contribute the historical impressions of the site for the future conservation and improvement of the site. The impression is quantified into the score of attractiveness, oldness, and historical feeling. The relationship between these scores of impression and scores of physical and spatial features was analyzed. In addition, techniques of conservation and site improvement were classified into nine principles and the method to select appropriate techniques based on the scores of physical and spatial features of each sluice gate.
著者
堀 真寿美 小野 成志 喜多 敏博 宮下 健輔 宮原 大樹 小林 信三
出版者
特定非営利活動法人サイバー・キャンパス・コンソーシアムTIES(附置研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

発展途上国では,ITインフラの状況も知的財産権等の整備状況も多様であり,そうした状況が障壁となって,オンライン教育の技術移転を難しくしている場合がある.本研究の第一の目的は,ブロックチェーン技術を導入した学習支援システムを構築し,発展途上国の多様な事情に対して適切に対応できる可用性,プライバシー保護,セキュリティ確保に優れた学習支援システムを構築することである.具体的には,ブロックチェーン技術を応用し(1)ラーニングコイン,(2)コンテンツ流通,(3)コース開講,(4)eポートフォリオから構成される学習支援システムを開発し,発展途上国において実証実験を行う.また,この開発から検証までの過程を通じて, ブロックチェーン技術の課題を明らかにするとともに,オンライン教育における応用範囲と活用方法,そして新たなオンライン教育の手法とサービスを検討する.平成29年度は研究計画に基づき,コンソーシアム型ブロックチェーンであるHyperledger Fabricを利用して,SNSをユーザーインターフェースとする学習支援システムを開発した.開発システムでは,教師や学習者同士のSNSを利用した学習活動を学習成果としてブロックチェーンに記録する機能,記録された学習成果をまとめて電子書籍を制作する機能,そして制作された電子書籍をラーニングコインで購入する機能を実装した.本システムは,次年度より研究分担者所属機関において,実証実験を行う予定である.
著者
木下 利喜生 橋崎 孝賢 森木 貴司 堀 晋之助 藤田 恭久 幸田 剣 中村 健 田島 文博
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100176, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】 当院リハビリテーション(リハ)科では、リハ室で患者が急変した場合、緊急カート、心電図モニター(ECG)、パルスオキシメーター、血圧計、ストレッチャーなどの準備、装着を現場スタッフで行う。同時に他のスタッフがリハ医へ報告、現場での診察を依頼し、身体所見やモニターなどの情報をもとに対応の指示を仰ぐまでの一連の流れを救急時対応とし、全スタッフを対象にトレーニングを実施している。そのため、当科では、これまでにも幾度となく血圧や意識レベル低下などの急変が発生しているが、全ての案件において対応が可能であった。 今回、リハ実施時において、開設から始めて患者が心肺停止となる状況に直面した。その際にリハ科で対応可能であったこと、またシステム上の不備や対応不足が明らかとなったことを情報の共有のために報告する。【方法】 10時20分頃、理学療法室で立位練習開始、血圧低下認めないため、平行棒内での歩行練習をこの日より開始する。平行棒内での歩行練習後もバイタルの著明な変動ないため、10時40分頃に歩行器での歩行練習を行う。歩行器歩行10m程度で両下肢の脱力、意識消失を認め、理学療法士数名でベッドへ寝かせている間に、リハ医と外来看護師に連絡、ECG、パルスオキシメーター、血圧計を装着した。ECG上60台でサイナスリズム、酸素飽和度98%、血圧測定行えないためベッド上で下肢挙上する。10時45分頃リハ医・看護師到着、何度か血圧測定するも測定できず、病棟に連絡し、ストレッチャーでの迎えを要請する。その後、意識レベル改善認めず、徐々に酸素飽和度が低下し始めたため、10時48分にホワイトコール(救急対応依頼の全館放送)を要請する。リハ医と看護師により酸素投与開始し、アンビューバックを準備している際に多数の医師、看護師到着。頚動脈も触知困難のため救急医師により、心臓マッサージ、挿管により気道確保され、救急処置室へ搬送される。その後の検査の結果、急変原因は肺血栓塞栓症であることが判明した。【倫理的配慮、説明と同意】 本症例の情報は、医療記録から特定できないよう匿名化し、プライバシーに配慮した。また、今回の発表にあたり当大学医療安全推進部に発表内容および目的を十分に説明し、発表の了承を得た。【結果】 初期対応は、手順通り実施できており問題ないと思われた。しかし、多数の医師、看護師が到着、理学療法室内が騒然とし、リハ中の患者を移動するなどの対応をとるべきであったが、これまでに心肺停止でのホワイトコール経験がなく、迅速な対応が行えず、駆け付けた看護師の判断により、病棟へ帰室するかたちとなった。 また、当科では酸素配管はあるがボンベを常備しておらず、リハ室から救急対応室へ搬送する際の酸素ボンベを救急部に借りに行く必要があった。【考察】 今回の対応の不備は、これまでに心肺停止によるホワイトコールの経験がなく、我々の想定していない状況下に陥った事が背景にある。これを受けて、ボンベの常備を早急に行い、ホワイトコール時は、一旦、リハ中の患者を発生現場以外の訓練室に移動したのち、病棟へ搬送すると決定した。また、シミュレーションをホワイトコールまでを想定したものに変更し、すぐに全体研修を実施、また人事異動のある4月初旬に必ず全体研修を実施すると決めた。 院内対応としては、長期臥床患者のリハを開始する際は、下肢深部静脈血栓症・肺梗塞のリスク因子を評価し、必要があれば下肢静脈エコーを行うなど早期発見・早期予防に務めるよう全科へ指導が行われた。当科でも下肢の腫脹などの身体所見の確認だけでなく、Dダイマー、FDPなどの血液データの確認を指導した。またリハ科で行える静脈血栓塞栓症の予防として、早期からの歩行および積極的な運動が重要であることを再教育し、早期離床を再度徹底した。 今回の案件を経験し、考えうる最悪の状況を想定した急変時対応を常に考えていく重要性を痛感した。本案件だけでなく、ひとつひとつの事例背景を分析し、対応マニュアルの強化、更新が必要であり、また積極的に文献抄読や学会参加をすることで、常に新しい情報を収集しておくことも重要であると感じた。【理学療法学研究としての意義】 最も重篤な急変の1つである心肺停止事例における、対応時の問題、さらにその解決策を報告することは、今後のリハ室での急変時対応マニュアル作成や強化などをする際の貴重な情報になると考えられる。
著者
城 憲秀 藤丸 郁代 山口 知香枝 白石 知子 宮武 真生子 堀 文子
出版者
中部大学生命健康科学研究所
雑誌
生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.73-80, 2018-03

高齢者の公共トイレに対するニーズを把握し、今後の公共トイレのあり方を検討することを目的として、愛知県K市内の高齢者768名を対象とする横断調査を実施した(回収率 約74%)。高齢者全体として、散歩などの外出時にはトイレに行かない者が全体の35%程度存在し、公共トイレの普及はなお必要であることが示唆された。また、清潔さや広さなどがトイレの質的なニーズとしてあげられており、公共トイレは質、量の両者の整備が重要である。また、高齢になるほどトイレの場所がみつけにくいことが明らかとなり、トイレの場所表示もわかりやすくしていくべきである。有疾患者、女性、後期高齢者では手すりの要求が高く、身体面でハンディキャップがある場合、身体動作をスムーズにするガイドも必須である。公共トイレの充実は、高齢者の外出を促進するために重要な要件であると考えられ、今回調査したようなニーズを考慮し、質、量を充足していくことがバリアフリー社会の構築のためには必要である。
著者
森野 佐芳梨 堀田 孝之 大橋 渉 有馬 恵 山下 守 山田 実 青山 朋樹 石原 美香 西口 周 福谷 直人 加山 博規 谷川 貴則 行武 大毅 足達 大樹 田代 雄斗
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】妊娠により,女性の身体には様々な解剖学的および生理学的変化が生じ,腰痛に代表される多様な不快症状が発生する。これらの症状は医学的に母児への影響が少ないとされ,マイナートラブルと定義されている。しかし,この症状により妊婦のQOLが損なわれ,妊娠経過に悪影響を与えることから,対処を行う必要があるが,妊娠経過とマイナートラブルに関する調査は十分ではない。また妊娠前には,ホルモンバランスを整え,順調な妊娠経過を送るために,適正なbody mass index(BMI)を維持することが重要である。しかし,これは主に妊娠高血圧や妊娠糖尿病などとの関連において重要視されており,マイナートラブルとの関連についての十分な検討はなされていない。そこで本研究の目的は,妊娠中の女性に発生するマイナートラブルと妊娠前BMIとの関連を縦断的に検討することとする。【方法】対象は名古屋市内のXクリニックグループにおけるマタニティフィットネスに参加していた妊婦355名(31.1±4.1歳)とした。調査項目は2009年から実施されたメディカルチェックシート,および電子カルテから得られる身体情報(年齢,身長,妊娠前体重)である。メディカルチェックシートは,日本マタニティフィットネス協会が発案したものであり,睡眠,便秘,手指のこわばり,むくみ,足のつり,腰背痛,足のつけ根の痛み,肩こり・頭痛,肋骨下の痛み,食欲・むねやけの10項目について,妊婦が即時的に症状のある項目をチェックする自己記入式質問紙である。これをもとに,マイナートラブル有病率を算出し,記述統計的に検討を行った。また,妊娠前のBMI値からBMI低値群(BMI:18kg/m<sup>2</sup>未満),BMI標準群(BMI:18~22 kg/m<sup>2</sup>),BMI高値群(BMI:22kg/m<sup>2</sup>以上)の3群に群分けを行い,妊娠中期,妊娠後期のマイナートラブルの発症との関連を検討した。統計解析は,それぞれの時期において,従属変数を各マイナートラブルの有無,独立変数にBMI標準群をリファレンスとして低値群および高値群を投入し,年齢で調整した二項ロジスティック回帰分析(強制投入法)を行った。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】当該施設の倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】BMI各群の人数は低値群47名(30.4±4.2歳,BMI:17.4±0.6kg/m<sup>2</sup>),標準群236名(31.2±4.0歳,BMI:19.8±1.0 kg/m<sup>2</sup>),高値群72名(31.2±4.2歳,BMI:23.5±1.8 kg/m<sup>2</sup>)であった。対象者全体での各種マイナートラブル有病率の推移は,妊娠経過が進むにつれて大部分の項目は増加傾向を示したが,便秘,肩こり・頭痛については減少傾向を示した。回帰分析の結果,BMI高値群において妊娠中期では足のつけ根の痛みの有病率が有意に高く(OR:2.38,95%CI:0.41-3.94),妊娠後期では睡眠障害(OR:2.00,95%CI:1.08-4.82),手指のこわばり(OR:3.00,95%CI:0.51-5.09),足のつり(OR:2.29,95%CI:0.50-2.40),腰背痛(OR:2.20,95%CI:0.99-3.98),足のつけ根の痛み(OR:2.14,95%CI:0.94-4.03),肩こり・頭痛(OR:2.01,95%CI:0.69-3.86)の有病率が有意に高かった(p<0.05)。一方,BMI低値群において妊娠中期では肩こり・頭痛の有病率が有意に高く(OR:2.84,95%CI:1.35-5.96),妊娠後期では便秘の有病率が有意に高かった(OR:2.28,95%CI:1.08-4.82)(p<0.05)。【考察】本研究の結果,マイナートラブルの中には,妊娠経過とともに有病率が増加するだけでなく,減少傾向を示す項目もあることが明らかとなった。また,妊娠前BMIとマイナートラブル有病率が関連することが示された。BMI低値群においてはBMI標準群と比較して,妊娠期のホルモン変化の影響を受けるとされる便秘や頭痛などの項目に関して強い関連がみられた。一方,BMI高値群においては腰背痛や足のつりなどの筋骨格系および循環系のトラブルの項目に関して強い関連がみられた。これまで妊娠準備のために適切なBMIを保つことが重要であることは指摘されていたが,マイナートラブルの発症を防止するうえでも重要であることが示された。マイナートラブルに関しては,妊娠中という治療法が限られる状況を考えると,妊娠前からの予防が重要である。今後は,BMI以外の要因も考慮に入れ,より詳細なリスク予測の指標を作成していく必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】近年,理学療法学の分野において,ウィメンズヘルス分野への参加が重要視されている。本研究結果より,妊娠期に問題とされる各種マイナートラブルについて,それぞれの発症が母体の妊娠前のBMIと関連する結果が示されたことから,理学療法士として妊娠前の女性の体型にアプローチする事で各種トラブルに対する予防・対処の方法を提案する一助となると考える。

1 0 0 0 OA 実用高等数学

著者
堀乙次郎 編
出版者
海事教育振興会
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1933
著者
堀向 健太 津村 由紀 山本 貴和子 正田 哲雄 二村 昌樹 野村 伊知郎 成田 雅美 大矢 幸弘
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1543-1549, 2011-11-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
5

【背景と目的】重症アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis;AD)の治療を行っている最中,特にステロイド外用剤(以下ス剤)の連日塗布から間欠塗布へと移行する寛解導入期の終わりから寛解維持期の始めに相当する時期に,全身の皮疹や掻痒は改善しているにも関わらず,患者の掌蹠に汗疱様の水疱・丘疹が出現することがある.我々はこの病態を「AD寛解前汗疱様発疹」と称している.AD寛解前汗疱様発疹はス剤抵抗性の皮疹やアトピー性皮膚炎の再燃と誤解し治療が頓挫する危険性がある.そこで,発症率や患者の特徴について,後方視的に検討し,重症患者の治療上留意すべき現象として本邦初の症例集積研究として報告する.【対象と方法】2007年4月から2009年3月までに当科にADの治療目的に入院した89例を対象とし,発症年齢,AD治療開始後の発症病日,治療後の寛解までの日数,季節性,治療経過,AD重症度との関連,検査所見との関連を後方視的に調査した.【結果】AD寛解前汗疱様発疹は13例(14.6%)に発症しており,治療後の発症病日は16.7±10.4日(4〜32日),平均年齢は6.2±6.1歳(3カ月〜23歳)だった.入院時のSCORADは平均50.8±17.9(16〜91)であり,1歳未満を除いてSCORADを検討すると発症者が無発症者に比べ有意に高値であり,重症患者がより発症しやすいと考えられた.ス剤の局所的な強化により全例が軽快したが,治療後の軽快まで18.5±12.0日(4〜50日)を要し,概して難治であった.なお,汗疱は一般に夏に悪化するといわれているが,季節性は認められなかった.【結論】AD寛解前汗疱様発疹の病態に関しては不明な点が多く,皮疹が改善してきている時期に発症するために,患者が不安に感じる.標準治療の普及の障害になりうるため,その周知と検討が必要と考えられた.
著者
村上 義隆 滝沢 実 内田 忠夫 中野 英一郎 大貫 武 堀之内 茂 坂田 公夫
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-60, 2004-10

航空宇宙技術研究所(NAL)の次世代超音速機技術研究開発プロジクトは平成9 年に開始し、ロケット打ち上げ式の小型超音速無推力実験機NEXST-1(以下、ロケット実験機)の詳細設計は平成12 年3 月に完了した。その後実験機およびNAL735 ロケットブースターの製作ならびに地上試験を経て、平成13 年11 月30 日に完成した。飛行実験は平成14 年3 月から約1 年間、南豪州ウーメラ実験場内で4 回実施する計画であったが、平成14 年7 月14 日第1 回飛行実験はロケットブースター点火直後の実験機異常分離によって失敗に終わった。この結果、実験システムは通信系を含めて見直す事になったが、本報告はオリジナルの設計および試験ならびに第一回飛行実験を通じた運用実績についてとりまとめたものである。ロケット実験機の通信系統は(1)飛行追跡用のレーダ・トランスポンダ系、(2)データ伝送用のテレメータ系、(3)非常飛行停止用のコマンド系の以上3 つの通信系システムで構成されている。設計は、ウーメラの実験場環境を考慮しており、アンテナパターン試験および噴煙損失を考慮した電波リンク解析によって事前評価した。また現地における地上確認試験にも触れた。
著者
上田 周平 鈴木 重行 片上 智江 堀 正明 水野 雅康
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.BaOI2019, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】頭頚部の運動は環椎後頭関節を中心とする頭部の運動と下位頚椎を中心とする頚部の運動から規定される(Hislop H.J.2002)。頭頚部のアライメントの相違は咽頭、喉頭などに形態的差異をもたらし嚥下機能に密接に関与すると報告されているが、頭頚部の関節可動域(以下ROM)を頭部と頚部に分け嚥下機能との関連性を検討した報告はみられない。我々は第45回本学術大会において施設入所中の50名の高齢者を対象に誤嚥性肺炎の既往の有無で頭頚部のROMを比較し、複合(頭部+頚部)屈曲には差はないが、誤嚥性肺炎群では頭部屈曲ROMが低値であることを報告した。そこで本研究は、嚥下機能の変化に伴い複合屈曲と頭部屈曲のROMにどのような変化が見られるのかを明らかにすることを目的とした。【方法】対象者は嚥下障害でリハ依頼のあった者のうち、才藤らの嚥下障害の臨床的病態重症度分類(以下class)で4以下の障害を有し、急性期の脳血管障害、腫瘍などによる通過障害、臥位で頭部が床面に接しない円背の者を除外した36例(男性20例,女性16例,平均年齢84±8歳)とした。リハ開始時と最終時に嚥下機能はclass、改訂版水飲みテスト、食物テストを指標として評価した。また頭頚部機能は頭部屈曲と複合屈曲のROM、舌骨上筋機能グレード(以下GSグレード)、相対的喉頭位置(吉田.2003)を評価した。リハ開始時と比較して最終時に嚥下機能の評価指標のいずれかが1ランクでも改善が見られた者を改善群とし、それ以外の群(不変・悪化群)との2群に分類し、頭頚部機能を比較した。なお入院期間中は全例PT、STによる介入を行った。ROMの測定肢位はベッド上臥位とし、他動運動にて最大角度と可動範囲を測定した。頭部屈曲の最大角度は外耳孔を通る床からの垂直線と外眼角と外耳孔を結ぶ線とのなす角(A角)の最大値、可動範囲は最大角度に開始肢位でのA角を加えた角度とした。複合屈曲の最大角度は肩峰を通る床との平行線と肩峰と外耳孔とを結ぶ線とのなす角(B角)の最大値、可動範囲は最大角度から開始肢位でのB角を引いた角度とした。測定にはデジタルカメラを用い、カメラが被検者と平行になるように三脚に固定して撮影を行った。その後データをPCに取り込み画像解析ソフトImage J(NIH)を用いて角度を算出した。統計学的手法は群内の比較には対応のあるt検定、Wilcoxonの符号付順位検定、2群間の比較には対応のないt検定、Mann-Whitneyの検定を用い、危険率5%未満を有意水準とした。【説明と同意】対象者またはその家族には研究の主旨を十分に説明し、研究に参加することへの同意を得た。また本研究は所属機関の倫理委員会の承認を受けて行った。【結果】最終評価後の嚥下機能は改善群18例、不変・悪化群18例であった。両群間で基礎データ(年齢,性別,リハ開始時と最終時Barthel Index,脳血管疾患既往の有無,入院からリハ開始までの日数,入院期間,リハ日数)に差を認めなかった。群内の比較は改善群では頭部屈曲の最大角度と可動範囲、複合屈曲の最大角度と可動範囲に有意な増大を認めた。不変・悪化群では複合屈曲の最大角度と可動範囲、GSグレードに有意な増大を認めた。2群間の比較では最終評価時の頭部屈曲の最大角度と可動範囲、リハ開始時と最終評価時のGSグレードが改善群で有意に高値であった。【考察】頭頚部機能として評価した相対的喉頭位置は群内、群間ともに差を認めなかった。この指標は吉田らが脳卒中患者を対象に検討を行っている指標であり、今回のような高齢なADLの低い者では両群とも高値を示しており、嚥下機能を反映しないことが考えられた。GSグレードにおいては改善群では群内の変化は認められなかった。不変・悪化群では有意な増大を認めたが、リハ開始時、最終評価時ともに改善群が不変・悪化群と比較し有意に高値を示しており、先行研究と同様に舌骨上筋群の機能が嚥下運動に影響を与えることが示された。ROMに関しては改善群では複合屈曲、頭部屈曲ともに改善を認めたが、不変・悪化群では複合屈曲のみ改善を認めた。頭頚部屈曲の効果には舌圧の増加、嚥下後喉頭蓋谷残留の減少、喉頭閉鎖不全の代償などが報告されているが、報告者により複合屈曲、頭部屈曲が混在している状況である。しかし今回の縦断調査の結果から治療における頭部屈曲へ対する介入の必要性は明確になったと考える。【理学療法学研究としての意義】高齢嚥下障害患者の嚥下機能改善の為の介入を行ううえで、また悪化させないように維持するうえで注目すべき頭頚部機能として頭部屈曲ROMがあげられることが示唆された。

1 0 0 0 OA 扶桑名画伝

著者
堀直格
出版者
巻号頁・発行日
vol.[27],