著者
堀 賀貴
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.488, pp.221-226, 1996
参考文献数
12

In this paper, the chronology of building techniques in Pompeii is examined on the following points. 1) Re-using of building stones and techniques. 2) Building techniques provide a terminus ante quem for the date of the construction. 3) Post work carries the weight of upper structures. In the first century B. C. rubble work containing re-used stone ashlars were simultaneously with brick and block works. This work formed the post, which lend assistance to walls in sustaining the weight. Conclusively this work does not directly mean the construction before the building containing brick and block works.
著者
吉田 敦也 堀尾 裕幸 山口 隆美
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1994

本研究では、交流共感型先端VR遠隔医療システムとしてのハイパーホスピタル(超病院)の一部として、ISDNを経由した遠隔2点間で、医師と患者が、それぞれの3次元VR映像のエージェントを用いて面接を行なう電子問診システムのプロトタイプを試作した。平成6年度においては、シリコングラフィックス社のワークステーション「インディ」を中心とした(1)双方向映像通信システムを試作し、ISDN回線とEhtemetを用いた実験的な利用を試みた。平成7年度においては、(2) 3Dグラフィックエージェントを人間様の形状と非人間様(野菜など)の形状をベースに試作し、対話場面に必要な表情表出や動作を利用できるようにインターフェースを開発した。平成8年度においては、上記に構築したシステムとグラフィックエージェントなどを用いて、(3)模擬的な電子問診実験を行い、話し易さ、緊張感、行動の反響など対話におけるコミュニケーション特性について測定・評価した。本研究の全体的な成果としては、グラフィックエージェントなどの視覚的、聴覚的なリアリティが高いほど、コミュニケーション効果は低下する可能性が認められたことである。すなわち、高忠実な現実再生型の描画や音声合成は必ずしも、対話を促進する方向へでは機能しない傾向にあり、むしろ精細度を低下させた描画や電子音声の方が人間関係をメディエ-トしやすいのではないかと思われる結果を得た。また、動作レベルでは、電子面接中にグラフィックエージェントが表現する手足や体の動きが被面接者に反響することが明らかとなった。このことは、電子面接を行う際のグラフィックエージェントの非言語的行動が、被面接者に対して心理的影響を与える要因となることを示唆するものである。音声レベルでは、面接者の発話音声の周波数に非面接者に対して好印象を与える値があることを見いだした。特に、第一フォルマント周波数が平均的な成人の値よりも低い場合に、被面接者はその音声による質問に答えやすいと感じる傾向が認められた。このことはグラフィックエージェントの発話音声の特性が面接効果に影響を与えることを示唆するものである。以上の結果をもとに診察場面など医療環境における電子問診システムのヒューマンインターフェース設計について総合的な考察を試みた。
著者
前田 裕弘 松田 光弘 森田 恵 正木 秀幸 白川 親 堀内 房成 小山 敦子 濱崎 浩之 藤本 卓也 入交 清博 堀内 篤
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.118-125, 1993-04-30 (Released:2009-01-22)
参考文献数
17

成人T細胞白血病(ATL)患者の血清を健常人の末梢血単核細胞(PBMC)に添加し,そのPBMCのCD 3抗原の発現を観察した. CD 3抗原の発現が低下している急性型ATL患者の血清を添加したときのみ健常人PBMCのCD 3抗原の発現が低下した.しかし, CD 3抗原の発現が正常の慢性型ATL血清では,この現象はみられなかった.同様の結果が細胞培養上清添加時にもみられた.細胞培養上清をSephacryl S-200を用いて分画し,健常人PBMCのCD 3抗原を低下させる活性を分子量40-60 kDの分画に認めた.各種抗サイトカイン抗体を用いた中和実験および各種サイトカイン添加実験より,この可溶性因子が既知のサイトカインとは異なる因子と考えられた.この因子が臨床的に急性型ATLに認められ,くすぶり型および慢性型ATLに認められないことより, crisisに関与している可能性も考えられた.
著者
上﨑(堀越) 菜穂子 鮫島 隆 大森 康雄 府中 英孝 三明 清隆 森岡 豊 小谷 健二 小齊 喜一 後藤 清太郎 渡辺 至 中島 誠人 猪口 由美 西坂 嘉代子 五十君 靜信 新村 裕 服部 昭仁
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.347-356, 2013-07-15 (Released:2013-08-31)
参考文献数
34
被引用文献数
1

非加熱食肉製品である生ハムにおけるaWおよび乳酸ナトリウムによるL. monocytogenesの制御について5試験機関で検討した.(1) 血清型の異なるL. monocytogenesの増殖に対する乳酸ナトリウムの影響試験から,供試した菌株の乳酸ナトリウムに対する感受性は,4種の菌株間で差がないことが明らかとなった.(2) 試験用生ハムで,いずれの試験機関でもaW 0.93(0.930≤aW<0.940) では,L. monocytogenes (血清型4b,Scott A株) は,10℃で56日間保管した場合に増殖しなかった.このことから,生ハムではaW0.93であれば,原料肉のpHや食塩濃度,亜硝酸塩および低温保管(10℃) などの条件が相加,相乗的に作用して,L. monocytogenesの増殖が抑制されるものと推測された.(3) 今回の試験では,aW 0.94(0.940≤aW<0.950) であれば,2%の乳酸ナトリウムを添加することによってL. monocytogenesの増殖が抑制されることが示唆された.
著者
仁井谷 暁子 松浦 浩徳 藤本 亘 河野 匡彦 石原 諭 堀家 英之 佐々木 環 佐々木 慎理
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.387-392, 2008-08-01
参考文献数
13

単純血漿交換法を施行した中毒性表皮壊死剥離症(toxic epidermal necrolysis;TEN)の2例を報告する。症例1:50代の女性。感冒様症状に対し,ルル<SUP>&reg;</SUP>,バファリン<SUP>&reg;</SUP>,アルピニー<SUP>&reg;</SUP>坐薬を使用後発症。症例2:60代の男性。急性心筋梗塞を発症し,治療過程で多剤を使用しており原因薬剤は特定できず。いずれもステロイドパルス療法を施行後も紅斑,表皮剥離が進展し,単純血漿交換法を施行した。2例とも数日以内にびらん面の上皮化が認められたが,症例2は急性心不全により死亡した。TENの発症機序にFas/Fas系を介した表皮角化細胞のapoptosiが提唱されているが,自験例では血漿交換施行前の患者血清中sFasLの上昇が認められなかった。自験例で単純血漿交換法が有効であったことはTENの発症&middot;進展にはsFasL以外にも重要な因子が関与する可能性を示唆している。
著者
小堀 寿亮
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.29-35, 2009-02-15
参考文献数
1

<p>ライト兄弟による人類初飛行から約一世紀の間に,航空機のハードウェアに関する技術は飛躍的に進化し,航空機を安全な乗り物にすることに大きな貢献をしている.一方,航空機の整備作業は,ライト兄弟の時代から変わらず大半を人間が手作業で行っていることから,整備作業におけるヒューマンエラーをいかに減らすかが,航空機の安全向上の重要な課題の一つになっている. 全日空では,過去の経験から編み出してきた各種のヒューマンエラー防止手法と,ICAO(国際民間航空機関),IATA(国際航空運送協会),外国航空当局,航空機メーカー等による研究成果(ヒューマンファクターズ理論/方法論)を活用し,1995 年頃から現業部門のみならずスタッフ部門も含めた組織全体で,整備作業におけるヒューマンエラー防止のための実践的な取組みを展開してきた.</p>
著者
塚本 増久 堀尾 政博
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.299-308, 1985
被引用文献数
1

オオカ類の幼虫は肉食性で他の蚊の幼虫を捕食し蚊媒介性の疾病を減少させるので, 人類にとっては益虫である. このオオカを蚊の生物学的防除に利用しようとする試みは古くからあったが, 実際には飼育が困難で容易に産卵せず, なかなか増殖しないので利用しにくく, あまり高く評価されていなかった. 最近われわれの研究室ではオオカの室内飼育系統を確立する技術を開発改良し, その実証として日本産のオオカの全4種類を系統化することに成功した. そこでこの方法を用いればどのようなオオカでも大量に飼育増殖させることが可能な筈で, 正に実用段階に入ったものといえる. ここにオオカを用いる生物学的防除法に新しい観点から考察を加え, 環境汚染や公害の恐れがない空飛ぶ生きた殺虫剤として再認識すべきであるというわれわれの主張を述べ, 論説的な総説を試みた.(1985年5月27日 受付)
著者
齊藤 一幸 青柳 裕 伊藤 公一 堀田 洋稔
出版者
Japanese Society for Thermal Medicine
雑誌
日本ハイパーサーミア学会誌 (ISSN:09112529)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.237-245, 2005
被引用文献数
4

筆者らはこれまで, マイクロ波組織内加温法に用いる同軸スロットアンテナの研究開発を行ってきた.本論文では, 1本の同軸スロットアンテナおよび2ないし4本の同軸スロットアンテナで構成したアレーアプリケータが生体内において発生させる温度分布の数値シミュレーションを行った.さらに, これらの検討結果を基にして, これまでに4例の臨床応用を行い, 本アンテナの有効を確認した.
著者
加藤 逸郎 小野 公二 大前 政利 神田 哲聡 藤田 祐生 大林 茂樹 中澤 光博 丸橋 晃 今堀 良夫 切畑 光統 由良 義明
出版者
Japan Society for Head and Neck Cancer
雑誌
頭頸部癌 (ISSN:13495747)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.581-586, 2005
被引用文献数
3

ホウ素中性子捕捉療法(Boron neutron capture therapy: BNCT)は,<SUP>10</SUP>Bを予め腫瘍に集積させ,中性子線照射で発生する粒子線を利用して腫瘍選択的に破壊する治療法である。我々はこの治療法を再発頭頸部悪性腫瘍患者に対し,2001年より世界に先駆けて開始した。対象は扁平上皮癌6例,唾液腺癌3例,肉腫2例の計11例であった。その結果,腫瘍縮小率は,CR:2例,90%以上:5例,73%,54%,PD:1例,NE:1例で,奏功率82%。QOL改善は,潰瘍消失と皮膚再生,PSの改善による仕事復帰,疼痛・開口障害・呼吸苦の改善,生存期間延長などであった。11例中7例(4例:遠隔)に転移を認めた進展例だったが,治療後の生存期間は,1-38ヶ月で平均8.5ヶ月,生存率は36%(4例生存中)であった。副作用は,口内炎,全身倦怠感,脱毛などで軽度だった。進展再発頭頸部悪性腫瘍に対しBNCTを実施し,その有効性を確認した。
著者
伊澤 紘生 堀 喜久子
出版者
医学書院
雑誌
看護教育 (ISSN:00471895)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.126-131, 2005-02-01

競争の弊害をなくすには「競争の裏側」の論理をもってきて対処すればいい。 伊澤 私たちの文化や文明がまさに同じでしょう。これだけ競争に明け暮れして,さまざまな素晴らしいものを生み出してきた。しかし,同時に,戦争とか,虐待とかいじめとか,あらゆるえげつなさも生んできた。私たちは,競争の論理のもっているいい面と悪い面をいかに認識するか。それには,競争の裏側の論理がちゃんとわかっていなかったらどうしようもないということです。そういうことを徹底的に教えてくれたのがサルなのです。 たとえば,面白い例だけど,10年ほど前,いじめや虐待,不登校,校内暴力など,小学校で激化しつつあるさまざまな問題への対処として,当時の文部省は「競争をあおるようなカリキュラムをなくすように」と通達を出したのです。
著者
堀籠 俊至
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1225, pp.107-110, 2004-01-19

全国赤帽組織は、軽自動車による運送業務を手がける協同組合です。全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会を上部団体として、全国に44の協同組合があります。このうちの1つ、赤帽北海道軽自動車運送協同組合が、2003年10月14日、札幌地裁に自己破産を申請しました。負債総額は約10億円。赤帽としては、初めての経営破綻となってしまいました。