著者
川崎 雅史 堀 秀行 佐佐木 綱
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.1993, no.458, pp.121-127, 1993

本研究は, 日本の伝統的な空間に現れる陰影の意匠性を把握するための一つの方法として, 谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」に表現された陰影とその演出のしくみを景観論的に整理したものである. はじめに, 景観論的な視点を設定するために陰影の基本構成と基本類型の定義を行い,「陰翳礼讃」に表現された陰影の典型を抽出した. さらに, 抽出された陰影の構成要素ごとに美的な演出方法についての考察を行った.
著者
堀田正敦 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[303],
著者
堀 高夫
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.233-241, 1979-07-25

この報告では, 集材架線において, 荷上索を操作して荷重を上下する際に, 荷重が軌索・荷上索に及ぼす衝撃作用を理論的に解明することを試みた。ここでは架空索の基礎理論として放物線索理論を採用した。またモデル架線として, タイラー式架線を原型とするものと, ホイスティングキャレッジ式架線を原型とするものとをとりあげ, 理論解析の対象とした。これらのモデル架線を軌索・荷上索(後者のモデルでは巻上索)・搬器・荷重よりなる一つの系と考え, その上下運動のみに着目し, まず系の位置エネルギーおよび運動エネルギーの算定式を与え, ラグランジュの運動方程式を適用することにより, 荷重の動的作用を決定するための微分方程式を誘導した。ついで荷重の動的作用が過大でない場合に対して近似理論を誘導し, 軌索および荷上索または巻上索に対する衝撃係数を直接求めるための近似式を与えた。また数値計算結果から, 衝撃係数について架線の諸条件・荷上げ用ドラム操作上の条件等との関係を検討し, その性格を明らかにした。
著者
森川 知哉 荒堀 喜貴 権藤 克彦
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1_103-1_109, 2014-01-27 (Released:2014-03-03)

未定義動作を伴う整数オーバーフロー(時限爆弾)は重大な脆弱性の原因となる.本論文では時限爆弾を軽量に効率よく検出する手法として6つの固定的な整数値(整数境界値)を使う方法を提案し,19のオープンソースに適用して定量的に評価した.その結果,整数境界値は従来のランダム法に比べて,平均で36.7%多くの時限爆弾を検出した.さらに,整数演算の未定義動作のうち,比較・ビット演算が61.3%を占めることと,比較・ビット演算とその他の演算での,整数境界値による時限爆弾の検出率には有意差がないという結果を得た.
著者
土岐 利彦 堀口 正之 和田 裕一 矢嶋 聰 後藤 牧子 金野 多江子 伊藤 圭子 東岩井 久
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.1000-1004, 1987-11-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
18

頸部細胞診でclass IIIを呈した患者で, クラミジア感染症のスクリーニングを行いさらに, クラミジア陽性例の細胞像を検討し, 以下の結果を得た.1.380例中18例 (4.7%) が, EIA法でクラミジア陽性であった.2. 陽性例では, 細胞診上, central target formationや, 星雲状封入体など, クラミジア感染に特徴的とされていいる所見は全例で認められず, 細胞診のみでクラミジア感染を推定するのは困難と思われた.3. 陽性例の56%に, 細胞診または組織診上, human papillomavirus (HPV) 感染の徴候が認められた.4. 治療例13例の細胞異型は, 6例で消失したが, 7例では存続していた. 消失例6例の細胞異型は, 主として軽い化生異型であった. これに対して, 異型持続例7例中, 6例にHPV感染の徴候が存在し, このHPV感染による細胞異型は, 治療に関係なく持続していた.以上より, クラミジア感染時にみられる細胞異型は, 同じSTDとしてHPV感染を合併する場合に, 特に問題になってくると考えられる.
著者
堀切 辰一
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.809, pp.15-17, 2016-08
著者
堀越孝一著
出版者
小沢書店
巻号頁・発行日
1995
著者
辻井 重男 山口 浩 五太子 政史 角尾 幸保 井堀 幹夫 山本 拓真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.363, pp.19-24, 2011-12-10

先ず,電子行政を,精神構造,社会システム,技術システムの3階層として捉え,各々の階層について概説した後,現在,内閣官房を中心に政府で検討が進められている情報連携基盤について技術システムの立場から考察する.情報連携基盤は,認証機能,番号機能,情報連携機能の3機能を有するが,認証機能については,公的個人認証などの実績があるので,これらを利用すれば良く,番号機能については,個人情報保護を中心に政府で議論が深められている.しかし,情報連携機能については,考察が進んでいないように見受けられる.情報連携基盤の大きな目的は,個人情報を最大限保護しつつ,これを国民のために活用することにある.本論文では,暗号技術などの利用により,個人情報の保護と活用の間の矛盾を可能な限り超克し得る技術システムの構成法を提案する.
著者
安田 幸雄 黒田 尚宏 堀 有行 相野田 紀子 大原 義朗 鈴木 孝治
出版者
金沢医科大学
雑誌
金沢医科大学雑誌 (ISSN:03855759)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.408-412, 2005-12
被引用文献数
1

医学教育評価には客観試験が多用されている。中でも多肢選択問題(MCQ)は単位時間当たり多くの問題を出題できるため,信頼性が高い。また事前に合格ラインを決定できること,事後に問題の良否を検討できることも優れた特徴である。しかし,臨床能力の評価法としての妥当性はやや劣る。医師国家試験(国試)にはMCQが使用されており,信頼性の高さは認められている。また近年の出題基準の改訂により妥当性も向上していると考えられる。国試にはAタイプ,Kタイプ,Xタイプの3種類が使用されているが,Aタイプが最も知識レベルを正しく反映し,Kタイプが多くなるほど正答率は上がり,Xタイプが多くなるほど正答率は大きく下がると推測される。共用試験のコンピュータ試験(CBT)トライアルにはMCQのうち,AタイプとRタイプが使用されている。Rタイプは臨床問題解決能力を評価するのにより適した方法と考えられている。CBTはいつでもどこでもテストが受けられることを目指している。この条件を満たすためには,膨大な数の問題をプールしておくだけでなく,異なる問題セットで受験者を適正に評価する方法論が必要となる。項目反応理論(IRT)はこの目的で開発された新しいテスト理論で,受験者の絶対評価を目指している。このテストが実施されるようになると,医学教育は変貌を余儀なくされるものと予想される。
著者
中嶋 瞳 三木 晶子 佐藤 宏樹 堀 里子 澤田 康文
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.360-368, 2014-06-10 (Released:2015-06-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Among the adverse effects of anticancer drugs, critical effects have attracted the most attention. However, non-critical adverse effects that lower the quality of life of cancer patients have been gaining recognition. For example, the package insert of tegafur・gimeracil・oteracil potassium (S-1) was modified and lacrimal duct obstruction was added to the list of critical adverse effects on September 25, 2012. In a similar vein, this study aimed to examine the awareness of healthcare professionals regarding the adverse effects of anticancer drugs on the eyes. A web-based questionnaire survey was administered to medical doctors and pharmacists. We received responses from 38 doctors and 123 pharmacists. Only 39.5% (15) of the doctors and 33.3% (41) of the pharmacists were aware of the adverse effects of anticancer drugs on the eyes. Among respondents who had observed these adverse effects, only 12.5% (1/8) of doctors and 11.1% (2/18) of pharmacists reported them to the authorities or the pharmaceutical companies. The results suggest that the adverse effects of anticancer drugs on the eyes should gain more recognition among healthcare professionals. Therefore, we would like to encourage them in obtaining information concerning the safety of medicines and to report all observed adverse effects regardless of their severity.