著者
宮崎 滋
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-10, 2007-02-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
6
被引用文献数
3 3

The Clinical Guidelines for the Treatment of Obesity published in January 2006 by Japan Society for Study of Obesity are reviewed in respect of the standard treatment, management and prevention of obesity and metabolic syndrome, and the relationship between these disorders.
著者
米丸 亮 カラガン 徳代 黒石 正子 荒幡 篤 宮崎 聡 山本 誠
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.220, 2009

新幹線運転士の停止位置ミスが睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome : SAS)に起因したことが判明したことを契機に,我が国においても社会的問題が次々と明らかとなり,SAS が注目されるようになった。本研究では職場作業の安全管理上SAS に関心の高い某事業場の従業員183名に対してアプノモニターにてスクリーニングを実施した。事業場の産業医の指示にて実施したアプノモニターのデータを,当院の医療連携室を経由して生理検査室にて分析した。被検者183名中アプノモニターによる無呼吸/低呼吸指数(Apnea/Hypopnea Index : AHI)が5以上15未満を示す要指導者が28名(15%)存在した。AHIが40以上を示す者はいなかったが,15以上40未満を示す者が18名(10%)認められ,当院においてPolysomunography(PSG)検査を実施した。PSG によるAHI が10以上の者が10人認められ,SAS と診断された。SAS の有病率は5.5%(10/183)であった。また,AHI が20を超える者5名については,CPAP を導入した。至適CPAP 圧はマニュアルタイトレーションにより決定し,平均7.9cmH2O であった。CPAP 導入によりAHI は平均27.8から平均3.7に低下し,AHI の減少率は87%であった。CPAP導入患者については,定期的外来管理を継続しており,日中帯での眠気を認めていない。必要に応じ在宅での状況をメモリーチップに記憶させ,当院にてその後AHI の経過観察に利用している。事業場の健康管理センターと地域連携を構築し,症状が乏しい従業員に対して効率の良いSASの診断,CPAP 治療の導入により,地域の健康増進に貢献できると考えられた。
著者
能勢朝次 宮崎健三共著
出版者
博文堂
巻号頁・発行日
1951
著者
能勢朝次 宮崎健三著
出版者
博文堂
巻号頁・発行日
1952
著者
倉 真一 Shinichi KURA 宮崎公立大学人文学部 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.45-64, 2020-03-06

本稿は、保守系オピニオン誌『SAPIO』における2010 年代の外国人言説を分析したものである。分析の結果、明らかになった点は以下のとおりである。 第一に、2000 年代に現れた移民や外国人を管理する主体としてのネーションは、2010 年代に入っても「外国人参政権法案」や「ヘイトスピーチ」、「年間20 万人移民受け入れ構想」といった政治的争点が浮上するたびに、同誌上において再確認されていった。 第二に、2014 年の特集記事「移民と在日外国人」において、「移民国家ニッポン」というビジョンを実現する統治的主体として、移民や外国人を管理する主体としてのネーションは位置づけられた。外国人や移民が「日本的な価値観や美徳、文化や慣習」を受け入れる(=同化)客体として構築される一方、統治的主体としての「われわれ」=ネーションは、彼らを教導する「寛容な」主体として構築された。 第三に、移民や外国人を管理する主体としての潜在能力を発揮できない(移民や外国人を十分に客体化できない)事態に直面する時、「移民国家ニッポン」というビジョンは揺らぎ、それを実現すべき統治的主体としてのネーションの不安が惹起されることになる。2010 年代後半、特に2018 年の2 つの特集記事を通じて、さらに「移民国家ニッポン」というビジョンの揺らぎ、統治的主体の不全感や無能感へと進んでいった。その結果、特集記事での移民や外国人のイメージも、ポジティブとネガティブ両方を含むものから、外国人犯罪に象徴されるネガティブなイメージのみが前景化していった。 第四に、2010 年代の雑誌『SAPIO』における外国人言説は、同誌の創刊当初の外国人言説を特徴づけていた「混住社会ニッポン」というビジョンの揺らぎとその失効の過程と重なり合う。「移民国家ニッポン」というビジョンとその揺らぎは、『SAPIO』誌上における外国人言説の四半世紀を経た回帰としても把握できるものである。
著者
宮崎 正光 西畑 美幸 村田 伸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.E0378, 2007

【背景と目的】老人保健施設でのリスク管理において、最も重要な事項の一つに転倒による外傷や骨折の予防がある。認知症を有する高齢者は、立ち上がりや立位保持が不安定であるにもかかわらず、車椅子から不用意に立ち上がり、転倒してしまうケースも少なくない。そこで我々は、低コストで作製可能な、立ち上がると音が鳴るクッション"お知らせクッション"を制作したので報告する。<BR>【お知らせクッションの作製手順】作製に必要な材料は、窓アラーム(約90dB)、CARワックススポンジ2個、クッションカバー、クッション、接着用材(グルーガン、接着スプレーなど)とスイッチをクッション外部より操作するための細い針金を準備する。作製は、まずクッションのアラーム部分を入れる場所(中央やや後部)にCARワックススポンジが入る程度の穴を空ける。窓アラームは分解し、スイッチ部分が扱えるようにCARワックススポンジの中に入れこむ。スイッチを外部から操作できるように、スイッチ部分に左右から針金を引っ掛けグルーガンなどで固定する。上から順に「切り取ったクッション材」、「磁石」、「スポンジ」、「窓アラームが入っているスポンジ」を、磁石と窓アラームの距離やクッション材の厚さを調節しながらクッション用のスプレーのりで接着する(磁石は、アラームが反応する部分の上部に取り付ける)。接着したものをクッションの穴の部分に入れ込む。クッションカバーに針金を通すための穴をあけ、クッションをカバーに入れる。最後にクッションカバーから針金を外へ出し、スイッチを外部から扱えるようにして、ON.OFFの標示をつけて完成となる。<BR>【考察】認知症を有する障害高齢者に対して、車椅子から不用意に立ち上がることで起こる転倒を防止するために、立ち上がると音で知らせてくれるクッション、"お知らせクッション"を制作した。現在市販されている車椅子に敷くタイプのセンサーは、5万円程度と高額である。しかし、我々が制作したクッションは、その主たる材料を100円ショップで購入でき、クッション費用を考慮しても1,500円程度と安価で作製が可能である。また、感度に関しても手作りであるため調節できるというメリットもある。転倒リスクの高い施設利用者に対してお知らせクッションを使用したところ、使用期間中の転倒はなかった。また、介護職員に対して、クッションの使用に関するアンケート調査を行った結果、介助量の軽減に繋がったとの回答が得られた。学術大会当日は、"お知らせクッション"の作製方法を中心に、使用経験(事例紹介)やアンケート調査の結果についても報告する。<BR>
著者
宮崎 繁樹
出版者
明治大学法律研究所
雑誌
法律論叢 (ISSN:03895947)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.625-638, 1966-03
著者
陸田 明智 小倉 由佳理 佐藤 愛子 寺井 里沙 鈴木 崇之 升谷 滋行 宮崎 真至 本淨 学 角野 奈津
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.276-282, 2014 (Released:2014-06-30)
参考文献数
25

目的 : レジンペーストの保管温度条件がその硬化物の機械的性質に及ぼす影響について, 曲げ特性および表面硬さを測定するとともに, レーザー顕微鏡を用いてコントラクションギャップの観察を行うことによって検討した.  材料と方法 : 供試したレジンペーストは, ユニバーサルタイプのEstelite Σ Quick, BeautifillⅡ, Filtek Supreme UltraおよびSolareの4製品, インジェクタブルタイプのMI Fillの合計5製品とした. レジンペーストの保管温度条件は, 5℃冷蔵庫保管 (冷蔵条件), 23℃室温保管 (室温条件) およびコンポジットレジン加温器を用いて45℃にした条件 (加温条件) の合計3条件とした. これらの保管温度条件で硬化させた試片について, 曲げ強さ, 曲げ弾性率およびヌープ硬さを測定するとともに, レーザー顕微鏡を用いてウシ抜去歯にレジンペーストを充塡した際のコントラクションギャップの観察を行った.  成績 : レジンペーストの保管温度条件が, 曲げ強さおよび曲げ弾性率に及ぼす影響は, いずれの製品においても, 冷蔵条件と比較して室温および加温条件で有意に高い値を示した. ヌープ硬さについては, いずれの製品においても, 冷蔵条件と比較して室温および加温条件で有意に高い値を示したが, その傾向は製品によって異なるものであった. コントラクションギャップの観察については, いずれの製品においても, 冷蔵条件においては窩洞隅角部にギャップの形成が顕著に観察されたが, 室温条件ではギャップ幅が減少し, さらに加温条件では, ほかの条件と比較してギャップ幅の減少が観察された.  結論 : レジンペーストの保管条件としての環境温度は, その機械的性質および窩壁適合性に影響を及ぼすことが示唆された.
著者
中川 滋人 小室 透 福島 直 小畠 昌規 宮崎 義雄 米田 稔
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.567-570, 2003-10-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
11

The purpose was to investigate the efficacy of several diagnostic methods to detect superior labrum injuries in throwing shoulder. Fifty-four throwing athletes, who underwent arthroscopic surgery, were prospectively studied. There were superior labrum injuries in twenty-four cases and loose attachment of the superior labrum in six. The efficacy of preoperative diagnostic methods were investigated comparing them with arthroscopic findings of superior labrum injuries. The forced shoulder abduction and elbow flexion test (forced abduction test) was diagnosed as positive, when pain at the postero-superior aspect of the shoulder in forced maximal abduction was reduced or diminished in elbow flexion. The most useful test to detect superior labrum injuries was the forced abduction test, and the sensitivity, specificity, and accuracy was 73%,69%, and 70%, respectively. Loose attachment of the superior labrum significantly increased false positive rate of this method. Forced abduction tests were simple and effective for diagnosis of superior labrum injuries in throwing shoulders.
著者
渡辺 淳志 濱田 真輝 田鹿 安彦 宮崎 一秀 川畠 弘子
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.21-25, 2015 (Released:2015-01-23)
参考文献数
13

要旨:症例は31 歳女性.予定帝王切開術後にメチルエルゴメトリン内服開始.分娩後5 日目に雷鳴様頭痛の後,全身痙攣が出現した.MRI,MRA にて多発性脳梗塞と脳血管狭窄を認め,可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)による脳底動脈先端症候群を疑いシロスタゾール,エダラボン,ベラパミルにて加療を行った.第40 病日のMRI にて脳血管狭窄は改善し,RCVS と確定診断となった.後遺症として四肢不全麻痺,構音障害,嚥下障害などを認めmodified Rankin Scale 4 の状態にてリハビリテーション目的に転院となった.RCVS は転帰良好例が多いとされるが,脳底動脈高度狭窄症例は後遺症を残すリスクファクターである可能性があり早期の治療を検討するべきと思われる.また,片頭痛既往がある分娩後患者のメチルエルゴメトリン投与に関してはRCVS 発症のリスクを考慮し慎重に検討するべきであると思われる.
著者
宮崎 道生 清田 啓子
出版者
駒澤短期大学国文科研究室
雑誌
駒沢短大国文 (ISSN:02866684)
巻号頁・発行日
no.21, pp.118-125, 1991-03
著者
宮崎 刀史紀
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.89-97, 2003-03-31 (Released:2009-12-08)
参考文献数
46
被引用文献数
1

文化政策への人々の関心は様々である。また、その関わり方も多様である。本稿では、入場税撤廃運動をとりあげ、どのような主体が何故いかに入場税という「文化政策」に関心をもち行動したかについて考察する。この運動では、価値論的問題へ主たる運動原理が変化したことで、運動への支持が拡大し、運動の関心も文化政策一般へと広がった。要求や提言を政策化し実現しようとする市民の運動として、この運動は重要な意義をもつ。
著者
宮崎 一
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.782, pp.86-89, 2011-05-12

古くから製造業をはじめとする日系企業が拠点を構えることが多いタイ。一時は政情不安もあったが、アジアの成長地域としての魅力は依然として高い。現地に進出するユーザー企業などに向け、市場環境やタイICT業界の現状、日本と異なる文化や法規制に関する注意点を解説する。
著者
宮崎 康典 穂坂 綱一 足立 純一 下條 竜夫 星野 正光 村松 悟
出版者
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

原子力機構では、地層処分する放射性廃棄物の発熱及び有害度の支配因子であるマイナーアクチノイドを分離回収するHONTA抽出剤を開発し、フローシート構築に向けた性能評価試験を行っている。一方で、耐放射線性が課題となっており、安全面の観点から、放射線分解機構の解明が不可欠となっている。本研究では、放射線分解の初期反応で生成するラジカルカチオンから分解物に至るまでの中間反応に注目し、放射光と難揮発性試料測定用光電子―光イオンコインシデンスを組み合わせた実験的な反応経路と、量子化学計算で予想される反応経路との比較評価を行い、抽出剤の放射線分解機構を明らかにする。
著者
鎌谷 美希 伊藤 資浩 宮崎 由樹 河原 純一郎
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第18回大会
巻号頁・発行日
pp.75, 2021-03-15 (Released:2021-03-15)

衛生マスクを着用することで,着用者の顔の魅力が総じて低下することが報告されている (衛生マスク効果: Miyazaki & Kawahara, 2016)。これは,マスクによって顔の一部が遮蔽されることと,マスクから想起される不健康さの2要因によって生じるとされていた。しかし,COVID-19流行でマスクの着用が常態化したことにより,マスクから想起される不健康さがその色にかかわらず低減している可能性がある。本研究では,白・黒マスク着用者に対する信念の調査 (研究1),および素顔と白・黒マスク着用顔の魅力評定実験をおこなった (研究2, 3)。その結果,COVID-19流行前よりも流行後において,マスクの色にかかわらず,その着用者に対して不健康だと回答する人が減少した。また,マスク着用者に対する不健康さの知覚の低減に伴い,衛生マスク効果のうち,遮蔽の効果のみが魅力評定値に影響を与えていた。衛生マスク効果の変容は,不健康だと考えられていた黒色マスク着用顔に対してもみられた。
著者
河上 淳一 烏山 昌起 宮崎 優 青木 美保 進 訓央 松浦 恒明 原口 和史 藤戸 郁久 森口 晃一 宮崎 かなえ 日野 敏明 曽川 紗帆 中村 雅隆 宮薗 彩香 工藤 僚太
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Cd0841, 2012

【はじめに、目的】 腱板断裂術後は再断裂が問題である。近年の再断裂率を下げる要因の報告では、リハビリテーション開始の遅延や装具装着期間延長が推進されている。当院での腱板断裂術後は、装具装着は昼夜問わず3~8週装着、退院は3~4週としており、リハビリテーション開始・装具装着期間延長を検討している。装具装着延長になると、安全性確保の半面で退院後の自宅生活に制限をきたす。特に入浴は、更衣・移動・洗体・洗髪の動作を通常装具なしで行う必要がある。入院時の入浴は、三角巾・ペットボトルなどを利用した簡易装具にて対応をしていた。しかし、自宅での介助なし入浴には、三角巾で被覆される面積が大きいために洗体が困難、三角巾の衛生面が問題になると看護師により指摘を受けた。さらに、症例からも簡単かつ安全に入浴できるようにしたいとの要望があった。入浴用装具購入も検討したが、一般に販売されているものは散見されなかった。そのため、I安全性の向上、II衛生面の向上、III安価の3項目を充たすことで、自宅でも安全に入浴可能な入浴用装具開発を目的にて本検討を実施した。【方法】 試作品(以下:1号)を作成し、使用方法を看護師に説明し腱板断裂術後症例の入浴時に使用させた。その中で、看護師・症例よりあがった問題点を随時改良していった。1号は、EVA樹脂素材のスイムヘルパー(以下:スイムヘルパー)とポリ塩化ビニル(以下:塩ビ)のパイプと紐2mを使用した。スイムヘルパーは、直径15cm・高さ10cmの円柱を3個、塩ビパイプは直線タイプの長さ40cm・直径17mm、紐2mを使用した。スイムヘルパー3個の中央に塩ビパイプを通し、塩ビパイプの中に紐を通すことで、通常装具のように肩から吊るすようにした。部品代は約1800円だった。【説明と同意】 本装具作成にあたって、ヘルシンキ宣言に基づき同意を得た。【結果】 結果として、1号から改良を加えて6号の装具までを作成した。作成の中でI安全性の問題となった点は、A前腕の下方制動性がないB手指・手関節周囲の支えがないC着脱に患肢を動かす必要がある D塩ビパイプが抜け落ちる点だった。II衛生面の問題となった点は、E塩ビの中を通した紐が乾かない点だった。III安価の問題点は、特になかった。【考察】 結果から得られたA~Eの問題点は、6号作成の過程で解決させた。Aは、腱板断裂術後の症例では一般に内転・内旋方向で腱板縫合部の伸張が加わり、下方・内転方向を自身で制御すると腱板に収縮が起こり、再断裂の可能性を高め問題となる。そこで、スイムヘルパーを通す直線の塩ビパイプを前・中・後の3本に分けた。中と後の塩ビパイプ間には、塩ビの三又継手を取り付けし、その継手外側には10cmのパイプを取り付けた。この工程で前腕を支持する部分を作成した。さらに、塩ビパイプに直接前腕を乗せると、圧を一点で受けるので、発泡ポリエチレン性カバーを装着した。Bは、A同様の問題に加えて、通常装具のように手関節を安定させる部品が付いていなかったので、不安感を感じる症例が多かった。そこで、直線の塩ビパイプ先端には、塩ビの直角ジョイント4個と10cmの塩ビパイプ3本で手指・手関節を支える部分を作った。これらの部品は、ジョイント部が可動することで体格に合わせた位置で手関節部を固定できるようにもなった。Cは、紐をかぶるように着脱するので、患肢を動かす必要があった。そこで、直線パイプ前方後方にドリルにて穴を開け、リング状の部品をつけた。紐は両先端にカラビナをつけた。これで、患肢を台に固定した状態でも紐が簡単にまわせるようになった。D塩ビパイプが抜け落ちるのは、Bで可動できる部品を使用した為に、パイプが抜け落ちる可能性が出現し問題点となった。そこで、塩ビパイプの中に結束バンドを通しパイプが抜け落ちないように工夫した。Eは、塩ビパイプの中に通した紐が乾きにくいことが問題となった。この点は、Cの問題点改善で同時に解決した。以上のA~Eの5点を中心に改善することで、I・IIの目的を達成できた。また、IIIに関しては、当初より問題となっていなかったが、部品を見直すことで1400円程度になった。この入浴用装具を利用することで、早期退院かつ装具延長になっても自宅で安全で安心して入浴できるようになると考えている。しかし、現在の入浴用装具は、解剖学・運動学的観点と看護師・症例・理学療法士の主観的意見で作成した。そこで、今後は入浴用装具の違いがどのように腱板に負荷となるかを確かめ、更に改良していきたい。【理学療法学研究としての意義】 本作成過程の意義は、理学療法士が他職種との関わりの中で、新たな職域を拡大するための一助となると考える。