著者
北 研二 小倉 健太郎 森元 逞 矢野 米雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.1937-1943, 1993-09-15
被引用文献数
30

自然言語処理では、形態素レベルにおける曖昧性や統語的な曖昧性などさまざまな曖昧性に対処する必要がある。このような曖昧性を軽減するための実際的な方法の一つに、慣用表現や定型表現等の複合的な表現を一つのまとまりとして処理することがあげられる。近年、世界各地で大規模コーパスの構築が行われており、大量な言語データが容易に手に入るようになってきている。本論文では、頻繁に使用される定型的な表現をコーパスから自動的に抽出する基準として「仕事量」という概念を導入する。仕事量は、いくつかの単語を一まとまりの単位と考えることにより、各単語を別個に処理するよりも、どれだけの処理が削減できるかということを定量的に測る尺度である。また、仕事量基準を用いた定型表現の自動抽出方法について述ぺ、提案した方法を実際の日本語のコーパスに適用することにより、その有効性を示す。また、コーパスから抽出された定型表現を形態素解析に組み入れることにより、単語区切りや単語誤りをはじめとする形態素レベルの誤りを削減できることを示す。
著者
小倉 正史
出版者
美術出版社
雑誌
美術手帖 (ISSN:02872218)
巻号頁・発行日
vol.52, no.783, pp.127-134, 2000-02
著者
榊 陽 小倉 未基
出版者
千葉大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1994

1.ヒメマスの磁場中における行動実験:磁場見地機能確認のためにベニザケの陸封種であるヒメマス成魚を水槽に入れ、電撃印加の前触れとして磁場を加えてその反応を調べた。また対照実験として磁界の代わりに光を用いた。その結果光の前触れには学習効果があったが、磁場に反応するためにはかなりの時間が必要らしいことがわかった。これらの実験結果から、ヒメマスの感覚としては視覚が優先し、磁気感覚は優先順位としてはかなり低位にあるものと判定される。2.外洋におけるシロザケに磁場外乱を与えた場合の行動追跡実験:日本に回帰中のシロザケの成魚を釧路沖で捕らえ、外乱磁場発生用コイル、コイル電流制御装置および追跡用超音波発信器を取り付けて放流しその行動を調査した。追跡中に外乱磁場が発生したにも拘らず、サケの行動にはそれ以前と顕著に異なる変化は見いだせなかった。従ってサケはこの海域では方位の決定に磁気を最優先的に用いているわけではないと推定される。なおサケが遊泳方向を変える場合には、一旦速度を落としていること、母川方向からはずれても海流に沿って行動している、などの新しい知見を得ることができた。行動追跡実験で得られた新しい知見は、今後サケの回遊を考える上で何らかの手がかりを与えるものであろう。2.サケ頭部からの磁性物質の抽出:磁性微粒子と磁気感覚器官との関係を知るため、組織と磁性物質がついたままの状態での試料の抽出を試みた。この結果期待したような試料を得ることができたが、磁性物質の分析や組織の正確な部位の特定は未完の状態にあり、今後の更なる研究が必要である。
著者
松本 昇 小倉 いずみ 高橋 勤 君塚 淳一
出版者
国士舘大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

ジョン・ブラウンは過激な奴隷解放論者で、1859年10月、ヴァージニア州にあった連邦政府の兵器庫ハーパーズ・フェリーを襲撃した人物として知られている。襲撃の意図は、南部の黒人奴隷や北部の奴隷解放論者を巻き込んでの暴動を起こすというよりはむしろ、奴隷を解放するための戦争のきっかけを作ることにあったように思われる。ブラウンはハーパーズ・フェリー襲撃後のおよそ二ヶ月後、国歌に対するは逆の罪で公開処刑された。「ジョン・ブラウンの屍を越えて」という歌は、北軍の第二歩兵大隊(別名、タイガー連隊)が1861年にフォート・ウォーレンに来たことと関係がある。その大隊の中に、ヴァージニア州チャールズタウンで処刑された奴隷解放論者と同じ名前を持つジョン・ブラウン軍曹がいた。何かにつけて兵士たちはこの軍曹を、処刑されたジョン・ブラウンと関連づけてからかっていた。そのうちに「ジョン・ブラウンの屍を越えて」という歌ができあがったのである。やがてこの歌は、南北戦争のきっかけをつくったジョン・ブラウンをたたえる歌へと変化していった。この歌が」南北戦争で歌われたのは、ヘンリー・ソローやラルフやラルフ・ワルド・エマソンのような超絶主義者や北部の奴隷解放支持者による一貫したブラウン支持だけによるものではない。戦場でたたかう兵士たちの事情によるところが大きい。つまり、彼らは戦地で無意味に死ぬのではなく、ジョン・ブラウンのように自らの死に意味を持たせるためにこの歌を歌ったのである。ジョン・ブラウンの精神は、合衆国で後世の人々に歌い継がれている。日本でも、「ジョン・ブラウンの赤ちゃん」のメロディが導入され、現在でも「ヨドバシ・カメラ」のCMソングとして歌われている。
著者
山下 進 小倉 力
出版者
[出版者不明]
雑誌
農業土木試験場技報 A 土地改良 (ISSN:05495660)
巻号頁・発行日
no.28, pp.p61-84, 1982-03
被引用文献数
3
著者
小倉 正樹 川瀬 哲明 鈴木 陽一 曽根 敏夫 高坂 知節
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.259, pp.23-28, 1999-08-26
被引用文献数
1

左右差の無い聴力閾値正常者に対しランダム化最尤適応法を用いて単耳および両耳ピッチ比較実験を施行した。この結果から単耳・両耳の周波数弁別閾、両耳の等ピッチ周波数の差を求めた。個人差はあるが全例で4kHz以上の高周波域において周波数弁別閾は増大傾向を示した。等ピッチ周波数の左右差は4例中2例で高周波域での増大を示した。これらの結果は、高周波域では周波数情報として場所情報が卓越するという説に合致するものと考えられた。
著者
佐藤 達雄 塩原 由紀江 大森 明文 芳野 未央子 久芳 慶子 高田 圭太 池田 由紀 元木 悟 小倉 秀一 工藤 光夫
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.303-307, 2009-07-15
参考文献数
13

黒色の液状マルチ資材が地温ならびにコマツナの生育,収量に及ぼす影響を明らかにするため,処理量を1,0.5,0.25 L・m<sup>−2</sup>区および無処理区の4水準3反復,播種日を2007年9月21日,10月5日,10月20日および2008年1月22日の4水準として組み合わせ,栽培試験を行った.その結果,液状マルチ資材は,散布量に関わらず無処理に比較して増収することが明らかになった.地下5 cmの温度を解析したところ,液状マルチ散布により最高地温は上昇するが,9月21日播種を除き最低地温は低下した.この現象はコマツナの生育初期に顕著であったが,生育に伴って,その差は小さくなった.播種後10日間の毎正時積算地温に有意な差は認められなかった.地温の日較差の増大はコマツナの増収に寄与した可能性が考えられた.<br>
著者
小倉 義光
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.691-696, 2005-09
著者
小倉 義光 加藤 輝之 高野 功
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.869-876, 2005-11-30
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
小倉 義光
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.p439-465, 1990-07
被引用文献数
3
著者
鳥居 新平 平山 耕一郎 秋山 一男 池澤 善郎 内尾 英一 岡本 美孝 小倉 英郎 高橋 清 西間 三馨
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1515-1530, 2006
参考文献数
13
被引用文献数
2

【目的】シックハウス症候群(SHS)の定義を明らかにする目的で本研究を行った.【方法】SHSの定義は,1.発症のきっかけが住居に関連する.2.症状は住居内で現れる.3.住居から離れると,症状は軽くなるか又は消失する.4.住居に入ると繰り返し症状が現れる.以上をSHSとし,それ以外はMCSと分類した.SHSのみを完全に抽出すれば,MCSは複数の疾患を含むため,MCSの特徴的な症状は検出され難い.この作業仮説に基づき,オッズ比が,1超えがSHSの特徴的な症状となるように,MCSを参照としてlogistic regressionを行った.【結果】オッズ比が2以上のSHSに特徴的な症状は吐き気・嘔吐,何事もおっくうであり,症状が悪化する原因物質として香水,化粧品のにおいであった.各種アレルギー性疾患との比較で,アレルギー疾患に特徴的な症状が夫々検出された.【結語】この結果は,分類方法が適切であることを示し,本定義は,WHOのシックビルディング症候群に関する定義と基本的に変わらず,類似の症状が検出できた.
著者
小倉 肇
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-15, 74, 2001-03-31

ア行「衣」とヤ行「江」の合流過程において,語頭:ア行[e-],非語頭:ヤ行[-je-]という語音排列則が形成されたことを『和名類聚抄』『土左日記』『本草和名』などの「衣」「江」の分布から推定する。「あめつちの歌」の「えのえ」も,この語音排列則に従っていることを述べる。語頭:ア行[e-],非語頭:ヤ行[-je-]という語音排列則が緩み,単語連接における後接語の初頭(語頭)という位置で[e-]>[je-]の変化が起き,[e-]の語頭標示機能が弱められ,最終的に,語頭:[je-],非語頭:[-je-]となって,ア行「衣」とヤ行「江」の合流が完了する。このような語音排列則の形成と変化を想定することによって,「大為尓」「いろは」の48字説についても,単なる「空想」ではなくて,成立する蓋然性の高いことを述べる。
著者
山中 由里子 池上 俊一 大沼 由布 杉田 英明 見市 雅俊 守川 知子 橋本 隆夫 金沢 百枝 亀谷 学 黒川 正剛 小宮 正安 菅瀬 晶子 鈴木 英明 武田 雅哉 二宮 文子 林 則仁 松田 隆美 宮下 遼 小倉 智史 小林 一枝 辻 明日香 家島 彦一
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

中世ヨーロッパでは、辺境・異界・太古の怪異な事物、生き物、あるいは現象はラテン語でミラビリアと呼ばれた。一方、中世イスラーム世界においては、未知の世界の摩訶不思議は、アラビア語・ペルシア語でアジャーイブと呼ばれ、旅行記や博物誌などに記録された。いずれも「驚異、驚異的なもの」を意味するミラビリアとアジャーイブは、似た語源を持つだけでなく、内容にも類似する点が多い。本研究では、古代世界から継承された自然科学・地理学・博物学の知識、ユーラシアに広く流布した物語群、一神教的世界観といった、双方が共有する基盤を明らかにし、複雑に絡み合うヨーロッパと中東の精神史を相対的かつ大局的に捉えた。