著者
野口 孝俊 野口 哲史 奥津 宣孝 小倉 勝利
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.567-577, 2010 (Released:2010-11-19)
参考文献数
11
被引用文献数
1

東京国際空港では逼迫する航空需要に応えるため,沖合に4本目の滑走路(D滑走路)を建設する再拡張事業が進められている.D滑走路の建設工事は性能発注による設計・施工一括発注方式が採用され,維持管理を含んだ一体的な調達方式が適用された.予防保全的な考え方を導入することで,空港施設における合理的な維持管理計画の考え方を立案したので報告する.
著者
田口 晶彦 奥山 和彦 小倉 義光
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.649-659, 2002-08-31
参考文献数
17
被引用文献数
11

第1部に引き続き,1995〜97年の梅雨明け以降の7月と8月の期間,SAFIRが測定した関東地方の雲放電数並びに落雷数と,館野の09時の高層データに代表される大気環境との関係を調べた.特に1日あたりの雲放電数が1000以上の大発雷日を無発雷日と比較すると,下層から中層にかけて,温度・露点温度・相対湿度・風の高度分布に顕著な差が認められた.いろいろな安定度指数についてスキル・スコアを計算し,発雷の有無を判別する能力を調べた結果によると,Showalter Stability IndexとK-Indexはほぼ同じ程度によく,Total Totals Indexが少し劣り,CAPEが最も成績が悪かった.安定度指数に中層の風向や相対湿度の影響を加味した発雷予測の方式を提案した.最後に,館野の高層ゾンデ観測に見られる混合比の日変化についても述べた.
著者
小倉 慈子 矢澤 久史
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.80-86, 2014
被引用文献数
2

This study investigated the hypothesis that narcissistic personality traits would affect risk-taking behaviors through self-monitoring. The Narcissistic Personality Inventory Short Version (NPI-S), the Self-monitoring Scale (SM), and the Risk-taking Behavior Scale for Undergraduates (RIBS-U) were administered to 192 university and graduate students. There were three NPI-S factors ("sense of superiority and competence", "need for attention and praise", and "self-assertion"), two SM factors ("extraversion" and "other-directedness"), and the single risk-taking factor of the RIBS-U. Covariance structure analysis was then conducted to test whether narcissistic personality traits would affect risk-taking behaviors through self-monitoring. Analysis showed that the factors of "sense of superiority and competence" and "need for attention and praise" affected risk-taking behavior through the "other-directedness" factor. However, the "self-assertion" factor was found to have a direct effect on risk-taking behavior.
著者
小倉 幸雄 松本 裕行 塩谷 隆 富崎 松代 三苫 至 半田 賢司
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

確率変数の取る値の空間を一般化する研究は,理論の上からも,応用数学の立場からも重要なテーマであろう.それをファジィ集合の空間に取り,極限定理を調べるのが本研究の目的である.この空間では,位相の入れ方によって可分性が壊れることがあるので注意を要する.本研究の一つの成果は,大数の法則,中心極限定理それにマルチンゲール収束定理は,可分性が壊れる一様位相を入れた空間でも成り立つことを突きとめたことである.方法としては,単調性を用いる方法と,分割を細かくするときのパラメータに関するエントロピーの可積分性を出して,経験分布の理論に持ち込む手法を取った.大偏差原理については,可分性がより大きな影響を与えるが,Levyの距離による位相についてまでは,自然な条件の下でCramer型の大偏差原理が成り立つことを得た.Skorohod位相と一様位相の場合は,やゝ強い条件の下で成り立つことを得た.また,この条件をみたす具体例を求めたが,これはM.Arcones : Large deviations of empirical processesの一つの定理の反例になっている.また自然な条件の下で,Sanov型の大偏差原理が成り立つことも得た.速度関数を具体的に求める問題は,簡単な場合しか出来ていないが,一つの例では,2つの測度の相対エントロピーになることが分かった.次に,研究分担者の松本裕行とともに,一次元ブラウン運動B(t)とその時刻tまでの最大値M(t)について,cM-Xがマルコフ過程になるのは,c=0,1,2の場合のみであることを得た.これは,15年度からの継続の研究であるが,Levyの定理(c=1の場合)とPittmanの定理(c=2の場合)を補完するものである.
著者
小倉 充夫 井上 一明 島田 周平 青木 一能 遠藤 貢 松田 素二 児玉谷 史朗
出版者
津田塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

冷戦の終焉とアパルトヘイト体制の崩壊は南部アフリカ地域に政治的、社会的、経済的変動をもたらし、民主化、経済自由化、地域協力の進展を促した。1990年代初頭において多くの人々はこの地域の将来に楽観的であった。しかし変革からおよそ10年後の今日、南部アフリカ諸国は失業率の上昇などの経済的苦難、犯罪や感染症の増加など深刻な問題を抱えている。構造調整政策の導入は経済危機を克服するために導入されたが、多くの都市住民の生活を一層困窮させることになった。こうした状況が人々の移動のあり方ばかりでなく、政治意識・政治行動にも影響を与え、農村社会を変化させた。これらの問題を各分担者等はそれぞれの研究領域と対象地域において調査しまとめた。具体的には、ザンビアにおける民主化と非政府組織、ジンバブエからザンビアへの移住農民の生活、ザンビア東部州からの移動と農村社会、ジンバブエにおける農村・都市間移動と反政府運動、植民地時代モザンビーク農村における人口移動、モザンビーク・南アフリカ間の労働移動、アパルトヘイト後の南アフリカにおける和解、ユダヤ人移民差別、中国人労働者導入問題などである。南部アフリカ諸国は南アフリカを中心として相互に密接な関係を発達させてきた。それはアパルトヘイト時代においても継続していた。したがってこの地域においては、一国的な分析は多くの場合限界があると同時に、歴史的な背景と変化のなかに位置づけて現状をとらえる必要がある。それ故、本研究では歴史的分析を重視し、その成果は報告書にも反映された。
著者
延廣 良香 向井 美紀 小倉 由美 藤田 悦則 村田 幸治 亀井 勉 辻 敏夫 金子 成彦 吉栖 正生
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
Dynamics & Design Conference
巻号頁・発行日
vol.2011, pp._207-1_-_207-10_, 2011

For the homeostatic control, there are Ultra Low Frequency (ULF) fluctuations on the backbone of the control. We think we can extrapolate state of human by capturing variation of ULF fluctuations. In this study, a method was conceived for capturing ULF fluctuations by performing the time series of the gradients analysis of the pulse wave taken from the surface of the back, which was defined as an aortic pulse wave (APW) with zero-cross detection method or peak detection method. APW was recorded during an experiment with an induced sleep test in the sitting position. The results indicated that we can find drowsiness, a predictive signal for falling asleep and an impending sleep by catching variability of 0.0017Hz, 0.0035Hz and 0.0053Hz of ULF fluctuations of APW obtained by the analytical method we had invented.
著者
南 真木人 安野 早己 マハラジャン ケシャブラル 藤倉 達郎 佐藤 斉華 名和 克郎 谷川 昌幸 橘 健一 渡辺 和之 幅崎 麻紀子 小倉 清子 上杉 妙子
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

2008年、マオイストことネパール共産党(毛派)が政権を担い、王制から共和制に変革したネパールにおいて、人民戦争をはじめとするマオイスト運動が地域社会や民族/カースト諸団体に与えた影響を現地調査に基づいて研究した。マオイストが主張する共和制、世俗国家、包摂・参加の政治、連邦制の実現という新生ネパールの構想が、大勢では変化と平和を求める人びとから支持されたが、事例研究からその実態は一様ではないことが明らかになった。
著者
竹中 千春 網谷 龍介 磯崎 典世 戸田 真紀子 田村 慶子 小川 有美 中田 瑞穂 津田 由美子 合場 敬子 森本 泉 小嶋 華津子 柄谷 利恵子 勝間 靖 浪岡 新太郎 中村 文子 河本 和子 木村 真希子 中村 唯 小倉 清子 サンギータ ラマ アニー ダンダヴァティ ウルバシ ブタリア パメラ フィリポーズ
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ジェンダー研究の提起した概念や理論を導入し、国際政治学・国際関係論の再構築をめざすプロジェクトである。グローバリゼーションの波を被る国家や社会、および「国際体制(International Regime)」の変動について、成熟社会・成長社会・危機社会における政治過程と政治現象の事例分析をもとに、現代世界における「ジェンダー・ダイナミクス(gender dynamics)」を分析した。
著者
中野 龍平 播磨 真志 小倉 恵実 井上 真輔 久保 康隆 稲葉 昭次
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.581-585, 2001-09-15
参考文献数
23
被引用文献数
15 27

カキ'西条'果実の軟化に対するエチレンの関与を明らかにするとともに, 果実のエチレン生合成に及ぼすCTSD脱渋に相当するCO_2処理と貯蔵中の湿度条件の影響を調査した.'西条'果実を>95%CO_2で16時間処理した後, 温度20℃湿度40∿60%の条件下で貯蔵すると, 収穫後2日(CO_2処理後1日)よりエチレン生成が検出され, 収穫後5日より軟化果実が多発した.1-methylcyclopropene(MCP)によりエチレンの作用を阻害すると, この急激な軟化は完全に抑えられた.CO_2処理を行わずに, 果実を低湿度下(40∿60%)および高湿度下(>95%)で貯蔵すると, 低湿度下で貯蔵した果実では収穫後2日よりエチレン生成の誘導と急激な軟化が観察された.高湿度下で貯蔵した果実ではエチレン生成・軟化発生とも収穫後10日まで抑えられた.一方, CO_2処理果実では, 高湿度下で貯蔵した場合でも収穫後2日よりエチレン生成とそれに伴う急激な軟化がみられた.以上より, '西条'果実の収穫後の軟化には, 水ストレスおよび脱渋処理に伴うCO_2ストレスによって誘導されるエチレンが関与していることが示された.
著者
小倉 協三 小畑 充生 古山 種俊
出版者
東北大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1993

中等度好熱性細菌B.stearothermophilusのファルネシルニリン酸(FPP)合成酵素については 1.部位特異的変異の導入 2.耐熱性変異型FPP合成酵素の大腸菌内での大量産生 3.熱処理と2段階のクロマトグラフィーによる精製の系を確立した。この系を用いてプレニルトランスフェラーゼに特徴的な7つの保存領域ミ内のアノ酸について変異型酵素を作成し、それらの触媒機能の変化を精査し、新規なC-C結合形成反応の触媒機能獲得の有無を調べた。領域VIIに保存されているArg-295をValに置換した変異型酵素R295Vの酵素活性はほとんど変化しなかったが、非アリル性基質イソペンテニルニリン酸(IPP)に対するKm値が野生型のFPP合成酵素のそれの約1.5倍に増大した。同様の変化がC末端のHisをLeuに換えたH297Lでも認められた。この変化はプライマー基質をジメチルアリルニリン酸(DMAPP)にした場合さらに顕著になり、変異体のKm値は約3倍となった。さらにCys-289をPheに換えたC289Fでは10倍になった。領域VIに保存さているモチーフDDXXDのAspの変異体、D224A、D224E、D-2251、D228Aはいずれも触媒活性が激減したが、反応速度論的解析では、基質に対するKm値はIPP、GPPのいずれに対しても大きな変化はなかった。D288Aのみが例外で、IPPに対するKm値が野生型の10倍にもなった。領域VIの下流に保存されているLys-238の変異体酵素K238AおよびK238Rはいずれも触媒活性には大きな変化はなかったが、IPPに対するKm値がそれぞれ4.2倍5.1倍になった。これらの変異体酵素はいずれもIPPに対するKm値が増大しているのでホモアリル性の基質に対する特異性が特に変化している可能性がある。これらの変異体酵素の人工基質ホモログに対する基質特異性の精査は今後の課題である。
著者
山野 英嗣 尾崎 正明 稲賀 繁美 川島 智生 加藤 哲弘 河上 繁樹 中川 理 並木 誠士 廣田 孝 前田 富士男 増田 聡 藪 亨 新見 隆 出川 哲朗 中川 克志 松原 龍一 池田 祐子 小倉 実子 牧口 千夏 中尾 優衣 河本 信治
出版者
独立行政法人国立美術館京都国立近代美術館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本近代における建築、デザイン、工芸を対象としながらも、ジャンルを超え、そして国境を超えた動向について総合的に検証したものである。研究成果は、最終的に一冊の図書としてまとめた他、研究代表者が所属する美術館においても展覧会やシンポジウムを開催し、研究成果を広く発信した。東西の文化交流、そしてジャンル間を交差する表現への注目など、時宜を得たテーマとして、建築、デザインそして工芸の各領域において、新たな視点が提言されたと思われる。
著者
中山 純一 宮下 豊勝 赤木 伸弘 小倉 久直 吉田 靖夫 相馬 敬司
出版者
電子通信学会
雑誌
電子通信学会論文誌 B (ISSN:03736105)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.p93-100, 1979-02

本論文では著者らが先に電波・超音波ホログラフィの新しい方法として提案したホログラムマトリクスによる2次元映像法について述べている。ホログラムマトリクスは従来のホログラフィとは異なり、より要素的な情報を含んでいるため、計算機で合成した送信・受信の両ビームの焦点を同一点に合わせる共焦点再生処理が可能で高い分解能が得られる。送信アレーと受信アレーを直交に配置すれば、送・受信の両ビームが標的領域内ではほぼ直交するため、2波長程度の高分解能が得られることを理論的に示す。 次に、超音波実験を行い、種々のモデル標的の再生象を示している。実験より得られた像は、標的の数が多くなければほぼ理論値に近い分解能をもつ良好なものであった。又、アレーの各チャンネルの位相・振幅の補正の効果についても検討を加えている。