著者
宮坂 まみ 小川 美智子
出版者
環太平洋大学
雑誌
環太平洋大学研究紀要 = BULLETIN OF INTERNATIONAL PACIFIC UNIVERSITY (ISSN:1882479X)
巻号頁・発行日
no.16, pp.107-115, 2020-03-31

近年,短期間でピアノを習得する必要のある保育学生へのピアノ指導についての課題が指摘されている。そこで,音楽の教授に37年間携わってきた第二著者による授業の受講生を対象として調査を行い,効果的な指導のあり方について検討した。調査1では,ピアノのレッスンを受けた経験や習熟度について探索的に調査を行った。その結果,学生の7割以上が入学時にピアノ未経験者であったが,1年8ヶ月経過後には基礎・表現面で上達を感じていた。調査2で役立った指導法について検討したところ,特に未経験者については,弾きやすくなるような譜面上のサポートが有用であると考えられた。さらに,経験者・未経験者ともにメンタル面の支援が役立ったと認識しており,技術面だけでなくメンタル面の支援が重要であることが示唆された。
著者
小川 明子
出版者
日本メディア学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.92-110, 2009-07-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
23

During the Russo-Japan War, newspaper companies located in the urban areas such as Osaka and Tokyo tried to broaden their distribution by investing large capital to install telecommunication facilities and visual technologies. Taking advantage of these new technologies, large newspaper attempted to attract people's attention by distributing the news promptly. This article examines how the local newspaper competed with these newspapers during the war. It shed light on "Shinchoho," a small local newspaper, in Toyohashi at that time. Investigating the strategies by the paper to survive, this paper discusses how the local newspaper interacted with the local readers.
著者
永石 喜代子 小川 裕美 Kiyoko NAGAISHI Hiromi OGAWA
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.71-87, 2010-01-01

In late years, the children who are required the particular support became a big issue.We think that in its background, there is the increase of children needing medical care in a general school, and the most of them are needing the action of medical care, such as absorption of the phlegm, self withdrawing of urine and the tubal feeding, and these cause embarrassment of teacher whether or not it is possible for the action of the medical care.We think today, so it is going to be placed these medical actions as a new role of the Yogo teacher, teacher will be required the recognition for the medical action.However, now, these educations and trainings of medical care are not established for the students aiming for teacher and teachers yet.Therefore, In this study , through "the guide learning" as one of the way of educational method about the training of the medical care, we tried to grasp the evidence of the promotion of the student's learning will and needs for school nurse.We analyzed the obtained result, through the accomplishment degree of nursing training I, and clarified the effectiveness and problem of "the guide learning" in the medical care.
著者
山浦 大和 小川 進
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集 第20回(2007年度)水文・水資源学会総会・研究発表会
巻号頁・発行日
pp.65, 2007 (Released:2008-04-03)

16-19世紀,南米ボリビアのポトシ(Potosi)銀山(正称セロ・リコ・ポトシ)では,銀の精錬に大量の水銀が使用され,鉱山周辺は深刻な水銀汚染に見舞われた.そこで本研究では,水銀生産量と衛星データの流域解析から水銀汚染地域を特定し,スペイン統治時代のポトシ銀山における水銀汚染のリスク評価を定量的に行った.その結果,汚染地域がボリビア国境とアマゾン川の流域界まで達し,ポトシは文明崩壊の危機に瀕していた可能性が認められた.
著者
仲西 知憲 小島 哲夫 小川 光 石河 利之 村田 大
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.147-150, 2018-03-25 (Released:2018-05-21)
参考文献数
11

比較的稀な10代の肘部管症候群3例について報告した.2013年4月から2017年1月まで肘部管症候群の診断で尺骨神経前方移行術を施行した72例のうち,10代の症例で術後6か月以上のフォローが可能だった3例を対象とした.平均18.7(18-19)才,全例男性で投球時の内上顆の痛み,尺骨神経症状などを有した.筋萎縮はなく赤堀の分類第1期であった.臨床所見,神経伝導速度検査,手術所見,Mayo Elbow Performance Score(以下,MEPS),JOA-JES scoreを評価した.全例,内上顆周辺の圧痛,Tinel徴候のみで神経伝導速度に特記すべき所見は認めなかった.手術では内上顆付近の軽度の神経絞扼を認めた.全例機能スコアの改善を認めた.野球の投球に関連する肘部管症候群においてスポーツのパフォーマンス改善のために,尺骨神経前方移行術を施行することが重要であると考えられた.
著者
小川 真 吉田 操 渡邉 建 喜井 正士 杉山 視夫 佐々木 良二 渡邊 雄介
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.292-297, 2003-10-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
13
被引用文献数
3 2

muscle tension dysphonia (以下MTD) は, 発声時に, 喉頭の筋肉の過剰な緊張が原因で喉頭内腔が押し潰されることによる発声の異常のことを意味しており, 喉頭の内視鏡検査では, 仮声帯の過内転, 披裂部の喉頭蓋基部への前後方向への圧迫の所見を示す.また, 音声訓練による治療が奏功しやすいといわれている.しかしながら, 音声訓練が実際に喉頭所見を改善するか否かということについては不明であった.われわれは, 経鼻ファイバースコープ検査より, 持続母音発声時の喉頭内3部位の圧迫の程度から算定する「MTDスコア」を開発し, MTD症例に対する音声訓練の治療効果を明らかにするために, 治療経過を通じてのMTDスコアの変化について検討した.対象症例は, 男性25例, 女性6例であり, 年齢分布では60代後半にピークを認めた.問診による発症に先行するエピソードの解答は多様であった.音声訓練による治療の経過において, 全31例中24例で, 音声訓練の回数を経るにつれて, 経時的に過緊張発声障害スコアの減少が認められた.そのなかの21例においては, スコア0となり, 同時に嗄声の消失が認められた.3例においては, 数度の増悪の後, 最終的にスコア0となった.残りの4例は不変または増悪した.結果として, MTDに対して, 音声訓練による治療が有効であることが強く示唆された.
著者
川端 雅彦 春日 修二 小川 哲也 陶山 紳一郎 森山 勝利 高畠 利一
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.57-62, 1998-01-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
15

維持透析患者9例を対象とし, 血液透析 (HD) と血液濾過透析 (HDF) 療法中の循環血液量 (BV) の経時的変化をクリットラインモニターにより測定して, 両治療における特徴を比較検討した. 総除水量およびdry weightに対する除水率は両治療で同一であったが, 治療終了時のBVの減少率はHDFで大であった. 経時的な観察では, HDFで治療前半, HDで治療後半にBVの著しい減少がみられる傾向があった (0.05<p<0.10). 血液生化学検査では, 治療中間点において, HDFで総蛋白濃度とヘマトクリットがHDに比し高値, 血清浸透圧とNa濃度は低値を示した (p<0.05). 血清尿素窒素, クレアチニン, ヒト心房性Na利尿ペプチド濃度は, 両治療で差はみられなかった. これらの成績は, HDFでは治療の前半においてBVの急速な減少と血漿の濃縮がみられることを示し, この時期の血管外から内への体液の移動が相対的に小さいことが原因であると推測される. 血漿の濃縮による蛋白濃度の上昇は, 膠質浸透圧を高め, plasma refillingを高める方向に作用して, 治療後半の循環動態の維持に有利に働く可能性が考えられる. 一方, HDでは, 治療前半ではBVは維持されるが, 総体液量が絶対的に減少する治療後半に急速なBVの減少が生じる傾向がある. これは, HDの治療後半において循環動態の破綻がしばしば認められることと関連するものと推測される.
著者
小西 天二 中村 憲夫 小川 優子 東 朋子 正木 美佳 松本 直美
出版者
同志社女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

オキシピナタニンは,マウスの腹腔内および経口投与後の脳波測定により、経口投与においてのみ睡眠量の増加が認められた。また、血中濃度の検討で,経口投与時の血中濃度は非常に低いことがわかった。オキシピナタニンは体内で代謝を受け、作用する可能性が判明した。人工胃液,人工腸液での安定性、肝臓での代謝の検討から,胃、腸および肝臓で代謝されていないことがわかった。更に、サーモグラフィーを用いた体温測定により、オキシピナタニンは末梢血管の拡張作用に伴う熱放出により、睡眠改善効果を示す可能性が示唆された。
著者
小川 剛伸
出版者
一般社団法人 日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.25-36, 2020-03-15 (Released:2020-03-27)
参考文献数
25
被引用文献数
1

乾燥過程および吸水過程における食品中の水の移動挙動は,製造時および調理時の条件によって大きく異なり,その挙動により,食品の品質は大きな影響を受ける.経験と試行錯誤に多くを頼ってきた既存の製造法では,近年の健康志向や美味しさへの飽くなき追求といった多様な要求に対して,迅速かつ的確に応えることが困難である.そのため,合理的な食品製造を可能にする体系的な理論研究が強く求められてきた.しかし,水の移動現象と移動機構,それらが食感などの品質に及ぼす影響については,必ずしも十分に解明されていないように思われる.筆者らは,粗挽きの小麦粉であるデュラムセモリナのみからなり,組成が単純なパスタを研究対象として,乾燥および吸水過程で生起する水の移動現象とその機構,品質への影響を調べてきた.本論文では,これまでに得られた筆者らの知見について解説した.
著者
小川 恵
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.104-109, 2017-03-01 (Released:2017-03-01)

精神保健学の視点から,職務の負担が生み出すメンタルヘルスの問題を,就労環境から受ける生理学的影響と心理社会的負担感の影響から分析した。仕事忌避感が自己中心性を招き,対人ストレスと捉えることが,職場の緊張を増す構造を検討し,メンタルヘルスリテラシーの視点からうつ病とバーンアウトを予防する働き方を考察した。負担感は必ずストレスコーピングを招くが,準備がいる良いコーピングより容易な悪いコーピングを無自覚にとる結果,不適切な生活習慣が疲労蓄積や生活習慣病を生むメカニズムを見,ストレスマネジメントの基本を健康生活習慣とコーピングの自覚と選択であるとし,これを図書館員固有のストレス構造において検討した。
著者
小川 直記
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.96-105, 2019-09-25 (Released:2021-09-25)
参考文献数
52

昆虫には,跳躍機能を持つものがしばしば知られる.強力な跳躍を行う昆虫は,大きな跳躍筋だけでなく,その収縮で産み出されるエネルギーを弾性のある組織に一度蓄え,一気に放出することのできるカタパルト機構という仕組みを持つ.多くの昆虫はこの仕組みを脚に持つが,半翅目は,全昆虫の中でも珍しく,飛翔機能のある胸部内にカタパルト機構を用いた跳躍機能を獲得している.さらに,このような特殊な機能の発達が,同じ目の中で複数回起こっていることもわかってきた.本稿では,昆虫の跳躍機能について概説するとともに,このような半翅目における跳躍機能の進化史について,これまでに得られている知見をまとめた.
著者
小川 眞紀子 山本 いず美 北畠 直文 早川 茂
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.144, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】希少糖D-プシコース(以下Psi)は、エネルギー値がほぼゼロのノンカロリー単糖で、保水性が高く、メイラード反応が進みやすいことから、食品素材として特にベーカリー食品への利用が期待されている。本研究では、ハードタイプのクッキーであるショートブレッド(以下SB)とソフトタイプのクッキーであるソフトクッキー(以下SC)にPsiが適しているか否かを、ショ糖とPsiとの配合割合を換え、物性測定と官能評価により検討することを目的とした。【方法】ショ糖のみをコントロール(C)とし、ショ糖に置き換えてPsiを10%(P10)、20%(P20)、30%(P30)に配合した4種類のSB及びSCを作製し、物性測定と官能評価を行った。物性測定は、高さ測定および破断強度を測定した。官能評価は、軟らかさ、しっとり感など10の評価項目についてSD法で官能評価を行った。【結果】SB、SCともに焼き色は、C、P10、P20、P30の順に濃くなった。高さは、SBはC、P10、P20、P30の順に、SCではC、P10、P30、P20、の順に高くなった。破断強度測定から、SBはPsiの割合が多いほど破断変形は有意に高くなり、破断応力は有意に低く、破断歪率は有意に高くなった。SBは、Psiの割合が多いほど脆くて軟らかい特徴がSCよりも顕著であった。官能評価の結果から、テクスチャーはC、P10、P20、P30の順に軟らかいと感じた人が多かった。総合評価では、いずれもCよりもP10とP20で高い評価となった。今回の結果から、ショ糖の1~2割程度をPsiに置き換えることで、物性的にも嗜好的にも好ましいクッキー様焼菓子を作ることが可能であることが示唆された。
著者
丸山 孝仁 小川 翔太 武田 信和
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.263-266, 2021 (Released:2021-04-28)
参考文献数
12

Providing three-dimensional information to operators is a vital technology to operate robotic systems remotely. ITER, which is the world's largest fusion energy experiment, requires maintenance by robotics devices operated remotely because of its radiation environment. Applicable sensors are highly restricted due to the radiation. Authors propose a method using one moving camera and multi-view stereo technology to obtain point clouds as three-dimensional information for operators. As multi-view stereo technologies, Structure-from-Motion and Patch-Based Multi-view Stereo are adopted. Authors tested the proposed method and confirmed the method is capable to create point clouds successfully.