著者
小川 泰
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05272997)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.A110-A125, 1988-10-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
熊谷 友多 永石 隆二 木村 敦 田口 光正 西原 健司 山岸 功 小川 徹
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
pp.1109220008, (Released:2011-09-27)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

Zeolite is used for decontamination of radioactive water containing salts from seawater in the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station. Evaluation of hydrogen production by water radiolysis during the process is important for a safe operation. Thus, hydrogen production from the mixture of zeolite and seawater was studied by γ-radiolysis experiment, and the hydrogen production during the process was evaluated. The measured yield of hydrogen from seawater was comparable to the primary yield in the γ-radiolysis of water. This result indicates that oxidation of hydrogen by radical products of water radiolysis is not effective in seawater. The measured yield from the mixture decreased at a high weight fraction of zeolite. However, the measured yield was higher than that expected from the direct radiolysis of water in the mixture, which would decrease proportionally to the weight fraction of water. This result suggests that the radiation energy deposited on zeolite is involved in hydrogen formation. From the measured yields, the hydrogen production rate was evaluated to be 3.6 mL/h per ton of radioactive water before the process and 1.5 L/h per ton of the waste adsorbent after the process.
著者
小川 さやか
出版者
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
雑誌
アジア・アフリカ地域研究 (ISSN:13462466)
巻号頁・発行日
no.6, pp.579-599, 2006

This paper analyzes how the unique business practices of small-scale traders dealing in second-hand clothes have changed under the recent socio-economic transformation in Tanzania. The business practices described here involve a kind of credit transaction called mali kauli, which is conducted by middlemen and micro-scale retailers. This transaction conferred many economic benefi ts to both kinds of merchants when I conducted research in 2001-02. However, middlemen and retailers were fi nding it diffi cult to sustain this type of transaction in 2003-05, when I conducted further research, because of dramatic socio-economic structural changes taking place in Tanzania. When their business reached this critical situation, the problems faced by both middlemen and retailers was not how they should respond to situational change by individual action or by collective action but how they should reconstruct their personal economic relations by using the logic of reciprocity. In conclusion, I argue that the business practices have changed through the manipulation of the power relationship between middleman and retailers, who are trying to be self-dependent and social at the same time.
著者
中村 愛実 小川 克彦 秋山 美紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.118, pp.115-120, 2008-11-22
参考文献数
8

インターネットは中高校生にとって身近な存在となった.しかし、学習面での利用に関しては学習教材の検索・著作権・保管や共有の面で課題が生じている.キーワードのみに依存する検索エンジンでは、自分の欲しい教材を見つけるための言葉を見つけにくく、また、コンテンツの著作権の扱いが不明確であることから気に入ったサイトや素材の保管・共有を自由にできない.本報告では、教材の発見を容易にする独自の教材共有タグにより、キーワードを入力することなく直感的に教材を発見できる感覚検索バー、好きな情報を取捨選択して個人保管かつ自由に共有することのできる個人ノート (資料集) を具備した学習教材プラットフォーム (学実ねっと) のコンセプトを提案し、システム概要を述べる.Recently, junior and high school students often take a chance to use the internet for leaning. However, there are many difficulties in searching, copying and sharing learning materials. They cannot find appropriate keywords for searching services. There are no practical rules in copying materials for sharing them each other. This report proposes an information-sharing platform called "Manamin Net" to solve the problems by using intuitively search functions and sharing materials with information tags.
著者
藤本 文朗 太田 富雄 加瀬 進 小川 克正 河相 善雄 玉村 公二彦 後藤 容子
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

本研究は、障害児教育教員の免許制度(養成・採用・研修に関する懸案事項)を解決するため盲・聾・養護学校並びに都道府県教育委員会・教員養成大学の実情を把握することとともにこの制度についての歴史的研究と国際比較を通して、総合的な観点から免許制度と教師教育の在り方について立案することを意図した。(1)第3年次としてまとめの年で今後あるべき方向として障害児学校の教師には研修として総合的な障害児教育の基礎免許状(教員養成大学学部)を義務づけ、障害別の免許状は大学院専攻科レベルで取れるとしてそのカリキュラムを草案として示した。(2)又ベトナムホーチミン市に障害児教育師範大学(2年、現取対象)の創立、カリキュラム教師派遣に援助して発展途上国の教師教育について討議した。
著者
小川 家資
出版者
帝京科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、職場におけるペットの導入が作業者のストレス解消や緩和にどの程度貢献できるかについてオフィスを見立てた実験室での実験と実際の職場での実験から検証した。(1)オフィスを見立てた実験室での実験では、作業効率(作業パフォーマンス)、生理変化(心拍数、脳波)、心理変化(気分プロフィール検査)、人の行動解析を用いてペット以外の条件と比較して検証した。課題とする作業は「単純データ入力作業」、「連続加算作業」、および「パズルゲームによる創造作業」の3水準、休憩は、「ペットと遊ぶ」、「ペット型ロボットと遊ぶ」、および「雑誌を見る」の3水準の計9条件で実験を実施した。実験は被験者2〜3名がオフィスを見立てた実験室で同じ課題作業10分を3回繰り返し、それらの作業間に休憩5分を同じ条件で2回実施した。本学の健康な学生12名(男子6名、女子6名)が被験者として参加した。結論として作業による効果の違いはあるがペットの介在は職場ストレス緩和に貢献できる可能性が示された。(2)実際の職場での実験では、休憩時に犬と触れ合うことによってどのような気分変化が生じるかを検証した。職場ストレスの指標として気分プロフィール検査を使用した。対象者は男性職員4名と女性職員4名であった。測定は出勤時、昼の休憩前後、退勤時の1日4回で対象者にはこの実験へ最低3日の参加をお願いした。この結果から休憩時に犬と触れ合うことは午前中の仕事によって下がった職員の生き生き感を出勤時以上の状態まで増加させ、思考力低下を抑える効果がみられた。以上の2つの実験から職場ストレス解消にはペット導入が作業者の作業効率、生理的な効果、心理的な変化にプラスの効果があることがわかった。しかしながら、現実問題として犬嫌いの人への対応と対象課題作業以外への効果がこれからさらに検討を加えるべき課題として指摘した。
著者
長谷川 正 松川 正樹 鎌田 正裕 新田 英雄 犀川 政稔 真山 茂樹 長谷川 秀夫 原田 和雄 中西 史 松川 正樹 長谷川 秀夫 新田 英雄 鴨川 仁 小川 治雄 前田 優 犀川 政稔 吉野 正巳 真山 茂樹 原田 和雄 中西 史 土橋 一仁 西浦 慎吾 鎌田 正裕
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

理科の実験・観察を児童・生徒に印象づけるための動的実験・観察教材として,室内用を29件,野外用を3 件開発した.そして,それらを授業実施するため,教師,児童・生徒,保護者,地域のボランティアと大学教員や学芸員,学生としての院生と学部生からなる室内型と野外型の支援システムを構築した.さらに,学生・院生の科学コミュニケーターとしての意識を高めための,支援システムを活用した科学コミュニケーター育成プログラムの開発を試みた.
著者
大橋裕太郎 小川 秀明 永田 周一 馬島 洋 有澤 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.123, pp.51-55, 2007-12-07

私達研究グループは、動物園が科学教育や体験学習に対して大きな役割を果たすことに着目し、動物園での参加型学習環境の構築を行っている。その中で、携帯電話や携帯型音楽機器などのモバイル機器を利用したユビキタス環境での学習支援をひとつのテーマとしている。具体的な試みとして、情報ツールを通じて利用者が動物園のリソースを有効に活用することを目的とした「Being-いきてること展」を2007年4月24日から5月6日にかけて東京都井の頭自然文化園で行った。展覧会では、小中学生が作成した動物の音声案内を園内のナビゲーションとして活用する実践を行った。また、それを聞いた来園者が携帯電話を利用して自分の声をサーバに記録することができる Voice Trackback システムを開発し、運用を行った。利用者の主観評価では、肯定的判断をした回答者の偏りに優位な差を認めることができた。Our research group found that zoological park is a resourceful place for learning by experience. Our goal is to reconstruct learning environment for children in zoo by using emerging information technology such as mobile phones, podcasting and interactive website. Concretely, we held "Being Exhibition", which proposed information tools so that visitors (especially children) are able to put resources in zoo to practical use from 24th April to 6th May. In this exhibition, we arranged voice guidance made by elementary school student. In addition, we developed Voice Feedback System, a collaborative voice data gathering system for environmental learning. Users report their thoughts by their own voice with mobile phones, after going around the zoo. According to a subjective assessment, it was observed that a number of participants who had positive response were statistically-meaningful.
著者
小川 亮 小口 裕 千田 彩花
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.55-67, 2024-01-10 (Released:2024-01-10)
参考文献数
33

本稿では,生成AIが人の創造性にどのように貢献するかについて研究を行った。マーケティング,心理学,認知科学における創造性研究レビューを行い,創造プロセスを考察した上で,生成AIの仕組みとの類似性から仮説を構築した。生成AIの活用が創造性のプロセスに寄与する,生成AIが作成した情報を段階的に提示することが創造性に寄与する,専門知識が高い創造主体の方が生成AIを活用して創造性を発揮しやすいという3つの仮説を立て実験を行った。実験ではAIを活用して制作したデザインとAIを活用せずに制作したデザインをそれぞれ6案用意し,3名のパッケージデザイナーのエキスパートインタビュー,85名のパッケージデザイナーへの定量調査,200名のユーザー調査を行った。検証の結果,ユーザー調査からは生成AIによる創造性寄与が見られた。一方,85名のパッケージデザイナーへの調査からは段階的な情報提示による創造性への寄与は見られなかった。また同調査から,生成AIが経験年数の短いデザイナーの創造性を向上させること,また経験年数の長いデザイナーに対しては目的から距離のあるAI生成画像であっても創造性に寄与する点が確認できた。
著者
大前 清嗣 小川 哲也 吉川 昌男 新田 孝作 大塚 邦明
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.915-921, 2013 (Released:2013-10-05)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

透析患者において高カリウム(K)血症は心臓突然死の危険因子と考えられている.一方,心疾患合併患者では低K血症が致死性不整脈の誘因とされている.今回われわれは透析患者における血清K(SK)と心血管死との関連をコホート研究により検討した.当院外来透析databaseに登録された症例を対象とした.対象症例について心血管死をend pointとし2010年10月まで追跡しCox比例ハザード法により生命予後関連因子を抽出した.対象を透析前SKで層別化(SK≦4.5, 4.5<SK≦5.0, 5.0<SK≦5.5, 5.5 mEq/L<SK)し,説明変数には層別化したSKのほか,年齢,性別,合併症,透析歴,透析前後の血圧,生化学,末梢血検査値を用いた.Database登録の309例中data不備を認める16例と転院により追跡不能となった33例を除外した.解析対象の260例は男性149名,女性111名,平均年齢68.8歳で透析期間は5.6年であった.原疾患はDMが89名,心疾患合併が97名で全体の透析前SKは4.97 mEq/Lであった.平均観察期間3.3年で心血管死は43名であった.抽出された予後悪化因子は高齢,長期透析,血液濾過の施行,糖尿病,心疾患の合併,SK低値,CRP高値であった.層別化したSKのうちSK≦5.0 mEq/Lの2群が予後不良と関連しHazard比はSK≦4.5 mEq/Lで6.377,4.5<SK≦5.0 mEq/Lで2.733であった.透析患者においてSK高値が予後良好と関連し透析前SK>5.0 mEq/Lに保つ必要性が示唆された.
著者
小川 由英 外間 実裕 諸角 誠人 秦野 直
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

尿路結石の約80%はシュウ酸カルシウムが成分であり、その傾向は沖縄でも同様であった。シュウ酸カルシウム結石の原因は特発性がほとんどで、過シュウ酸尿症は約1/3、過カルシウム尿症が1/3に認められた。尿中シュウ酸排泄が増加する原因は、食事性が多いとされ、シュウ酸含有食物摂取、脂肪の過剰摂取、シュウ酸分解菌の減少などでシュウ酸自体の吸収が増加する。ヒト腸管内のシュウ酸分解菌は、偏性嫌気性菌であり、Oxalobacter formigenesが結石形成の主たる阻害因子とされている。文献上で報告されているシュウ酸分解菌は、すべて偏性嫌気性菌であった。我々はヒトの腸内からシュウ酸分解菌、すなわちEnteococcus fecalis、Providencia rettgeriiを同定し報告した。これらの菌は、酸素の存在下でも発育できる通性嫌気性菌であり、ヒトの腸に常在させた場合、シュウ酸吸収を減らし、尿中シュウ酸排泄を減少させ、シュウ酸カルシウム結石形成予防効果が期待される。しかし、実際にこれらの菌をヒトに感染させるのは困難である。わが国で用いられている生菌製剤の25製剤のシュウ酸分解能について検討したが、現在のところシュウ酸分解能は確認できていない。また、シュウ酸吸収のラットでのモデルを考案し、上部消化管と結腸が重要な吸収部位であることを証明し、消化管内にカルシウムとマグネシウムがシュウ酸と同時に存在すると、その吸収を阻止することを示した。消化管内のシュウ酸吸収機構に関しては、脂肪酸と胆汁酸などの影響に関しは検討中である。さらに、ヒトの腎不全の際にシュウ酸は尿毒症物質であり、高シュウ酸血症が長期持続すると組織にシュウ酸カルシウムが沈着する。その腎不全の際のシュウ酸代謝では、アスコルビン酸が重要な役割を果たすことを発見したが、その機序が消化管内でシュウ酸に分解され、シュウ酸が吸収されるのであれば、シュウ酸分解菌が応用できる可能性も考えられ、これからの検討課題である。
著者
小川 隆章
出版者
環太平洋大学
雑誌
環太平洋大学研究紀要 = BULLETIN OF INTERNATIONAL PACIFIC UNIVERSITY (ISSN:1882479X)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.83-88, 2022-03-31

豊臣秀吉による2度の朝鮮出兵(文禄・慶長の役,壬辰倭乱)に際して,朝鮮半島南部の海域で朝鮮水軍を率いて数々の勝利を挙げた李舜臣は韓国及び日本において人気の高い武将である。しかし,彼が海戦の勝利によって「制海権を保持した」とか,「日本軍の補給路を断った」とまで記述されているのは大げさであるように思える。本稿では史料・文献を精査したところ,日本の陸上軍が首都・漢城へ,さらに逃げる朝鮮国王一行を追って平壌へと進撃するのに合わせて日本水軍は海上を進み朝鮮西海岸を北上して,陸軍への補給をするという「水陸併進策」があったと多くの著作で主張されるが,それが真実かどうか,が重要であるようにみえた。李舜臣は一回目の侵攻(文禄の役)で日本水軍を閑山島海戦等で破り,この水陸併進策を挫き,2度目の侵攻(慶長の役)では鳴梁海戦でやはり水陸併進策を挫いたとみなされているようである。本稿ではこの水陸併進策について疑義を呈し,史料・文献を精査して考察を行った。
著者
小川 綾乃 浅井 さとみ 宮澤 美紀 髙梨 昇 下野 浩一 梅澤 和夫 宮地 勇人
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.448-455, 2021-07-25 (Released:2021-07-28)
参考文献数
4

診療のために多用されている超音波検査は,感染対策を怠ればアウトブレイクの原因につながる可能性があり,超音波検査用ゼリー(以下,ゼリー)の衛生管理は院内感染防止のために重要である。本研究は超音波検査実施におけるゼリーとゼリーウォーマ(以下,ウォーマ)の衛生的使用状況を明らかにするため,細菌学的な環境調査を行い,結果に基づく衛生的使用方法について検討した。ゼリーボトル使用開始から終了まで,始業時と終業時にゼリーおよびウォーマから培養検査を行った。その結果,検出された細菌はいずれも環境中またはヒトの常在菌であり,著明な細菌の増殖は確認されず,衛生的な運用がなされていると考えられた。しかし,易感染患者の検査の実施ではより衛生的に使用することが望まれる。リスク低減のため検査開始時には汚染の危険性のあるボトル先端部のゼリーを破棄することや,終業時にはウォーマを清掃・消毒することも有用であると考えられた。
著者
原田 諭 須賀 涼太郎 鈴木 健介 北野 信之介 坂田 健吾 藤本 賢司 中澤 真弓 小川 理郎 横田 裕行
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.797-805, 2022-10-31 (Released:2022-10-31)
参考文献数
15

新型コロナウイルス感染症拡大により対面による実習は中止となった。新たな教育手法としてVR動画を活用した遠隔シミュレーション実習を実施した。目的:VR動画を活用した遠隔実習と,従来実施していた実技を伴う対面実習における知識の教育効果を比較検討した。方法:2020年度シミュレーション履修者4年生82名(VRあり)を対象にVRゴーグルを使用して10想定の動画を視聴させ,救急救命士国家試験と同等の筆記試験を実施した。比較対象は,2019年度シミュレーション履修者4年生68名(VRなし)とした。結果:A問題はVRなし群が有意に高かった。D問題はVRあり群が有意に高かった。一般問題はVRなし群が有意に高かったが,状況設定問題はVRあり群が有意に高かった。結論:一般のシミュレーション実習は,A問題でみる一般医学的知識の向上に有用であり,VR動画を活用した実習は,一般のシミュレーション実習より状況設定問題の知識向上に有用であった。
著者
中澤 真弓 鈴木 健介 小川 理郎
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.14-18, 2021-03-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
6

はじめに : 救急救命士による気管挿管は現場での実施頻度も少なく, 技術維持のため訓練が必要である。目的 : 救急救命士養成課程の学生が雪山において, 屋内の床上で習得した気管挿管と同様の基本手技を施行できるかを検証した。方法 : 日本体育大学救急医療学科2年生72名を対象に, 気道管理トレーナを用い, 雪上において(1)傷病者頭部谷側斜面(2)傷病者頭部山側斜面(3)傷病者立位(4)傷病者埋没の4想定で気管挿管基本手技訓練を行い, 屋内で実施した結果と比較した (対応のあるT検定・有意水準P<0.05) 。結果 : 胸骨圧迫の評価が雪山で有意に低かった。環境に関係なく目視で確認できる項目は雪山で有意に高得点であった。アクシデントは「滑落」「資器材の凍結」「歯牙損傷」が発生した。考察と結論 : 雪山での気管挿管は, 基本手技の習得が現場での応用を可能にしていると思われた。