著者
中野 泰志 佐島 毅 小林 秀之 氏間 和仁 永井 伸幸
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

拡大教科書を選定するための評価方法は確立されておらず、適切な教科書の選択がなされていない。そこで、拡大教科書を利用する際の諸条件が読書の効率に及ぼす影響を明らかにした上で、拡大教科書選定支援のための検査バッテリーを試作した。また、試作した検査バッテリーの有効性を検討するために、試用調査を実施した。さらに、本検査バッテリーを非専門家が簡便に利用できるようにするためのマニュアルを作成し、拡大教科書を利用している弱視児童生徒の担任教員に配布した。
著者
町田 竜也 松岡 陽 小林 秀一郎 尾関 全 石坂 和博 岡 輝明
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.257-259, 2003-05

33歳男.会陰部腫瘤,歩行困難を主訴とした.4年前よりの会陰部腫瘤が徐々に増大し,歩行困難と坐位圧迫での疼痛をきたした.会陰部中央に小児頭大の腫瘍を認め,骨盤部MRIで壁の薄い嚢胞状腫瘤を認めた.内部は均一で,T1強調像にて低信号,T2強調像にて高信号を示し,液体成分と考えられた.骨盤内への浸潤や尿道,直腸との交通はなかった.会陰部の嚢胞状腫瘍の診断で腰痛麻酔下に腫瘍摘出術を施行した.嚢腫は球尿道海綿体筋を挟んで尿道とは離れていた.浸潤所見はなく完全摘除され,術後1年経過で再発も認めない.病理組織学的所見では内面は角化重層扁平上皮で覆われ,内腔に角化物質を多量に含んでいた.皮膚付属器や皮膚以外の組織は認められず,悪性所見も認められなかったためepidermal cystと診断された.会陰部のepidermal cystは稀で,自験例を含め本邦では6例の報告があるのみであった
著者
安藤 雄一 八木 稔 佐々木 健 小林 秀人 小林 清吾 堀井 欣一
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.440-447, 1995-07-30
被引用文献数
11

新潟県内のフッ化物洗口(以下,F洗口)の実施地域(36市町村)と未実施地域(37市町村)における12歳児DMFTの経年的な推移について検討した。評価期間は1982〜1993年度とした。分析対象はF洗口を管内のすべての小学校で6年以上継続実施している市町村と未実施の市町村とした。F洗口を実施している料については,開始時期別に,1970年代開始群,1982〜1985年度開始群,1986年度開始群の3群に分類して分析を行った。未実施群のう蝕は漸減傾向にあり,全国平均に極めて近い傾向を示した。評価期間以前にF洗口の効果が現われていたと考えられる1970年代開始料は,未実施群と同様,漸減傾向を示したが,う蝕は一貫して少なかった。1993年度における未実施料と比較した1970年代開始群のDMFTの差は43.2%であった。一方,評価期間中に注目を開始した群では,F洗ロ開始以後のう蝕の減少量が未実施料よりも大きく,その減少傾向は統計的に有意であった。未実施料のう蝕減少量を考慮して1993年度時点のF洗口の補正減少率を算出した結果,82〜85年度開始群が45.1‰86年度開始群が31.1%であった。以上より,F洗口によるう蝕の予防効果は,F洗口以外の要因の影響によるのう蝕の減少を除外しても高いことが確認された。
著者
小林 秀明 大成 尚
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.17-23, 1989-04-15

近年, 多種少量生産文野におけるフレキシブルな生産を指向した工場一貫自動化システムとして, FA生産システムが急増している.このようなシステムでは, 初工程への投入制御によるライン稼働率の向上が重要であり, 生産変動に即応して短時間でリスケジュール可能なフローショップ・スケジューリングの実用解法を提案する.本スケジューリングは, 総所要時間を最小化する投入順序を決定するもので, 各機械間の中間バッファに制約があり, ジョブ間の追い抜きのないフローショップを対象としている.本スケジューリングは, (1)全工程を最大負荷機械の後で2分割し, Johnsonルールを適用する.(2)(1)で得られたジョブの配列を部分的に並べ替え, 各機械ごとのブロッキング時間と遊休時間を最小化するジョブの配列を求める, という2段階の処理を行うことにより, 短時間で精度の高い近似解を得るヒューリスティック・アルゴリズムである.
著者
小林 秀二
巻号頁・発行日
2011

筑波大学博士 (経営学) 学位論文・平成23年10月31日授与 (甲第5924号)
著者
丸山 良平 小林 秀智
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.229-242, 2005-09-30

本研究の目的は幼稚園5歳クラス児が自発的に制作した物語絵本の内容と,その活動の開始を助け展開を支えた保育者の援助の実態を明らかにすることである。これまでに観察した幼児が偶然はじめた自発的な物語絵本の制作活動を分析し,その条件を洗い出した。その条件の一つである手作り絵本を準備して,筆者の一人が担任教師をする幼稚園5歳クラスで読み聞かせしたところ,幼児たちは自発的に物語絵本の制作をはじめた。この園では特別な文字教育といわれる指導は行われていないが,幼児たちは2ヶ月に渡って積極的に熱心に物語を創り文章にした。幼児が制作した絵本の内容とその制作活動を支える教師の援助の実態を分析し,幼児が自発的に文字で文章を書く条件と教師の援助の在り方を考察した。
著者
小林 秀樹
出版者
千葉大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

研究最終年度は、平成20年度・21年度の調査結果を踏まえて、具体的な立地を想定して組合所有住宅の計画モデルを作成し需要供給のあり方について検討を行った。本研究では、LLCまたはLLPを用いた組合所有コープ住宅の可能性について、日本における大正時代の住宅組合法の検証、LLPまたはLLCを用いた先駆的事業の調査、北米の住宅生協法人法を含めた様々な法人形態の比較検討、具体的な立地を想定したケーススタディ、金融の可能性の検討などを通じて解明するものである。組合所有住宅は、区分所有が定着した日本では一般的に普及するメリットには乏しい。しかし、公的賃貸住宅の払下げ、密集市街地の再生、高齢者住宅等において、賃貸住宅の良さを生かして経営でき、かつ入居者の自主運営の努力を生かせる点で適している場合がある。この場合、LLC(合同会社)が、住宅組合の法人形態として比較的使いやすいことが明らかにされた。また、組合所有住宅に対する融資については、一般化することは現時点では困難であるが、「街なか居住再生ファンド」を用いることで、当該ファンドの目的に合致した事業については融資が組み立てられる可能性がある。これは、リーマンショックの影響で銀行等による不動産融資が停滞する中で、各銀行等が抱える不動産融資債権を買い取り、それをまとめて証券化する構想から検討が進められたものである。これにより、銀行が次の不動産融資に乗り出しやすくするとともに、地方都市を含めてノンリコースローンを日本に定着させようと意図したものである。また、老朽団地の定期借地権による払い下げのように、外部からの融資を必要としない事業であれば、さらに実現の可能性は高まろう。
著者
廣澤 春任 平林 久 小林 秀行 村田 泰宏 紀伊 恒男 Philip Edwards Ed Fomalont 山本 善一 藤沢 健太 岡保 利佳子 輪島 清昭 井上 允 川口 則幸 柴田 克典 亀野 誠二 朝木 義晴 西堀 俊幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.554, pp.9-16, 1998-02-20
被引用文献数
3

宇宙科学研究所は、科学衛星「はるか」を、1997年2月12日、同研究所のM-V型ロケット初号機により打ち上げた。「はるか」は世界最初の電波天文衛星として、スペースVLBIの実験ならびに観測に取り組んできている。打ち上げ3ヶ月後の5月半ばには、地上電波望遠鏡との間で、初のフリンジ(干渉縞)を検出した。打ち上げ4ヶ月後には、スペースVLBIによる、クエーサーの初のイメージングを行った。ここでは、「はるか」によるスペースVLBI実験について、初のイメージングに至るまでの主な経過と成果を述べる。
著者
小林 秀紹 出村 慎一 郷司 文男 南 雅樹 長澤 吉則 佐藤 進 野田 政弘
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衞生學雜誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.552-562, 1999-10-15
被引用文献数
6 5

The relationship among subjective symptoms of fatigue, subjective fatigue feeling, and life habits of high school and college students<br>The purpose of this study was to examine the relationship among subjective symptoms of fatigue (SSF), subjective fatigue feeling (SFF), life habits (behavioral patterns (BP) and life-style consciousness (LC)) in male students.<br>A questionnaire on SSF, SFF, fatigue content, BP and LC was administered to 1802 male students aged 15-20yr, and data from 1792 properly completed questionnaires was analyzed.<br>The results were:<br>1) Students experience high SFF from daily activity. Students with a higher SFF tend to have more complaints of SSF, especially symptoms of languor, but the relationship between SFF and symptoms of irritation and physical disintegration are low.<br>2) Relationships between SFF and BP and LC are relatively low, except for physical condition. Even if the BP is successful, student's SFF is relatively high.<br>3) Subjective degree of health and physical condition relate highly to SSF. Exercise habits relate to loss of vigor, dietary habits to languor, loss of vigor, drowsiness and a decrease in concentration, and LC to SSF except for languor. It was inferred that SSF is influenced by BP and LC.
著者
近澤 征史朗 小林 秀樹 堀 泰智 星 史雄 金井 一享 伊藤 直之 佐藤 淳 山本 祥大 立花 麻子 春原 瑠美 打出 毅 折野 宏一 渡辺 清隆 樋口 誠一
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.71-77, 2010-09-20 (Released:2011-12-16)
参考文献数
28

犬の多中心型リンパ腫(Multicentric Lymphoma: ML)における血清フェリチン濃度を指標とした病態モニタリングの有用性を評価した。ELISA (enzyme-linked immunosorbent assay)法を用いて測定したMLの診断時血清フェリチン濃度は健常犬と比較して有意に高値を示し(平均値±標準偏差:1448±546および373±122 ng/ml,p<0.0001),化学療法の経過に伴って大きく変動した。また,完全寛解時の血清フェリチン濃度は健常犬と同等レベルまで低下し,再燃時には再び上昇する傾向を認めた。血清フェリチン濃度は他の悪性腫瘍,炎症など様々な疾患で高値を示すためMLの初期診断には適さないものの,MLの再燃予測あるいは抗がん剤治療中の病態モニタリングに有用な指標になり得る可能性が示唆された。
著者
笹尾 哲夫 小林 秀行 川口 則幸 真鍋 盛二
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.313-320, 2002-05-05
参考文献数
4

国内4カ所の新しい電波望遠鏡を連動させて従来の百倍の精度で星の位置を測り,地球の公転を利用した三角測量でわが銀河系(天の川)の立体地図を作ろうという計画がスタートした.これにより,銀河系における暗黒重力物質(ダークマター)の質量の把握とか,宇宙距離尺度の直接検定などの新しい成果が期待される.この計画の現状を紹介するとともに,ねらいと意義,高精度実現の仕組み等について解説する.
著者
佐々木 健介 小林 秀幸 岩村 英志 西木 玲彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.255, pp.1-5, 2003-08-14
被引用文献数
4

位相シフトを持つファイバブラッググレーティング(FBG)の作製において、ユニフォーム位相マスクをスライドさせる方法によりFBG中に位相シフト部を形成した。そのFBGを評価した結果、FBG中の所望の位置にλ/4の位相シフト部が形成できることを確認した。また、位相マスクを振動させることで屈折率変調量を調整する方法も検討した結果、位相マスクを正弦波で振動させ、その振幅量を変えることで、シミュレーションと一致する屈折率変調量が得られた。これらの方法により、位相シフトを持ち、かつ、アポダイズが施されたFBGが作製できた。
著者
小林 秀光 馬場 七草 永田 友美
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.15-23, 2002-03

病原性酵母Candida catenulata IFO 0745の細胞壁由来のマンノプロテインから、β-脱離反応(100mM NaOH、25℃、18時間処理)によって得られたO-結合型糖鎖の化学構造を同定した。この処理によって、精製マンノブロテインより3種のオリゴ糖(四糖、三糖、二糖)と単糖が遊離した。これらの生成物をBio-Gel P-2を用いたゲル濾過法によって分離精製後、^1H-NMR法で分析したところ、四糖、三糖および二糖は、すべてα結合マンノース残基から構成されるMan α 1-3Man α 1-2Man α 1-2Man、Man α 1-2Man α 1-2ManおよびMan α 1-2Manであり、単糖はD-マンノースであることが明らかになった。
著者
田中 健治 小林 秀誉 永田 忠博 真鍋 勝
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.63-66, 2004-04-25 (Released:2009-01-21)
参考文献数
14
被引用文献数
10 15

米はマイコトキシン汚染の少ない穀物である.ところが,1998年には,台風で倒伏し水に浸かったイネがあり,この米は褐色に着色していた.この年は,国内ではムギの赤かび病が大発生した年でもあったので,この米についてトリコテセン系マイコトキシンの抽出を行い,分析した.定性は,GC/MSで,定量はGC-ECDで行った.その結果,デオキシニバレノール (DON),フザレノン-X (Fus.-X),ニバレノール(NIV)のトリコテセン系マイコトキシンが検出された.米でのDONの汚染は報告されているが,現在著者の知る限りでは,Fus.-Xの汚染報告は初めてである.
著者
浅井 紀久夫 近藤 智嗣 小林 秀明 水木 玲 有田 寛之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.391, pp.63-68, 2007-12-08
被引用文献数
9

拡張現実感を利用した月面探索システムを開発し,国立科学博物館でのデモ展示を実施した.月は身近な天体であり,科学教育における格好の題材である.特にアポロ計画は話題性もあり,展示として魅力がある.博物館などではマルチメディアによる展示が増えてきたが,利用者がコンピュータの操作に熟達していることを前提とした内容にすることはできない.拡張現実感は,現実シーンに仮想物体を重畳表示する.そのため,物理的な板を触って仮想物体を操作するというタンジブル・インタラクションが可能であり,直感的なインタフェースを提供する.本システムではスティック・マーカを操作することにより,アポロ17号が探査した月面領域を探索する.本システムを評価するため,国立科学博物館でのデモ展示を実施し,一般来館者から主観評価を得た.その結果,楽しさや興味の点で満足度が高く,システムの安定性や内容の平易化が求められていることがわかった.