著者
白川 真澄 中山 浩太郎 荒牧 英治 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.3, pp.525-539, 2011-03-01

固有名詞や専門用語,及びこれら概念間の関係を網羅した大規模オントロジーの構築は,意味中心のWebを実現する上で重要な基盤技術である.最近の研究では,Wikipediaにおける概念の網羅性を活用した大規模オントロジーの自動構築に注目が集まっているが,概念間の関係の網羅性が低いことが課題であった.そこで本研究では,Wikipediaマイニングによって抽出した情報にWeb全体の情報を組み合わせることで,概念及び概念間の関係の種類を網羅した大規模オントロジーの自動構築を目指す.本論文では,大規模オントロジーの自動構築の核となる関係抽出の手法として,Wikipediaから抽出した連想シソーラスを利用して関係の深い概念ペアを取り出し,Web検索によって概念間の関係を抽出する手法を提案する.また,固有名詞間の様々な関係を定義した大規模オントロジー構築への第一歩として,提案手法を用いて実際にオントロジー構築を試みる.
著者
伊藤 雅弘 中山 浩太郎 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.20, pp.39-49, 2007-12-15
被引用文献数
2

近年,知識処理の有用なコーパスとして,ユーザ同士が協調してコンテンツを編集するWeb事典である「Wikipedia」に多大な注目が集まっている.筆者らはこれまでの研究において,Wikipediaに対してリンク構造を解析することで精度の良いシソーラス辞書が構築できることを示してきた.しかし,膨大な記事数を持つWikipediaを解析するためには,高い精度を保ったままスケーラビリティのさらなる向上が技術的な課題であった.そこで,本研究ではリンクの共起性解析に着目し,スケーラビリティの高いシソーラス辞書構築手法を提案する.提案手法の性能評価のために行った実験の結果,共起性解析を用いた手法は従来手法よりも少ない計算時間で,高精度なシソーラス辞書を構築できることを確認した.さらに,共起性解析とtfidfを融合させることによって,より高い精度が実現できることを確認した.Wikipedia, a huge scale Web based encyclopedia, attracts great attention as a valuable corpus for knowledge extraction. We have already proved how effective it is to construct a Web thesaurus. However, we still need high scalability methods to analyze the huge amount of Web pages and hyper links among articles in the encyclopedias. In this paper, we propose a scalable Web thesaurus construction method from Wikipedia by using link co-occurrence. Experimental results show that the proposed method based on link co-occurrence analysis was better on scalability and accuracy than previous methods. Moreover, the method combining tfidf with link co-occurrence analysis brought higher precision.
著者
廣森 直子 宋 美蘭 上山 浩次郎 上原 慎一
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.140, pp.337-351, 2022-06-25

本稿の目的は青森県の高校卒業生の進路を地域間格差,ジェンダー差に着目して明らかにすることである。その結果,青森県の高校生の進路状況を全国と比較すると,大学・短大への進学率の低さと就職率の高さが特徴的であることや,専門学校進学率は一貫して全国より低いことが明らかにされた。 青森県の地域区分は6つに分かれており,主要3市(青森,弘前,八戸)を含む3地域(東青・中南・三八)と,郡部の3地域(西北・上北・下北)である。また,青森県内の大学は11校,短大は5校,専門学校は26校あるが,青森県内の高等教育機会は主要3市を含む3地域(東青・中南・三八)に偏在しており,地域間格差が見られる。 高校卒業生の進路状況では,全体として男性ほど就職率が高く,女性ほど進学率が高い。青森県内のいずれの地域も同様の傾向が見られた。地域区分別にみると,東青・中南・三八は進学率が高く就職率が低く,西北・上北・下北は進学率が低く就職率が高い。進学率が高い地域と低い地域(就職率が低い地域と高い地域)があり,「二極分化」の傾向が見られた。こうした傾向は高等教育機会の供給の地域分布に影響を受けつつ,高校偏差値の地域的な格差によって生じている。第4章にあるように,この傾向は北海道とは異なる現象として現れている。
著者
丸山 浩平 森本 康彦 高橋 菜奈子 櫻井 眞治 宮内 卓也 小嶋 茂稔
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.2, pp.56-63, 2023-07-21 (Released:2023-07-21)

東京学芸大学では学生本位の学びの振り返りを促し,修得主義に基づく教員養成の実現を目指して「eポートフォリオ構築によるデジタル技術を活用した教育実習DX」を進め,本学附属学校園で行われてきた教育実習の教育実習日誌を電子的に扱い,実習の記録や指導・支援の記録を集約するシステム「教育実習日誌eポートフォリオ」(以下,実習ポートフォリオシステム)を開発した.そして実習ポートフォリオシステムを用いた附属学校園における教育実習の試行を実施した.本論文では,本学における教育実習日誌eポートフォリオの構築とその取組みの内容,試行に関する質問紙調査の結果について述べた.
著者
笹山 大輔 袁 尚民 畠中 知子 深山 浩 東 哲司
出版者
The Society of Crop Science and Breeding in Kinki, Japan
雑誌
作物研究 (ISSN:1882885X)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.35-40, 2022 (Released:2022-10-21)
参考文献数
14

O. glumaepatula浮稲型系統IRGC105668とO. sativa非浮稲品種T65の交配を経て作出された31のO. sativa/O. glumaepatula染色体置換系統 (GLU-ILs) の深水に対する節間の伸長反応を調査した。29のGLU-ILs系統において深水下での節間伸長がみられた。それらのうち,O. glumaepatulaのIRGC105668に由来するSK2遺伝子・SK2-like遺伝子をもつGLU-IL135と,IRGC105668に由来するACE1遺伝子をもつGLU-IL110は,最も節間伸長が促進された系統であった。しかしながら,GLU-IL104とGLU-IL107はIRGC105668に由来するSD1遺伝子をもつが,これらの系統の節間伸長は強くは誘導されなかった。これらの結果は,SKとACE1はO. glumaepatulaの深水下での節間伸長に関与し,それらの寄与は同程度であることを示唆する。
著者
上山 浩也 八尾 隆史 岩野 知世 内田 涼太 宇都宮 尚典 阿部 大樹 沖 翔太朗 鈴木 信之 池田 厚 谷田貝 昴 赤澤 陽一 竹田 努 松本 紘平 上田 久美子 北條 麻理子 永原 章仁
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1310-1322, 2021-09-25

要旨●胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の中で,H. pylori未感染胃に発生する胃腫瘍の臨床病理学的・内視鏡学的特徴について概説した.今回,H. pylori未感染胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の中で,特に胃底腺型腺癌,胃底腺粘膜型腺癌,胃型分化型腺癌,胃型腺腫を抽出し解析した.細胞分化では,胃底腺型腺癌は胃底腺のみ,胃底腺粘膜型腺癌は腺窩上皮+胃底腺(+幽門腺),胃型分化型腺癌・胃型腺腫は腺窩上皮+幽門腺(+胃底腺)への分化を示し,通常型の胃癌に比較して異型度や悪性度は低く,内視鏡治療を選択された症例が多かった.内視鏡診断は,各タイプの特徴を理解したうえで,NBI併用拡大内視鏡診断と内視鏡所見から表層の腫瘍成分の有無,表層と上皮下の成分の関係性を推測することが,H. pylori未感染胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の内視鏡診断と各鑑別につながると考えられた.
著者
八尾 隆史 上山 浩也 大城 由美 黒澤 太郎 池田 厚 阿部 大樹 岡野 荘
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1299-1308, 2021-09-25

要旨●H. pylori感染者の減少に伴い,活動性炎症や萎縮,腸上皮化生のない胃底腺粘膜領域に,胃型形質を示す上皮性腫瘍(胃底腺型腺癌,胃底腺粘膜型腺癌,腺窩上皮型腺癌,幽門腺腺腫など)が多くみられるようになってきた.これらの臨床病理学的特徴は広く知られているが,複雑な病理組織像あるいは細胞分化を示す腫瘍もみられるようになり,分類や鑑別診断に苦慮することがしばしばである.本稿では,これらの腫瘍の病理組織学的特徴や鑑別診断のポイントを解説し,組織分類の問題点について考察した.
著者
大山 浩司 矢吹 芳教 伴野 有彩
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.277-284, 2019 (Released:2019-11-10)
参考文献数
29
被引用文献数
2 4

大阪府内の農業地帯を流下する河川, 下水処理水の寄与が大きい河川, 及び大阪府内各地域の主な河川において, ネオニコチノイド系農薬及びフィプロニルの実態調査を行った。その結果, ニテンピラムとチアクロプリドを除く農薬が全ての調査地点で検出された。イミダクロプリドの濃度は6月に, ジノテフランの濃度は8~9月に顕著に上昇しており, これらは水稲におけるそれぞれの農薬使用時期と一致した。今回の調査で検出された農薬濃度は, 農薬登録基準および環境中予測濃度 (PEC) よりも低かったが, 種の感受性分布 (SSD) を用いた生態系への複合影響評価を行ったところ, 農業地帯の河川では5月下旬から6月下旬にかけて, EU等で無影響の基準とされている5パーセントよりも一時的に高くなると算出された。
著者
南山 浩二
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.25-36, 2007-02-28 (Released:2009-08-04)
参考文献数
55

社会学における障がい者と家族に関わる議論を, 社会的排除という概念を用いながら改めて整理しなおすならば, 大別して, (1) 障がい者が社会的に排除される機制に「家族」がどのように関わっているかを問う議論, (2) 家族成員が障がい者であることで家族が社会的に排除される機制を問う議論, の二つに集約される。ここ二, 三十年の間に, 精神障がい者と家族によって経験される社会的排除に関して多くの研究がなされてきたが, この二つの機制の関連性について議論する研究はあまり行われてこなかった。そこで, この二つの機制双方に留意しながら社会的排除のプロセスについて議論したい。このことに加え, 近年の障害者施策の転換や家族の変化が二つの機制にどのように影響を与えうるのかについても議論する。
著者
米田 完 飯山 浩幸 広瀬 茂男
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.881-886, 1996-09-15
参考文献数
14
被引用文献数
10 11

This paper discusses an algorithm to make quadruped machine walk dynamically and omnidirectionally following a real-time command. To produce a smooth body motion in a high speed walk, we introduce a new gait named “Intermittent trot gait, ” in which four-leg-supporting phase and two-diagonal-leg-supporting phase appear in orders. In this gait, pitching and rolling motion of the body is able to be suppressed to smaller level than that of the other gaits such as pace, bounce, and expanded trot gait, which is an intermediate gait of the crawl and the trot. Because, dynamic effects of the swinging legs are almost canceled each other. To realize the “Intermittent trot gait, ” new algorithms to decide a landing point and to plan a motion of the body are discussed. A landing point is decided by considering an operator command and also a conversion to the standard leg formation. On the other hand, a motion of the body is planned to produce a dynamic stability, and to follow a speed and direction command. By using these algorithms, a mechanical vehicle TITAN VI could walk omnidirectionally, smoothly following a real-time operator command.
著者
上山 浩次郎
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.207-227, 2011-06-10 (Released:2014-06-03)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

本稿では大学進学率における都道府県間格差の要因構造を時点間の変容を考慮しながら明らかにする。そのことを通して,近年の都道府県間格差がどのようなメカニズムによって生じているのか,その特質を浮かび上がらせる。 そこで1976から2006年の4時点マクロデータに基づき,共分散構造分析の下位モデルである多母集団パス解析を行った。 結果,(1)1976年には「所得」と「職業」によって格差が生じていたものの,(2)1986年には「地方分散化政策」(供給側要因の格差是正)の効果もあり「所得」と「職業」の影響力が弱まった。だが(3)1996年に入ると,男子で「所得」の影響力が,女子で「大学収容率」の影響力が増し始め,さらに(4)2006年には,男女ともに「所得」と「大学収容率」が影響力を持ち始めただけでなく,男子のみではあるが「学歴」も大きな影響力を持っている。加えて,「大学収容率」を介した「所得」の間接効果ももっとも大きい。 以上から,こんにちの大学進学率の都道府県間格差のメカニズムには,社会経済的条件が持つ影響力の大きさ,供給側要因の「実質化」と「機能変容」,両者の「相乗効果」の増大という特徴があることが浮き彫りとなった。
著者
藤田 卓 高山 浩司 朱宮 丈晴 加藤 英寿
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究 (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.49-62, 2008-03
被引用文献数
1

2007年6月の南硫黄島調査において採集された約700点の維管束植物標本を固定した結果、現時点までに96種(未同定種も含む)が確認された。南硫黄島において初めて確認された植物は、ミズスギ、オオハナワラビ属の1種、コケシノブ科の1種、ホングウシダ、ナチシケシダ、シンクリノイガ、イネ科の1種、テンツキ属の1種、コクランの9種であった。過去に発表された植物リスト(大場、1983)と、今回の調査によって確認された種を合わせると、本島には、シダ植物44種、双子葉植物59種、単子葉植物26種、合計129種が記録された。これらの中には18種の絶滅危惧種(準絶滅危惧も含む)とともに数種の外来植物も含まれ、特に25年前には全く確認されなかったシンクリノイガが島内に広く生育していることが確認された。これらの外来植物は鳥や風・海流などを介して運ばれた可能性が高いことから、今後も周辺の島から新たな植物が侵入することが懸念される。
著者
鈴木 弘孝 中山 浩成 田代 順孝
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.158-163, 2007-08-31
被引用文献数
3 3

都市のヒートアイランド現象の対策として有力視されている屋上や壁面等建物緑化による温熱環境改善効果を定量的に把握することを目的として,実在の街区をモデルとしてCFD(計算流体力学)解析を行い,建物緑化の違いによる街区内での温度と湿度の変化について数値解析を行った。解析の結果,対象街区での緑化なしに比べて,地表面・屋上の緑化と壁面緑化を組み合わせた場合,気温では街区中心部で最大で約4℃の低減,湿度では最大16%の上昇が見られ,実在街区を対象とした建物緑化による温熱環境改善効果の定量的な評価の可能性が示唆された。
著者
奥田 均 市ノ木山 浩道 須崎 徳高 平塚 伸 松葉 捷也
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.129-133, 2008-01-15

シートマルチ栽培したウンシュウミカン園などで発生するキク形状を有する果実に対する消費者の嗜好性を評価するため,マルチ栽培で生産されるキク形状を有さない果実(マルチタイプI)とキク形状の果実(マルチタイプII),および露地栽培で生産される果実(露地タイプ)について,16歳以上の309名を対象にアンケートを実施し302名(男127名,女175名)の有効回答を得た.その結果,マルチタイプIIの支持が64.5%で最も高く,マルチタイプI (19.9%),露地タイプ(15.6%)と続いた.選んだ理由には甘み,糖酸のバランスがあげられた.各タイプの支持者を年齢・男女別に分けて支持の特性を分析したところ年齢が高くなるほど女性を中心にマルチタイプを好むことが明らかになった.甘みに対する評価はタイプ支持者間で異なったが,いずれのタイプ支持者も酸に対する評価では差はなかった.形状・外観では露地タイプ,マルチタイプIを支持したグループはマルチタイプIIを劣ると判断したもののマルチタイプIIを支持したグループはタイプ間の差は小さいと判断した.剥皮性についてはいずれのタイプ支持者もマルチタイプIIが劣るとした.本アンケートの結果から供試した3タイプの果実の中ではマルチ栽培により発生したキク形状を有するウンシュウミカン果実の嗜好性が総合的に見て高いことが示唆された.
著者
保谷 徹 松井 洋子 柴山 守 谷本 晃久 岡 美穂子 五百籏頭 薫 原 正一郎 原山 浩介 須田 牧子 小野 将 山田 太造 横山 伊徳 佐藤 雄介
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30

本研究では、東京大学史料編纂所の海外史料マイクロフィルム約150万コマ等をデジタルアーカイヴ化し、国内採訪史料とともに学術資源として閲覧公開をはかる。また、在外日本関係史料の調査・収集を進め、マルチリンガル、マルチアーカイヴァルなプロジェクト研究を推進する。①デジタルアーカイヴ構築の面ではマイクロフィルム全2739本からのデジタル画像データのサーバ登録を完了し、このうち約85%については簡易目録ベースでの公開を開始している。今年度は新規収集分を含めて約38万コマを公開データに追加し、累計185万コマとなった。②社会連携・地域連携の試みとして、英国外務省文書FO46(TNA原蔵)に続き、横浜開港資料館所蔵FO262(英国外務省駐日公館文書)マイクロフィルム(約20万コマ)をデジタル化した。史料編纂所と開港資料館でのFO262全体(28万コマ)の検索・閲覧を実現する。③ロシア国立歴史文書館長らを招聘した「日露関係史料をめぐる国際研究集会」をした(5月、東京本郷、日本学士院・東京大学史料編纂所で共催)をはじめ、計3回の国際研究集会を実施して研究成果を発表・発信した。④『ロシア国立海軍文書館所蔵日本関係史料解説目録2』を刊行し、ロシア国立歴史文書館所蔵東アジア三国関係史料解説目録の作成・提供を受けた。⑤各重点プロジェクトで日本関係史料調査と目録研究を実施し、とくに、ロシア両文書館での継続的な史料収集やロシア国立サンクトペテルブルク図書館での史料画像データ収集、ハワイ州立文書館での新規撮影約3500コマなど、さらに古写真史料集『高精細画像で甦る幕末・明治初期日本―ブルガー&モーザーのガラス原板写真コレクション―』(洋泉社)の刊行などの成果があった。⑥前項の海外史料調査・収集の成果に対する社会的反響は大きく、今年度も毎日新聞・読売新聞・朝日新聞・NHK報道などで大きく取り上げられた。
著者
森山 浩司
出版者
白鳳女子短期大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

長寿として知られている沖縄県においてストレスとライフスタイルとの関連について調査を行った。18年度は主に簡易ストレス調査票により尿測定以前におけるストレスの状況を把握した。結果の一部として、心理的な仕事の負担(量)(2.7±1.1),心理的な仕事の負担(質)(2.7±1.0),自覚的な身体的負担度(2.7±1.1),職場の対人関係でのストレス(3.4±0.9),職場環境によるストレス(2.9±0.9)仕事のコントロール度★(3.0±1.1),あなたの技能の活用度★(2.7±0.9),あなたが感じている仕事の適性度★(2.7±1.2),働きがい★(2.9±1.3),活気★(2.9±1.3),イライラ感(2.8±1.1),疲労感(2.8±1.1),不安感(2.7±1.2),抑うつ感(2.7±1.1),身体愁訴(2.8±1.1),上司からのサポート★(2.6±1.2),同僚からのサポート★(2.7±1.0),家族や友人からのサポート★(3.5±1.0),仕事や生活の満足度★(2.7±1.1)などがみられた。★印については有意差が認められた項目である。活気、不安感、抑うつ感、仕事や生活の満足度、自覚的な仕事の負担(量)に関して相関係数で見た場合やや相関が認められた。今年度は沖縄本島だけにとどまらず、離島を含めた調査対象者から幅広い知見が得られ、今後は離島を含めた沖縄全体でのデータ収集と現在分析中のデータも含め尿中8-OH-dG測定への足がかりとなった。