著者
桂 敏樹 松田 一美 山崎 真理 星野 明子
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.3-13, 2005-01-31 (Released:2017-12-28)
参考文献数
26
被引用文献数
3

30歳から70歳までの年齢コホートを6年間追跡し,体重の推移を性別に比較検討した。その結果,以下のことが明らかになった。体重は男女とも50歳代前半まで有意に増加し最大体重値になり,その後60歳代中頃から有意な低下に転じる。男性の体重は女性の体重よりも速く最大値に達し,減少する。成人では体重が増加するので最大体重値を抑制する体重管理が必要であろう。一方高齢者では体重が減少に転じることから,極度の肥満者を除けば積極的な減量指導は必要ないかもしれない。
著者
山崎 浩之 金田 一広 永野 賢次
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.237-244, 2007

海溝型地震の特徴は地震動の継続時間が長いことが挙げられる. 本研究はケーソン式岸壁の振動台実験を行い, 裏埋め土 (ゆるい地盤と密な地盤) の液状化およびケーソンの変位に着目して継続時間の影響について検討した. 規則波 (正弦波) を用いて載荷回数を変えて継続時間の影響を調べ, さらに従来のものよりも長い不規則波 (シナリオ波) についても検討した. ゆるい地盤は比較的小さな入力加速度では継続時間の影響が見られ, 裏埋め土が液状化した後しばらく高い間隙水圧を保つ. 密な地盤はゆるい地盤に比べて継続時間の影響は少なく, 裏埋め土は液状化した後すぐに間隙水圧の消散が見られる. シナリオ波については密度によってケーソンの変位が異なり, シナリオ波を規則波で換算する場合は密度も考慮する必要があることを示した.
著者
小沢 慶彰 村上 雅彦 渡辺 誠 冨岡 幸大 吉澤 宗大 五藤 哲 山崎 公靖 藤森 聡 大塚 耕司 青木 武士
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.696-700, 2015 (Released:2016-09-10)
参考文献数
8

直腸腫瘍に対し砕石位にて手術施行後に下肢コンパートメント症候群を合併した2例を経験したので,その予防対策とともに報告する.症例1は61歳男性.直腸癌に対し腹腔鏡下低位前方切除術施行した.体位は砕石位,下肢の固定にはブーツタイプの固定具を用い,術中は頭低位,右低位とした.手術時間は6時間25分であった.第1病日より左下腿の自発痛と腫脹を認めた.後脛骨神経・伏在神経領域の痺れ,足関節・足趾底屈筋群の筋力低下を認めた.下肢造影CTで左内側筋肉の腫脹と低吸収域を認めた.血清CKは10,888IU/Lと高値,コンパートメント圧は22mmHgと高値であった.左下腿浅後方に限局したコンパートメント症候群と診断し,同日筋膜減張切開を施行した.術後は後遺症なく軽快した.症例2は60歳男性.直腸GISTに対し腹会陰式直腸切断術を施行した.体位,下肢の固定は症例1と同様であり,手術時間4時間50分であった.術直後より左大腿~下腿の自発痛と腫脹を認めた.術後5時間には下腿腫脹増悪,血清CKは30,462IU/Lで,コンパートメント圧は60mmHgと高値であった.左下腿コンパートメント症候群と診断,同日筋膜減張切開を施行した.術後は後遺症なく軽快した.直腸に対する手術は砕石位で行うことが多いため,下腿圧迫から生じる下肢コンパートメント症候群の発症を十分念頭におく必要がある.一度発症すれば重篤な機能障害を残す可能性のある合併症であり,砕石位を取る際には十分な配慮をもって固定する必要がある.また,発症した際には早期に適切な対処が必要である.当手術室ではこれらの臨床経験から,砕石位手術の際に新たな基準を設定,導入しており,導入後は同様の合併症は認めていない.それら詳細も含めて報告する.
著者
河上 康子 山崎 一夫 大橋 和典 中浜 直之
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ダンダラテントウは赤道地方から中緯度地域に広く分布し,1910年-1990年にかけて,気候の温暖化に伴い九州地方から関東・北陸地方へ分布を拡大した.本種は鞘翅の斑紋型に黒色から赤色の多型があり,分布北限に近い高緯度ほど黒い型が多く,低緯度ほど赤い型が多いクラインを示す.本研究では本種の21地域232個体のミトコンドリアCOI領域620bpを解読し,分布北限地域では遺伝的多様度がやや減少していること,遺伝的集団構造は2つの系統があることを解明した.ふたつの系統のうち片方は古くから分布している琉球以南で割合が高く,もう片方の系統は分布北上後の本州での割合が高かった.
著者
上本 進二 大河内 勉 寒川 旭 山崎 晴雄 佃 栄吉 松島 義章
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.41-45, 1993
被引用文献数
1

鎌倉市長谷小路周辺遺跡において, 14世紀前半 (鎌倉時代後期~南北朝時代初期) に由比ヶ浜砂丘地に築かれた半地下式の建物の跡から, 13世紀から14世紀前半頃 (鎌倉時代初期~南北朝時代初期) 形成されたと考えられる噴砂の跡を検出した. 噴砂は砂層に含まれていた土器を巻き込んで約1m上昇して, 当時の地表に噴出している. また, 噴砂の流出と並行して16cmの落差を伴う地割れも形成されている. この噴砂は『吾妻鏡』や『北条九代記』に見られる地震記録から, 1257年 (正嘉元年) あるいは1293年 (永仁元年) の地震によって形成されたと思われる. とくに1257年の地震では, 鎌倉の各地で噴砂が発生した記録が『吾妻鏡』にあるので, 1257年の地震による噴砂と考えるのが適当であろう.
著者
山崎 健介
出版者
地球環境生命科学医療福祉学会
雑誌
地球環境生命科学医療福祉学会誌
巻号頁・発行日
vol.1, no.6, pp.53-63, 2006

The problematic situation of cram schools at Japan is discussed. After the end of WW2, the fluctuation of society, equalization economic income and change of employment market had influenced the people's demands to regular educational organization. As a result of it, expansion of cram industy for the entrance exam of famous schools. Compared with competition and preparation for exam at before WW2, lowering age of competitor children, lack of experience and philosophy about education at parents generation, mechanical-industrialization of cram schools are confirmed at after WW2 society. As a result of those tendency, violation of human rights of children and interference to scientific sound growth and health of children are confirmed. Additionally, with the change of social structure and internationalization, future educational opportunity and employment security for the children with knowledge biased education have not been enough guaranteed. For the solution for these problems; legist ration and administration of children's human rights of refusal to go to cram with their wishes, Application and Attaching importance of result of regular education and social activities like sports, arts, local welfare, environmental activities toward entrance exam and employment selection by educational organization and employ societies. Allocation of high rate to sports/health education, agro-fishery education, scientific education, business education, and maister education at the regular educational curriculum, Public assistance and life security toward managers and labors of present cram schools for the changeover and transfer of educational job contents adjusting to new educational system, Adaptation of social employment system and industries and educational system of human resources toward global internationalization and international society, are discussed as the necessity.
著者
田代 隆良 浦田 秀子 山崎 真紀子 入山 茂美 岩永 喜久子 松本 正
出版者
長崎大学
雑誌
保健学研究 (ISSN:18814441)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.21-25, 2007
被引用文献数
1

2002年から2006年に長崎大学に入学した看護学生348人(女性321人,男性27人,平均年齢18.5歳)のHBs抗原およびHBs抗体陽性率はそれぞれ0.00%と2.30%だった.338人に1クール3回のB型肝炎ワクチン接種を行い,HBs抗体獲得率と抗体価幾何平均は98.5%と1696.6mIU/mL,性別ではそれぞれ,女性99.0%,1743.2mIU/mL,男性92.3%,1225.8mIU/mLだった.1クールでHBs抗体を獲得しなかった3人に第2クールの追加接種を行った.2人がHBs抗体陽性となり,HBs抗体価は273.OmIU/mL,788.8mIU/mLだった.1年次のワクチン接種によりHBs抗体を獲得した学生の5.1%が3年次に陰転した.3人に2回の追加接種を行い,HBs抗体価は320.OmIU/mL,56.5mlU/mL,236.OmIU/mLと再上昇した.1クールのワクチン接種でHBs抗体価が10mIU/mL未満のものに対しては追加接種して抗体価を上げておく必要があるが,一度高い抗体価を獲得したものは,その後陰転しても追加接種により直ちに再上昇することが示された.
著者
高位 篤史 吉田 安奈 山崎 文香 河田 真之介 西川 彰 今北 英高
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ab0457, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 呼吸運動は胸腔の拡大運動によって行われており、中でも主要な呼吸筋として横隔膜が挙げられる。横隔膜は左右の横隔神経によってそれぞれ支配され、吸息運動における主動作筋として働く。また、安静時1回換気量の約70%を横隔膜が担うとされている。さらに、片側横隔神経切除により対側横隔膜の筋活動が増加すると言われている。そこで、本研究では横隔膜を支配している横隔神経の片側および両側を切除することで、横隔膜筋活動と呼吸機能との関係についてより詳細に把握することを目的とした。【方法】 10週齢のWistar系雄ラット8匹を使用した。ケタラールおよびセラクタールの混合液を腹腔内投与にて麻酔した後、頚部腹側にパルスオキシメータ(プライムテック社製)を装着し、末梢血酸素飽和度(SpO2)を測定した。また、頚部腹側を切開した後、気道挿管したシリコンチューブおよび気流抵抗管を差圧トランデューサー、コントロールボックス(日本光電社製)に接続し、呼吸流速を測定した。測定した呼吸流速波形から、画像解析ソフトを用いて1回換気量、平均呼吸流速、1回換気時間を算出した。また、左右両側の横隔膜に直径0.03mmのワイヤー電極を装着し、TRIAS筋電計(バイオメトリクス社製)を用いて横隔膜の筋電図を測定した。測定は、安静時、片側横隔神経切除時、両側横隔神経切除時について実施した。【倫理的配慮、説明と同意】 本実験は畿央大学動物実験倫理委員会の承認を得て、畿央大学動物実験管理規定に従い実施した(承認番号22-1-I-220421)。【結果】 1回換気量は、安静時に比べ片側神経切除で約15%、両側神経切除で約30%の有意な減少が認められた。平均呼吸流速は、吸気では安静時に比べ片側神経切除後20%低下、両側神経切除後55%低下と有意な差が認められた。呼気では安静時に比べ片側神経切除後15%低下、両側神経切除後40%低下と有意な差が認められたが、吸気流速の方で低化率が大きかった。1回換気時間は、吸気では安静時に比べ片側神経切除で約20%、両側神経切除で約60%の増加が認められた。呼気では安静時に比べ両側神経切除で約30%の増加が認められた。また、呼吸流速波形は両側神経切除によって波形の平低化が観察された。片側横隔神経切除後における非切除側横隔膜の筋活動は、安静時に比べ約40%増大した。末梢血酸素飽和度(SpO2)は、安静時に比べ片側神経切除で約4%低下、両側神経切除で約9%低下と低下傾向がみられたが、有意な差は認められなかった。【考察】 横隔膜は左右の横隔神経によって支配されることから、片側横隔神経を切除した結果、1回換気量や吸気時の呼吸流速は低下し、それに伴い換気時間は増加した。さらに、非切除側の横隔膜においては筋活動量が増加した。以上のことから、片側横隔膜の機能が消失するともう一方の横隔膜で大きく代償することにより、換気量の大幅な低下を抑えることができると考えられる。両側の横隔神経を切除し、横隔膜の機能を完全に停止させた結果、1回換気量は大きく低下し、末梢血酸素飽和度は約9%低下した。このことは、生命を維持させるために肋間筋等の呼吸補助筋が強く活動したことによるものと考えられるが、横隔膜の機能を代償するほどの能力はなく、すべての測定項目において低換気の状態を示した。また、両側横隔神経切除により呼吸流速波形において平低化が観察され、横隔膜が呼吸活動における速度の変化に大きく関与していることが示唆された。このことから、横隔膜の障害によって、特に運動時など、十分な換気が必要となる際に努力性呼吸に対応することができなくなり、種々の身体活動における呼吸適応という側面でも重要な役割を担っているものと考えられた。【理学療法学研究としての意義】 理学療法士が呼吸分野に関わることは少なくなく、呼吸器疾患に限らず開胸・開腹術前後の呼吸理学療法など、理学療法としての重要性は広範囲にわたる。本研究は、呼吸活動に非常に大きく貢献している横隔膜について、その役割を基礎的な側面からより明確にするものである。今後、横隔膜の機能的知見についてさらに理解を深めるとともに、呼吸理学療法における治療法や運動指導について考察する際の一助となると考える。
著者
山崎 華恵 今岡 春樹
出版者
The Society of Fiber Science and Technology, Japan
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.284-292, 1996-06-10 (Released:2008-06-30)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

The influence of wind blowing was investigated as an essential factor that should be taken into account when the motion and deformation of textile fabrics in the air are predicted by numerical simulation. A few alternative analytical models to express how the resistance of the air exerted on rectangular strips of cloth depends on the relative velocity of fluid were examined and compared with experimental observations. The obtained results suggested that the second order model, in which the air resistance depends on a linear combination of the. velocity and the square of it, gave a better approximation than the conventional model only with the first order term.
著者
山崎 浩之 金田 一広 永野 賢次
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学論文集 (ISSN:1884846X)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.237-244, 2007 (Released:2010-11-22)
参考文献数
5

海溝型地震の特徴は地震動の継続時間が長いことが挙げられる. 本研究はケーソン式岸壁の振動台実験を行い, 裏埋め土 (ゆるい地盤と密な地盤) の液状化およびケーソンの変位に着目して継続時間の影響について検討した. 規則波 (正弦波) を用いて載荷回数を変えて継続時間の影響を調べ, さらに従来のものよりも長い不規則波 (シナリオ波) についても検討した. ゆるい地盤は比較的小さな入力加速度では継続時間の影響が見られ, 裏埋め土が液状化した後しばらく高い間隙水圧を保つ. 密な地盤はゆるい地盤に比べて継続時間の影響は少なく, 裏埋め土は液状化した後すぐに間隙水圧の消散が見られる. シナリオ波については密度によってケーソンの変位が異なり, シナリオ波を規則波で換算する場合は密度も考慮する必要があることを示した.
著者
阿良田 洋雄 山崎 滋
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.773-779, 1986
被引用文献数
2 1

Es障害は近隣諸外国の電波がスポラディックE層 (Es層) によって反射され, 我が国のテレビ電波に混信する障害である.このEs障害の改善装置を開発し, その原理, 構成, 性能について述べた.本装置はテレビ中継放送局の中間周波段に挿入して妨害波を除去することを目的として開発したものであり, 最大4波までの妨害波を, 単一正弦波で50dB以上, FM妨害波で40dB以上自動的に除去する.千葉県銚子中継放送局において本装置の野外除去実験を行った.その結果, 妨害波の数が1波の場合, ほぼ確実に妨害波を除去できる.また複数の妨害波に対しても主観評価で1ランク以上改善でき, 今回最も妨害波の数が多かった8波の場合でも, 0.5ランクの改善ができる.また銚子において障害を受けている全期間中の妨害波数が2波以上ある時間率は約50%あり, 複数妨害波に対応できる本装置のEs障害に対する有効性を確認した.
著者
小張 真吾 磯崎 淳 山崎 真弓 田中 晶 安藤 枝里子 中村 陽一
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.155-163, 2016
被引用文献数
2

【背景】近年, 食物アレルギー児の数は増加し, 乳幼児を預かる施設での対応が求められている. 【目的】横浜市内の幼稚園・保育所での食物アレルギー児への対応の実態を明らかにする. 【方法】横浜市内の全幼稚園・保育所を対象に, 食物アレルギー児の把握法, 食事状況, アドレナリン自己注射薬 (エピペン<sup>®</sup>) の使用などについて無記名アンケート調査を行った. 【結果】過去の同種の調査と比べ食物アレルギー児の割合は幼稚園・保育所ともに増加していた. 保育所に比べ幼稚園では除去食や代替食対応が可能な施設は少なく, 食物アレルギー児の把握も医師の診断以外で行っている施設が多かった. 保育所の中でも, 認可外保育所には同様の傾向がみられた. エピペン<sup>®</sup>処方児は幼稚園で多かったにもかかわらず, 投与可能な施設は幼稚園のほうが保育所と比較し少なかった. 食物アレルギーに関する知識は, 保育所に比べ幼稚園職員で乏しい傾向があった. 【結語】幼稚園や認可外保育所を中心に, 乳幼児保育施設において, 食物アレルギーに関する知識の啓発と食物アレルギー対応の拡充をより進める必要がある.

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著者
山崎 嚴
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.679, 1941-10