著者
小濱 剛 加瀬 ちひろ 佐藤 那美 鷹野 翔太 山口 太一 山本 俊政
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.12, pp.79-84, 2019-02

近年、世界的な水産資源の需要増加に伴い、好適環境水等の人工飼育水を用いた閉鎖循環式陸上養殖が注目を浴びている。本研究では、カクレクマノミ及びニホンウナギをそれぞれ対象にして、人工海水と好適環境水における行動特性の相違を検証する事を目的とした。カクレクマノミの行動結果より、水槽内の平均利用場所は、人工海水下では上面および下面利用率が同等だったにもかかわらず、好適環境水下では下面の利用率が大幅に増加した。条件提示直後の平均活動性より、人工海水提示直後に比べ、好適環境水提示直後で境界線の通過回数が半分以下になることから、現行の好適環境水がカクレクマノミに適さないことが示唆された。一方、ニホンウナギにおいては行動を抑制させるような結果は見られなかった。以上の結果から、好適環境水の塩分及び成分比について、飼育魚種毎に明らかにする必要があると推察された。
著者
宮城 孝 藤賀 雅人 山本 俊哉 仁平 典宏 廣瀬 克哉
出版者
法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会
雑誌
現代福祉研究 (ISSN:13463349)
巻号頁・発行日
no.13, pp.99-125, 2013-03

陸前高田地域再生支援研究プロジェクトは、東日本大震災において岩手県で最も甚大な被害にあった陸前高田市において、被災住民自身が地域の再生、生活再建に向けてその課題を話し合い、主体的な取り組みを行うことを支援しつつ、仮設住宅および被災地域におけるコミュニティの形成のあり方を共に模索しながら、今後の復興における地域再生のモデルづくりに寄与することを目的として、今日まで活動を続けている。本プロジェクトは、震災2年目を迎えた被災地において、昨年に引き続き2回目となる市内・外合わせて52の仮設住宅団地の自治会長等へのインタビュー調査を8月に実施しており、本稿は、その調査結果について整理した内容を記したものである。内容としては、①仮設住宅団地における地区別居住状況、②自治会活動とコミュニティ形成の状況、③独居高齢者や高齢者に関する状況と課題、④子どもに関する状況と課題、⑤住環境の問題と対応、⑥住田町の仮設住宅の住環境と居住状況、⑦外部支援団体の関与、⑧住宅再建・復興まちづくりに関する情報・取り組みと意見等である。最後に、これらの調査結果を踏まえて、状況の変化に合わせた復興計画の進捗管理のあり方について論述している。
著者
宮城 孝 森脇 環帆 仁平 典宏 山本 俊哉 藤賀 雅人 神谷 秀美 金 呉燮 松元 一明 崎坂 香屋子
出版者
法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会
雑誌
現代福祉研究 (ISSN:13463349)
巻号頁・発行日
no.16, pp.135-176, 2016-03

陸前高田地域再生支援研究プロジェクトは、東日本大震災において岩手県で最も甚大な被害にあった陸前高田市において、被災住民自身が地域の再生、生活再建に向けてその課題を話し合い、主体的な取り組みを行うことを支援してきている。そして、仮設住宅および被災地域におけるコミュニティの形成のあり方を共に模索しながら、今後の復興における地域再生のモデルづくりに寄与することを目的として、今日まで活動を続けている。本プロジェクトは、上記に関する活動の一環として、2015年8月に、2011年から引き続き5回目となる市内・外合わせて48の仮設住宅団地の自治会長等へのインタビュー調査を行っている。本稿は、仮設住宅自治会長等に対するインタビュー調査結果等についての概要を記したものである。内容としては、居住5年目を迎えた仮設住宅団地における①転出・転入、空き住戸等の居住状況、②高齢者や子どもなど配慮が必要な人の状況、③住環境、生活環境の問題と対応、④自治会活動とコミュニティ形成の状況、⑤外部支援団体の関与の状況、⑥住宅再建・復興まちづくりに関する情報や意見等についてであり、それらの全体的な概要と各9地域の特徴について整理している。調査時点において震災発生から約4年半が経とうとしており、仮設住宅での暮らしが長期化する中、2014年末から一部災害公営住宅への入居が始まり、また、高台への移転が開始されてきており、住宅再建が目に見えてきた地域と、大規模な土地のかさ上げによる区画整理事業の完成時期が明確でなく、なかなか将来の展望が目に見えない世帯が少なからずあり、昨年度に比べて世帯・地域間格差の広がりが見られ、今後の支援のあり方が問われる。本稿で記した概要に加えて、各仮設住宅団地のデータの詳細を報告書としてまとめ、仮設住宅団地自治会長、行政、市議会、支援団体等広く関係者に送付し、今後の復興施策へのフィードバックを図っている。
著者
山本 俊一 宮崎 正之助 岡田 和夫 館野 功 高木 忠信 古田 昭一 呉 大順 佐藤 富蔵
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.20, no.8, pp.534-539, 1965-08-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
18

The authors tried to elucidate the therapeutic effect of hyperbaric oxygenation on the experimental infection of the anaerobic pathogens, using mice and rabbits as experimental animals.1) Cl. novyi was rather resistant to the action of oxygen at high pressure. It was presumably due to the spore formed.2) In order to prevent the death of the mice inoculated with Cl. novyi, the animals should be repeatedly exposed to the oxygen at moderate pressure. The excessive oxygenation was toxic to the animals, rendering them less resistant to the infection.3) Toxin of Cl. novyi was not decomposed by hyperbaric oxygenation. It has also no effect on the detoxication process of the organisms or on the toxin neutralization in vitro and in vivo.4) In case of gas gangrene hyperbaric oxygenation therapy should be combined with antitoxin treatment, as the former suppresses the growth of pathogens and the latter neutralizes toxin produced.5) In the experiment with with rabbit, repeated hyperbaric oxygenation was proved markedly effective to the infection with Cl. norvyi, but less effective to Cl. tetani.In the latter case, the excessive oxygenation was unfavorable to the infected animals.
著者
平野 敦之 伊藤 恵介 川井 祐輔 山本 俊勇 濱野 真吾 長谷川 千尋 水野 芳樹 柴田 康行 小川 久美子 中村 誠 城 卓志
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1533-1540, 2010 (Released:2011-11-07)
参考文献数
33
被引用文献数
1

症例は57歳男性.上部消化管内視鏡検査にて頸部食道に異所性胃粘膜に連続する0-I+IIc病変を認めた.同部からの生検により腺癌と診断し,頸部胸部食道切除+遊離空腸移植術を施行した.切除標本の病理組織的検索にて異所性胃粘膜より発生した食道腺癌,深達度sm3と診断し,さらにMUC5AC,MUC6,MUC2,Cdx2の免疫染色により腸上皮化生を伴った異所性胃粘膜より発生した胃腸混合型の腺癌と診断した.
著者
杉浦 栄紀 三輪 富生 森川 高行 山本 俊行 加藤 博和
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.715-723, 2009 (Released:2017-11-29)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

相次ぐ路線バスの縮小・撤退を背景に,自治体が主体となって運営するコミュニティバスを導入する事例が増加している.しかし,利用者が少ないコミュニティバスの運営は自治体にとって大きな負担となっており,交通不便地域における市民の足を維持することが困難となっている.本研究はより少ない費用で実施可能な利用促進策としてバスマップに注目し,既存のバスマップの問題点を整理した上で,新しいバスマップの作成を試みた.新しいバスマップの効果をグループインタビュー調査およびアンケート調査を通じて検証した結果,内容を吟味したバスマップは,グループインタビューにおける議論の活性化に影響を与える可能性を示した.
著者
伊藤 暢浩 岡野 昇 山本 俊彦 加納 岳拓 Ito Nobuhiro Okano Noboru Yamamoto Toshihiko Kano Takahiro
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.155-166, 2010

本稿では、まず小学校体育における「体力を高める運動」にかかわり、最近の実践報告や研究動向から、「体力を高める運動」の問題を浮き彫りにした。そこでは、「体力を高める運動」の実践報告はきわめて少なく、教材の開発もあまり進められていないことが明らかになった。また、その背景には小学生には受けいれられにくいとされる必要充足機能が強調されており、その内容はトレーニング的で量的な体力を問題にする数値主義に基づき、自己の体力の高まりに着目した個人主義的な立場から「体力を高める運動」が位置づけられていることが明らかになった。加えて、最近の研究では、「体力を高める運動」の運動の特性、学習観、身体観といった枠組みから展開されていることが明らかになったが、実際にどのように運動の内容構成を行っていけばよいのかという教材開発の提示までには至っていないことが浮き彫りとなった。そこで、「体力を高める運動」における、①運動特性の捉え方、②学習観の捉え方、③身体観の捉え方の三点について検討した結果、運動の特性は欲求充足機能を前面に取り上げながら、結果として必要充足機能に結びつけるという表裏一体のものとして捉えることが肝要であると述べた。また、学習観は個人主義的な学習観から関係主義的な学習観へシフトすることが重要であると述べ、身体観は一人称的・三人称的身体から二人称的身体へと転換することで、新たな体育教育をひらく可能性があると考察した。こうした視点を持ちながら、「体力を高める運動」の新たな内容構成に基づく教材開発を行った結果、欲求充足と必要充足の機能の両方を重視しながら教材を作成するために、カード(A6版)形式を採用し、カードの表面には欲求充足の観点が分かるように、「運動の中心的なおもしろさ」をイラストと文章で表記し、カードの裏面には体力の四つの要素(体の柔らかさ・巧みな動き・動きを持続する能力・力強い動きを高めるための運動)のどれと結びついているかという観点で示した。また、仲間と共に楽しみながら行える運動を行うことができるという観点から30の運動を選定し、仲間に働きかけたり、仲間から働きかけられたりすることにより生まれる世界を大切にする二人称的な身体から運動を取り上げた。
著者
三木 文雄 生野 善康 INOUE Eiji 村田 哲人 谷澤 伸一 坂元 一夫 田原 旭 斎藤 玲 富沢 磨須美 平賀 洋明 菊地 弘毅 山本 朝子 武部 和夫 中村 光男 宮沢 正 田村 豊一 遠藤 勝美 米田 政志 井戸 康夫 上原 修 岡本 勝博 相楽 衛男 滝島 任 井田 士朗 今野 淳 大泉 耕太郎 青沼 清一 渡辺 彰 佐藤 和男 林 泉 勝 正孝 奥井 津二 河合 美枝子 福井 俊夫 荒川 正昭 和田 光一 森本 隆夫 蒲沢 知子 武田 元 関根 理 薄田 芳丸 青木 信樹 宮原 正 斎藤 篤 嶋田 甚五郎 柴 孝也 池本 秀雄 渡辺 一功 小林 宏行 高村 研二 吉田 雅彦 真下 啓明 山根 至二 富 俊明 可部 順三郎 石橋 弘義 工藤 宏一郎 太田 健 谷本 普一 中谷 龍王 吉村 邦彦 中森 祥隆 蝶名林 直彦 中田 紘一郎 渡辺 健太郎 小山 優 飯島 福生 稲松 孝思 浦山 京子 東 冬彦 船津 雄三 藤森 一平 小林 芳夫 安達 正則 深谷 一太 大久保 隆男 伊藤 章 松本 裕 鈴木 淳一 吉池 保博 綿貫 裕司 小田切 繁樹 千場 純 鈴木 周雄 室橋 光宇 福田 勉 木内 充世 芦刈 靖彦 下方 薫 吉井 才司 高納 修 酒井 秀造 西脇 敬祐 竹浦 茂樹 岸本 広次 佐竹 辰夫 高木 健三 山木 健市 笹本 基秀 佐々木 智康 武内 俊彦 加藤 政仁 加藤 錠一 伊藤 剛 山本 俊幸 鈴木 幹三 山本 和英 足立 暁 大山 馨 鈴木 国功 大谷 信夫 早瀬 満 久世 文幸 辻野 弘之 稲葉 宣雄 池田 宣昭 松原 恒雄 牛田 伸一 網谷 良一 中西 通泰 大久保 滉 上田 良弘 成田 亘啓 澤木 政好 三笠 桂一 安永 幸二郎 米津 精文 飯田 夕 榊原 嘉彦 螺良 英郎 濱田 朝夫 福山 興一 福岡 正博 伊藤 正己 平尾 文男 小松 孝 前川 暢夫 西山 秀樹 鈴木 雄二郎 堀川 禎夫 田村 正和 副島 林造 二木 芳人 安達 倫文 中川 義久 角 優 栗村 統 佐々木 英夫 福原 弘文 森本 忠雄 澤江 義郎 岡田 薫 熊谷 幸雄 重松 信昭 相沢 久道 瀧井 昌英 大堂 孝文 品川 知明 原 耕平 斎藤 厚 広田 正毅 山口 恵三 河野 茂 古賀 宏延 渡辺 講一 藤田 紀代 植田 保子 河野 浩太 松本 慶蔵 永武 毅 力富 直人 那須 勝 後藤 純 後藤 陽一郎 重野 秀昭 田代 隆良
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.914-943, 1987
被引用文献数
2

Clavulanic acid (以下CVAと略す) とticarcillin (以下TIPCと略す) の1: 15の配合剤, BRL28500 (以下BRLと略す) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性をpiperacillin (以下PIPCと略す) を対照薬剤として, welI-controlled studyひこより比較検討した.<BR>感染症状明確な15歳以上の慢性呼吸器感染症 (慢性気管支炎, びまん性汎細気管支炎, 感染を伴った気管支拡張症・肺気腫・肺線維症・気管支喘息など) およびその急性増悪, 細菌性肺炎, 肺化膿症を対象とし, BRLは1回1.6g (TIPC1.5g+CVA0.1g) 宛, PIPCは1回2.0g宛, いずれも1日2回, 原則として14日間点滴静注により投与し, 臨床効果, 症状改善度, 細菌学的効果, 副作用・臨床検査値異常化の有無, 有用性について両薬剤投与群間で比較を行い, 以下の成績を得た.<BR>1. 薬剤投与314例 (BRL投与161例, PIPC投与153例) 中, 45例を除外した269例 (BRL投与138例, PIPC投与131例) について有効性の解析を行い, 副作用は293例 (BRL投与148例, PIPC投与145例) について, 臨床検査値異常化は286例 (BRL投与141例, PIPC投与145例) について解析を実施した.<BR>2. 小委員会判定による臨床効果は, 全症例ではBRL投与群78.8%, PIPC投与群79.4%, 肺炎・肺化膿症症例ではBRL投与群 (79例) 82.1%, PIPC投与群 (73例) 79.5%, 慢性気道感染症症例ではBRL投与群 (59例) 74.6%, PIPC投与群 (58例) 79.3%の有効率で, いずれも両薬剤投与群間に有意差を認めなかった.<BR>3. 症状改善度は, 肺炎・肺化膿症症例では赤沈値の14日後の改善度に関してPIPC投与群よりBRL投与群がすぐれ, 慢性気道感染症症例では胸部ラ音, 白血球数, CRPの3日後の改善度に関してBRL投与群よりPIPC投与群がすぐれ, それぞれ両薬剤投与群間に有意差が認められた.<BR>4. 細菌学的効果はBRL投与群68例, PIPC投与群57例について検討を実施し, 全体の除菌率はBRL投与群75.0%, PIPC投与群71.9%と両薬剤投与群間に有意差は認められないが, Klebsiella spp. 感染症においては, BRL投与群の除菌率87.5%, PIPC投与群の除菌率16.7%と両薬剤群間に有意差が認められた. また, 起炎菌のPIPCに対する感受性をMIC50μg/ml以上と50μg/ml未満に層別すると, MIC50μg/ml未満の感性菌感染例ではBRL投与群の除菌率69.6%に対してPIPC投与群の除菌率94.7%とPIPCがすぐれる傾向がみられ, 一方, MIC50μg/ml以上の耐性菌感染例ではPIPC投与群の除菌率12.5%に対して, BRL投与群の除菌率は66.7%と高く, 両薬剤間に有意差が認められた.<BR>5. 副作用解析対象293例中, 何らかの自他覚的副作用の出現例はBRL投与群5例, PIPC投与群11例で, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>6. 臨床検査値異常化解析対象286例中, 何らかの異常化が認められた症例は, BRL投与141例中45例 (31.9%), PIPC投与145例中28例 (19.3%) で, 両薬剤投与群間に有意差が認められた. 臨床検査項目別にみると, GPT上昇がBRL投与140例中26例 (18.6%), PIPC投与140例中14例 (10.0%), BUN上昇がBRL投与128例中0, PIPC投与127例中4例 (3.1%) と, それぞれ両薬剤投与群間での異常化率の差に有意傾向が認められた.<BR>7. 有効性と安全性を勘案して判定した有用性は, 全症例ではBRL投与群の有用率 (極めて有用+有用) 76.3%, PIPC投与群の有用率の74.8%, 肺炎・肺化膿症症例における有用率はBRL投与群81.0%, PIPC投与群75.3%, 慢性気道感染症症例における有用率はBRL投与群70.0%, PIPC投与群74.1%と, いずれも両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>以上の成績より, BRL1日3.2gの投与はPIPC1日4gの投与と略同等の呼吸器感染症に対する有効性と安全性を示し, とくにβ-lactamase産生菌感染症に対しても有効性を示すことが確認され, BRLが呼吸器感染症の治療上有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
山本 俊哉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.731, pp.106-110, 2002-11-11

金融機関や商業施設を狙った強盗犯が増えている。ただし,防犯性が高まっても,閉鎖的な空間になっては商売の支障になる。金融機関や商業施設の防犯対策は開放性との両立がカギだ。建物内にいる従業員や客の安全を確保することも必要になる。模倣犯が多いことから,設計者も事件に学ぶ姿勢が求められている。
著者
村上 清明 松永 奈美子 赤松 亜弥 大川 高司 山本 俊一郎 マツナガ ナミコ アカマツ アヤ ヤマモト シュンイチロウ Matsunaga Namiko Akamatsu Aya Yamamoto Shunichiro
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学政策研究 (ISSN:2185985X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.167-176, 2015-03-31

熊本市中心市街地へ通勤する人々が「もっと楽しく!もっと元気に!もっと健康に!」朝を過ごせるような通勤方法「通勤班」を提言する。小学校時代に誰もが経験した集団登校のように、勤務先が同一または近い者同士が集まり、コミュニケーションを図りながら一緒に通勤することで、気軽に楽しく運動ができ、朝から元気になれるのではないだろうか。そこで、熊本市役所周辺を目的地として通勤する「通勤班」を提言する。
著者
浪花 志郎 西山 和光 原 曜子 白石 達雄 山本 俊比古 内田 寛
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.1022-1026, 1982-12-01 (Released:2012-03-21)
参考文献数
9

パシフラミン(パッシフローラエキス製剤)を皮膚そう痒症を始めそう痒を伴う各種皮膚疾患計29例に投与し, その鎮静作用がもたらす止痒効果について検討した結果, 一日量3錠ないし6錠の投与で, 比較的早期に止痒効果が発現し, 併用された抗ヒスタミン剤, マイナートランキライザー, またはステロイド剤の有する止痒効果に補助的に作用する傾向がうかがわれた。副作用を示した症例は1例も認められなかつた。従つて, 上記薬剤による止痒効果が不十分であつたり, 副作用のために投与継続が困難な症例では, パシフラミンによる鎮静的止痒効果を期待して補助的に用いることは有用と考えられる。
著者
薄井 智貴 坂 匠 山本 俊行
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.1172-1174, 2016-07-06

センサ技術の高性能 ・ 高精度化に伴い,ウェアラブルデバイスが脚光を浴びている.本研究では,昨年末に販売が開始された眼電位センサを搭載したウェアラブルメガネ 「JINS MEME」 の運転行動把握における利活用を検討しており,本稿においては,まず,本製品の特徴および取得データによる視線方向推定の可能性について検討した結果について述べる.被験者 1 名による簡易計測実験の結果,取得できる水平 ・ 垂直方向の EOG 値を利用することで,誤分類率 8% 程度で,視線方向を把握することができることが示唆された.
著者
河島 達郎 山本 俊夫 甲田 善生
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.T10-T15, 1982-01-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

海洋生物試料の乾式灰化に伴う揮発損失を,放射化分析法を用い34元素について検討した.試料には褐藻類のアラメ及びヨレモク,顕花植物のアマモ,海産魚のニボシ,被子植物のハマユウの葉を用いた.これらの乾燥試料は凍結粉砕装置で粉末にした.低温灰化は100℃で,高温灰化は500℃で行った.乾燥試料と灰化試料は同時に原子炉の熱中性子によって放射化分析し,それぞれの元素の回収率を求めた.その結果,高温灰化による損失の大きい元素は,塩素,ヒ素,セレン,臭素,ヨウ素,金及び水銀などであった.又低温灰化はヒ素とセレンの損失を減少させるのに著しく有効であった.この中でハロゲンの揮発損失は,試料の種別によりかなり異なり,一律の損失は示さなかった.
著者
宮島 たか子 山本 俊雄 間瀬 啓介 飯塚 哲也 野崎 稔 木内 信
出版者
日本蠶絲學會
雑誌
日本蠶絲學雜誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.37-42, 2001-04-27
被引用文献数
2

絹の新素材開発を目的に,イミダゾール系化合物のトリフルムゾールを投与して細繊度蚕品種の「はくぎん」及び「ほのぼの」の3眠化試験を行った。乾物重で140ppmのトリフルミゾールを添加した人工飼料を起蚕から3日間与えた場合の3眠化率は3齢ならびに4齢投与とも「はくぎん」は80%を越えたが,「ほのぼの」では30%以下と低かった。280ppm濃度になると両品種とも100%近い3眠化率を示すようになった。この「ほのぼの」の感受性が低いのは交雑親である日513号に由来することが分かった。3眠化率は4齢投与より3齢投与の方が高く,全齢経過日数は3齢投与より4齢投与の方が短くなった。3眠化蚕の繭糸質についてみると無投与区に比して繭層重の低下割合が最も高く,以下,繭重,繊度,繭糸長,繭層歩合,繭長,繭幅の順になり,繭幅より繭長の低下割合が高いので,繭形が丸みを帯びるようになった。繊度は3齢投与で「はくぎん」1.36d,「ほのぼの」1.72d,4齢投与で「はくぎん」0.99d,「ほのぼの」1.03d,と著しく細くなった。これらの3眠化蚕の産生する繭は繊度偏差も小さいので,極細の高級生糸による差別化製品の開発や医療・工業用への用途が期待される。