著者
池田 憲昭 土井 和美 宇野 彰男 山崎 美智子 宮原 英夫 山本 昇 木川田 隆一
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.376-382, 1991-08-31

計算機ネットワークを利用して,研究教育のための様々な情報をオンラインで利用可能とする試みの一つとして,北里大学全学部図書館の全所蔵雑誌および医学図書館所蔵図書の一部に関する所在情報を提供するシステムKLIS(Kitasato Library Information System)を作成した。データベースは,学術情報センター学術雑誌総合目録データベースの個別版提供サービスによって得た磁気テープから必要な情報を抽出し,医学部研究用ミニコンピュータHP9000/855sの磁気ディスクファイルとして作成した。収録した件数は欧文雑誌5,134件,和文雑誌4,551件で,各レコードは雑誌名,発行所名,所蔵図書館名,所蔵期間などからなる。さらに,本学医学図書館のオリジナルデータベースである雑誌特集記事索引および最近4年間の新着図書目録も検索の対象としてデータベース化した。検索システムはUNIXオペレーティングシステム上のC言語を用いて作成した。
著者
山本恵子 宮川健治 野々佳子 原口輝美 松永あけみ
出版者
九州看護福祉大学
雑誌
九州看護福祉大学紀要 (ISSN:13447505)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.103-111, 2006-03

日本の高齢者施設は、高齢化・重度化・認知症の増加が問題視されている。そのような状況で、施設利用者の安全を確保するのには、職員の協働は不可欠であるといえる。また多くの文献で職員数や知識の不足が、転倒要因として列挙されている。しかし、その実態や対策について研究したものは少ない。そこで本研究では、自身で危険回避が困難な方が多い高齢者施設における転倒予防策のうち、多職種の協働による転倒予防の必要性を先行研究より明らかにすることを目的とした。 文献検索の結果、連携の実態と転倒予防効果については、国内外問わず数は少なく、実態調査が殆どであった。それによると多職種が情報共有・アセスメント・評価の過程で協働することは、転倒予防に効果的であると報告している。海外文献では、情報共有の有効性や、リスクマネジメントの視点で協働の重要性をあげ、医療事故のエラーの原因として高齢者自身の問題以外に環境要因をあげ、その中に職員の知識・技術の差や、情報伝達の不備なども指摘されていた。 職種間協働の不備は、業務の問題点でありかつ、高齢者の転倒要因であることは言われているが、望ましい協働の方法やその効果について具体的に研究されたものは殆どなかった。職種間協働は、転倒予防の視点で重要であり、今後、増加する認知症高齢者の安全を守る上でも職種間協働の研究は不可欠であるといえる。高齢者施設での転倒予防では、協働の方法やその効果の検証は急務であり、重要な研究テーマとなることが示唆された。The purpose of this research is making the necessity for the fall prevention by collaboration of many occupational descriptions clear from precedence research. Because, by dementia, many of users are difficult to avert a risk by themselves. Most researches which did not ask domestic outside but were concretely verified about the method of desirable collaboration or its effect suited. As for the research verified concretely, about the method of desirable collaboration, or its effect, in and outside the country was very slight. lt being able to say at present is that the defect of communication of information causes an accident. Moreover, there were also two or more reports that it was effective for fall prevention that many occupational descriptions collaborate in the process of an information share, assessment, and evaluation. It was suggested from these things that maintenance of collaboration between occupational descriptions is pressing need
著者
山本 将士
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.191-205, 2007-12

本研究では、いじめの規定因として他者軽視に基づく仮想的有能感に注目し、検討することを目的とした。2007年1月中旬に、被験者である高校2年生453名(男子243名、女子210名)に対して(1)他者軽視、(2)自尊感情、(3)過去半年間のいじめの経験、(4)過去のいじめ経験、の尺度で調査を実施した。その結果、自尊感情が高く仮想的有能感も高い「全能型」の生徒は、他の有能感タイプよりも過去半年間のいじめ(加害)の生起が多かった。また、自尊感情が低く仮想的有能感が高い「仮想型」の生徒は、他の有能感タイプよりも過去半年間のいじめ(被害)の生起が多いことも示された。さらに、「全能型」の生徒は、他の有能感タイプよりも過去のいじめ(加害)の生起が多く、「仮想型」の生徒は、他の有能感タイプよりも過去のいじめ(被害)の生起が多いことが示された。自尊感情と仮想的有能感がともに低い「萎縮型」は、間接的いじめに限り被害者になりやすいことが確認された。
著者
朝倉 康夫 羽藤 英二 井料 隆雅 多々納 裕一 長江 剛志 赤松 隆 吉井 稔雄 山本 俊行 中山 晶一朗
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

情報通信技術の高度化に伴い,GPS,携帯電話,PHS などの移動体通信システムの利用者数は飛躍的に増加しつつある.移動体通信による位置特定機能を用いると,機器を携帯する個々のヒトの位置特定が可能であり,過去数年の間に移動体通信機器を利用した交通行動調査手法が数多く提案されてきている.移動体通信を利用したヒトの交通行動の観測と分析手法については,1998 年に研究代表者らがITS 世界会議で発表した論文を皮切りに国内外で研究が進められている.国内ではプローブ車両による道路交通流の観測に代表されるように,実務面でも移動体観測への関心が高まっている.しかしながらこれに関連する既往研究のほとんどは平常時の交通行動を対象としたものであり,災害時を想定した観測システムの開発や分析手法に関する研究は見られない.一方,災害時の交通ネットワークのリスク評価に関しては,多様なアプローチから研究されてきているが,災害時の交通行動に関する実証データを得ることが困難であるために,実際の交通ネットワークを対象としたリスク評価研究の蓄積は必ずしも十分ではない.移動体通信機器を応用して災害時の交通行動を,災害を模した状況において実証的に把握することは,災害時の交通ネットワークのリスク評価の信頼性をより高め,また,より精緻な場面への応用ができるようになることが期待されよう.
著者
三品 拓也 貞光 九月 山本 幹雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.2168-2176, 2004-09-15
参考文献数
19
被引用文献数
1

本論文ではかな漢字変換誤り,特に同音異義語の選択誤りを対象とした日本語スペルチェックの方法を報告する.同音異義語誤りの判定には局所的な情報と大域的な情報の両者が必要であるが,本論文では大域的な情報をモデル化するために確率的LSAを用いることを提案・検討する.評価実験として,人為的に誤りを混入させたテストデータを用いた誤り検出・訂正実験を行った.局所的な情報のモデル化に従来からよく使われているngramモデルのみを利用した手法をベースラインとして比較した.ベースラインシステムでは再現率93.8%,適合率79.0%(F値85.8%)であった性能が,確率的LSAと組み合わせることにより再現率95.5%,適合率83.6%(F値89.2%)と改善された.We report a method of a Japanese spell checker for homophone errors which often occur in Japanese input process using a kana-kanji conversion system. Error detection methods need both of local and global information around a target word. In this paper, we propose and investigate use of a probabilistic LSA for modeling global information. We will show experimental results of performance to detect and correct homophone errors which are generated randomly. We use a simple method based on ngram models as a baseline system. Ngram models are common for Japanese spell checkers to model local information. In the results, although detection rates of the baseline system are 93.8% in recall, 79.0% in precision (85.8% in F-measure), those of a combination system of an ngram model and a probabilistic LSA increase to 95.5% in recall, 83.6% in precision (89.2% in F-measure).
著者
小林 郁典 中野 純司 山本 由和 藤原 丈史
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.15-25, 2006-06-30
被引用文献数
2

統計解析システム上でデータマイニング手法による解析を利用者に提供するために,Javaの技術に基づいて開発されている統計解析システムJaspにデータマイニングができる機能を追加した.このために,機械学習ソフトとして有名なWekaのJavaクラスライブラリをJaspに組み込み,データマイニング手法に対応した関数型のコマンドをいくつか用意した.利用者は,Jasp上で解析データを用意し,統計解析用のコマンドを利用して統計グラフを描き,C4.5,サポートベクターマシン,APRIORI法やK-Means法などのデータマイニング手法を解析データに適用することができる.
著者
山本 文香 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.328, pp.177-184, 2008-11-20

本稿では,GPUを利用することで移動物体領域の検出処理を高速化し,リアルタイムで高精度な移動物体検出を行うことを提案する.GPU (Graphics Processing Unit)は,全てのピクセルについて同じ計算を繰り返す処理を高速に実行できるので,GPUを利用することでピクセルベースの移動物体検出手法の高速化を図ることができる.GPUを利用して,ABM (Adaptive Background Model:明るさ可変背景モデル)とMSC (Margined Sign Correlation:マージン付き符号相関)を用いた移動物体領域検出を行うことで,CPUを用いた場合より9倍以上高速に計算できることを確認した.このシステムを解像度720×486のカラー動画像に適用した結果とその処理時間を示す.
著者
山本 英子
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

デザイナーは多くの人に好まれる製品を創りだすことが求められる.本研究では,人の好みに影響する,製品に対する印象にはいくつかの種類があると仮定し,人が製品を見て表現できた印象から一歩踏み込んだ「深い印象」に注目し,印象分析を行なう.この深い印象の性質を捉えるために,意味ネットワークを利用して,「構造」と「非明示的な印象」を伴う仮想印象ネットワークを構築する手法を提案し,その構造を分析した.その結果,好みの違いを分析に用いたいくつかのネットワーク指標を使って説明できることを示した.これにより,深い印象のレベルで,好きという印象を形成するプロセスは嫌いという印象とは異なることが示唆された.
著者
山本 裕 木下 和彦 戸出 英樹 村上 孝三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.327-330, 2009-02-24

近年,ネットワークカメラと無線マルチホップ網を用いた監視システムが注目されている.この監視システムは既存のインフラに依存せず,簡便にシステムを構築することができる一方で,有線網に比べて,通信品質が安定しないという問題がある.そのため,輻輳や電波干渉などの影響による映像品質の低下を考慮しつつ,広範囲に多数配置されたネットワークカメラから効率的に映像を収集することが重要である.そこで,本稿では,映像の優先度と伝送経路の排反性を考慮したカメラ選択スケジューリングを提案し,その性能をシミュレーションによって評価する.
著者
森 由起 境 泉洋 山本 真由美 佐野 勝徳
出版者
徳島大学
雑誌
徳島大学総合科学部人間科学研究 (ISSN:09199810)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.69-79, 2007

The purpose of this study is to understand in a practical sense the etiologicalbackground of social withdrawal and to find some clues on how to present itsoccurrence. We hypothesized that a lack of group experience and/or the disturbance ofthe daily rhythm including the sleep'wakefulness cycle at an early age might beinfluential factors for social withdrawal.To examine this hypothesis,we designed a questionnaire containing items aboutthe clients' experiences in nursery schools and kindergarten,the clients' bedtimes,wake times, playing hours, helping at home and other activities during theirelementary and junior-high school years and at the point of this survey. Forty-onesocial withdrawals with an average age of 27,85 and 172 students were participating inthis survey.In case of those 41 social withdrawals,their mean age of showing for the first timesymptoms of social withdrawing is 19.25土4.72.About half of the clients are the oldestchild in their family. The ratio of persons with group experience in nursery school wassignificantly lower in the social withdrawal group (χ2(1)ニ9.400,pく.05). The ratio ofpersons with group experience in nursery school from an early age(below age 3) and inkindergarten also tends to be lower in the social withdrawal group,although notsignificantly.As to the sleep-wakefulness cycle,the social withdrawal group tends to go to bedearlier and to rise later than the participants of the control group when they were inthe middle grades of elementary school and the second grade of junior high school,although again not significantly. On the other hand,at the point of this survey thesocial withdrawal group gets up significantly later than the controls.The ratio of persons who had breakfast every day when they were attending juniorhigh-school was lower among the withdrawals than the controls. The socialwithdrawals were playing less and hardly helped at home when they were in themiddle grades of elementary school and the second grade of junior high-school.These results were discussed in relation with the findings of our previous studyand others.
著者
山本 麻子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.53, pp.340-341, 2006-06-20

Berlin-wool work was the most popular embroidery throughout the early Victorian age but teacher and artist took a critical attitude. The interest of traditional embroidery was brought above all by W. Morris, led to the foundation of societies for a new embroidery, Art Needlework. They wanted to bring the needlework up as fine art. The Royal School of Art Needlework founded in 1872. Morris supplied many design and his theory of embroidery for the school. Art needlework was in fashion on 1880's by the success of the school and Morris's embroidery.
著者
中小路 久美代 山本 恭裕 大平 雅雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告.IM, [情報メディア]
巻号頁・発行日
vol.99, no.69, pp.31-36, 1999-08-20

本論では,Collective Creativity-他者が生成/外化した「表現」を利用することによって喚起される個人の創造性-を支援するための二つのシステムを紹介し,その理論的枠組みについて論じる.IAM-eMMaとEVIDIIはともに,他のデザイナが入力した知識(ルール)や関連づけを利用することによって,デザイナの創造性を喚起するようなグラフィックイメージ(画像)を検索するシステムである.前者は,画像の色とタスク要件を関連づけるルールを用い,後者は,人と画像,感性語という三つ組を可視化するインタフェースを提供する.これら二つのシステムのユーザ観察を通して,(1)システムが提供する知識や情報に十分なコンテキストが与えられていること,(2)その知識や情報がデザイナにとって信用できるものであること,そして,(3)人間とシステムとの間でタスクのバランスがよくとれ,デザイナがタスクに対して「appropriation(専有性)」を感じられるものであること,という3点が,Collective Creativityを支援するシステムにとって重要な要件であることがわかった.