著者
横田 知樹 近藤 亮磨 渡邊 慎一 森川 博之 岩井 将行
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.1794-1801, 2018-10-15

紫外線(以下UV)は皮膚がんの発症や白内障などの重大な疾病につながるにもかかわらず,その健康影響の評価・予防は国内の労働現場ではあまり知られていない.さらに,反射率の高い建材の普及から過度なUVに暴露する潜在的なリスクは年々増大している.しかし,既存のUVセンシング手法は,天空面などの1方向のみの計測を行うものばかりであり,太陽の動きや地物のUV反射による影響を十分に考慮できていない.既存研究ではウェアラブルデバイスを用いて個人単位でのUV暴露を評価する試みがなされているが,作業者全員にUVセンサを装着することはコストの観点から現実的でない.そのため,作業者の周辺環境において瞬間ごとのUV暴露をより正確に計測することができれば,急性障害のリスクを認識することができ,繰り返し日々計測することで,反覆暴露によって積み重ねられる慢性傷害のリスクを認識することができる.そこで我々は,温熱環境分野で用いられる6方向からの日射と熱放射の計測により人体が受け取る熱量を推定する手法に着目してUVに応用し,地物および壁面からの反射を含めた,6方向からの紅斑紫外線量を計測するセンシングシステムとしてUV-Cubeを提案・設計・実装・評価した.本論文ではUV-Cubeを用いて,直接天方向から光が当たらない屋外作業現場などのUV暴露が軽視されてきた環境にも,太陽高度や反射が作用し複数方向から入射するUVによる潜在的な暴露があることを明らかにした.
著者
手塚 純一 大塚 洋子 長田 正章 岩井 良成
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.BbPI2176, 2011

【目的】<BR> 長い間、小脳は純粋に姿勢の制御や随意運動の調節を行なうための神経基盤であると考えられてきた。1980年代半ばから、神経心理学・解剖学・電気生理学などの発展により、運動・前庭機能以外にも様々な認知過程に関与することが明らかになってきた。1998年にはSchmahmannとShermanが小脳病変によって生じる障害の4要素(遂行機能障害・空間認知障害・言語障害・人格障害)を小脳性認知・情動症候群(CCAS)として提唱した。しかしながらリハビリテーションの領域では小脳と高次脳機能についての報告は散見されるが症例報告に留まっており、特に理学療法における報告は少ない。本研究の目的は、小脳の損傷部位と臨床症状の関係について量的研究を行ない、理学療法における小脳損傷に伴う高次脳機能障害に対する対処の必要性を明らかにすることである。<BR>【方法】<BR>1.対象:<BR> 対象は2008年1月から2010年10月の間に脳卒中を急性発症し当院に入院した患者連続895例のうち、小脳に限局した病変を有する39例である。除外基準は1)脳室穿破、2)水頭症、3)発症前より明らかな認知機能低下を有する例とした。<BR>2.方法<BR> 調査項目は年齢、性別、梗塞・出血の種別、画像所見、臨床症状とした。画像所見は入院時に撮影した頭部CTもしくはMRI画像を利用し、小脳の損傷部位を虫部、中間部、半球部に分け列挙した。臨床症状は意識清明となった時点での運動失調、見当識障害、注意障害、記憶障害、言語障害、空間認知障害、人格障害について次の基準で有無を判定し列挙した。運動失調は鼻指鼻試験もしくは踵膝試験での陽性反応を、人格障害はFIM(Functional Independence Measure)社会的交流項目での減点を認めた場合に有とした。それ以外はMMSE(Mini-Mental State Examination )、HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)の、見当識障害:見当識項目、注意障害:計算項目及び逆唱項目、記憶障害:遅延再生項目、言語障害:物品呼称項目もしくは語想起項目、空間認知障害:図形模写項目、において減点を認めた場合に有とした。<BR>3.解析<BR> 損傷部位と臨床症状に関連があるかを、フィッシャーの正確確率検定を用いて検討した。なお統計学的判定の有意水準は5%未満とした。<BR>【説明と同意】<BR> 本研究は個人情報を匿名化した上で、その取り扱いについて当院の規定に則り申請し許可を得た。<BR>【結果】<BR>1.最終対象者<BR> 39例中5例は脳室穿破、水頭症もしくは発症前からの認知機能低下を有し対象から除外した。従って最終対象者は34例(男性18例、女性16例、平均年齢70.2±11.0歳)であった。<BR>2.脳損傷様式<BR> 小脳梗塞11例、小脳出血23例、損傷部位は虫部~半球部に渡るものが15例、虫部~中間部が8例、中間部~半球部が9例、半球部のみが2例であった。<BR>3.臨床症状<BR> 項目毎に発生数を計上すると、運動失調31例(91.2%)、記憶障害23例(67.6%)、見当識障害17例(50.0%)、注意障害14例(41.2%)、言語障害9例(26.5%)、人格障害5例(14.7%)、空間認知障害5例(14.7%)であった。上記の症状の多くは合併し、総合すると24例(70.6%)に何らかの高次脳機能障害を認めた。半球部に損傷がある26例のうち22例(84.6%)に何らかの高次脳機能障害を認めた。半球部に損傷がない8例のうち6例(75.0%)には高次脳機能障害を認めなかった。<BR>4.解析<BR> 検定の結果、有意な独立性を認めた項目は1)虫部~中間部の損傷と運動失調の発生率(p<0.01)、2)半球部の損傷と何らかの高次脳機能障害の発生率(p<0.01)、3)半球部の損傷と記憶障害の発生率(p<0.001)であった。<BR>【考察】<BR> 半球部は歯状核から視床外側腹側核を経由して運動前野や前頭前野・側頭葉に投射し、小脳-大脳ループとして認知機能に関与している。本研究で半球部損傷の多くに高次脳機能障害を認めたことは、SchmahmannとShermanの報告と一致した結果となった。多くの例に記憶障害を認めたことにより、CCASの概念で取り上げられている作動記憶の障害や視空間記憶の障害だけでなく、エピソード記憶の障害にも小脳が関与している可能性が示唆された。<BR> 記憶障害・注意障害等による生活指導の定着率低下や、人格障害による練習の拒否等の問題は、理学療法の進行に大きな影響を与える。半球部に損傷を認めた場合には、高次脳機能障害の有無を精査し対処していく必要があると考える。今後は半球部損傷のみの症例数を増やすと同時に、各臨床症状の半球部における責任領域について検討を重ねていきたい。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 小脳損傷に伴う高次脳機能障害は患者の学習や社会復帰において多大な影響を与える要素であり、理学療法においてもその研究と対策は重要である。本研究はその一助となると考える。
著者
松本 健 高橋 典明 植松 昭仁 大木 隆史 権 寧博 岩井 和郎 中山 智祥 橋本 修
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 (ISSN:18831273)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.171-178, 2012-09-27 (Released:2013-01-23)
参考文献数
20

症例は38 歳の男性.胸部異常陰影,ぶどう膜炎を指摘され紹介受診した.胸部X線検査にて両側肺門リンパ節腫脹,両中下肺野の小結節陰影を認め,TBLBにて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を証明した.緩やかな血清ACE値上昇と小結節陰影の増加を認めていたが,症状や呼吸機能障害を認めず,経過観察としていた.初診時より5年後に偶発的と思われる肺結核症を発症した.入院にて抗結核薬(INH,RFP,EB,PZA)治療を開始した.結核治療中,一時的に血清ACE値低下を認めたが,抗結核薬治療終了後より肺野病変の増悪と血清ACE値上昇を認めた.結核性病変の進展あるいはサルコイドーシスの活動性上昇を疑い,再度TBLBを行ったが結核菌を認めず,サルコイドーシスに矛盾しない所見であった.現在まで経過観察中であるが,無治療にてサルコイドーシスは寛解状態に至った.これまでに結核治療を契機に寛解状態に至ったサルコイドーシスの報告はなく,非常に稀な例であり,文献的考察を加え報告する.
著者
大垣 亮 竹村 雅裕 岩井 浩一 宮本 芳明 芋生 祥之 永井 智 宮川 俊平
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.189-196, 2014
被引用文献数
1

To examine risk factors for shoulder injuries with or without history of the injuries using the stratification analysis for collegiate rugby players. 71 elite rugby players from one university rugby club joined in the preseason medical screening related to their shoulder joints, including basic demographics, history of injuries, and physical findings at that time. Subsequently, the occurrence of shoulder injuries was recorded during four playing seasons. Analysis was stratified with or without history of the injuries; player without the past history of injury, 47 players; player with the past history of injury, 24 players. As a result of all players with the past history, 13 players sustained the shoulder injuries. Internal rotational range of motion [IR ROM] (OR, 1.5; 95%CI, 1.13-1.96; p=0.004), external rotational range of motion [ER ROM] (OR, 1.9; 95%CI, 1.21-2.87; p=0.005), horizontal flexion range of motion [HF ROM] (OR, 1.3; 95%CI, 1.03-1.64; p=0.025), IR muscle strength (OR, 0.4; 95%CI, 0.20-0.65; p=0.001) and rugby experience (OR, 1.2; 95%CI, 1.02-1.46; p=0.032) were associated with the shoulder injuries. On the other hand, 10 players sustained injuries of the players without the past history of injury. IR muscle strength (OR, 0.3; 95%CI, 0.11-0.72; p=0.008) and rugby experience (OR, 1.4; 95%CI, 1.11-1.66; p=0.003) were associated with the shoulder injuries. This study clearly showed that IR, ER, HF ROM, IR muscle strength and rugby experience were important initial risk factors for shoulder injuries. Moreover, IR muscle strength and rugby experience were important recurrence risk factors for shoulder injuries.
著者
佐藤 理 岩井 裕 吉田 英生
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.80, no.820, pp.TEP0360, 2014 (Released:2014-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
4 2

The purpose of this study is to clarify the effect of a component for high-pressure water separation, which is included in the air conditioning system of the general commercial aircrafts, on the air-cycle operation (reverse Brayton cycle); the high-pressure water separation consists of water separator and two heat exchangers called reheater and condenser, respectively. This paper briefly describes the typical system configuration of the air-cycle refrigeration progressed with evolutions in turbofan engine. Since nowadays, 4-Wheel air-cycle has been a trend on the aircraft air conditioning system, this paper theoretically shows its advantage on the basis of the thermodynamic cycle study. In the following chapters, an analysis was conducted on the interaction between a reheater and a condenser when each heat transfer performance changes from the baseline operating point. Also, the comparative study was made on the system performances by the 3-wheel and 4-wheel air-cycle. In addition, this paper describes how the heat transfer performance is designed for the reheater and the condenser under the system requirements for the entire air conditioning system.
著者
小林 有美子 佐藤 宏昭 岩井 詔子 村井 盛子 宇佐美 真一
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.192-198, 2010 (Released:2010-07-15)
参考文献数
16

今回我々は, 1997年から2007年までの間に岩手医科大学耳鼻咽喉科小児難聴外来を受診した, 明らかな外因のない両側感音難聴患者64例を対象とし, GJB2 変異, SLC26A4 変異, ミトコンドリアA1555G変異について解析を行った結果と, それ以前に本人及び家族の聴力検査, オージオグラムの特徴などから遺伝性難聴と診断されていた例と比較検討し, 遺伝性難聴の頻度がどの程度変化したのか, またそのオージオグラムの特徴について検討を行った。両側感音難聴64例のうち, 難聴の病因と考えられる遺伝子変異が見つかったのは11例 (17.2%) であった (GJB2 変異9例, SLC26A4 2例)。遺伝性難聴の頻度は遺伝子検査以外の検査から診断した例に遺伝子検査で確認された例を加えることによって, 全体の45.3%となった。遺伝子変異例のオージオグラムの特徴は, その左右対称性などこれまでに知られている遺伝性難聴の特徴と一致することが多いことがわかった。
著者
岩井 大慧
出版者
日本文化人類学会
雑誌
季刊民族學研究 (ISSN:00215023)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.51-57, 1949

The author is a pioneer in the study of shamanism. His interest dates from the presentation of his dissertationthesis : "The Religious Belief Proper to the Mongols-a Study of Shamanism" submitted to the Dept. of Oriental History at Tokyo University in 1917. His first research problem concerned the reason why the Mongols, who took up orthodox buddhism at their ascendancy, were converted into lamaism at the time of Khubilai Khan and also why they have remained so faithful to this cult. In the author's youth, however, academic circles did not regard shamanism as a legitimate and worthwhile topic for scientific investigation, and he encountered many obstacles. The donation of the Morrison Library in 1917 and the founding of the Toyo Bunko (Oriental Library) in 1924, as well as the development of field research by Japanese scholars on the peoples of the continent, changed the atmosphere. The study of shamanism has gradually become a favorite topic both in ethnological and historical studies.
著者
吉澤 悠喜 山下 和樹 岩井 信彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100880, 2013

【はじめに、目的】 自転車エルゴメーターは、ペダルの重さや回転数を変えることにより運動負荷量を調節できる。下肢の整形外科疾患において荷重制限の指示がなされている場合があり、体重計などで荷重値の測定は容易に行える。しかし、エルゴメーターにて下肢の運動を行う場合、足底にどの程度荷重されているか不明である。そこで今回、エルゴメーターの仕事量・回転数を変化させ足底にかかる荷重値を計測したところ、部分荷重期における患者の負荷設定を考慮する際の一助になる結果が得られた。若干の考察を加えてここに報告する。【方法】 対象者は健常男性10名で、年齢27.4±5.1歳、体重62.8±6.7kgである。自転車エルゴメーターはコードレスバイク65i(セノー株式会社製)を用いた。サドルは下死点のペダル上に足部を置き膝屈曲30°となる高さとした。足底にかかる荷重値の計測には両足部に靴式下肢荷重計(ANIMA社製、ゲートコーダMP-1000)を装着し、トークリップで足部を固定せず、ペダル上の足底位置は第2中足骨頭がペダルの中心に位置するように設置した。負荷設定は、仕事量を25w・75w・125w、回転数を20回転・50回転・80回転とし、各々を組み合わせた計9通りを実施、荷重値を計測した。なお、回転数の計測はメトロノームを設定し、その音に合わせて駆動させることにより調整した。ペダリング時間は各々30秒間とし、中間10秒間の荷重値を計測し、各対象者の利き足の荷重値を採用した。9通りのペダリング順は乱数表を用いてランダムに行い、各ペダリング間の休息は5分間とした。各々の負荷設定で計測された荷重値を記録するとともに、被験者毎の最大荷重値における体重比を算出した。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には本研究の目的・内容について説明し、本研究で得た情報は本研究以外には使用しないこと、拒否しても一切不利益が生じないことを説明し、同意を得た。【結果】 10名の被験者のうち体重比が最大であった症例の値のみ記載する。25w時、20回転で20.1%、50回転で26.1%、80回転で26.2%であった。75w時、20回転で35.4%、50回転で37.1%、80回転で51.1%であった。125w時、20回転で33.2%、50回転で56.1%、80回転で59.9%であった。 荷重値は、25w時、20回転で7.6±3.1kg、50回転で11.3±2.9kg、80回転で13.3±2.8kgであった。75w時、20回転で13.1±4.5kg、50回転で15.0±4.4kg、80回転で16.1±5.5kgであった。125w時、20回転で15.3±5.3kg、50回転で24.2±4.1kg、80回転で22.0±4.9kgであった。【考察】 エルゴメーターにおける仕事量は、ペダルの回転に対する接線方向に加わる力(回転トルク)と回転数によって求められる。よって、仕事量・回転数の変化に伴って回転トルクや足底にかかる荷重値も異なってくる。体重比において、上記結果のように体重比が1/3を超える設定は75w以上の時であり、中には1/2を越える者も存在していた。このことから、今回と同程度の体重であれば、部分体重負荷1/3荷重までと指示されている患者でも25w程度での設定ではエルゴメーターの使用ができる可能性が示唆される。また、体重比2/3を超える荷重値は存在しなかったことより、部分体重負荷2/3荷重以上が許可されている患者であれば125w程度の負荷設定でも使用できる可能性があることがわかった。ただし、これらはあくまで体重比であり、体重の違いによって比率が異なる。今回の被験者より体重が小さければ体重比は大きくなってしまうため、体重の考慮が必要である。またペダルから下肢の各部位へどのような力が加わっているのかということも考慮に入れる必要がある。本研究により健常男性がエルゴメーターを駆動した場合、どの程度足底に荷重されているかが明らかになったことで、整形外科疾患において早期からエルゴメーターを使用していくことへの一助になったと考える。 さらに今後は被検者数を増やし、また仕事量や回転数をより詳細に分割した設定で行うことで、その荷重値の傾向性を検証する必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】 自転車エルゴメーター駆動中の足底にかかる荷重値を知ることは、部分荷重期の患者にエルゴメーターを使用する際の負荷設定を考える上で、一つの指標になると考える。
著者
西山 圜 岩井 益美 佐々木 正史 中沢 則雄 片桐 晴郎
出版者
公益社団法人日本ガスタービン学会
雑誌
日本ガスタービン学会誌 (ISSN:03874168)
巻号頁・発行日
vol.23, no.89, pp.78-83, 1995-06
参考文献数
6
被引用文献数
1

The seven year program, designated "Research & Development of Automotive Ceramic Gas Turbine Engine (CGT Program)", which is conducted by Petroleum Energy Center, began in 1990 with the object of demonstrating the advantageous potentials of ceramic gas turbines for automotive use. Engine demonstration project in this program is being adressed by Japan Automobile Research Institute, Inc. team. The basic engine is a 100 kW, single-shaft regenerative engine having turbine inlet temperature of 1350℃ and rotor speed of ll0,000 rpm. This paper mainly describes the activities during the fourth year of the program. The engine components were experimentally evaluated and improved in the individual and various assembly test rigs, and an assembly test including rotating and stationary components, was performed under the condition of turbine inlet temperature of 1200℃.
著者
武士俣 貞助 岩井 実
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.1-9, 1973 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
2
著者
岩井 千春 岩根 久 岩田 聖子
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

日英比較による苦情対応のについての量的研究―アンケート調査と談話完成テスト(Discourse Completion Test)を日米で実施し、分析を開始する1. アンケート調査の質問内容の設定: 苦情対応の事例と対応方法、そして、苦情対応に関する意識を日本と(英語母語国の)アメリカで調査するため、質問内容を作成した。質問の形式は選択と記述の両方を採用し、調査実施前には接客業務の経験がある、日本人とアメリカ人の協力者にパイロット調査を行い、質問紙の完成度を高めた。2. 談話完成テストの質問内容の設定:アンケート調査と同時に、日本とアメリカで実施する談話完成テストの内容を作成した。談話完成テストは特定の状況(本研究では苦情対応)での具体的な発話内容を調査するものである。本研究では、談話完成テストの中で使用する苦情の状況を設定するために、頻繁に発生するタイプの苦情を研究し、更に、談話完成テストの協力者が答えやすい苦情の状況と質問を設定した。回答協力者に回答方法をわかりやすく示すために、最初に例題と答えの例を提示した。また、前項のアンケート調査と同様にパイロット調査を行い、質問内容の完成度を高めた。3. 日本とアメリカでアンケート調査と談話完成テストの実施:アンケート調査と談話完成テストともに、調査方法はインターネットを利用し、両調査ともに日米で調査対象者を接客業で苦情対応を経験した者に限定し、その上で各国で300を超える有効回答数を得ることができた。4. 分析(分析は30年度も実施): 前項までの調査データを分析している。アンケート調査の記述式回答や談話完成テストの回答はカテゴリー化して、日本人とアメリカ人の語用論的パターンを分析している。
著者
有田 真己 岩井 浩一 万行 里佳
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11477, (Released:2019-02-08)
参考文献数
27

【目的】在宅運動の実施者・非実施者における運動効果の実感の有無および自己効力感の差を明らかにし,運動効果の実感を認識する日常生活場面および身体部位を特定する。【方法】要支援・要介護者117 名を対象に質問紙調査を行った。調査項目は,属性,在宅運動実施状況,運動効果の実感の有無,在宅運動セルフ・エフィカシーとした。運動効果を実感する者に対しては,実感する日常生活場面および身体部位について聞き取った。【結果】運動効果の実感有りと回答した者は運動の実施者に多く,自己効力感の得点も有意に高かった。運動効果を実感する日常生活場面は,「歩く」,「立ち上がる」,「階段昇降」であり,実感する身体部位は,「下肢」,「腰」,「膝」であった。【結論】実感といった内在的報酬は,身近な日常生活の中で獲得されており,運動の継続に関与していることが示唆される。今後は,運動による効果を実感するタイミングについて明らかにする必要がある。
著者
後藤 育知 山崎 諒介 大谷 智輝 岩井 孝樹 籾山 日出樹 松本 仁美 金子 純一郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101962, 2013

【はじめに、目的】肩回旋筋腱板の断裂は棘上筋に最も多く生じるとされている.通常保存及び手術療法ともに4 〜6 週間の肩関節自動運動が禁止されることで,その期間の廃用症候群が問題となる.棘上筋は僧帽筋上部線維より深層を走行するため視診や筋電図学的に機能や構造を検討するには困難な解剖学的特徴をもつ筋といえる.そこで本研究では超音波画像診断装置を用いて深層に存在する棘上筋の筋厚を複数箇所測定し自動運動による棘上筋への負荷の程度や構造的特性を解明する事と,棘上筋の構造的特性を踏まえた廃用症候群を予防する方法について検討する事を目的に研究を行った.【方法】1)対象:肩関節障害の既往のない健常成人男性12名(平均年齢21.6±1.61歳,平均身長173.4±5.5cm,平均体重63.4±5.9kg)を対象とし,利き腕において計測を行った.2)方法:(1)測定機器は計測機器超音波画像診断装置(L38/10-5ソノサイト社製)を用いた.(2)棘上筋筋厚の計測方法:棘上筋の測定肢位は椅子座位にて上肢下垂位,耳孔‐肩峰‐大転子が一直線上となる肢位で行った.測定部位は肩峰と棘三角を結ぶ線に上角から下した垂線(以下,上角ポイント),肩峰と棘三角を結ぶ線の中点(以下,中点ポイント)の2 点を棘上筋の走行に対して直角に超音波画像診断装置のプローブ面を全面接触させて測定した.測定する肩関節外転角度は安静下垂位(外転0°),外転10°,30°,90°の角度において無負荷で測定を行った.(3)統計処理:各ポイントにおける角度ごとの比較は一元配置分散分析にて多重比較検定を行い,異なるポイントの角度ごとの比較には,正規性の確認後,対応のあるt検定を用いた.いずれも有意水準は5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】超音波による棘上筋厚の測定の実施に際し,本研究に関する説明を担当者から行い,研究で得られた結果は目的以外に使用しないことなどを十分に説明し文書にて同意を得た.【結果】上角ポイントでは棘上筋の筋厚は0°で0.9 ± 0.34cm,10°で1.02 ± 0.37cm,30°で1.15 ± 0.33,90°で1.65 ± 0.28cmで,90°において最も筋厚が厚くなり,0°,10°,30°と比較して統計学的に有意に厚くなったことが明らかとなった.また,0°,10°,30°において各々を比較した場合では統計学的に有意差を認められなかった.中点ポイントでの筋厚は0°,10°,30°,90°それぞれの角度間において棘上筋の筋厚に統計学的有意差は認めなかった.【考察】今回の研究において上角ポイントにおける筋厚は,肩関節外転0°〜30°において各々を比較した場合,棘上筋の筋厚に統計学的有意差は認められなかったが,0°,10°,30°での筋厚を90°と比較した場合では統計学的有意差が認められた.坂井らによると,肩関節外転における棘上筋は通常最初の10°までに働いているとされており,肩関節10°付近で筋厚が最大膨隆するという仮説が考えられた.また,棘上筋は30°まで作用するとされる説もあるため30°付近においても筋の膨隆はプラトーに達すると考えられた.しかし,得られた結果より肩関節外転0°〜30°における棘上筋の筋厚に統計学的有意差が見られなかったことから,0°〜30°までは負荷が増大しても筋厚が変化しないことが明らかとなった. 中点ポイントでは角度間において,統計学的に有意な差を認めなかったことから,測定部位が異なれば負荷の影響は同じであっても筋厚の変化は異なることを示している.これら2 ポイントの異なる筋厚の変化は羽状筋である棘上筋とその収縮様式,筋の起始部が関係しており,自動外転90°の最大負荷時に筋腹部が上角ポイントに滑走し,中点ポイントでは同じく90°で平均値が最も低値である事から筋腹部から筋腱移行部になったことで90°での筋厚が薄くなったと考えられる.つまり30°〜90°での筋の滑走が最も大きかったと推察される.【理学療法学研究としての意義】臨床における腱板断裂例では手術療法後の肩関節自動運動禁止による廃用症候群が早期ADL獲得に影響を与える.この問題に対し今回の結果から,0°〜30°の範囲内の肩関節外転自動運動は棘上筋に筋厚に変化がみられないことから,この角度範囲であれば筋厚を高めることなく収縮を促すことができ,肩関節自動運動禁止による棘上筋の廃用性筋萎縮を予防できる可能性があることが示唆された.