著者
飯塚 正英 工藤 暢宏 木村 康夫 荻原 勲
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.767-773, 2001-11-15
参考文献数
25
被引用文献数
4 4

ユキヤナギ(Spiraea thunbergii)とシモツケ(S. japonica)を交配して赤花のユキヤナギの作出を目的として, 両種間で正逆交雑を行った.1. 乾燥条件, -30℃で貯蔵した花粉は貯蔵後360日でも発芽および受精能力を維持することがわかった.2. S. thunbergii×S. japonicaでは, -30℃で270日間貯蔵した花粉は柱頭上で良く発芽し, 花粉管は花柱内を伸長して子房内の胚珠に達し, 10日後には胚珠の肥大が観察された.一方, S. japonica×S. thunbergiiでは, 花粉は柱頭上で良く発芽したが, 子房内の胚珠へ到達しなかった.3. S. thunbergii×S. japonicaの交配16日後に摘出して培養した胚珠は正常に発育する実生を生じ, 8個体が得られた.それらの個体の形態は両親の中間を示し, RAPDパターンは両親のバンドを併せ持ったことから雑種植物であると判断した.
著者
工藤 孝浩
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.66-68, 2014 (Released:2014-01-29)
参考文献数
6
被引用文献数
2
著者
工藤 晴美 田中 絵弓 蓬田 淳 梶原 絢子 中島 美和
出版者
一般社団法人 日本救急看護学会
雑誌
日本救急看護学会雑誌 (ISSN:13480928)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.40-48, 2017 (Released:2017-08-31)
参考文献数
12

本研究は、救急外来における酩酊状態にある患者の現状を把握し、看護実践の課題を明らかにすることを目的とした。救急外来看護師を対象に、無記名自由記述式質問紙調査を行い、質的帰納的に分析を行った。分析の結果、酩酊状態にある患者に対する看護実践の課題は、【飲酒による行動予測の困難さ】、【飲酒による判断力の低下に関連した対応困難事象】、【院内での迷惑行為】、【不測の事態への医療者の心理的負担】、【酩酊状態にある患者・付き添い者のケアにおける苦慮】に分類された。結果より、酩酊状態にある患者は、意思の疎通が図り難く、行動の予測が困難で、迷惑行為による医療者への危害の可能性がある中で、看護師は状況に応じて看護実践を行っていることが明らかとなった。さらに、酩酊状態にある患者の症状は一時的であるため、軽症と認識される傾向になる中で、その看護実践に焦点を当てた報告は少なく、対応に苦慮していた。救急外来という時間的制限がある中で患者や付添者を含めた再発予防への指導が必要であるため、飲酒行為の背景を情報収集しながら、状況に応じた危険予測、患者指導を含めたツールの作成が必要である。
著者
川口 弘哲 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.130, no.12, pp.2180-2181, 2010-12-01
参考文献数
2

We aim to discover the factors of an unpleasant sound by processing the sound in the frequency domain. The processed sounds have the same amplitude envelope as an unpleasant sound, and consist of only one or two peak frequencies of the original unpleasant sound. Using these sounds, we attempt to specify a frequency band relating to unpleasantness. As a result, the sound with two pair of peak frequencies tends to make subjects feel unpleasant compared with one peak, and subjects feel unpleasant by the sounds having peaks in 2kHz and 9kHz around. Next, we investigate whether the sound becomes unpleasant by adding the amplitude envelope of unpleasant sounds. The result shows that addition of the envelope makes subjects feel unpleasant compared with the carrier alone.
著者
有本 友季子 工藤 典代 斎藤 真純 留守 卓也
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.50-53, 2003 (Released:2012-09-24)
参考文献数
11

Eighty-two children, consisting of 60 males and 22 females who were suffering from language retardation, visited our department over the past two years and contributed to the study. The mean age of the children was 3 years and 3 months at the first consultation. Many of the children were referred to us by otolaryngologists who first found the impairment of language development. Around 88% of the children suffering from language retardation were affected by certain psychiatric problems such as mental retardation (fifty-four children,66%) and autism. Seven patients (9%) were affected by a considerable hearing deficit including five patients with severe hearing loss.
著者
中場 勝 結城 和博 佐藤 久実 佐野 智義 櫻田 博 本間 猛俊 渡部 幸一郎 水戸部 昌樹 宮野 斉 後藤 元#森谷 真紀子#中場 理恵子#齋藤 信弥#齋藤 久美#小関 敏彦#工藤 晋平
出版者
山形県農業総合研究センター
雑誌
山形県農業研究報告 (ISSN:18834655)
巻号頁・発行日
no.3, pp.27-51, 2011-03

「山形100号」は,山形県立農業試験場庄内支場(現山形県農業総合研究センター水田農業試験場)において,良質の「山形75号」を母に,東北農業研究センターで育成したいもち病に強い「奥羽366号」(後の「ひゅらひかり」)を父に人工交配し選抜育成した水稲品種である.奨励品種決定調査において有望と認められ,2010年に山形県の奨励品種(認定品種)に採用された.熟期は育成地では"中生の晩"に属し,稈長は"中稈",草型は"中間"で,耐倒伏性は「ひとめぼれ」より強い"中"である.いもち病真性抵抗性遺伝子型は"Pia,Pii"と推定された.葉いもち圃場抵抗性は"強",穂いもち圃場抵抗性は"極強"である。障害型耐冷型は"強",穂発芽性は"やや易"である.「はえぬき」に比べ,玄米千粒重は3g程度重く,収量性は高い.玄米品質は乳白粒などの白未熟粒が多く発生しやや劣る.胴割程度は,「ひとめぼれ」並に低く,「雪化粧」より明らかに低い.試験醸造の評価は,雑味がなくすっきりと淡麗な酒質となり,甘口,辛口など様々なタイプの酒に対応でき,掛米用として醸造適性に優れる.山形県における栽培適応地帯は,平坦地域から中山間地域で,普及見込み面積は500haである.
著者
工藤 由紀子 武田 利明
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.25-34, 2009
被引用文献数
1

本研究では,後頭部への冷罨法の有効性に関する実証データを得ることを目的とし,蒸し暑い条件下で氷枕を使用した健康な成人を対象として研究を行った.対象は50歳代前後の成人男性13名(54.9±5.1歳) であった.冷罨法に対する対象の主観をもとに,属性,POMS,血圧,呼吸,心拍変動を検討した.<br/> その結果,主観的評価では冷罨法の好感度が高い「快適群」は7名,好感度が低下あるいは変化がない「非快適群」が6名であった.POMSではT-A (緊張-不安),D (抑うつ-落ち込み),F (疲労) において冷罨法前後の得点の主効果が有意であり,冷罨法後の得点が低下していた.血圧や呼吸などの循環動態では有意差がなかったが,心拍変動では心拍数において冷罨法前後で交互作用が認められ,「快適群」において冷罨法前後の単純主効果が有意であった (p<0.001).<br/> また「非快適群」の6名について個別に検討した結果,2名がPOMSのT-A (緊張-不安),F (疲労)において冷罨法後に得点が上昇していた.また冷罨法後に呼吸数,心拍数,LF/HFが上昇している対象がおり,それぞれPOMSのネガティブな気分が上昇している対象と同一であった.<br/> 以上の結果から,冷罨法を快適であると感じる対象に関してはPOMS,心拍変動の面から裏づけとなるデータを得ることができた.しかし冷罨法を快適と思わない対象に冷罨法を提供するのは,主観的な面,および生理学的視点から望ましくない影響があることが示唆された.
著者
工藤 昭彦
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

今年度は主に,アンモニア水溶液の分解反応に活性を示す可視光応答性金属硫化物・酸化物粉末光触媒の開発を行った.Cu2ZnGeS4金属硫化物光触媒は570 nmに吸収端を有しており,可視光領域まで利用することができる.このCu2ZnGeS4光触媒にRu助触媒を担持し,可視光照射下におけるアンモニア水溶液の分解反応を試みた結果,水素と窒素が3:1の化学量論比で継続的に生成した.さらに,波長依存性を調べたところ,本反応がCu2ZnGeS4光触媒のバンドギャップ励起により進行していることが明らかとなった.次に,Cu2ZnGeS4光触媒の長波長応答化を目的として,同様のStannite構造を有するCu2ZnSnS4光触媒との固溶体を調製した.その結果,固溶比に応じて,吸収端を570-850 nmの範囲で制御できた.これらCu2ZnGe1-xSnxS4 (x=0~0.8)固溶体は,Ru助触媒を担持することで,可視光照射下でのアンモニア水溶液の分解反応に活性を示した.このように,Cu2ZnGeS4およびCu2ZnGe0.2Sn0.8S4金属硫化物光触媒を用いて,可視光照射下におけるアンモニア水溶液の分解を達成した.一方,水素生成反応に活性を示すIr,La共ドープBaTa2O6光触媒をアンモニア水溶液の分解反応に応用展開した.その結果,Pt助触媒を担持した光触媒が,可視光照射下においてアンモニア水溶液の分解反応に活性を示し,化学量論的に水素と窒素を継続的に生成した.このように,Ir,La共ドープBaTa2O6がアンモニア水溶液の分解反応に活性を示す新規可視光応答性金属酸化物光触媒であることを見いだした.
著者
石渡 奈緒美 堤 一磨 福岡 美香 渡部 賢一 田口 靖希 工藤 和幸 渡辺 至 酒井 昇
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.265-274, 2012-08-05
参考文献数
19
被引用文献数
1

IHクッキングヒーターを加熱源とし,フライパンでハンバーグを片面ずつ焼成する時の温度と水分移動を予測できる数学モデルを構築するため,モデル試料(シリコン,ボロニアソーセージ)を用いた解析を行った。蓋をしたフライパン内全体を調理空間とみなした伝熱モデルは,IH発熱層,フライパン伝熱層,フライパンと試料との接触層および試料から構成される伝導伝熱領域と,フライパン内の空気との熱伝達からなる。試料表面と空気との熱伝達とともに,フライパンから空気への放熱が,試料の温度上昇に影響をおよはずことから,試料のないフライパン面と空気との熱伝達も考慮した。水分移動の計算では,試料表面とともに,試料内部も水分蒸発の計算領域とした。本モデルの妥当性を検証するため,調理中に形状が一定とみなせるボロニアソーセージを用い,中心温度50℃で一度反転させた際の温度と含水率変化を算出した。その結果,解析値は実験値と同様な傾向を再現可能であった。
著者
工藤 雄一郎
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.178, pp.7-28, 2012-03-01

「縄文時代の始まり」あるいは「最古段階の土器」の研究は1950年代以降,¹⁴C年代測定と古環境研究の進展と常に密接に絡みながら進んできた。そこで本論では,これらが更新世/完新世(洪積世/沖積世),氷期/後氷期の境界,あるいは晩氷期と,どのように対比されてきたのかに注目して,戦前から現在までの研究の流れを整理した。縄文時代の始まりは沖積世の海進のピーク以後というのが戦前の一般的な地質時代観であったが,それが大きく変わる画期となったのが撚糸文土器の発見と夏島貝塚の¹⁴C年代測定であった。9,000年前を遡る土器と後氷期の開始が結び付けられ,考古学界には「後氷期適応論」が普及した。1963・1966年に公表された福井洞窟や上黒岩岩陰の¹⁴C年代は12,000年代まで遡り,氷期/後氷期の境界として認識されていた1万年前を超え,最古の土器を縄文時代から切り離す時代区分が提案されるきっかけとなるとともに,土器の出現と晩氷期との対比も始まった。1990年代になると,グリーンランド氷床コアなどの高精度の古環境研究が公開され,較正曲線IntCal93によって土器の出現が15,000年前まで遡る可能性が示されたが,決定的な画期となったのは1999年に公表された大平山元Ⅰ遺跡の較正年代であった。土器の出現が16,000年代まで遡るとともに,晩氷期を突き抜けて最終氷期の寒冷な環境下で土器が使用され始めたことが判明し,「土器出現の歴史的意義」と時代区分の画期としての土器の出現についても再検討が行われはじめた。2000年「佐倉宣言」以降は較正年代の理解とその使用が普及し縄文時代の始まりの年代と古環境との詳細な対比が行われるようになり,時代区分の再検討も進みつつある。
著者
小沢 久美子 坂本 弘子 市川 裕美子 下川原 久子 久保 宣子 工藤 美恵子 木立 るり子 五十嵐 世津子 坂本 保子 木村 緑 田口 千尋 一戸 とも子 木村 千代子 笹竹 ひかる
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1_37-1_46, 2018

目的:看護学生のSNSの利用状況とITリテラシー教育経験および道徳的感受性との関連を明らかにすることを目的とした。<br>方法:A県内における看護師養成機関10校の在学生を対象に,質問紙調査を行った。質問内容は,基本属性,SNS利用の実際,ITリテラシー教育の経験,改訂道徳的感受性質問紙日本語版とした。<br>結果:92.8%がSNSを利用し,82.3%がほぼ毎日利用し,90.0%がLINEを利用し,クラスメイトとの連絡手段に多く利用していた。SNSへの問題認識は42.5%で,ITリテラシー教育経験,SNSの被害経験と関連があった。<br>結論:ITリテラシー教育は情報モラル教育告示後のSNSの使い方への影響が示唆された。道徳的感受性は,看護教育課程別に差が認められたが,教育背景や経験,生活環境によるのかの判断はむずかしく,また,SNSの使い方との関連も明確にならなかった。
著者
奥田 薫 工藤 英一 林 栄里 水野 拓也 永井 美智子
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.38, 2016

一般的に、宝石鑑別機関では、①ダイヤモ ンドのグレーディング(4C)と②宝石の鑑 別の 2 種類において、それぞれに証書の発 行およびソーティングを行っている。これ らの証書およびソーティングの依頼は、そ の石の取引を円滑にすることを目的として 行われることが多い。 特に、①のダイヤ モンドのグレーディングに対し、②の宝石 鑑別では、全ての天然石および人工石が対 象となるため、その依頼内容には、実際に、 その時にどのような宝石が市場に流通して いたのかが、反映されていると考えられる。<br>今回、中央宝石研究所(以下、CGL)が過 去 5 年間に受けた宝石鑑別依頼の内容から、 そこに反映されている市場動向について調 査を行ったので、その結果について報告する。 <br>CGLの過去5年の宝石鑑別の実績を調査し たところ、毎年、天然石として約 400 種類、 人工石として約 30 種類の鑑別が行われて いた。 しかし、それぞれの宝石種の鑑別依頼個数 を比較すると、上位 5 種類の宝石種で全体 の約 50%を占める結果となっていた。 <br>年度によって順位は変動していたが、常に上位を占めていたのは、「ルビー」、「ブルー サファイア」、「ダイヤモンド」および「エ メラルドで、特に、「ルビー」および「ブル ーサファイア」を含む「コランダム」は、 調査期間中を通じて、常に全体の約 30%を 占めていた。 <br>鑑別依頼個数の変化では、大部分の宝石種 において、大きな変動は認められなかった が、「さんご」、「エメラルド」および「ブラ ックオパール」において、明らかな増加傾 向が認められた。また、「ジェダイト」、「クリソベリルキャッツアイ」および「こはく」 にも同様の傾向がみられた。 反対に、減少傾向を示した宝石種は少なく、「ダイヤモンド」および「ロッククリスタル」において認められたのみであった。 <br>日本から国内外で消費された宝石に関する 正確なデータを知ることは難しいが、近年、 日本の宝飾業界に「中国市場」と「再流通 市場」が、大きな影響を及ぼしていること は周知の事実である。また、単価が低いな がらも、「パワーストーン市場」の影響も無 視することはできない。今回得られたデー タは、それらの動向を十分に裏付けるものであった。