著者
斉藤 修
出版者
長浜バイオ大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、渋味の分子機構解明に向け「味覚神経上ではTRPA1とTRPV1が緑茶カテキン(EGCG)を感じる渋味センサーであり、それらが活性化されることが渋味感覚を導いている。」という仮説を立て研究を進めた。結果、調製後時間経過し酸化したEGCGのみが、TRPA1、TRPV1、更に培養感覚神経を活性化すること、更に酸化EGCG溶液中のTheasinensin Aが、それらの活性化を引き起こす物質の一つであることを突き止めた。また、酸化EGCGへの各動物種のTRPチャネルの応答性の違いからキメラ解析を行い、両TRPチャネルとも6回膜貫通部位に酸化EGCG応答に重要な部位が存在することが判明した。
著者
斉藤 毅 長瀬 博
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.90-96, 2016-05-01 (Released:2018-06-01)
参考文献数
19

睡眠覚醒や摂食を制御する因子であるオレキシン系の発見以来、これまで多くのオレキシン受容体アンタゴニストが見出されてきた。一方で、作動活性を有する低分子アゴニストについては、未だ報告はない。われわれは、内因性リガンドであるオレキシンが、ナルコレプシーをはじめとする睡眠疾患や糖尿病、肥満に効果的であることに注目し、オレキシン受容体作動活性を有する化合物の探索研究を行った。スルホンアミド構造を有するHTSヒット化合物を分子基盤とし、独自の分子設計コンセプトを活用した最適化研究を行うことで、オレキシン2受容体選択的アゴニストYNT-185を世界に先駆けて見出した。YNT-185はin vivoにおいて、オレキシンと同様に顕著な覚醒誘導、維持作用が確認された。また、本化合物はナルコレプシーモデルマウスを用いた投与実験において、劇的にその症状を改善した。
著者
岩崎 雄介 織田 ももこ 佃 優里 永森 裕季 中澤 裕之 伊藤 里恵 斉藤 貢一
出版者
[日本食品衛生学会]
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.167-176, 2014 (Released:2014-10-29)

食品添加物は,保存料,甘味料,着色料,香料など,食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されている。個別では安全とうたわれていた食品中の化学物質でも生体内で相互的な複合反応を引き起こし,想定外な影響を与える可能性がある。本研究では食品添加物の安全性を評価するために,酸化防止剤と金属の複合反応に着目し,ラジカルを選択的に検出可能な電子スピン共鳴装置(ESR)を用いた活性酸素種(ROS)生成の評価を行った。酸化防止剤と各種金属を反応させたところ,鉄と銅以外のミネラルや微量金属はROSの産生に寄与しなかった。しかし,特定の酸化防止剤は銅と反応することで,ROSが産生されDNAの酸化と切断を引き起こし,酸化ストレスを惹起させていることが示唆された。
著者
加藤 澄 斉藤 まなぶ 飯村 龍一 田中 真寿美
出版者
青森中央学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

①日本語話者の自閉症スペクトラム障害(以後ASD)児/者及び定型発達児/者の話し言葉のコーパスを基に、選択体系機能言語学(SFL)の理論的枠組みによる語彙-文法資源の選択網を作成し、ASD児/者が選択する語彙-文法資源と定型発達児/者のそれを対照し、ASD児/者の言語資源の選択網を作成する。②①で得られたシステムネットワーク(選択網)を基に、ASD児/者の言語選択のアルゴリズムを作成し、ASDの言語脳解析及び言語セラピーへの適用を目指す。③①のコーパスに対応する英語話者のASD児/者及び定型発達児/者のコーパスを構築し、選択網の対比マッピングを行い、日英語の語彙-文法資源選択の対照研究を行う。
著者
依田 明 繁多 進 斉藤 浩子 青柳 肇 滝本 孝雄 鈴木 乙史 清水 弘司
巻号頁・発行日
1987-03

科学研究費補助金研究成果報告書, 課題番号60301013, 1985年度~1986年度, 総合研究(A)
著者
常徳 千夏 松井 聖 斉藤 篤史 西岡 亜紀 関口 昌弘 東 直人 北野 将康 橋本 尚明 角田 慎一郎 岩崎 剛 佐野 統
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.189-197, 2015-09-30 (Released:2015-11-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

目的:関節リウマチ(RA)の治療は近年大きく変化しており,抗リウマチ薬に加え生物学的製剤が7種類使用できるようになった.このため,相互作用や副作用管理が急務となり.医療師全体で取り組む事が重要となってきている.今回,調剤薬局薬剤師の関わりの実情と問題点を把握し,今後の薬剤師の役割の方向性を考えるためアンケート調査を実施した. 対象:兵庫医科大学病院外来通院中RA患者のうち,平成25年3月~5月に当薬局に来局,本調査への参加に同意した70名を対象にアンケート調査を実施した. 方法:日常診療実態下における非介入試験 ①日常生活動作 ②関節リウマチ治療状況 ③精神的影響に関する状況のアンケートを実施した. 結果:メソトレキサート(MTX)に関しては,効果の理解度は86%と高かったが,用法の不便さを訴える回答がみられた.生物学的製剤については,注射へのストレスを感じないが67%で,効果を実感している回答も62%と半数を超えた.しかしながら,副作用への不安や,高額の医療費の負担の不安もあった. 結論:調剤薬局薬剤師として,MTXや生物学的製剤などの積極的な治療が必要な患者さんには,積極的に関わることで,個々の状況を聞き取り不安や問題の解決を目指すことにより,アドヒアランスの向上及び治療成功へのサポートを行って行くことが重要であると考える.
著者
佐久間 俊雄 倉持 寛太 斉藤 英樹 増谷 雪雄 望月 美千代 森下 諦三
出版者
日本土壌肥料學會
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.197-202, 1989
被引用文献数
3

以上の実験結果および考察はつぎのように要約できる。 1)軽水電界水素ガスをキャリアーガスとして用いることにより,検出加減を低く維持し,繰返し精度および再現精度を向上することができ,天然存在率以下のD/Hを精度良く測定できる。 2)この場合,較正曲線は良子な直線性を示し,D/H測定の信頼幅は,反複数40以上で3ppm以内(100〜1000ppmの範囲),反複数5でも8ppm以内(100〜260ppmの範囲)であった。3)市販超高純度水素をキャリアーガスとして用いる場合,軸正曲線の直線性には問題はないが,繰返し精度・再現精度は,軽水電界水素ガスをキャリアーガスとして用いたときよりやや悪かった。 4)土壌サンプルを用いた直接真空蒸留にはサンプルフラスコを大容量にするのが効率的であり,精度を損なうこともなかった。 5)テンションライシメータ法は土壌水の継続サンプリングに適しており,pF=2.5相当程度以上の水分率で有用であった。抽出に伴う同位対効果はわずかではあるが認められ,補正の必要があった。6)圃場実験に際しては,土壌水による希釈が著しく,自然存在率付近から300ppm程度までのD/H範囲における測定が多くなり,高い再現性度が要求される。軽水電界水素ガスをキャリアーガスとして用い,一連の測定ごとに2点較正することによって,測定日の違いによる誤差を補正して満足すべき結果を得た。
著者
斉藤 成也
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.111, no.6, pp.832-839, 2002-12-25
参考文献数
12
被引用文献数
1 1
著者
平井 晃一 佐々木 章史 近藤 武 秋山 知宏 金内 昭憲 天田 望 斉藤 祐二 中野 清治 高瀬 真一
出版者
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
雑誌
体外循環技術 (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.149-154, 2013 (Released:2013-07-24)
参考文献数
19
被引用文献数
1

開心術体外循環中に生じた高カリウム血症(K=5.5mmol/L以上)を補正する手段として、体外循環中でも簡便に施行できる落差灌流式血液透析濾過法を考案した。体外循環中に高カリウム血症を呈し本法を施行した連続11症例(男:女=2:9、平均年齢63.6&pm;12.9歳)を対象とした。本法では輸血セット(内径3.0mm)を用い、血液濾過用補充液(サブラッド®BSG)を落差により血液と向流になるように血液濃縮器(MAQUET BC140plus®)ホローファイバー外側を灌流させた。総落差は150cm、血液流量は400mL/minとした。体外循環中の心筋保護液注入によるカリウム負荷量は69.0&pm;33.1mmolで、照射赤血球濃厚液輸血量は5.5&pm;3.6単位であった。血中カリウム濃度の最高値は6.41&pm;0.76mmol/Lであったが、本法の施行により体外循環離脱までに4.82&pm;0.22mmol/Lと有意に(p<0.0001)低下した。また体外循環開始直後と離脱直前ではナトリウム、カリウム、水素イオン濃度指数、重炭酸イオン濃度に有意差を認めなかった。本法は体外循環中に生じた高カリウム血症の補正に有用であった。
著者
山西 浩規 武部 恭一 田中 宏一 野村 一太 福原 良太 斉藤 洋輔 武政 誠一
出版者
社団法人 日本理学療法士協会近畿ブロック
雑誌
近畿理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.57, 2007

【はじめに】骨化性筋炎とは筋挫傷に伴い、時に不適切な治療が原因で筋肉内に骨形成が起こり、局所の腫脹、自発痛、運動制限がみられる疾患である。今回、サッカー練習中に受傷した症例に対し競技復帰のために、疼痛の緩解と可動性の拡大を目的とした理学療法(以下PT)を行ったので報告する。【症例紹介】14歳男性。サッカー練習中に右大腿部を強打し受傷、その後接骨院で治療を受けていたが、1ヶ月経過しても疼痛が軽減せず、当院を受診した。X-P像の結果、右大腿部前面に異所性骨化が認められ、骨化性筋炎と診断した。本人及び家族の競技復帰への希望が強く、当日より当院にてPT(5回/週)を開始した。初診時、関節可動域(以下ROM)膝屈曲は自動で110°、他動で115°で大腿部前面に疼痛が認められた。膝伸展は他動0°であったが、extention lagが40°認められた。その他の関節には制限はなかった。徒手筋力検査(以下MMT)は右股関節屈曲、外転、膝関節屈曲が4レベル、伸展は2+レベルで疼痛があり、SLRも不可であった。また、歩行時に疼痛性跛行が認められたが、独歩可能であった。しかし、階段降段時に右大腿部の疼痛が強く一足一段では不可であった。大腿周径は特に左右差は認められなかった。PTプログラムは、疼痛の緩和を目的に温熱療法と超音波などの物理療法、関節ファシリテーション(以下SJF)、ROM運動や筋力増強運動を行った。骨化性筋炎では、過度な抵抗運動や他動運動では、筋に対してストレスがかかり、再出血が生じ、骨形成につながる可能性があるため、ROM運動や筋力増強運動時は疼痛自制内で自動運動のみ実施した。また、全身バランスの調整を目的にバランスボードを行った。また、完治するまで、サッカーの練習は中止とした。PT実施1週目で、ROMが自動で膝屈曲115°、膝伸展‐20°、SLR30°まで改善し、5週目で、ROMは膝屈曲150°、膝伸展0°、SLR90°、MMTも5レベルとなり、疼痛も軽減され階段降段も一足一段で可能となった。約8週目でジョギング許可、9週目よりボールを用いた練習を取り入れ、11週目で競技復帰も許可し、試合に出場可能となった。X-P像では骨化像の消失、増大傾向は見られなかった。【考察】今回の症例は物理療法やSJFを用いて疼痛を抑制し、疼痛自制内でPTを行うことで、疼痛の緩解、筋の伸張性が向上した。その結果、ROM改善につながったと考えられる。しかし、本症例は異所性骨化が残存していることから、サッカー復帰後も、クラブの指導者などと連携して経過の観察が必要だと考える。

1 0 0 0 比較国会論

著者
斉藤隆夫著
出版者
渓南書院
巻号頁・発行日
1906
著者
小谷 潔 斉藤 毅 立花 誠 高増 潔
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.252-260, 2005 (Released:2007-01-19)
参考文献数
26
被引用文献数
3

Respiratory sinus arrhythmia (RSA) is well known as a noninvasive index of cardiac vagal activity, which has an important role in maintaining homeostasis. In this study, we improved the signal processing of RSA in the respiratory phase domain for real-time analysis and used results of this signal processing to control the mental arithmetic workloads of subjects. Four healthy subjects performed two experiments : a self-speeded workload and a real-time task controlled workload. In these experiments, we obtained R—R intervals from electrocardiograms with a sampling frequency of 1 kHz, and respiratory information from elastic chest band with a sampling frequency of 100 Hz. Further, we placed an accelerometer on the larynx and sampled at the rate of 100 Hz. First, we conducted the self-speeded task experiment for 10 minutes. Subjects were required to do mental arithmetic at their best pace and to take two rest periods, approximately 1-minute each. The amplitude of RSA after averaging 24 respirations was lower when the subjects were working than when they were resting (P <0.001); we found that the amplitude of RSA reflects even short-term working or resting. This suggests the possibility of controlling the mental workload by using RSA amplitude data. Second, the average of rest and working RSA amplitudes was set as a threshold. If the average RSA amplitude for a subject's last 24 respirations was higher than the threshold, we assigned a mental arithmetic task at a pace of 20 questions per minute; if the average was lower, we stopped the task. Results of the experiment showed that the RSA amplitude was controlled well by changing the workload. In both experiments, the value of the RSA amplitude varied among individuals and within individuals, but the sensitivity to a task remained unchanged within individuals.
著者
鈴木 省三 左 久 斉藤 保則 坂口 昭彦
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告 第1部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.p317-321, 1982-08

搾乳室進入順位と待機場内における各牛の位置・動態との関係から,進入順位決定に関与する要因を検討する目的で,ロータリー式搾乳室を利用する39頭の搾乳牛群について,15日間,30回にわたり,各個体の待機場内における移動状態を1頭進入するごとにフィルムにおさめた。待機場内の最初の位置は,最上位グループが最前列を選び,最下位グループは最前列を避ける他は場所を選ばず,中間グループは上位ほど前方に位置する傾向があった。待機場内では,1頭が搾乳室へ進入するごとにかなりの個体が位置を変え,総体的には逐次前方に移動するが,同じ位置に長くとどまるもの,一挙に2ゾーン以上前進するもの,後退するものなどがみられた。中間グループでは搾乳室進入に対する個体間の優劣関係は不明瞭で,待機場内の最初の位置,隣接する他の個体との関係,個体の習性・状態など偶発的要因が複雑に関与してその時々の進入順位を変えるものと推察された。