著者
小田 亮太郎 日高 大輔 大田 知行 角田 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.211-229, 2010-02-01

近年,携帯電話やPDA,ノートパソコンなどの無線通信機器を搭載したモバイル端末が広く普及しており,アドホックネットワークが注目されている.アドホックネットワークではノードの移動により,ノードの分布密度やネットワークトポロジーが頻繁に変化する.ノードの分布密度が一様でない場合,すべてのノードが一定の送信電力で通信を行うことは非効率的であり,消費電力の増加や電波干渉を引き起こすと考えられる.本論文では,隣接ノード数に基づく適応型電力制御法を提案する.提案方式は,自律分散クラスタリングを用いることで隣接ノードとの距離を測定する.そして電波の送信範囲内のノードが一定個数以下となるように自身の送信電力を制御する手法である.また,シミュレーション実験により提案方式の評価を行う.
著者
園田 直子 日高 真吾 岡山 隆之 大谷 肇 増田 勝彦 青木 睦 近藤 正子 増田 勝彦 青木 睦 金山 正子 関 正純 村本 聡子 森田 恒之 大江 礼三郎
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

図書・文書資料に適用できる劣化度評価法のうち、ローリングテストはほぼ非破壊で実施でき、通常の物性試験では測定不可能なほど劣化の進んだ紙の劣化度評価に適用できる可能性を持つ。アコースティック・エミッションは最小限の破壊はあるものの、劣化度評価に有効である。極微量のサンプル量を必要とする熱分解分析法は劣化度評価だけでなく、これにより劣化機構の違いが解明できることが示唆された。紙の劣化度を考慮に入れながら強化処理法を検証した結果、セルロース誘導体による強化処理は状態の良い酸性紙に対する予防保存的措置として、ペーパースプリット法は対処療法という位置づけが明確になった。
著者
日高 次吉
出版者
社会経済史学会
雑誌
社會經濟史學 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.2, no.12, pp.1303-1320, 1933-03-01
著者
日高 達 市丸 夏樹 冨浦 洋一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究は,構文構造の曖昧性解消に利用されてきた語の係り受け関係を句構造文法の統語規則により組み込む方法と,確率文法のパラメタを複合化することにより構文解析の正解率を改善する手法の開発を目的とし,次のような研究成果を得た.1. 語彙の共起制約を包含する文脈自由文法の構成法統語範疇(品詞)に基づく自然言語の句構造文法を,(統語範疇,head word,function word)の3組に基づく句構造文法に組み変えることにより,統語範疇の構造制約と語彙の共起制約の両方を満足する文脈自由文法の構成法を提案した.ここで,語彙の共起制約とは語の係り受け関係と文節における付属語の連接条件を指している.この研究成果は,従来難しいとされてきた,語彙の共起制約の句構造文法への組込み法を与えた点で評価に値する成果である.2. 確率文法の複合化手法の開発確率文脈自由文法の近似性能を向上するための複合化モデルを提案した.複合化することにより尤度の向上が計れることを示し,また複合化度mおよびm組の確率パラメタ推定式をBaumの不等式を用いて導いた.確率文脈自由文法の高速構文解析機であるEarleyの手法を拡張して複合化確率文法モデルの構文解析アルゴリズムを構成した.曖昧な構文構造を生成する文を収集し,正解の構文構造をランダムに選出して,標本集合とし,標本集合からm組の確率パラメタを(1)の推定式に基づいて算出し,(2)の構文解析手法により構文解析を行なって正解率を実験的に算定した.その結果,単独の確率文法を用いることに較べ,複合化確率文法の場合に正解率の向上が顕著であることを実証した.
著者
堀内 嵩 小林 武彦 定塚 勝樹 篠原 彰 日高 真純
出版者
基礎生物学研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2001

堀内らは、この研究領域の開始前までに、(1)大腸菌の複製フォーク阻害部位(Ter)において相同組換えの活性化が起こり、ホットスポット(Hot)となること、(2)出芽酵母のリボソームRNA遺伝子(rDNA)リピート内にある複製フォーク阻害部位(RFB)における阻害が、rDNA領域内の組換え、さらにコピーの増減に必須であることを見出していた。その後本研究により(1)大腸菌のTer近傍に見出した組換えのHotにおいても、遺伝子増幅が起こり、酵母とは異なりローリングサークル型複製により、菌集団の約10%の細胞でHot領域が約400倍に増幅することを見出した。(2)一方、以前から酵母のサイレンシングタンパクの一つSir2がrDNAリピート内発現の抑制(サイレンシング)と組換えの抑制に必須なことは知られていたが、機構は不明であった。我々はsir2欠損下では35SrDNA間に存在する両方向のRNAポリメラーゼIIプロモーターの発現の抑制(サイレンス)が解除され、転写が起こる結果、その領域に結合していたコヘーシンが外れ、その領域の姉妹染色体間の結合がゆるむ結果、非対称的組換えが活性化(コピー数変動)されることを見出した。(3)fob1欠損下ではrDNAのコピー数は凍結するが、高いコピー数は維持される。この未知の維持機構を明らかにしようと、fob1欠損下でコピー数維持不能変異株を多数分離し解析したところ、6株のコンデンシンの変異株を分離した。コンデンシンタンパクの局在化の解析から、コンデンシンはS期にrDNAのRFBにFob1依存的に特異的に結合することを見出し、rDNAのコピー数の維持に必須であることを明らかにした。一方篠原らは、減数分裂期に起こる相同組換えの分子機構を解析し、特にこの時期に働くことが知られているRecAホモログDmc1と共同して働く因子を探索することで、二つの新しい因子Mei5とSae3を見出し、3者の染色体への結合が相互依存的であることから、3者は複合体として働くと結論した。
著者
杉村 孝夫 日高 貢一郎 二階堂 整 松田 美香
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

50年前20年前の大分県方言談話資料(1次2次とも実施したのは24地点)に加え、本研究では大分県内13地点の談話を収録した。それらは、少年層・青年層・高年層の3世代の男女1組の最大8つの場面設定の会話と自由会話からなる。50年間を通して同じ年代設定、同じ場面設定の談話を3回収録したことになる。これらの談話資料を比較し、文末助詞の抑揚と機能、辞去の場面の分析など50年間にわたる言語生活の変容を解明した。
著者
林 友直 横山 幸嗣 井上 浩三郎 橋本 正之 河端 征彦 大西 晃 大島 勉 加藤 輝雄 瀬尾 基治 日高 正規
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.141-171, 1991-06

M-3SII型ロケットでは, M-3S型と異なり, 新たに装備されたサブブースタSB-735の性能計測等のために, サブブースタにテレメータ送信機を搭載した。また, サブブースタの分離状況を画像伝送するため第2段計器部に画像伝送用テレメータ送信機を搭載し, さらに3号機では新たに開発された第3段モータの性能計測のために, 第3段計器部を設けてテレメータ送信機を搭載する等の大幅なシステム変更がなされている。搭載テレメータ送信機で新規に開発されたのは, 画像伝送用テレメータ送信機で, M-3SII型ロケットの試験機であるST-735ロケットで予備試験を行い, 地上追尾系を含めて総合的に性能の確認を行ったのち, M-3SII型1号機から本格的に搭載された。地上系では, 第2段モータの燃焼ガスが通信回線に大きな障害をもたらす等の問題が生じ, 2号機から高利得の18mパラボラアンテナを使用し, 従来の高利得16素子アンテナに対する冗長系を構成した。また, 第3段目の機体振動計測データ等を伝送していた900MHz帯テレメータは3号機から送信周波数がS帯へ変更されたのに伴い, 地上受信アンテナとしてはこれまで使用していた3mφパラボラアンテナをやめ衛星追跡用10mφパラボラアンテナを使用する事となった。データ処理系では, 計算機によるデータ処理が本格化し, 姿勢制御系, 計測系, テレメータ系のデータ処理のほか, 従来のACOSやRS系へのデータ伝送に加えM管制室へもデータ伝送が出来るようになった。コマンド系では, 1∿2号機は従来と同様であるが, 3号機から第1段の制御項目等を増やす必要からトーン周波数を増し, コマンド項目を3項目から6項目にし, さらに操作上の安全性を向上させた。集中電源は, 充電効率や管理の点等から見直しをはかり, 従来M-3S型で用いられていた酸化銀亜鉛蓄電池に替わりニッケルカドミウム蓄電池が使用されるようになった。
著者
口田 圭吾 菊地 彩 加藤 浩二 日高 智 鈴木 三義 三好 俊三
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.23-29, 2003-02-25
被引用文献数
9 8

胸最長筋の皮下脂肪側において,筋間脂肪が胸最長筋内に大きく入り込んでくぼみのあるもの(いわゆる'ハート芯')は,枝肉の価値を低下させる一因であるとされる.本研究では,画像解析による新たなハート芯評価方法について提案すること,ならびに黒毛和種のハート芯形成に対する種雄牛の影響を検討することを目的とした.枝肉横断面撮影装置によって撮影された第6~7肋骨間の胸最長筋画像を2値化した.2値画像について胸最長筋の境界線を検出し,膨張処理ならびに細線化処理を行い,なめらかな胸最長筋の輪郭線を得た.胸最長筋の長径より上部(皮下脂肪側)について,凸部を結んだ凸多角形を描き,凸多角形と胸最長筋の輪郭線が作る領域について,その面積,パターン幅等を測定した.得られた画像解析形質のうちから3変数を用い,肉眼で判定したハート芯の程度を分類変数とする線形判別分析を行ったところ,その判別率は,97.0%と極めて高く,画像解析によりハート芯の程度を数値化することを可能とした.237頭(種雄牛32頭)の黒毛和種産肉能力検定間接法の材料牛について,ハート芯の程度を肉眼で調査したところ,38頭においてハート芯が確認された.画像解析により評価したハート芯の程度に対する種雄牛の効果は高度に有意(P<0.01)であり,特定の種雄牛からの後代にハート芯の出現頻度が多い傾向が認められ,ある1頭の種雄牛については,後代6頭すべてがハート芯の形状を呈した.
著者
日高 吉隆
出版者
創価大学
雑誌
創価大学別科紀要 (ISSN:09164561)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.50-62, 2006

深〓大学日本語科における「会話」の授業の課題について考察した。1年次の「日語精読」における「会話」では、談話を考慮に入れた指導が必要であることを、2年次の「日語精読」における「会話」では、場面・状況・対人関係に応じた表現を習得させ、談話の構成を理解させるために、教室活動に工夫が必要となることを指摘した。また、「日語会話」の授業では、学生が必要とする会話のニーズ分析を行ない、それに基づいたタスクを考えて授業を行なうべきであることを指摘した。
著者
日高 真子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.19-28, 2010 (Released:2010-04-01)
参考文献数
4
被引用文献数
3 2 4

国内の学術研究団体から主に日本語で発行される約50誌の学術雑誌の著作権の取り扱いについて文献およびインタビューによる調査を行った。文献調査によれば,論文をはじめとするコンテンツの著作権は学会に帰属する場合が多く,著作権規定の中では複製権や公衆送信権,翻訳権・翻案権といった著作権法上の権利や,利用許諾,著作者の著作物利用,著作者の責任に関する規定が重要視されていた。文献調査とインタビュー調査の結果をもとに著作権の取り扱いに関する方向性を検討し,著作権が学会に帰属する場合と著作者に帰属する場合について,著作権規定の日本語のひな型を作成した。このひな型は,利用許諾を広範に認める緩やかな規定をベースとしており,インターネット上で公開し,普及活動を行っている。また,このひな型を利用して,『情報管理』誌の投稿規定を見直し,著作権規定を新たに追加した。
著者
鶴丸 弘昭 城戸 健雄 日高 達 吉田 将
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.95, no.429, pp.47-54, 1995-12-15
被引用文献数
1

本稿は国語辞典の語義文に現れる機能表現について調査・整理したものである。機能表現は,語義文の末尾に現れ,語義文から定義語,および,定義語と見出し語との間の階層関係を求める際に意味情報(ρ_<FE>)を与えるものである。調査対象は主として新明解国語辞典^<(1)>の語義文であるが,他の同様な辞典(旺文社^<(2)>,岩波^<(3)>,角川^<(4)>)も参考にしている。約一万の語義文^<(1)>のなかて,機能表現を含んでいる語義文は約1,500文であった。調査結果は,表1,表2,表3にまとめて示している。
著者
永松 義博 日高 英二 中野 功二
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.149-152, 1996-03-29

視覚障害者の友人関係について調査した。盲学校での校内友人数は4〜6人の割合が高い。弱視者,寄宿舎生の友人数は多くなる傾向にある。盲女子は友人数が少ないといった男女差がみられた。同学級,同寮であること等,接触の機会が友人関係成立の大きな要因となる。また同性であること,同級生,同程度の視力者によって友人構成がなされている。健常者の友人をもつものは弱視者,準盲者の男子に多くみられた。その数は1人もしくは2人である。成人の健常者を友人|こもつ機会は男女共にサークル活動の場を通じてが最も多いため健常者との交流の機会や場所の提供が今後の重要課題になる。
著者
日高 哲雄 大浦 啓一郎 森田 哲之 倉 恒子 田中 明通 加藤 泰久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.244, pp.29-34, 2006-09-08

PC操作履歴は、過去に閲覧したことのあるデータを検索する際に、非常に有効な情報源となりうる。しかし、PC換作イベントをすべて保存する場合、プライバシーの問題など課題が多数存在する。そこで、本報告では、PC操作履歴蓄積に対する要求条件について検討し、その要求条件に基づき開発したシステムMemoryArchiverについて紹介する。さらに、その一機能である記憶忘却機能に関する評価実験結果について報告する。
著者
森田 哲之 倉 恒子 日高 哲雄 大浦 啓一郎 田中 明通 加藤 泰久 奥 雅博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1197-1208, 2007-03-15
被引用文献数
8

『過去に見た』という体験を思い出し,その体験で得られた情報を想起しようとすることは多いのではないだろうか.本論文では,Web ページの内容だけでなく,Web ページ間の関係,およびWebページから得た知識といったWeb ページの閲覧体験によって得られた情報を想起させるための,コンピュータ上の過去の行動を検索する手法を提案する.行動を検索するための元データとなるコンピュータ上の行動履歴を収集する手法を示すとともに,再検索のために入力したキーワードに関連した行動を集中して起こした期間,およびWeb ページをアクティブに表示している期間について着目し,それらの重要度を算出する手法を提案する.さらに,行動を検索するための行動検索インタフェースを示す.また,評価実験により,提案手法は従来手法に比べ,Web ページの閲覧体験によって獲得した重要な知識を,短期間で効率的に想起できることを示す.Most of us have tried to recollect obtained information by our past experience after we remembered the experience was useful. We propose a method for retrieving user action history. By finding his action history, he can acquire not only passes of web pages but also relation among the web pages and knowledge based on the web pages. We show a technique for collecting user action history which is basic data for the retrieving. We also propose a method for extracting a period when a user intensively takes action related a keyword and a period when he made a webpage shown actively, and a method for estimating the degree of importance of the periods. We also suggest interfaces for retrieving user action history. Finally we show proposed method let user recall knowledge obtained from the web pages viewed in the past more efficiently.