著者
佐久間 英規 小野 翔矢 早川 泰平 佐藤 春樹 小澤 幸泰 宮村 耕一 大岩 伊知郎
出版者
一般社団法人 日本造血細胞移植学会
雑誌
日本造血細胞移植学会雑誌 (ISSN:21865612)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.78-83, 2019 (Released:2019-04-15)
参考文献数
20

同種造血幹細胞移植では口腔粘膜障害を認め,骨髄抑制に起因する敗血症などを合併しやすい状況になる。今回,検討症例を同種造血幹細胞移植患者のみに限定し,同種造血幹細胞移植時における口腔粘膜障害の重症化抑制に影響する要因について検討したので報告する。調査期間は2011年4月~2015年3月までとし,調査項目は年齢,性別,幹細胞ソース,HCT-CIスコア,HLA適合度,前処置強度,放射線全身照射線量,Methotrexate(MTX)投与の有無,造血幹細胞移植の骨髄抑制の有無,現行のoral management実施(2013.4~)の有無,造血幹細胞移植前のprofessional mechanical tooth cleaning(PMTC)の有無とした。口腔粘膜障害の重症度と関連が疑われる項目(P<0.2)として年齢(P=0.0560),造血幹細胞移植前のPMTCの有無(P=0.0021)が選択された。更に,ロジステック回帰分析を行うと,造血幹細胞移植前のPMTCの有無(P=0.0017,オッズ比0.3692)のみが選択された。2017年7月以前の骨髄抑制や出血傾向がないのにPMTCを実施していない症例と2012年8月以降のPMTCを実施した症例で検討したところ,PMTCを実施した群で有意に口腔粘膜障害が軽減していた(P=0.0024)造血幹細胞移植前のPMTCは口腔粘膜障害の重症化を抑制する重要な支持療法であることから,造血幹細胞移植前のPMTCを全例に実施するべきことが示唆された。
著者
阿部 恒介 董 建 早川 吉彦
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.65-72, 2012 (Released:2012-04-13)
参考文献数
12

テクノストレス眼症いわゆるVDT症候群を引き起こす要因として,作業中における瞬き回数の減少がある.そこで,VDT作業中において,30fpsのwebカメラで撮った画像から,顔検出・認識と追跡,眼の位置検出,瞬きの検出および瞬き波形の描画を行うシステムを開発した.顔検出・認識にはOpen CVライブラリを利用し,追跡には眉間パターンでテンプレートマッチングを行い,トラッキングした顔画像から眼の位置は2値化差分画像で得た.瞬きの検出には,フレーム間差分,眼の開閉度の検出,虹彩の検出の3通りで行った.これらの方法で,瞬きの瞬間,連続する瞬き,眼を瞑っている状態を画像の変化から測定した波形として得た.各方法でこれらの観測が一致するロバストな瞬き計測システムを作ることができた.
著者
田中 博道 松田 彰 飯島 秀治 早川 弘之 宮坂 貞
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.2164-2167, 1983-06-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
9
被引用文献数
25 40

A new class of 5, 6-disubstituted uridines, in which the C-6 position was occupied by phenylthio group or iodine, were synthesized via lithiation of the corresponding 5-substituted 2', 3'-O-isopropylidene-5'-O-methoxymethyluridines and subsequent electrophilic reactions. These newly-synthesized uridine derivatives exhibited antileukemic activities against mouse leukemia L5178Y cells in culture.

1 0 0 0 OA 幽香叢書

著者
早川憲
出版者
巻号頁・発行日
vol.[8],
著者
早川 智
出版者
診断と治療社
雑誌
産科と婦人科 (ISSN:03869792)
巻号頁・発行日
vol.74, no.10, pp.1240-1243, 2007-10
著者
森田 直之 簗瀬 立史 星 輝彦 林 克征 浅見 大治 川端 康正 中込 秀樹 早川 信一 金田 裕治
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.300-301, 2015

<p>東京都立多摩科学技術高等学校(以下、本校)は、平成22 年に開校した東京都でも比較的新しい高校で、平成24 年に文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、3 年が経過した。この間、本校で課題となったのは倫理教育の在り方についてであった。本校では、SSH 指定科目である「科学技術と人間」という科目で「技術者倫理」という単元を用意し授業を展開してきたが、生徒へのメッセージ性は不十分というのが我々教員の印象であった。そこで、生徒たちに考えさせることを主軸においた教育活動の実践として、未来の科学技術を多く取り上げたウルトラセブンを題材に倫理教育を行なうプロジェクトチームを立ち上げた。本研究では、我々の教育実践と教育効果の考察について報告する。</p>
著者
松村 泰志 中野 裕彦 楠岡 英雄 朴 勤植 松岡 正己 大嶋 比呂志 早川 正人 武田 裕
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.19-26, 2002 (Released:2017-08-14)
参考文献数
13
被引用文献数
2

ネットワークを利用した医療機関の連携を実現するために,ADSLによる地域IP網上にPKIをのせたネットワークインフラの上に,電子診療情報提供書システムとASP型の電子カルテシステムを稼動させ評価した.電子診療情報提供書システムは,センターのメッセージ交換サーバを中心に,18診療所と4病院の間を結び,診療情報提供書情報(J-MIXのXMLフォーマット)を交換するシステムである.病院側では地域医療連絡室を中継点として,各診察室との間で,配信・収集を行う方式とした.77人の患者を本システムで紹介したが,医師,患者ともに高い評価を得た.ASP型電子カルテシステムは,センターにサーバ,診療所に端末を置く構成で,病院用に開発されたシステムを診療所用に応用するものである.本システムは,message queuの非同期通信を基本とし,端末側にも患者データベースを置く構成であり,遅いネットワークででも,患者データの送受信については,応答速度を遅延させる要因とならなかった.画面等の設定データの受信に負荷がかかるなど,いくつかの改良すべき点が明らかとなったが,技術的には解決可能であり,この方式の電子カルテシステムが実現可能であると考えられた.
著者
阿部 達也 橋本 貴尚 小林 隆夫 人見 秀昭 海老名 雅仁 藤盛 寿一 阿見 由梨 早川 幸子 藤村 茂
出版者
一般社団法人 日本結核病学会
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.90, no.9, pp.625-630, 2015 (Released:2016-09-16)
参考文献数
19

〔目的〕病院職員に対する結核曝露のリスクを,インターフェロンγ遊離試験(IGRA)の陽性率を指標として後ろ向きに比較した。その際,「病院環境曝露」を結核曝露のリスクとして仮定した。〔対象〕2010年12月から2012年4月の間にIGRAを行った職員870人を,病院環境曝露の有無により以下の群に分けて解析した。非曝露群は雇用時に測定を行った新入職者161人,曝露群は接触者健診受診者を含む既職者709人であった。〔方法〕IGRAはクォンティフェロンTBゴールド®3Gを用い,非曝露群を対照として,曝露群における陽性オッズ比(OR)をロジスティック回帰分析で求めた。〔結果〕全体として陽性率は6.7%で,2群間の陽性率(1.9% vs 7.8%)には有意差を認めた(P=0.005)。さらに,非曝露群を対照とし,性別,勤続年数,喫煙歴,および飲酒歴で調整した曝露群の陽性OR(95%信頼区間)は4.1(1.4-17.6)(P=0.007)であった。〔結論〕病院の職場環境ヘの曝露はその年数にかかわらず結核感染の潜在的なリスクとなっている可能性が示唆された。
著者
長島 伸夫 早川 正夫
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集A編 (ISSN:18848338)
巻号頁・発行日
vol.79, no.797, pp.23-33, 2013 (Released:2013-01-25)
参考文献数
24
被引用文献数
3 2

Micro-hardness distribution was measured by using an ultra-micro hardness test at a crack tip under a plane strain condition for a crack propagation test specimen made of a low-carbon austenite stainless steel JIS-SUS316L. Moreover, crystal orientations were analyzed by EBSD for individual crystal grains in the plastic strained area at the crack tip. The conclusions can be summarized as follows. (1) The mean strain in a 500-μm region around the crack tip was supposed with 3% from the hardness distribution in an ultra-micro hardness test. Therefore, the plasticity strain distribution of the crack tip under a plane strain condition can be visualized based on the ultra-micro hardness and an experience equation of the true strain by measuring the hardness distribution. (2) When the analysis by EBSD increased the step size of the KAM map, the local misorientation increased. On the other hand, the color map of some grain boundary neighborhoods reversed when the step size changed in a GROD map. Therefore, an analysis of KAM is suitable for the local transformation of the crack tip neighborhood. (3) From the results of an EBSD analysis, it became clear that a local heterogeneous transformation occurred in random grain boundaries at the crack tip, and the transformation hardly occurred at the CSL grain boundary of the crack tip.