著者
望月 孝志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.1600-1608, 1996-09-25
被引用文献数
26

8×8次のアダマール変換を用いた効率的な可逆符号化方式を提案する.アダマール変換の変換行列は正規化係数を除けば要素が±1であることより,変換係数のビットパターンはブロック内で相互に関連する.すなわち,変換係数の下位6ビットのうち適切な半数のビットがわかれば残りのビットを導出できる.本論文では2次元8×8次の変換についての関係式を導出し,それを符号化に利用する.提案方式の圧縮率はJPEG可逆符号化方式と同程度であった.更に提案方式では,低域の変換係数から順次符号化することで,無ひずみに漸近するプログレッシブ符号化を実現できる.これはJPEG可逆符号化方式にはない特性であり,医用画像のデータベースなどに非常に有効である.
著者
望月 隆 田邉 洋 若狭 麻子 河崎 昌子 安澤 数史 石崎 宏
出版者
The Japanese Society for Medical Mycology
雑誌
日本医真菌学会雑誌 = Japanese journal of medical mycology (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.57-61, 2006-04-30
被引用文献数
3 7

<i>Trichophyton</i> (<i>T</i>.) <i>tonsurans</i> 感染症の集団発生例への対処法として近年ブラシ検査を用いた診断・治療のガイドラインが作成され, 本症に対する対応が効果的に行われるようになってきた. このブラシ検査に影響があると考えられる要素のいくつかについて, 高等学校柔道部員を対象に検討した. その結果, ブラシ検査は十分な指導のもとに行うこと, 練習後は付着による偽陽性者が出るので練習前に行うこと, ブラシ検査は抗真菌剤の外用直後は陰性化していることが明らかになった. また, 練習前の抗真菌剤外用による菌の付着の防止効果は約3時間の練習に対しては不十分であることも判明した.<br>分子疫学的検討では, 当科に保存してあった全国各地からの臨床分離株198株についてNTS領域のPCR-RFLP分析を行った. その結果, 格闘技由来株に2つの分子型が認められ, 流行が2つの分子型の菌に起因することが明らかになった.
著者
望月 聡
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.68, 2004-11

前号を手にした頃ちょうど携帯電話を買い換える必要が生じ、カタログを眺めていた。そこには、機種ごとに特徴を紹介するページや、全機種を横並びにして機能を比較できる機能一覧のページがある。私はこれらを検討し、いずれかを選択したい。比較し、なんらかの判断をすること。 ...
著者
望月 かほる
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.236-240, 1991-05-10

練馬区は, 東京都23区の北西部に位置し, 面積は48km^2で, 23区の中では世田谷区, 足立区, 大田区についで5番目の広さである。区の面積の90%は住宅地であり, いわゆる東京のベッドタウンとして発展してきた。平成3年1月1日現在の住民基本台帳に基づく人口は 612,975人, 世帯数は 247,600世帯であり, 65歳以上の人口は 59,866人で, 区内総人口の 9.8%を占めている。23区内では比較的高齢化率の低い方の区に属している。当区における脳卒中による死亡率は, 訪問指導が開始された昭和53年度は第2位の34%であったが, 昭和63年度は第3位の14.2%と減少してきている。区内にある医療機関は病院, 診療所を合わせて440所だが, そのうち150床以上の総合病院は2所しかなく, これら総合病院には常勤理学療法士は置かれていない。また, 運動療法の施設認可基準病院は, 47床規模の1施設のみである。大きな人口をかかえながら本格的な医療設備をもった病院の数が少ない練馬区において, 医療終了後の在宅住民に対して, 機能回復訓練など保健事業の実施主体である保健所は重要な役割を担っている。以下, 練馬区の保健所・保健相談所が行っている訪問指導, 機能訓練の状況をまとめてみた。
著者
松本 洋一 宗田 悟志 望月 伸晃 梅比良 正弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.98, no.435, pp.69-74, 1998-11-27
被引用文献数
25

本報告は, 広帯域無線システムに適したOFDM方式について検討している.まず初めに, 同一情報伝送速度を得る変調方式および誤り訂正符号化率の組み合わせとして, 同期検波を前提に8PSK(R=2/3)および16QAM(R=1/2), さらに遅延検波を前提にD8PSK(R=2/3)および16DAPSK(R=1/2)の特性について, 実際の通信路を想定したシミュレーションによりパケット誤り率特性について明らかにし, 8PSKが, 特にマルチパスおよび非線形通信路においては, 他に比べその有効性が大きいことを示している.さらに, 実際に同期検波をOFDMシステムに適用するために必要な各サブキャリアの等化方法について, RLSアルゴリズムを適用したものを提案するとともに, パケット誤り率特性および所要プリアンブル長の観点から従来方式との比較検討をおこない, 所要プリアンブル長が2OFDMシンボル以上の場合, 提案方式が優れた特性を有することが示されている.
著者
坂本 忠明 望月 孝哲 今宮 淳美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.13-18, 1999-08-20

メカニカルシャッタを使った瞬目実験で得た応答時間の分析をパンディモニアムモデルで検討する.瞬目実験は、実物図形や幾何図形を刺激とした有無判断である。課題の提示には、言葉を使った集約表現(たとえば苺クリームショートケーキ)と,合成表現(たとえば白い三角形の中に赤い丸形)、それに言葉を使わない図形同士の照合である,その結果として,(1)簡単な図形同士での照合課題の場合は1回の認知処理系で有無判断ができること,(2)具体的イメージをひとつの言葉で表現すると,認知処理系の回数が少なくなること,さらに(3)異なった認知地図が検討できたことなどを得た.
著者
坂本 忠明 望月 孝哲 今宮 淳美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告.IM, [情報メディア]
巻号頁・発行日
vol.99, no.69, pp.13-18, 1999-08-20

メカニカルシャッタを使った瞬目実験で得た応答時間の分析をパンディモニアムモデルで検討する.瞬目実験は、実物図形や幾何図形を刺激とした有無判断である。課題の提示には、言葉を使った集約表現(たとえば苺クリームショートケーキ)と,合成表現(たとえば白い三角形の中に赤い丸形)、それに言葉を使わない図形同士の照合である,その結果として,(1)簡単な図形同士での照合課題の場合は1回の認知処理系で有無判断ができること,(2)具体的イメージをひとつの言葉で表現すると,認知処理系の回数が少なくなること,さらに(3)異なった認知地図が検討できたことなどを得た.
著者
篠田 英和 西本 勝太郎 望月 隆
出版者
The Japanese Society for Medical Mycology
雑誌
日本医真菌学会雑誌 = Japanese journal of medical mycology (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.305-309, 2008-10-30
参考文献数
9
被引用文献数
5 7

2007年度に佐賀県で開催された全国高等学校総合体育大会における,柔道競技者の<I>Trichophyton tonsurans</I>(<I>T. tonsurans</I>)感染症を目的としたhair brush sampling法(HB法,スパイク90本)による検診を行った.競技参加者951名の中で検診希望者487名(男265名,女222名)を対象とした.陽性率の高い地域は九州21%(73名中15名),東北17%(77名中13名),近畿16%(89名中14名),中部13%(89名中12名)であった.さらにHB法でコロニー数30個以上の強陽性者は九州4名,東北4名,中部2名,近畿2名でありHB法陽性率の高い4地域と一致した.アンケート調査の回答では<I>T. tonsurans</I>感染の存在を90%は知っており,HB法検診の経験者は11%であった.37%(486名中178名)は検診結果の報告を不要と回答した.HB法検診の経験が少ない理由としては,皮膚科医によるHB法検診がまだ充分浸透していないことや,HB法などによって<I>T. tonsurans</I>感染者が判明し,試合への参加が制限されることを懸念するためHB法検診への参加に消極的であることなどが考えられた.したがって監督指導者に対する<I>T. tonsurans</I>感染症の啓発も重要であるが,我々皮膚科医も自主的に学校や団体に赴き,HB法などを用いた検診を積極的に行うべきである.検診結果報告不要の理由として,検診結果が監督や仲間に公表される危惧をあげる選手も多く,このことがHB法検診への不参加につながっていることが推測され,結果報告時の個人情報の取り扱いには充分なる配慮が必要と考えた.
著者
生田 真一 初瀬 一夫 川原林 伸昭 相原 司 望月 英隆
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.1554-1558, 2000-08-01
被引用文献数
1

症例は透析歴10年の48歳の男性.近医で直腸癌を疑われ当科紹介入院となった.術前検査中に黄疸が出現, 精査で肝門部胆管・直腸同時性重複癌と診断された.1998年8月6日, 拡大肝右葉・尾状葉切除, 胆管切除, 左肝管空腸Roux-en-Y吻合術を施行した.術前3日間は連日透析を施行し, 輸血により貧血を補正した.術中出血量は2,950ml, 尿量は0ml, 術中輸液は1号液と5%ブドウ糖液で維持し, 濃厚赤血球6単位, 新鮮凍結血漿(FFP)18単位を輸血した.術後輪液は50%ブドウ糖液とFFPを中心にGI療法を併用して1日1,500ml前後としたが, 心不全, 肝不全徴候は認めず血清K値は正常範囲で経過した.術後透析は48時間後から抗凝固剤にフサン^〓を用いて再開したが出血傾向は認めなかった.術後17週目に直腸癖に対しHartmann手術を施行した.慢性血液透析患者においても周術期管理に留意すれば, 広範囲肝切除などの高度侵襲の手術も重大な合併症なく施行しうると思われた.