著者
大西 正輝 村上 昌史 福永 邦雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.594-603, 2002-04-01
被引用文献数
42

本論文では,人手を介さずに板書主体の講義を自動的に撮影する手法として,講義の状況を理解することで撮影領域を決定し,得られた複数の映像を評価することで講義映像として最も適している映像にスイッチングを行う知的自動撮影手法を提案する.まず,講義の状況を理解するために,固定カメラによって撮影した講義映像から講義者と黒板の板書に関する情報を抽出し,それらの情報を用いて講義者の行動推定を行う.次に,講義者の行動に基づいて各カメラにおいて撮影領域を決定し,複数のカメラ位置から映像を取得する.最後に,得られた複数の映像をそれぞれ評価することにより,現在の講義状況を最も効果的に表している映像を選択する.実際に講義の自動撮影を行い,本手法の有効性を確認した.
著者
大谷 卓史 村上 祐子 川口 由起子 川口 嘉奈子 永崎 研宣 坪井 雅史 吉永 敦征 芳賀 高洋
出版者
吉備国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究においては、①最新の社会・技術動向に照らして大学教養課程向けの情報倫理学教科書を改訂して基本的な情報倫理学概念を確認し、②情報倫理学の歴史を整理し、あわせて、③プライバシーと自己決定権に関する議論を概観したうえで、④ソーシャルメディアによる個人をターゲットとした世論操作の可能性や、⑤サーチエンジンの検索結果表示アルゴリズムなどによるプライバシーや自律への影響の問題などの考察を行った。これらの成果を踏まえ、研究成果の一部を書籍として刊行した。同書『情報倫理-技術・プライバシー・著作権』(みすず書房)は、公益財団法人電気通信普及財団第33回(2017年度)テレコム社会科学賞奨励賞を受賞した。
著者
村上 芳邦
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.455, pp.93-96, 2008-09-12

2003年12月末に崩れた路側の法面を雑石積みで復旧したが、翌年4月に降雨で1m程度すべり落ちた。工事の際、床掘りに立ち会って根入れ部分の地山に十分な強度があることを確認した。その後の作業では、石積みの背面の裏込め材に、切り込み砕石を使用していた。滑落する直前に時間雨量20mm以下の降雨があったが、設計上は十分に耐えることができる想定内の降雨だ。
著者
下倉 雅行 大国 航 島袋 舞子 兼宗 進 村上 晴美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.16, pp.1-8, 2015-03-14

電子書籍の普及が進んでおり,端末では国語辞典などで用語の意味を表示する機能が提供されている.電子教科書において,用語の意味にとどまらず,学習内容に関連する Web 上の情報源にアクセスしてより深い学習を行うことが有効と考えられる.しかし,Web 検索の結果をすべて表示すると,どの検索結果が正しいのかを判定することが,学習を始めようとする学習者には困難であると予想される.そこで電子教科書に適した Web 検索手法を検討し試作を行った.検索したい語が含まれる電子教科書の段落と,検索結果のスニペットを分野判定する.それぞれの分野が合致するページのみを提供することで,学習中の文脈に対応した Web 検索が可能になる.さらに分野判定の精度を向上させるための手法を検討した.The worldwide popularity of digital books continues to increase. One useful function is that they display word meanings with an embedded dictionary function. Such web-searching functions are becoming very effective and more popular for learners. However, students often have difficulty selecting correct meaning from multiple meanings on the screen. This may result in misunderstandings and confusions. Therefore, our presentation enables context-based web-searching in digital textbooks by proposing a new classification function that determines a word's fields from the textbook in which it appears and displays search results limited to specific fields.
著者
古屋 雅宏 村上 肇 宮本 渉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.726, pp.53-56, 2003-03-10
被引用文献数
3

独居高齢者による日常生活における体調不良の発生を、少数の選択センサを使用することで検出する。まず前処理として、独居高齢者の7ケ月分のデータを見て被験者が外出をしていたか判別を行う。在宅していた日のデータには脱衣所・仏壇での反応、いいかえると更衣・信仰という日常的な習慣に関連する場所での反応がほぼ毎日午前中に生じている。そのような日常的な反応が生じていない日を異常、すなわち体調不良と推定して日付の検出を行う。その結果、体調不良である日を判断した。
著者
郷内 吉瑞 大貝 彰 鵤 心治 加藤 孝明 日高 圭一郎 村上 正浩 渡辺 公次郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.34-40, 2008-10-15
被引用文献数
1

本研究は、防災まちづくりを支援するための技術開発として、地域防災力の評価手法の開発を試みるものである。はじめに、既往研究と防災に関する専門家へのヒアリング調査を基に、地域の災害時対応能力を構成すると考えられる評価の視点と項目、指標を設定した。その後、評価構造の階層をISM(Interpretive Structural Modeling)を用いて定量的に構築した。更にAHP(Analysis Hierarchy Process)を用いて、各評価項目の重み付けを行い、地域の災害時対応能力評価のための階層構造を構築した。加えて、DEMATEL法(Decision Making Trial and Evaluation Laboratory)を用いて、地域の災害時対応能力の基礎となる評価項目間の影響関係とその度合を明らかにした。そして、愛知県豊橋市の自治会を対象として、試験的に開発した手法を適用し、この手法により、地域の災害時対応能力の定量的評価が可能であることを確認した。
著者
山元 隆稔 大貝 彰 日高 圭一郎 村上 正浩
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.19, no.41, pp.329-333, 2013-02-20 (Released:2013-02-20)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

The improvement of earthquake safety is a crucial problem. It’s important for neighborhood associations to possess the capability to deal with disasters in order to solve this problem. Therefore, the authors have developed a method that evaluates the level of disaster awareness and solidarity of neighborhood associations based on information, such as the implementation status of disaster drills. This method requires the evaluation and comprehensive provision of information necessary in such activity. In this study, the authors developed a support tool based on the evaluation method, and examined the tool’s usability with a questionnaire for neighborhood associations and local governments.
著者
佐々木 丞平 西上 実 若杉 準治 山本 英男 山下 善也 大原 嘉豊 赤尾 栄慶 羽田 聡 淺湫 毅 中村 康 久保 智康 尾野 善裕 山川 曉 永島 明子 宮川 禎一 森田 稔 小松 大秀 村上 隆 呉 孟晋 水谷 亜希 難波 洋三 伊東 史朗 井上 一稔
出版者
独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、木を単に造形作品の素材・材料としての視点から捉えるのではなく、樹木そのものを信仰の対象として崇拝し、美の対象として描いてきた、日本人の樹木に対する精神のありようにまで踏み込んで調査し考察することが主たる目的であった。このような視点から調査研究を進めてきた結果、たとえば山形・熊野神社の伝十王坐像にトチ、静岡・建穂寺の千手観音立像にクスノキがあえて用いられている背景には、用材としての性能ではなく、信仰的な意味合いが強く意識されていたことなど、日本人と樹木の関係にかかわる貴重な成果が得られた。
著者
新垣 雅人 児嶋 哲文 平口 悦郎 村上 貴久 松本 譲 寺本 賢一
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.1577-1581, 2006-10-01
被引用文献数
4

横隔膜ヘルニアの1型であるまれな傍裂孔ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は70歳の女性で,固形物摂取時の嚥下困難と嘔吐を主訴に,当院を受診した.上部消化管内視鏡検査とバリウム検査にて,食道裂孔ヘルニアの傍食道型と術前診断した.手術は腹腔鏡下に行い,食道胃接合部および胃上部付近を剥離し,後縦隔内に入り込んでいた胃穹隆部を整復したところ,ヘルニア門は左横隔膜にあり食道裂孔との間には横隔膜脚が介在していた.横隔膜ヘルニア(傍裂孔ヘルニア)と判断し,ヘルニア門を閉鎖した後,食道胃接合部付近剥離による逆流を考慮してToupet法を施行した.術後経過は良好で,11日目に退院した.本症はまれな病態で,かつ術前診断が困難であることより術式の選択に迷うが,本例ではヘルニア門の閉鎖とToupet法を施行し良好な結果を得ることができたことから,本疾患に対し,状況に応じてToupet法などを用いることは有用と考えられる.