著者
礒川 悌次郎 松井 伸之 西村 治彦
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.35, no.11, pp.1462-1468, 1999-11-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

Genetic Algorithm is well-known as the optimizing algorithm taken after evolutionary strategy, and widely used for engineering problems that occur when designing a system by its self-organizing phenomenon. It is based on Neo-Darwinism, that is, the theory that individuals with advantageous characters to the given environment increase and individuals with disadvantageous ones decrease when mutation occurs in genetic characters in a population. In Genetic Algorithm, there is a premise that all the genetic characters in an organism have some meanings of adaptation. In the natural organisms, however, there are a number of neutral mutations, which is neither advantageous nor disadvantageous to their adaptation. This fact suggests that there is a new possibility of genetic mechanism in designing evolutionary systems. This is the framework motivated by the neutral theory of molecular evolution, which is different from the conventional design based on Neo-Darwinian Genetic Algorithm. In the neutral theory, some genetic characters in an individual are not positively possessed under selection pressure (not by orthogenesis), but allowed to be fixed by chance, remaining neutral to selection pressure (by random genetic drift). This leads to the supplement of redundancy to genetic information which represents an individual, and the appearance of the diversity of genetic information in a population. In this paper, in order to investigate the above point concretely, we adopt the Ladder-Network as a simple model which makes permutation of information. When we evaluate the fitness by using only the degree of correspondence between target alignment and output one, the factor of the number of steps in the network becomes the neutral character which does not directly affect the fitness.
著者
古村 健太郎 松井 豊
出版者
弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター
雑誌
地域未来創生センタージャーナル (ISSN:24341517)
巻号頁・発行日
no.6, pp.15-25, 2020-02

本研究は、マッチングアプリの利用経験とリスクのある性交経験との関連を検討することと、マッチングアプリ利用の心理的背景を検討することを目的としたWebパネル調査を行った。調査対象は、18 - 29 歳の484 名(男性239名、女性245名)であった。分析の結果、男女ともに恋人がいる人との性交、恋人以外の人との性交、見知らぬ人との性交の経験といったリスクのある性交経験は、アプリ利用経験がある場合に多かった。また、男性では金銭を支払った性交が、女性では既婚者との性交、首締めなどの危険な性交、金銭を受け取った性交、性病の感染経験が、アプリ利用経験がある場合に多かった。心理特性については、アプリ利用経験がある人は、賞賛獲得欲求やぬくもり希求の得点が高かった。これらの結果から、マッチングアプリの利用経験とリスクのある性交との関連について議論した。
著者
松井 圭介
出版者
The Human Geographical Society of Japan
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.515-533, 1993-10-28 (Released:2009-04-28)
参考文献数
127
被引用文献数
4 3

Geography of religion aims to clarify the relationships between the environment and religious phenomena. In Japan, this discipline has four major fields of researchThe first field is that of the relationships between the natural environment and religion. The emphasis in this field, however, is on the influence of the environment upon religion. Whereas many scholars study how climate and topography change the formation of religious beliefs, there is almost no study of the influence of religion upon the natural environment. In order to fill this lack, it is necessary, for instance, to clarify the role of religion in environmental protection.Secondly, geographers of religion study how religion influences social structures, organizations, and landscapes in local areas. They mainly examine the urban structure and its transformation within religious cities with regard to the dominant religion. There are also some studies about the significance of religion for the formation of new cities. The relationships of the religious orientation to the local structure of cities and villages, however, has not been thoroughly clarified yet.Thirdly, pilgrimage forms another major field of research in the geography of religion. Most studies so far, however, remain preliminary, showing the routes of pilgrimage without reconstructing networks among sacred places and their surroundings. Moreover, the contemporary meaning of pilgrimage is not studied enough, though people today still carry out pilgrimages fervently.Lastly, geographers of religion try to clarify the structure of space which is created by the sacred, through examining the distribution and propagation of religion. One of the major studies in this field is that of sphere of religion.This geography of religion as the study of relationships between the environment and religion has two indispensable approaches, for the space created through these relationships has two aspects; empirical and symbolic. On the one hand, religion has power to organize local communities and this power generates the structure of space which is grasped empirically. On the other hand, religion supports human existence through offering a cosmology. This cosmology appears in the structure of space symbolically. Geography of religion should understand the religious structure of space throughly by adopting both positivistic and symbolic approaches.
著者
松井雪治 澤野弘明 水野慎士
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.2145-2150, 2013-07-03

本稿では,画像処理を用いて麻雀の自動得点計算を行うシステムを提案する.麻雀は将棋やリバーシといったテーブルゲームに比べ,ルールが複雑である.その中でもあがり時の得点計算は,符点と役の種類及び飜数(ハンスウ)によって得点が計算されるがこれらの組み合わせが複雑なため,初心者がプレイするには難解である.そこで本研究では,麻雀の得点計算を支援するため,スマートフォンを用いた麻雀の自動得点計算システムを提案する.提案システムでは,初心者がスマートフォンを用いて麻雀のあがり時の手牌を撮影することで,自動で手牌を認識し,得点計算を自動に行うものである.
著者
松井 利幸
出版者
愛知教育大学体育教室
雑誌
愛知教育大学体育教室研究紀要 (ISSN:02884712)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.37-45, 1994-03-02

本研究は、学校五日制が児童生徒の疲労にどのように影響するかについて明らかにすることを目的とした。文部省の学校五日制のための調査研究協力校である愛知県下郡部に位置する足助小学校、足助中学校を実験校とし、名古屋市内の1小学校1中学校を対照校とし、それぞれの児童生徒を対象に、1990、1991年の2年にわたって、疲労自覚症状調査を実施し、比較検討した。〔小学校について〕1)疲労自覚症状訴え項目数を全体的にみた場合、実験校対照校とも、2年目に大きな増減は認められなかった。2)しかし、疲労症状を分野別にみた場合、2年間であまり変化のみられなかった対照校に較べて、実験校の児童は、「眠けとだるさ」分野の平均訴え項目数が増加し(2.2→3.8項目)、逆に、「注意集中の困難」分野のそれが減少した(3.8→2.9項目)。3)具体的には、実験校は、<横になってねたい>及び<口の中がかわ<>の有訴率が約10%増加、逆に、<考えるのがめんどくさい>、<きちんとしていられない>及びくちょとしたことが思い出せない>の「注意集中の困難」分野の有訴率がすべて50%台から40%台に減少した。4)同様に、実験校の初年度では、「注意集中の困難」分野に最も多い項目数を訴えていたものが約5割と多かったが、2年目は、「眠けとだるさ」分野に6割以上のものが占めるという、疲労内容の大きな変化が認められた。一方、対照校では、両年度とも「眠けとだるさ」分野に占める割合が7、8割であり、大きな変化はみられなかった。〔中学校について〕1)実験校の疲労自覚症状訴え項目数は、全体としてみた場合、対照校と比較して、2年目に顕著に増加した。これを分野別平均訴え項目做でみた場合、「眠けとだるさ」分野が3.6から4.3項目に、「注意集中の困難」分野が1.9から2.6項目にと、ともに増加した。2)分野別にみた訴え上位項目の有訴率は、そのほとんどの項目において、対照校より実験校の方が高率となった。具体的に約10%以上有訴率が増した項目は、<ねむい>、<横になってねたい>、<考えるのがめんどくさい>及び<いらいらする>であった。3)3分野間で最も多くの疲労項目数を訴えていたものは、「眠けとだるさ」分野の約8割であり、この割合は実験校対照校とも、かつ、両年度とも差は認められなかった。4)2年目の実験校は、それぞれの分野において、訴え項目数が増加したものの割合が最も多かったのに対して、対照校では、逆に、3分野とも訴え項目数が減少したものの割合が最も多く、この相反する結果は統計的に有意な差とたった。以上、本調査での学校五日制試行が児童生徒の疲労自覚症状に及ぼす影響は、小学校児童については、量的には大きな変化は認められなかったが、質的には、いわゆる精神的疲労感を減少させ、モの分、身体的疲労感を増す方向にあり、また、中学校生徒については、質量ともに疲労感を増大させる結果を示した。しかし、この結果は、小中学校の学校種の違い、地域の特性、さらに大きくは、学校ごとに異なる学校五日制への取り組みの違いによって、著しく差が生じたものと考えられる。1992年9月以来、制度上、学校五日制は月1回実施に移され、今後どれ程まで拡大されていくのか定かではないが、制度面のみならず、各学校の対応も含めて、児童生徒並びに教職員の"健康"という視点での検討は緊要である。
著者
櫻庭 隆浩 松井 豊 福富 護 成田 健一 上瀬 由美子 宇井 美代子 菊島 充子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.167-174, 2001-06

本研究は, 『援助交際』を現代女子青年の性的逸脱行動として捉え, その背景要因を明らかにするものである。『援助交際』は, 「金品と引き換えに, 一連の性的行動を行うこと」と定義された。首都圏の女子高校生600人を無作為抽出し, 質問紙調査を行った。『援助交際』への態度(経験・抵抗感)に基づいて, 回答者を3群(経験群・弱抵抗群・強抵抗群)に分類した。各群の特徴の比較し, 『援助交際』に対する態度を規定している要因について検討したところ, 次のような結果が得られた。1)友人の『援助交際』経験を聞いたことのある回答者は, 『援助交際』に対して, 寛容的な態度を取っていた。2)『援助交際』と非行には強い関連があった。3)『援助交際』経験者は, 他者からほめられたり, 他者より目立ちたいと思う傾向が強かった。本研究の結果より, 『援助交際』を経験する者や, 『援助交際』に対する抵抗感が弱い者の背景に, 従来, 性非行や性行動経験の早い者の背景として指摘されていた要因が, 共通して存在することが明らかとなった。さらに, 現代青年に特徴的とされる心性が, 『援助交際』の態度に大きく関与し, 影響を与えていることが明らかとなった。
著者
澤井 賢一 黒木 裕介 松井 知己 合原 一幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.133, pp.13-18, 2006-12-15

本稿では,フルートの運指を最適化する手法と,その最適化モデルに含まれるパラメータのチューニングについて述べる.今回提案する手法ではこの最適化問題を,対象とするパッセージから生成されるグラフの最短路問題に帰着してモデル化した.このグラフは,パッセージ中の音に対する運指の候補を頂点集合とし,隣同士の音に対する運指間に有向辺をつけたものである.頂点間距離には,二つの運指を続けて演奏する際のやりにくさを適切に定めて用いる.また,パラメータを用いて距離を定めており,パラメータの値によって出力される運指が変化する.更に,例えばユーザの使い慣れた運指を教師信号とし,その運指が出力されるようにパラメータをチューニングする問題を逆問題として定式化した.This paper describes an optimization method of flute fingerings and parameter tuning. Our op timization method uses a shortest path problem of a directed graph generated by an objective passage. The vertices are the probable fingerings of the tones of the passage, and the arcs are the pairs of fingerings of the consecutive tones. The distance is defined as suitably designed difficulty in using the fingerings. Besides, this method has some parameters in calculation of distance and outputs different fingerings with the same passage by changing the parameter values. Furthermore, we propose a method of tuning the parameter values based on inverse optimization so as to, for example, get the accustomed fingerings of a certain passage as output.
著者
佐藤 壮太 渡辺 隼矢 坂本 優紀 川添 航 喜馬 佳也乃 松井 圭介
雑誌
筑波大学人文地理学研究 = Tsukuba studies in human geography
巻号頁・発行日
vol.38, pp.13-43, 2018-04

本研究にあたり,2016~17年度科学研究費(挑戦的萌芽研究)「聖地共創時代におけるオタクの癒し空間に関する応用地理学的研究」(研究代表者:松井圭介)の一部を利用した.
著者
長谷部 浩平 金城 紀与史 大西 富文 岸田 直樹 金城 光代 芹澤 良幹 松井 和生 西垂水 和隆
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.1075-1077, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
8

16歳,男性.モルディブから帰国後7日目に高熱と下痢を生じた.肝機能異常と血小板減少を認め,渡航歴から旅行者感染症を考えた.末梢血スメアでマラリア原虫を認めず,腸チフスとデング熱の可能性を考え抗菌薬を使用の上,国立感染症研究所に依頼しデングウイルス3型遺伝子を検出した.その後皮膚点状出血や凝固時間延長が出現し,デング出血熱の診断基準を満たした.支持療法で改善し入院7日目で退院した.渡航歴の確認が重要と考えた.
著者
小渕 浩平 竹林 崇 松井 克明 村岡 尚 中村 裕一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.497-504, 2019-08-15 (Released:2019-08-15)
参考文献数
19

学習性不使用による慢性期脳卒中後の上肢運動障害に対し,Constraint-induced movement therapy(以下,CI療法)の主要コンセプトであるTransfer packageを,外来作業療法にて実施した.低頻度(週1回20分)であったが,4ヵ月後には臨床上重要な最小変化を大きく超える,麻痺手の使用行動と上肢機能の改善を認めた.さらに,事例が目標とした活動の多くを獲得することができた.CI療法は,訓練時間や医療保険適応の問題が指摘されているが,事例の状態によっては,必要なコンセプトを中心に,低頻度の介入でも効果が得られる可能性が示唆された.
著者
生駒 葉子 松井 広
出版者
Japan Society of Neurovegetative Research
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.366-370, 2022 (Released:2022-12-21)
参考文献数
30

迷走神経と言えば中枢から末梢臓器への投射がよく知られているが,実は末梢の情報を中枢に伝える求心性線維の方が割合は多い.この求心性の連絡を刺激する迷走神経刺激療法は,難治性てんかんの緩和療法やうつ病の治療としても用いられている.最近の研究では,脳病態治療効果があるだけではなく,迷走神経刺激が脳内の神経可塑性を生み出し脳内環境に変動を与えることで,学習やリハビリの促進にもつながるとの報告がなされている.このような脳内環境変化に,神経細胞ともにグリア細胞機能も関わっている可能性が示唆されている.末梢からの中枢脳内環境制御の研究は,てんかんに限らず,幅広い脳病態の新たな治療方法として期待されている.
著者
小渕 浩平 竹林 崇 花田 恵介 松井 克明 中村 裕一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.694-702, 2022-12-15 (Released:2022-12-15)
参考文献数
24

本邦では,急性期でのCI療法後の長期経過を観察した研究は見当たらない.今回,急性期にて1日2時間以内の修正CI療法を実施した複数の対象者について,介入から1年後までの長期間の追跡調査を行い,麻痺側上肢の回復経過を観察した.結果,FMA,MALともに,介入後・介入1年後と時点の固定効果で有意な差を認めた.またMALは,短期・長期ともにMCIDを超える変化を認めた.さらに,長期的なFMAの改善は,MALと強い関連があることが示された.本研究から,急性期においても適応患者によっては,修正CI療法が長期的にも上肢機能と麻痺手の使用行動に良好な変化を与える可能性が示唆された.
著者
竹中 一平 落合 萌子 松井 豊
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.135-148, 2018-03-25 (Released:2018-03-25)
参考文献数
34

In modern society, the filtering of illegal or harmful content on the Internet is necessary for the healthy development of young people. However, the mental damage that Internet filtering workers may suffer has been overlooked. We examined occupational stress and related factors among Internet filtering workers in Japan. Workers (N=160) in a company providing a web-content filtering service completed a questionnaire. The percentage of all respondents with high-risk Impact of Event Scale Revised (IES-R) scores was 10.4% and with high-risk General Health Questionnaire (GHQ-12) scores was 47.0%. These results indicated that rates of mental damage among Internet filtering workers were as high as those of firefighters and journalists. IES-R and GHQ-12 scores were used as the dependent variables in the quantification method (Type 1). The results showed that these scores related to stress responses in the aftermath of witnessing traumatic illegal or harmful content, emotional empathy, and so on.