著者
礒川 悌次郎 西村 治彦 松井 伸之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.157, pp.1-6, 2011-07-18

本研究では,位相振幅状態を持つ多値ホップフィールドニューラルネットワークを提案する.このネットワークにおいては,入出力値,内部状態,ならびに結合荷重は可換クォータニオンと呼ばれる数により表現されている.可換クォータニオンは,1つの実数成分,3つの虚数成分を持つ超複素数の一つであり,積演算において可換の関係が成立している.またこの数は2つの複素数を等羃元とした表現を行うことが可能であり,これらの点が通常の四元数とは異なっている.本研究においては,可換クォータニオンの位相振幅表現を用いたネットワークと,等羃元を用いたネットワークの二種類のネットワークおよびエネルギー関数を提案し,それぞれのエネルギーが単調減少する条件を導出することによりネットワークの安定性を示す.
著者
松井 伸之
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.579-585, 2015-08-10 (Released:2015-08-25)
参考文献数
43
著者
松井等 著
出版者
東京宝文館
巻号頁・発行日
1915
著者
川村 英樹 徳田 浩一 川上 雅之 有村 敏明 川口 辰哉 松井 珠乃 西 順一郎
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.282-290, 2017-09-25 (Released:2018-03-25)
参考文献数
14
被引用文献数
3

鹿児島県JMAT(日本医師会災害医療チーム)では宇土市で感染対策チームを構成し,4月21日(本震5日後)~5月1日に被災地医師会と自治体保健活動との協働で避難所感染対策支援活動を行った.今回の研究の目的は避難所感染対策を検証し,有効性を検証することである.各避難所で把握された発熱者,呼吸器・消化器の有症者数を調査票に記録し症候群サーベイランスを実施した.期間中14の指定避難所で40名の呼吸器・8名の消化器の有症状者がみられたが,インフルエンザ・ノロウイルス感染症は除外された.設備・感染対策物品・衛生環境・隔離スペース等を巡回時に確認し,リスクアセスメントを行ったが,次亜塩素酸ナトリウムが不足し,トイレ清掃や吐物処理物品の準備が不十分であった.次亜塩素酸ナトリウム等の必要物品配布やトイレ清掃・吐物処理方法の指導,感染症発症例への対応も併せて実施した.アウトブレイクの発生はなく,リスクアセスメントと症候群サーベイランスを活用した避難所感染対策支援活動は感染拡大防止に有用と思われた.一方,情報収集や活動内容に他の医療支援チームや保健師活動と重複するものもあり,情報共有が可能なスキームの確立が望まれる.
著者
松井 一乃 金高 一 池部 実 吉田 和幸
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成24年度電気関係学会九州支部連合大会(第65回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.275, 2012-09-14 (Released:2014-12-17)

現在のspam対策は,検出率は高いが全てのメールに対策を適用するため通常メールの受信までに遅延が発生するものや,負荷が軽く検出率も高いが誤検知が多いなど,どの対策にも欠点と利点が存在する. 本研究では,メールフィルタプラグインであるmilterを用いてspam対策を組み合わせることで,負荷が軽く検出率の高いもので対策を行った後に誤検出されたメールを他のspam対策で救済するなど,利点を生かしながら欠点を補うことで効率的なspamメールの排除を目指す. 本論文では,milterを管理するmilter-managerを用いたメールサーバの設計・運用を行い,その有用性について検討する.
著者
松井 和輝 古川 正統 安藤 英由樹 前田 太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.243-252, 2015

We manipulate equipment naturally as an extension of physical ability. However, it is unclear whether we can transform supernumerary body parts to our body image to use the equipment as a similar body parts. So, this study suggests that ownership is formed by the simultaneity of visual and tactile stimulation, and that this perception of ownership is important to form the body image. In addition, we propose that if the equipment appears to be extended continuously from our body and ownership of the equipment occurs, then the body image will be transformed to include the equipment. Therefore, in this study, the equipment was arranged to appear as extending from the body, and visual and tactile stimulation were used to elicit ownership of the equipment. The results confirmed that body image was transformed to include the equipment. Furthermore, this suggested that it is possible to incorporate equipment into one's body image, and that we could use the equipment as a supernumerary our own body-part.
著者
松井 英治 最上 公彦 木村 衛
出版者
社団法人 日本鋼構造協会
雑誌
鋼構造論文集 (ISSN:18809928)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.115-127, 1994-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
6

A Cable-Reinforced Membrane Structures with Glulam Arches was constructed as the Hakuryu Dome in Daiwa-cho, Hiroshima Prefecture. This structure was realized by solving the following three issues.(1)Establisliment of methods of Cablenet design and construction(2)Development of Membrane joint detail which hides joint lines to show the roof as one Membrane(3)Establishment of design formula and construction method of Glued Laminated Timber joint, the Big Finger Joint, which doesn't use steel connections.This report describes the proposed design methods and the erection of the Hakuryu Dome.
著者
小堀 紀子 岩切 宗利 松井 甲子雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.595-604, 2001-03-15
被引用文献数
7

電子出版の普及にともない,書籍をパソコンや携帯端末上で読む時代となってきた.これにともない,著作権保護の問題が発生するが,漫画の特長を生かした電子透かし技術は見当たらない.そこで,この論文では,インターネットを介して電子的に取り引きされるデジタル漫画に注目し,漫画を2値画像としてとらえ,そこに電子透かしを埋め込む一方式を提案する.本方式は,漫画の特徴である線画を利用し,線分や絵を構成する黒画素の領域を従来法とはまったく異なる面積としてとらえて透かし情報を埋め込む方法である.この方法によれば,画像の黒画素領域のエッジ部分を一様に拡大または縮小しながら利用するため,視覚的にも画像への影響が少なく,各種の攻撃にも耐えられることを示す.Recent developments of electronic publication enable us toread books on a personal terminal and bring a serious problemof copyright protection on World Wide Web or Internet at the same time.This paper pays attention to a digital comic book in such a style.More robust techniques for comic pictures are not presented toembed the copyright data,yet.We propose a simple scheme of comic watermarking,which expands or shrinks the area of black pixels uniformly so as torepresent a digit of copyright data with pixel distribution.The watermarked comic resists unintentional attacks of JBIG/JPEGprocessing and is robust for intentional attacks such as StirMark,also.
著者
松井 洋子
出版者
日本学士院
雑誌
日本學士院紀要 (ISSN:03880036)
巻号頁・発行日
vol.72, no.Special_Issue, pp.273-285, 2018-04-11 (Released:2018-05-23)
被引用文献数
1
著者
松島 幸慧 白坂 大輔 松井 隆 守殿 貞夫
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.86-90, 2013 (Released:2013-06-05)
参考文献数
11
被引用文献数
1

東日本大震災後,避難所である岩手県の高校体育館でインフルエンザが集団発生した.今回我々は,その時間経過と感染拡大防止策について報告する.   近くの基幹病院退院後,避難所体育館に戻った60歳代女性患者が,2011年4月4日に発熱のため救護所を受診し,迅速キットを使用してインフルエンザA型と診断された.空き教室を利用して隔離治療を開始したが,その後から発症者が増加した.発症者が体育館の壁際に偏っていたことから,4月9日より保険適応基準でのオセルタミビルリン酸塩(オセルタミビル)の予防投与を開始した.加えてマスクと擦式消毒用アルコール製剤の設置場所を増やし,校内放送やポスターで実施を呼びかけた.また感染場所として体育館内以外に,給食の列と風呂の脱衣所を疑い,給食の列でのマスクの着用と脱衣所の掃除方法の確認を行った.同時に発熱患者に対して積極的な救護所への受診を呼びかけた.4月16日以降発生患者が減少し,4月20日を最後に新規発生はなく,4月24日に隔離を終了した.この間,発症者の総数は40名であった.   今回重症例を発生することなく,インフルエンザ集団発生を終息に導くことができた.1例目からの隔離治療,一般的感染予防策の徹底,オセルタミビルの予防投与,発熱患者への積極的な受診の呼びかけが終息に寄与したと考えられた.
著者
河崎 雅人 松井 愛生 小池 守
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3-4, pp.65-73, 2017 (Released:2020-04-21)

小学校学習指導要領解説算数編には人口密度や速さの単位は組立単位と例示されてはいる が,面積や体積以外の組立単位について,授業で指導されることはない.そこで,単位に着 目した「単位量当たりの大きさ」や「速さ」の指導方法について示唆を得るために,児童を 実際に指導する小学校教員の組立単位に関する理解状況を調査することにした.現職の小学 校教員に対して,(一つ分の数)×(いくつ分)=(ぜんぶの数)に関する問題の解答例を3 種類用意し,それぞれの解答例に記された数値に単位を記述させた.同時に,調査参加者の プロファイルを調査した.その結果,「km/時」等の速さに関する組立単位は,経験年数,算 数や理科の得意・不得意,算数の指導のしやすさには関係なく理解されていたが,速さ以外 の2種の量に対して乗法や除法の演算を行った結果が表わす量の単位についての理解は不足 していることがわかった.
著者
柳 裕一朗 松井 裕 太田 進 伊藤 博子 石村 惠以子
出版者
公益社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
雑誌
マリンエンジニアリング (ISSN:13461427)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.914-919, 2011 (Released:2013-10-23)
参考文献数
5

Natural gas produces less carbon dioxide, nitrogen oxides and sulfur oxides per unit heat released than other fossil fuels such as oil and coal. In line with efforts to preserve global environment and to promote sustainable development of world economy, the demand for natural gas has steadily increased. This study was conducted to analyze the risk of GHG (greenhouse gas) release caused by accidents involving natural gas carriers. LNG, which stands for Liquefied Natural Gas, is composed mainly of CH4, so the composition of LNG was assumed to be 100% CH4. Also, the other components of natural gas are not recognized as GHG. To estimate the maximum environmental impact, “Q-Max” which is currently the largest LNG carrier was used as the reference ship. For comparison, CO2 emissions from the propulsion engine were calculated. The environmental impact due to accidents was insignificant compared with the impact of CO2 emissions from the propulsion engine.
著者
松井 秀樹 富澤 一仁 大守 伊織 西木 禎一 松下 正之
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

近年、脳内ホルモンの未知の生理作用が大きな脚光を浴びている。オキシトシンは出産、授乳時に子宮収縮や射乳を促すホルモンとして知られている。一方、同ホルモンについては脳内特に辺縁系にも多数のオキシトシン受容体が発現しており、オキシトシンの脳内における働きが注目されている。我々は海馬におけるオキシトシンの作用に注目して解析を行い、授乳中の母親マウスではオキシトシンにより記憶学習能力が向上することをすでに報告している。一方、近年オキシトシンによる不安情動調節作用が報告され注目されているが、そのメカニズムについては不明な点が多い。この基盤研究Bでは扁桃体機能に注目し、不安情動の調節機構を検索した。マウスを閉所に強制的に長時間閉じ込めるストレス負荷を行い行動解析すると、約一週間程度でストレス耐性を獲得する。この耐性獲得機構が扁桃体ニューロンにおいて、オキシトシンの分泌とRgs2と呼ばれるシグナル伝達系を介して制御されているとの仮説を証明した。本研究で得られた成果を今後さらに発展させ、in vivoで扁桃体へのRgs2遺伝子トランスフェクションやRNAiによる発現抑制などを行い、行動学的解析も用いて抗不安、抗ストレス作用の機構の解明を行う研究につなげてゆく予定である。今後この研究の発展により不安情動の新しい制御機構が可能となり、新しい治療法開発への糸口が開かれることと期待される。この意味でも本研究は大きな成果を上げることが出来た。
著者
中根 洋治 奥田 昌男 可児 幸彦 早川 清 松井 保
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.22-37, 2012 (Released:2012-02-20)
参考文献数
48

本稿では,静岡県の赤石山脈の南端にある,我が国の代表的な尾根を通る秋葉古道を研究対象とした.この古道について,中世以前のことがこれまで明らかにされていないので,その成立過程と果たしてきた役割などを研究した.秋葉古道は時代と共に黒曜石・巨石信仰・塩・修験道・秋葉信仰・戦いの道などに使われてきたが,文献調査,現地踏査及び聞き取り調査により,その成立過程とともに浜松市を代表とする遠州と飯田市を代表とする南信州を結ぶ古道の役割についても研究した.その結果,最古の道は兵越峠を越えていたこと,そして,時代が下がるにつれて利用されたルートが低い位置に推移していること,また秋葉古道の役割として,物や人の運搬に関することおよび信仰などのために使われてきたことを明らかにした.
著者
松井 剛
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.16-26, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
55

本論文の目的は,米国ニューヨーク市(New York City,以下NYC)における日本料理レストラン(Japanese restaurant)の歴史的発展の経緯を明らかにすることにある。主要な発見事実は2つある。第1に,戦後の日本企業の対米進出にともない,接待など法人需要が高まったため,高級日本料理レストランの発展を促した。日本のレストランのNYC進出に日本企業が出資するケースも見られた。第2に,かつて米国人に知られた日本料理は,すき焼き,天ぷら,テリヤキぐらいしかなかったが,企業家の努力を通じて,寿司やラーメンのような未知の日本料理が定着した。さらに近年では,居酒屋,焼き鳥屋,カレー専門店,モツ鍋料理店,お好み焼き屋,洋食レストランなど,日本料理の細分化が進んでいる。この集合的な努力がゆえに,NYCは米国の他の都市には見られない日本料理の多様化が実現している。
著者
布施 春奈 大西 優香里 松井 布美 杉山 奈津子 小茂田 昌代
出版者
Japanese Society of Drug Informatics
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.64-71, 2016 (Released:2016-09-27)
参考文献数
39

Objective: Tamoxifen is a drug that is frequently administered for 5 years to treat hormone receptor-positive breast cancer in premenopausal women.  Metabolism of tamoxifen by cytochrome P450 enzymes such as CYP3A4 and CYP2D6 is required for drug efficacy.  However, reports suggest that the effect of tamoxifen is attenuated in the presence of CYP2D6 inhibitors.  In this study, I evaluated drug-drug interactions that may attenuate tamoxifen action for improved pharmaceutical management.Data Source: Potential interactions were evaluated by using the tamoxifen package insert, Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes (KEGG), Pharmaceuticals and Medical Devices Agency (PubMed), and Lexicomp Online.  We have searched the paper using the PubMed and JDream III.The Choice of Research: The paper about the interaction related CYP2D6 and 3A4 of tamoxifen.Results and Conclusion: The use of tamoxifen is often long term; however, adverse effects such as hot flashes, can cause poor regimen adherence.  Although selective serotonin reuptake inhibitors (SSRIs) can effectively treat menopausal hot flashes, many SSRIs inhibit CYP2D6.  In particular, paroxetine has been reported to adversely affect tamoxifen metabolism.  There are 31 drugs and 843 compounds that inhibit CYP2D6.  Thus, it is necessary to avoid these combinations.  In addition, there are many CYP2D6 gene polymorphisms that have been identified in Japanese patients, and some reports indicate that they affect tamoxifen efficacy.  Therefore, in order to continue use of these medications without attenuating the effect of tamoxifen, development of medical database which can be updated daily is required to avoid CYP-related interactions.
著者
松井 克文 牧野 恵美 馬田 隆明 菅原 岳人 吉田 塁 栗田 佳代子 長谷川 克也
出版者
日本ベンチャー学会
雑誌
日本ベンチャー学会誌 (ISSN:18834949)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.29-43, 2020-09-15 (Released:2022-01-12)

本研究の目的は、起業家によるゲスト講義を中心とした起業家教育プログラムの効果検証である。ゲスト講義は、ロールモデルや代理経験の効果を通して起業における自己効力感を向上させ、起業意思が醸成されて起業につながると期待されてきた。本研究では、同一環境にある非受講のコントロールグループを設定した準実験を実施し、差分の差分法を用いてゲスト講義の効果を検証した。対象のプログラムはゲスト講義を4回含む7週間の大学の大規模授業である。検証の結果、受講の効果による起業意思と起業における自己効力感の向上は確認されなかった。また、受講前の起業意思が高い学生ほど、受講後に起業意思が低下する結果が示された。以上のことから、ゲスト講義中心の教育プログラムは期待した効果が得られていないと考えられる。一方、受講前に起業意思が高い学生は、起業への向き不向きを再考する機会を得て、自らの適性を見つめ直したと考えられる。
著者
松井 繁
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.596-604, 2006-08-01 (Released:2011-03-18)
被引用文献数
1

17世紀に管鍼法を考案した先覚者杉山和一以来、鍼灸と視覚障害者とは密接な関係がある。鍼灸を研究し、貢献した視覚障害者5氏について調べた。奥村三策は19世紀文部省が禁止した鍼灸教育を復活させた。20世紀、平方龍男はリンパ鍼療法を開発し、木下和三郎は灸の研究、影山儀之助は鍼灸師初、鍼の研究をそれぞれ行なった!芹澤勝助は太平洋戦争後鍼灸存亡の危機を勝利に導き、世界初コンピューターによる東洋医学自動診断機を開発するなど多数の研究を行ない、鍼灸大学創立の道を開いた。視覚障害者は何度も鍼灸存亡の危機を乗り越え、鍼灸の科学化と取り組み、時代のニーズに応える専門書を執筆するなど、鍼灸医学を確立発展させて不滅の功績を残した。