著者
平田 裕美 小林 正子
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

中学生、高校生の身長・体重の時系列的変化と心身の健康、社会的風潮の取り入れ、生活習慣、栄養素等摂取、父親・母親の養育行動との因果関係を明らかにした。生活習慣では、朝食を同じ時間に食べていない、鉄分、ビタミン類などの栄養素等摂取不足群は身体不調を訴えていた。体重では、父親との会話が多い中学生、高校生ほど、男女の差異無く、不安感が低く、成長曲線に極端な体重の変動は見られなかった。身長では、思春期スパートと対人関係に関連はなかったが、身長の停滞がある子どもには低出生体重児であったことが確認された。アレルギー(金属、鼻炎、食物)、腎疾患、心疾患などの症状をもつ子どもにも同じ兆候が見られた。
著者
田中 優子 小林 ふみ子 横山 泰子 小秋元 段 大木 康 王 敏
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、次のことが明らかになった。第一に、江戸庶民が日本の領域を意識してきた、その経過と変遷である。第二に、歴史上の日本意識の高揚の理由や、国家と地域の齟齬という問題に気付くことになった。第三に東アジアにおける華夷意識が、日本においても国家と地域の関係に大きな影響を与えていることが認識できた。総じて、近世では近代とは異なる日本意識が様々な形で表現されていたことがわかった。また大学院博士課程の学生たちが、自らの研究の中で日本意識を考え、研究に取り入れるようになった。
著者
中野 寛 小林 真 寺内 方克
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.78-84, 1998-06-01
被引用文献数
5

インゲンマメは一般に耐暑性が低く, 高温下では落花・落莢現象が激しくなり結莢率が著しく低下する.そこで, 耐暑性品種ハイブシと石垣2号, および非耐暑性品種のケンタッキーワンダーの若莢用インゲンマメ3品種を用い, 高温に感受性の高い時期を解明することにした.植物体を日平均気温約33℃で1日間もしくは5日間処理することにより, 花芽には高温ストレスに弱い時期が4期あることが明らかになった.一方, すでに開花している花や未熟莢は, 同じ温度で連続処理しても全く落花・落莢しなかった.4期のうちの1期は開花前々日から開花前日の時期であった.他の2期は開花9日前頃と12日前頃であった.耐暑性品種のハイブシと石垣2号では, その2期の間, すなわち11日頃に高温ストレスにやや強い時期が認められた.しかし, 耐暑性の低いケンタッキーワンダーでは, その時期も高温に感受性が高かった.残る1期は開花前15日から25日前の時期であった.この時期の花芽は高夜温に弱く, 5日間の処理で日平均気温が約33℃でも夜温が低い場合(昼温/夜温 : 36.8℃/28.1℃)には高温障害を受けなかったが, 夜温が高い場合(昼温/夜温 : 34.2℃/32.3℃)には花が小型で奇形の不完全花となり結莢率も低下した.開花前日の花芽に一日間だけ日平均気温約33℃(昼温/夜温 : 36.9℃/28.2℃もしくは34.2℃/33.0℃)の処理をすると, 翌日開いた花の結莢率は著しく低下した.そこで, 高温感受期をより詳しく決定するために, 午後4時から午前0時迄もしくは午前0時から午前8時迄の8時間だけ, 植物体に高温処理(32.5℃)を行った.これは葯壁の裂開, 花柱の伸長, 受粉, 花粉の発芽, 花粉管の伸長, 受精が行われる期間である.しかし, いずれの8時間高温処理でも結莢率は全く低下しなかった.このことから32.5℃の高温では生殖過程に直接的に作用し障害を与えるものではなく, 高温による障害が徐々に蓄積され, 8時間以上の長い時間の高温処理があってはじめて上述した生殖生長のいずれかの過程が不全となると考えられた.
著者
鄭 雅英 呉 弘敏 権 香淑 宮島 美花 出羽 孝行 林 梅 玄 善允
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1990年代以降に急増する中国朝鮮族の国境を越えた移住労働現象の中で、男性より先駆的な役割を果たしたと評価される朝鮮族女性の国外移住に至るプロセス、彼女たちの移住労働における生活戦略と結果として手にした社会的な利益/損失、および出身地に残した家族やコミュニティとの関係維持/再構築の現状について、最新の知見を獲得した。とりわけ中国、韓国、日本(東京、大阪など)各地における朝鮮族インタビューの蓄積により、トランスナショナルな移民生活における女性と家族の問題に関する新たな理論構築に資する多面的な議論と研究成果を残すことができた。
著者
井上 孝夫 栗林 雅人 曲谷地 咲 栗林 雅人 クリバヤシ マサト Kuribayashi Masato 曲谷地 咲 マガリヤチ サキ Magariyachi Saki 岡本 翔吾 オカモト ショウゴ Okamoto Shogo
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.337-344, 2013-03

ホテルのコーヒーはなぜ高いのか,という問題は,経済学的には需要と供給の法則によって解くべき一例題とされることがある。しかしそこから導かれる回答は,因果関係の分析にはなっていないため,はぐらかされたような後味の悪さが残る。それに対して,本稿では行為分析の発想に基づいて,相場よりも高いコーヒーを提供する側(店)と享受する側(客)のそれぞれの意図を分析し,「高いコーヒー価格」のからくりを明らかにする。第1部はその分析であり,第2部ではそれに基づいて,中学校公民科を想定した「授業構成案」を提示している。
著者
吉野 博 長谷川 房雄 沢田 紘次 石川 善美 赤林 伸一 菊田 道宣
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.345, pp.92-103, 1984-11-30
被引用文献数
19

The thermal performance and occupant's behavior of about 1000 detached houses in Tohoku city area and also in Sapporo and Tokyo as references were investigated in winter of 1982 by means of questionnaire and liquidcrystal thermometers. The regional characteristics of such thermal performance and occupant's behavior of houses was analysed by a multi-variate analysis method. The results are shown as follows : 1. It was found that the cities of Tohoku area could be divided into three groups from the view point of thermal performance and occupant's behavior. Aomori and Akita were comparatively similar to Sapporo. Miyako, Fukushima and Iwaki were almost equal to Tokyo. 2. Among many factors of thermal performance and occupant's behavior, the room temperature, hours of heating, heating apparatuses, oil consumption, etc. were different between above three groups. In Aomori and Akita, the living room temperature is higher, the hours of heating is longer and oil consumption is greater than the other groups. In Miyako, Fukushima and Iwaki, the opposite characteristics was found. In the other cities, such factors were distributed between each house. On the other hand, there were little difference in performance level of thermal insulation and air-tightness between three groups, except that only in Aomori, windows usually were furnished with double glazings. 3. Average air temperature in living room of all houses during heating time after supper was 17.9℃. Average living room temperature is more than 20℃ in Sapporo, Aomori and Akita, and was less than 18℃ in Miyako, Fukushima and Iwaki. Especially the living room temperature in Fukushima is as low as 14.9℃.
著者
小林 充
出版者
法曹会
雑誌
法曹時報 (ISSN:00239453)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.783-812, 2011-04
著者
小林 正秀 萩田 実
出版者
応用森林学会
雑誌
森林応用研究 (ISSN:13429493)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.133-140, 2000-03-20
被引用文献数
15

京都府北部の5林分で,コナラとミズナラの枯損状況を調査したところ,コナラよりミズナラの枯損率が高く,枯損率は最初の被害が発生して3年目頃に最大となった。エタノールを用いた誘引トラップでカシノナガキクイムシを捕獲したところ,捕獲数も被害発生3年目頃に最大となった。しかし,本種はエタノールにはほとんど定位しないことが,α-ピネンや誘引剤なしのトラップ及び障壁トラップとの比較で判明した。ナラ樹に粘着トラップを巻き付けて捕獲したところ,飛翔は6月上旬〜10月下旬にみられ,飛翔時間は午前5時〜11時で,飛翔高度は0.5〜2.0mに多いことがわかった。さらに,前年に穿孔を受けたナラ樹に羽化トラップを被覆して調査したところ,羽化時期は6月上旬〜10月上旬であること,枯死木からの羽化は多いが,健全木からは少ないことがわかった。また,枯死木1m^3当りの羽化数は約3万頭で,1穿孔当りでは約20頭であった。割材調査では,枯死木1m^3当りの羽化数は約5万頭で,1穿孔当りでは約13頭であった。また,すべてのトラップ調査においで性比は雄に偏っていた。
著者
榛沢 和彦 林 純一 大橋 さとみ 本多 忠幸 遠藤 祐 坂井 邦彦 井口 清太郎 中山 秀章 田中 純太 成田 一衛 下条 文武 鈴木 和夫 斉藤 六温 土田 桂蔵 北島 勲
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.120, no.1, pp.14-20, 2006-01-10
被引用文献数
4

新潟中越地震の車中泊では地震による心的ストレス,窮屈な下肢屈曲姿勢,そして脱水により下肢深部静脈に血栓が発生しエコノミークラス症候群(肺塞栓症)が多発した.10/31,11/3,11/7には厚生連佐久総合病院の診療チームと計69名(男性4名)にポータブルエコーで,11/15から12/20までは厚生連魚沼病院に通常のエコー装置を設置しマスコミを通じて呼びかけ82名(男性13名)に下肢静脈エコー検査施行した.2005/2/28から3/31まで再度魚沼病院で検査した方を対象に再度下肢静脈エコーを行った.10/31-11/7に検査した69名中車中泊経験者は60名で,8名にヒラメ静脈浮遊血栓(そのうち1名はCTで肺塞栓症を認めた),14名に壁在血栓を認め,血栓陽性例は全員車中3泊以上であった.11/15-12/20の検査では車中泊は66名(6名は30日以上連泊),そのうち60名が下肢の疼痛や腫脹を訴えヒラメ静脈の充満血栓1名,9名で壁在血栓を含めた血栓を認め,血栓陽性例は全員震災直後から車中4泊以上であった.血栓陽性率は震災後からの経過時間とともに低下し12/20では10%であったが2/28から3/31の診療結果では新たな血栓も認め血栓陽性率は21.9%と上昇を認めた.11/7までの下肢静脈エコーにおける車中泊者のヒラメ筋最大静脈径は8.8±2.5mm(車中泊経験の無いヒラメ筋最大静脈径7.1±2.0mm)より有意に大(n=55,p<0.05),また血栓を認めた被災者のヒラメ静脈最大径10.0±2.6mmで血栓の無い被災者(7.5±4.4mm)より有意に大であった(n=67,p<0.0001).本診療調査により大災害時における車中泊は急性期に肺・静脈血栓塞栓症を起こすだけでなく,静脈の損傷により慢性期に反復性の血栓を生じて血栓後症候群になる危険性も大であることが示唆された.
著者
所澤 潤 中田 敏夫 入澤 充 小川 早百合 古屋 健 江原 裕美 澤野 由紀子 志賀 幹郎 山口 陽弘 田中 麻里 YOFFE LEONID G 服部 美奈 山崎 瑞紀 日暮 トモ子 猪股 剛 小池 亜子 小室 広佐子 近藤 孝弘 三輪 千明 市川 誠 音山 若穂 前田 亜紀子 徳江 基行 モラレス松原 礼子 佐藤 久恵 林 恵 清水 真紀 福田 えり (石司 えり) 白石 淳子
出版者
東京未来大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

ドイツ、イタリア、チェコ、ブラジルは、学齢児の就学義務を設定している。ドイツとイタリアでは子供は社会の責任で国籍に拠らずに最低限の教育を受けさせねばならないという考えがあり、また、4国には、居住する子供を国籍で判別することが技術的に困難であるという共通の事情がある。それに対して、中国、韓国、台湾、タイでは、日本と同様、国家は自国民の子供に対してだけ就学/教育義務を課すという考えが主流である。いずれの国でも教授言語を習得させる特別な教育が設定されているが、並行して母語保持教育を実施する点についてはいずれの国もほとんど制度化が進行していない。
著者
山田 果林 竹原 一明 中村 政幸
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.13-21, 1999-05-25
被引用文献数
22
著者
橋谷 英子 瀬田 充子 楊 思好 毛 久燕 林 小旻
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

中国浙江省舟山では一人遣い指人形芝居『月唐演義』を3日、以前と合わせて約20日分、全編のほぼ半分を録画し、また『粉粧楼』「胡奎売人頭」の段も2日で上演してもらい録画した。一方、伴奏もすべて一人で行う、より古い形式で上演される温州地区蒼南県の一人遣い指人形で、『粉粧楼』を4日20時間、『月唐演義』「李白出考」を2日10時間、泰順県でも『月唐演義』を1日上演してもらい、録画した。これらの録画記録を比較検討した結果、伴奏が別に加わる舟山では、人形は動きが細やかで上演の重要要素であるが、蒼南や泰順では棒に挿した人形を並べるだけの場面も多く、人形は補助で語りが主で、講史との関係がよりはっきりと窺えた。

1 0 0 0 OA 三國通覽圖説

著者
林子平 [著]
出版者
須原屋市兵衞
巻号頁・発行日
vol.[2], 1786
著者
小林 敦子 松本 ますみ 武 宇林 蔡 国英 馬 平 王 建新
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

(1) 中国の少数民族地域である寧夏回族自治区においては、回族の女性教員の増加に伴い、女児・女子青年の教育レベルが向上している。(2) 日本のNGOの教育支援によって養成された回族女性教員は、結婚・出産後も小中学校教員として働き、地域における女性のエンパワーメントの上で貢献している。(3) 民族の特性を生かした女子アラビア語学校の卒業者である回族女子青年は、経済発展の著しい広州や義烏で通訳として活躍している。家庭の経済的困窮等の事情から、普通高校への進学を断念した回族女子青年にとって、アラビア語学校はセイフティネットとなっている。
著者
高木 弘 小林 章二 岡田 秀親 中島 泉 磯部 健一 林 衆治 KOBAYASHI S
出版者
名古屋大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1994

異種臓器移植において生ずる超急性拒絶反応を抑制するためには、異種抗原、自然抗体、補体系の制御が重要である。本研究では、補体制御因子遺伝子は、同時に複数遺伝子導入した方が、異種免疫反応抑制効果が強いというin vitroでの実験結果を基に、DAFおよびHRF20遺伝子を同時に導入したダブルトランスジェニックマウスを作成し、機能解析を行った。そして、この結果を基にDAF,HRF20,およびmembrane cofactor protein(MCP)を導入したトランスジェニックブタを作成した。異種抗原Gal α Galに対する対策として、マウスembryonic stem(ES)細胞でα(1,3)GT遺伝子のダブルノックアウトを行い、機能解析を行った。また、α(1,2)FT遺伝子を異種培養細胞へ遺伝子導入した場合、Gal α Gal抗原の発現が抑制され、異種免疫反応が抑制されるというin vitroの実験結果を基に、a(1,2)FT遺伝子導入トランスジェニックブタを作成した。したがって、補体制御因子遺伝子を発現し、かつ異種抗原GalaGalを発現しないトランスジェニックブタの作成は、異種臓器移植の臨床応用にとって重要であると考えられた。