著者
森妹子
雑誌
日本消化器病学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.106, 2009
被引用文献数
1
著者
森山 慶太 石黒 匡史
雑誌
日本美容外科学会会報 (ISSN:02882027)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.29-34, 2012-03-25
著者
山本 昌 草森 浩輔
出版者
京都薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、新規骨粗鬆症治療薬であるテリパラチド(hPTH) をマイクロニードル (MN)に封入した hPTH 封入 MN (hPTH-MN) を作製し、その皮膚透過性の改善を試みた。放出試験において、MN に含有された hPTH は、試験開始後5分までにほぼ全量が速やかに放出された。また、hPTH-MN 皮膚適用後の血清中 hPTH 濃度は速やかに上昇し、高い吸収性を示した。さらに、骨粗鬆症モデルに hPTH-MN を適用後、薬理効果を示すことが明らかとなった。最後に、hPTH-MN 適用後、水分蒸散量の上昇が一時的であったことから、皮膚への障害性はほとんどみられないことが認められた。
著者
松本 裕治 浅原 正幸 岩立 将和 森田 敏生
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.18, pp.1-6, 2010-11-11
被引用文献数
1

科研費領域研究研究 「日本語コーパス」 の一環として開発してきたコーパス管理ツール 「茶器」 の機能と現状について報告する.茶器は,形態素解析 (品詞情報),係り受け解析のアノテーション (注釈) が付与されたコーパスを格納し,様々な検索,検索結果や統計情報の表示,注釈誤りの修正などの機能をもつツールであり,注釈付きコーパスの格納,検索,作成,修正のための環境を提供する.主な機能は,文字列,形態素列,文節係り受け構造などを指定したコーパスの検索と,検索結果の KWIC 表示と係り受け木の表示,種々の統計情報の表示,注釈付けエラーの修正などである.現在は,茶筌/ MeCab による形態素解析,南瓜による係り受け解析結果をデータベースに取り込む機能を提供するが,特に言語には依存せず,任意の言語の品詞/依存構造注釈付きコーパスを扱うことができる.This paper introduces a annotated corpus management system ChaKi that has been developed under the auspices of the Japanese Corpus Project (Grantin-Aid for Scientific Research in Priority Areas). The system handles morphologican and dependency structure annotated corpora and facilitates various functions such as storing, retrieving, creating and error-correcting annotated corpora. String, word and dependency structure based corpus retrievals are possible, and the results are shown as KWIC format or as dependency trees. While the current system transfers corpora with the ChaSen/MeCab or CaboCha output format into databases, it is language independent and can be applied flexibly to any POS/dependency structure annotated corpora.
著者
丹羽 篤朗 三井 敬盛 森山 悟 石黒 秀行 柳瀬 周枝 大和 俊信 柴田 和男 佐々木 信義 角岡 秀彦
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.1962-1966, 1997-09-01
被引用文献数
13 10

中結腸動脈瘤の破裂により腹腔内出血をきたした症例を報告する. 症例は60歳の男性. 既往に高血圧. 突然の腹痛と背部痛で発症し, 疼痛が増強するため当院を受診した. 腹部理学所見, 血液検査で腹膜炎を疑ったが, 超音波検査では大量の腹水を認め, 腹腔穿刺にて腹腔内出血と診断した. 造影CTでは脾動脈瘤と胃裏面から股間膜左側に広がる血腫を認めた. 緊急手術を施行し, 中結腸動脈左枝の破裂による出血で破裂部を切除し止血した. 病理組織検査では中膜壊死に伴う隔離性動脈瘤と診断された. 術後経過は順調で16病日に退院した. 術後の血管造影で腹腔動脈起始部は閉塞し, 上腸間膜動脈根部, 下膵十二指腸動脈, 膵十二指腸動脈弓, 背側膵動脈, 脾動脈, 胃十二指腸動脈, 中結腸動脈根部に嚢状, 紡錘状の動脈瘤が多発したきわめてまれな症例であった. 術後18か月が経過したが, これらの動脈瘤による症状はない.
著者
森 修一 服部 美紀 山中 大学 橋口 浩之 高橋 幸弘 濱田 純一
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

落雷被害の社会的影響が大きいインドネシアのジャカルタ首都圏の雷雨を対象とし,長期現業地上観測データに基づく気候学的解析を行うと共に,レーダー等による特別観測を実施した.その結果,雷雨は対流季節内振動(MJO)の東進と共に大きく変動し,MJO活発域の到来直前(Phase 3)に最も激しくなる.また,雷雨の季節進行は多くの地点で雨季直前(4月,11月)に活発となるが,赤道越え北風モンスーンサージ(CENS)が影響し,ジャワ海沿岸のみ2月が最盛期となるなど地理的差異も大きい.さらに,雷雨はジャワ島南部の山岳域で発生し,北部沿岸のジャカルタ都市部へ移動する日周期移動が顕著であること等が明らかとなった.
著者
島原 政司 有吉 靖則 今井 裕 水城 春美 嶋田 淳 古澤 清文 森田 章介 上山 吉哉
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.594-602, 2007-10-20
参考文献数
20
被引用文献数
32 12

Bisphosphonates are used for the management of bone metastatic disease and hypercalcemia caused by malignancy, as well as the treatment of osteoporosis. Recently, a number of patients with bisphosphonate-associated osteomyelitis and osteonecrosis of the jaws have been reported in the English-language literature. This report describes patients with bisphosphonate-related osteomyelitis and osteonecrosis of the jaws in Japan. The subjects were enrolled using questionnaires sent to 239 institutions certified as training facilities by the Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons in 2006. Thirty patients (4 men and 26 women) from 18 different institutions (mean age at diagnosis, 66.9 years) were studied. As for local features, pain with or without swelling was the most common symptom and sign. The mandible was affected in 22 patients, the maxilla in 6, and both jaws in 2. Twenty patients received intravenous bisphosphonates, 8 received only oral bisphosphonates, and 1 received both types of treatment. The reasons for bisphosphonate treatment were bone metastasis from breast carcinoma (13 patients), multiple myelomas (6 patients), osteoporosis (8 patients), and hypercalcemia related to malignancy. More than 50 % of the patients underwent oral surgery including tooth extraction just before or during treatment with bisphosphonates, while 5 patients received no dental treatment. In addition to antibiotic therapy, surgery, including sequestrectomy and curettage, was performed. As for outcome, 8 of the patients were completely cured, while 17 patients remained under treatment at the time of this writing.
著者
野津 憲治 藤井 直之 森 俊哉
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

マグマ揮発性物質は、火山ガスとして山頂火口や山腹噴気孔から放出しているだけでなく、火山体表面全体から拡散放出している。本研究では伊豆東部火山群の単成火山直下のマグマの動きをマグマ揮発性物質の拡散放出から捉えようとした。1989年の海底噴火で形成した手石海丘では、火口底直上の海水の精密化学・同位体分析から極めて少量のマグマ-熱水起源のCO2とCH4の放出を検出した。最近の群発地震震央域の陸上部分や2700年前の割れ目噴火域では、マグマ起源CO2の拡散放出は検出できなかった。4000年前に生成した大室山では、CO2拡散放出量は火口内で少し高く、積算放出量は(22+2)トン/日であった。
著者
森下 將史 高木 丈夫
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

グラファイト上吸着ヘリウム3薄膜吸着第1原子層の固相は2次元量子スピン系のモデル物質を与える。この系の磁性は多体交換相互作用の競合により支配されるが、その詳細は不明であった。本研究では、吸着ポテンシャルのcorrugationが重要な役割を演じていると考え、経路積分モンテカルロシミュレーションによる吸着エネルギーの計算に基づいて吸着構造相図を求めた。最も低面密度の固相である√<3>×√<3>相から面密度の増大に伴い、striped domain wall構造、honeycomb domain wall構造、honeycomb cage構造、incommensurate構造へと、2次構造相転移により次々と移行する。この吸着構造相図は、様々な実験事実を定性的にではあるが、非常によく説明できるものである。特に、最大の謎であった、突然の反強磁性-強磁性転移は、commensurate構造からincommensurate構造へのC-IC転移による多体交換相互作用の競合の変化の結果として説明される。一方、この系の比熱を交換相互作用の大きさと同じの100μK程度の低温まで測定し、広い面密度領域に渡り、2桁以上の広い温度範囲でほぼ温度に反比例する依存性を観測した。局在スピン系の高温比熱は温度の自乗に反比例することが期待され、観測された比熱は異常なものである。この異常なべきの正常値からのずれは、多体交換相互作用の競合の強さを反映したfrustration parameterであると考えられる。観測された比熱のべきは複雑な面密度依存性を示すが、これも本研究により提案された構造相図により説明できる。また、√<3>×√<3>相より低面密度領域で競合が弱まること、流体相の比熱の寄与は観測されず、spin polaronの比熱と考えられるbumpが観測されたことは、これまで直接的証拠が得られていない零点空孔子の存在を強く示唆する。
著者
遠藤 泰生 中野 勝郎 増井 志津代 荒木 純子 松原 宏之 橋川 健竜 肥後本 芳男 佐々木 弘通 森 丈夫 中野 由美子 久田 由佳子 金井 光太朗 CHAPLIN joyce CAPOZZOLA christopher GOODMAN david JAFFEE david HALL david
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

「公民的要素」「政治的要素」「社会的要素」他の要素に市民権を分別しその成長を直線的に理解することに西欧の市民社会理解は特徴付けられる。しかし、19世紀前半のアメリカ合衆国における市民編成原理の歴史を理解するには、そのような枠組みは図式的すぎる。19世紀前半の合衆国における市民編成原理の追求は、領土の拡大と不断の移民の受け入れ、消費革命の浸透、奴隷制度の是非をめぐる論争などの問題に直面しながら行われた。本研究ではその歴史を、手稿請願、読書習慣、教会説教、大西洋世界における図像リテラシー他を媒体とする非公式の政治行為に携わる市民をも包摂する、巨視的視野から検討する。
著者
金森 祥太 藤原 和也 玉木 徹 金田 和文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.249, pp.25-30, 2009-10-15

本論文では,大気光学現象である虹を物理的な光学現象を考慮してフォトリアリスティックにレンダリングする手法を提案する.波動光学を考慮することで過剰虹の表示や,異なる半径の水滴による虹の表示が可能となった.また,大気中の水滴の分布,空気分子による光の減衰(outscattering,absorption)を考慮することによって,水滴による光の干渉現象や,太陽高度による虹の色変化を表示できる.さらに,空の色に代表されるような大気中の空気分子による散乱(in-scattering)を考慮することによって,虹の背景にある空の色も合わせて表示でき,空の色が虹に与える影響もレンダリングした虹に加えることができる.
著者
森重 敏子 青山 よしの 堀 洋子 金子 小千枝
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.247-252, 1981-12-20
被引用文献数
1 5

9色の着色あめ玉のうちから年令、性別、居住地等の異なる調査対象1835名に1種を選択させ、同時にその選択理由を記入させ、色彩嗜好傾向を調べた。1.学令別色彩嗜好傾向には有意の差が認められた(χ^2=368.414, P<0.001)。低学令ほど各色の嗜好率に大差を示し(幼稚園、小学生では赤、青に片寄った嗜好を示す)、学令が進むに従って各色の嗜好率の差が減少し、特に大学生では色彩嗜好の多様化が認められた。各色の学令別の嗜好傾向は、低学令で有意に多く好まれる色(赤、青)、高学令で有意に多く好まれる色(黒、無色、ひき茶)、学令による差のない色(橙、緑、紫)の3群に分けられるようである。2.男女別では、女子は赤、橙、男子では青、緑、黒、紫で嗜好率が有意に高い。しかしこの男女差は低学令ほど顕著で、赤、橙は幼稚園、小学生で女子の嗜好率が著しく高い為であり、青、黒は幼稚園、小学生の男子の高率による。3.季節差では、夏に青、冬に黒がそれぞれ有意に多く嗜好された。地域別では、都市で赤が、農村では黄が有意に好まれた。4.選択理由は、総計では"色と味"が有意に多く、次いで"色"、"味"、"色と感覚"の順に選んでいる。低学令ほど、また男子より女子に"色"で選んだものが多く、大学生、また男子の方に"味"で選んだものが多い。橙、黒、ひき茶は"味"で他の色は"色"で選ぶ傾向にあった。
著者
松本 博之 森本 泉
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.3-14, 2013 (Released:2013-04-19)
参考文献数
30
被引用文献数
1

今日われわれのフィールドワークという営みには調査による地域貢献の課題がつきまとっている.フィールドが海外になると,地域貢献は容易に達成できるものではない.われわれ地理学者が地域的差異の究明を研究目的に掲げているように,海外でのフィールドワークの成果を還元しようとすれば,地域社会の特性に応じて社会文化的な差異を越えなければならないからである.そこには,科学者の形づくる知の性質,還元を計る空間的な内実とスケール,還元を意識する研究者の立ち位置など,克服しなければならない数多の問題点がある.本稿は,それらの問題点の基本的な側面に検討をくわえ,望ましい知の還元への方途を模索する試みである.
著者
友澤 森彦 坂本 信介 佐藤 淳 山田 文雄 小泉 透
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
巻号頁・発行日
pp.89, 2013 (Released:2014-02-14)

福島第一原発事故によって放出された放射性物質の野生動物への影響は住民および国際社会の大きな関心事であるが,その遺伝的な影響や生理状態に及ぼす影響,またそれらのモニタリングの手法などについての情報は少ない.放射線被曝によって遺伝的な影響が生じる経路の一つとして細胞内の他の物質に放射線があたって生じた活性酸素が二次的に DNAを酸化することによる間接的経路がある.そこで本研究では環境中の放射性物質が野生動物集団に与える遺伝的影響を捉えるために,尿中の 8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)の濃度を計る事で DNAの酸化ダメージを計る事を試みた.8-OHdGは酸化ダメージを受けた核酸が修復される際に生じる代謝産物で,放射線被曝によって増加する事が示唆されている.2011年より福島県飯舘村,川内村および茨城県の北茨城市の 3地点でアカネズミを捕獲し,尿中 8-OHdGの濃度を比較した.その結果,幾つかの採集地点間で有意な差が見られたものの,空間線量率に応じた尿中 8-OHdG濃度の増加は見られなかった.一方臼歯摩耗度から推定される個体の齢段階に応じて尿中 8-OHdG濃度は高い傾向を示した.また個体ごとの筋肉中の放射性セシウム濃度と尿中 8-OHdG濃度は同一地点で捕獲された個体の間で大きくばらついており,両者の間には相関関係は見られなかった.以上の結果から,採集地点におけるアカネズミの尿中 8-OHdG濃度に対する放射線被曝の影響は加齢などのその他の要因による影響よりも小さい事が示唆された.また実際の DNAの多型についてもミトコンドリアおよびマイクロサテライトを指標に現在解析中である.
著者
上田 城久朗 能丸 真司 永田 夏織 梶井 信洋 大村 良介 原田 俊則 鈴木 伸明 鈴木 道成 森岡 秀之
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.33-37, 2000-01-05
被引用文献数
17 13

症例は73歳女性.朝食2時間後より突然,上腹部痛出現.腹部CT検査と小腸造影検査より空腸憩室を合併した小腸軸捻転症と診断した.入院約1カ月後,手術を施行したが,小腸全体が反時計回りに720°捻転しており,空腸憩室はTreitz靱帯から約25cmの部位の腸間膜よりに存在した,原発性小腸軸捻転症は,本邦ではまれな疾患で術前診断されることは少ないが,本症例では典型的なCT像より術前診断が可能であった.
著者
池井 寧 山崎 一夫 古賀 章浩 森川 恒 福田 収一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.60, no.579, pp.3618-3624, 1994-11-25

The present paper describes a new design of a fluid driven microactuator which comprises a planar piston, a four-way control valve, and a mechanical feedback system that controls the output in accordance with an input displacement. Fabrication processes of the microactuator include bulk micromachining of two sheets of silicon substrate and their assembly by electrostatic bonding to glass plates. The output characteristics were measured supplying the compressed air. Generated output force was partially linear to supplied pressure and to valve displacement. However, the magnitude was asymmetric in terms of driven directions, which results from geometrical configuration essentially introduced by an anisotropic etching of the silicon. The position of the output shaft was sufficiently controlled with a designed magnification factor multiplied to the input displacement in both static and dynamic senses.
著者
村山 昌平 近藤 裕昭 三枝 信子 森本 真司
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

岐阜県高山市の冷温帯落葉広葉樹林において、炭素循環素過程の収支を評価するために、林内外の大気中CO_2濃度及びその酸素安定同位体比(δ^<18>O)、及びδ^<18>Oの変動要因と考えられる土壌中CO_2、降水、土壌水、水蒸気、葉内水のδ^<18>Oの系統的な観測を行った。得られた結果より大気中CO_2の^<18>Oの変動の特徴を明らかにし、その変動要因を考察するとともに、光合成、呼吸に伴う^<18>Oの同位体分別の変動を推定し、^<18>Oの収支からフラックス観測で得られる正味CO_2交換量を光合成と呼吸に分離評価する可能性について検討を行った。大気中CO_2のδ^<18>は、CO_2濃度と比べて複雑な日内変動を示したが、日中乾燥時には、光合成時のCO_2の^<18>Oの同位体分別が増大することに起因すると考えられる顕著なδ^<18>の増加が観測された。日中森林上で得られたCO_2のδ^<18>Oデータの季節変動は、冬季に低い値、春季に高い値を示したが、成長季は年々異なる変動を示した。成長季の変動については、相対湿度と負、日射量と正の有意な相関が見られ、夏季に湿潤であった年には初夏にδ^<18>Oは急減し、少雨で比較的乾燥した年には、初夏に最高値を示したのち緩やかに減少した。北半球中緯度の他サイトとの比較により、後者のような季節変動は、北米・ヨーロッパの多くのサイトで見られたが、前者のような変動は、モンスーンアジア域の特徴であることが示唆された。フラックス観測から推定された光合成・呼吸量と同位体分別を組み合わせてCO_2の^<18>Oのフラックスを推定し、林内1ボックスの収支モデルを用いて、観測されたCO_2のδ^<18>Oの変動と比較したが、推定された^<18>Oのフラックスから観測値の変動パターンを再現できず、光合成・呼吸量を精度良く分離推定するためには、森林内外の各層における素過程を再現する多層キャノピーモデルを用いた解析を行う必要があることが示唆された。