著者
森永 泰彦 長尾 征洋 佐野 充
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.24, pp.1-7, 2014-06-18

本論では,多品種の製品の受注生産している中小企業におけるフレキシブルジョブショップスケジューリング問題 (FJSP) の最適化について述べる.問題の目的関数には重み付けした納期遅れと段取り者の負荷の平準化を組み入れ,最適化手法としては島モデルを組み入れた Genetic Algorithm(GA) を開発し,実在する受注生産型の中小企業の生産データを用いて研究を行った.開発した GA の解と納期のみを優先させる EDD(Earliest due date) などのスケジュールによって得た値とを比較し,本手法の有効性を確認した.また,この手法を用いて実在する企業に発生すると考えられるリスク (段取り者の離脱や顧客からの過度な納期短縮要求) とその対策のための投資に関する数値実験を行い,リスクの影響と対策の効果を定量的に評価できることを確認した.本手法は他の目的関数も織り込むことが可能であるので様々な形態の製品やサービスの受注型中小企業の客観的経営判断に寄与できると考えられる.This paper describes the optimization of flexible job-shop scheduling problem (FJSP) in small and medium-sized companies with make-to-order (MTO) manufacturing many kinds of products. Incorporating weighted tardiness and set-up worker load balance to the objective function of the problem, we develop Genetic Algorithm (GA) using island model and a study of production data in real world make-to-order manufacturing type small business. Comparing the solutions by developed GA with the values obtained by prioritizing due date alone schedule such as EDD (Earliest due date), we confirm the effectiveness of the proposed method. In addition, we conduct numerical experiments on risk, which is general in the enterprise, and countermeasures by using this technique, and confirm that it is possible to quantitatively evaluate the effects. We suggest that the proposed method has potential to contribute to the business judgment in the make-to-order type small business with products and services by incorporating other objective functions
著者
本田 光子 森田 稔 三輪 嘉六 今津 節生 藤田 励夫 鳥越 俊行 志賀 智史
出版者
独立行政法人国立文化財機構九州国立博
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

博物館におけるIPM体制維持のためのボランティアの導入、育成(直接参加型市民活動)プログラム策定について、スタートすることができた。2ヶ年で9回の市民参加研究会を開催しその成果については、「市民協同型IPM活動研究会-発表の記録と資料」として320頁の報告書を作成した。また一般公開収録DVDにより博物館ボランティア研修会等市民向けに活用し、博物館危機管理としてのIPMの普及をはかっている。
著者
東森 充
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

レオロジー物体の塑性変形分布を制御する手法を提案した.物体の概形とその変形特性を表現する7ノード粘弾性モデルを導入し,概形成形手法として,グリッパによる把持動作によって入力軸とこれに直交するもう1軸の対象物長さの比率を制御する手法を構築した.ここでは, 1軸応力積分値に対する塑性変形分布則に基づき,把持解放後の最終的な物体概形を能動的に管理する手法を提案した.実機実験により提案手法の有効性を示した.
著者
佐藤 英明 西森 克彦 竹家 達夫 眞鍋 昇 星野 由美 佐々田 比呂志 松本 浩道
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2004

1個体からの受精可能卵子の大量生産を目標として卵子の細胞分化・死滅の調節系の解明を行い、新規調節因子を同定するとともに、これを踏まえ受精能・体細胞初期化能高発現卵子生産などの技術を開発した。さらに、直径70μm未満のマウス卵胞卵子由来の産子や家畜ブタ体外成熟卵子をレシピエントとする体細胞ミニブタ作出に成功した。
著者
中村 裕子 森 一将 横瀬 敏志
出版者
明海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、歯髄保存と歯髄再生に有効なEnamel matrix proteinの機能を解析することが目的であった。そのためエムゲイン・ゲル(ビオラ社製)を用い、ラット臼歯の直接覆髄や脛骨穿孔後の治癒過程を検討した。また血管新生・組織誘導について検討した。結果:①ラット歯髄や脛骨穿孔後の創傷治癒に対して促進効果があることが認められた。②組織誘導効果を検討した結果、多くの血管を含んだ結合組織の誘導が観察された。③血管内皮細胞の管腔形成を促進した。これらの結果から新生血管・結合組織の誘導能を有することが示唆された。
著者
津田 一郎 西浦 廉政 大森 隆司 水原 啓暁 相原 威 乾 敏郎 金子 邦彦 山口 陽子 奥田 次郎 中村 克樹 橋本 敬 阪口 豊
出版者
北海道大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-07-23

領域の事後評価はAであり、その成果を冊子体の形で集約し、広く社会・国民に情報提供することには大きな意義がある。取りまとめ研究成果は以下のとおりである。1.成果報告書の冊子体での編集と製本を行った。計画班11、公募班44の全ての計画研究・公募研究の班員が、計画班各8ページ、公募班各4ページで執筆し、研究の狙いとその成果を文書と図でわかりやすくまとめた。これらを冊子として製本し、領域に参加する研究者と関係者に配布した。2.成果報告書のCDを作成し、冊子体に添付する形で配布した。3.本成果をWeb上のデータベースDynamic Brain Platformとして成果公開するための準備を完成させた。これまで当領域の成果報告の場として作成公開して来たホームページは、領域終了後に管理できなくなる。そこで、この領域ホームページをINCF 日本ノードDynamic Bain Platform (DB-PF)に移管した。また、成果報告書の電子版をDB-PFにアップロードするための準備を行った。本公開は、広範な分野の人々から永続的な閲覧を可能にするもので、成果を社会・国民に発信する方法として有効であると期待できる。
著者
塚田 森生
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.90, no.5, pp.348-355, 2008-10-01
被引用文献数
1

シカの個体群密度が数百年にわたって高密度で維持されている奈良公園では,植生の単純化によりカメムシ目の植食性昆虫トサカグンバイの寄主植物が事実上アセビしかない。このため,通常はアセビおよびネジキの2種の寄主植物間で季節的な寄主転換を行う本種が,奈良公園では寄主転換を行わない。長期間にわたるこのような生活環の違いがどのような遺伝的な変化をもたらしているのかを実験的に調べた。同じ条件下で羽化させた場合でも,寄主転換する京都個体群の個体は奈良個体群の個体より産卵数が少ない傾向があった。どちらの個体群の虫にとっても,ネジキはアセビよりもはるかに多い産卵数を達成できる質の良い寄主であったが,通常ネジキを利用している京都の虫にこの傾向がやや強かった。同じ条件で飼育したあとでも,京都の虫は奈良の虫と比較して,ネジキを強く選好する傾向がみられた。寄主転換を行う場合,特に寄主間の移動を行う世代で相対的な翅長が長くなることから,産卵数の減少はそれにともなうコストと考えられた。
著者
花田 裕美 森 泰
出版者
和歌山県農林水産総合技術センター
雑誌
和歌山県農林水産総合技術センター研究報告 (ISSN:13455028)
巻号頁・発行日
no.4, pp.43-50, 2003-03

冬咲きのピンク品種'ダイアナ'と冬咲きの白色品種'アーリー・ホワイト'の交配育種により育成した新品種'ブライダル・ピンク'は、今までの冬咲き品種には無い白色の花弁の周縁部がピンクに発色する覆輪の花色をもつ冬咲き品種である。その特性は両親である'ダイアナ'、'アーリー・ホワイト'と同程度の草勢であり、開花特性も同程度である。本品種は、種子冷蔵期間15日を行った場合、着花輪数5.0輪、花柄長50.0cmと良質の切り花の収穫が可能であり、有望な冬咲きの覆輪品種である。
著者
佐藤 健一 神野 正彦 森 洋二郎 長谷川 浩 菊池 和朗
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30

フレキシブル大容量光ネットワークアーキテクチャに関して,これまでに開発したグループドルーティング並びにバーチャルダイレクトルーティングの総括的な評価を行い,その効果の詳細を明らかにした.その結果を基に,メトローコアをシームレスに効率的に転送できる新しい枠組みを開発した.多次元自由度を駆使したフレキシブルネットワークに関しては,新たに考案したWDM/SDM波長選択スイッチの試作機を用いて、LCoS分割によるスイッチ集積化とジョイントスイッチングによる一括スイッチングの基本動作を確認した。また,ジョイントスイッチによるスーパーチャンネル内クロストート発生機構を明らかにし、実験により定量評価した。さらにクライアントIF速度の増加トレンドと空間スイッチの低コスト性・低損失性に着目した階層化WDM/SDMネットワーク並びに増設性と信頼性に優れた空間クロスコネクトアーキテクチャを新たに考案した。高次多値変調方式および超高密度波長分割多重技術を導入したフレキシブルコヒーレント光伝送システムに関しては,これを実現するにためには,位相および周波数が極めて安定なレーザが必要となり,それに伴い,レーザの位相および周波数特性を高精度に測定・解析する技術が不可欠である.今年度は,これを実現する新たなレーザ特性解析法を提案し,その有効性を計算機シミュレーションおよび実験により示した.本研究成果に関して,レーザ分野において最高峰の学会であるCLEO-Europeで口頭発表を行った.
著者
常見 信代 鶴島 博和 森下 園 梁川 洋子 田付 秋子
出版者
北海学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、ブリテン諸島を構成する4つの地域において、教区が確立されていない12世紀以前に平信徒への司牧がどのような教会組織によって行われたか、その実態を多角的に検証したものである。 その結果、10世紀以前にはイングランドとスコットランドやアイルランド、ウェールズとの間に教会組織の顕著な相違は認められず、教会改革の過程で差異が強調されたことをあきらかにした。
著者
森 徳典 井上 敞雄
出版者
日本林學會
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.p43-50, 1986-02
被引用文献数
7 3

線虫接種後にクロマツ樹幹のエチレン生成は著しく促進され, そのピークは樹脂分泌異常が起こる前後に一度ずつ出現した。しかし, 接種木が枯れずに回復したような場合には, 最初のエチレン生成促進だけで終わった。また, テーダマツやジェフリーマツなどの抵抗性樹種でも, 最初の促進ピークだけは認められた。最初のエチレン生成促進は, 程度の差はあるが, 接種木すべてにみられた反応で, 接種線虫の樹体内移動と関係が深いことが示唆された。市販のセルラーゼをマツ切枝片に与えると, 線虫の場合と同様にエチレン生成の促進が生じた。一度凍結して線虫を殺した懸濁液でもかなりのエチレン生成が認められたが, 煮沸液ではほとんど認められなかった。セルラーゼのこの促進作用は, 切枝では, 抵抗性と感受性マツの間ではっきりした差を示さなかった。以上のことから, 線虫接種木におけるエチレン生成は, 線虫自身によって引き起こされること, そして, その大部分は線虫が分泌するセルラーゼのエチレン生成促進作用に帰せられることがわかった。
著者
森下 一男 秋山 毅志 田中 謙治 岡島 茂樹 中山 和也
出版者
核融合科学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

2波長テラヘルツレーザーを用いた計測システムを大型ヘリカル装置の高瀬能プラズマや、 将来の核融合装置のために開発してきた。これまで、我々はCH3OD レーザーの光励起を用 いて波長57.2 ミクロンと47.7 ミクロンの2 波長レーサーを開発してきた。ここでは、2 波長 レーサーを用いた計測システムの開発や、その原理実証としての2 波長レーザーシステムの開 発そして同装置を用いた機械的振動の補正について記述する。
著者
松田 浩 木村 吉郎 河村 進一 森田 千尋 才本 明秀 森山 雅雄 出水 亨 牧野 高平 豊岡 了 上半 文昭
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

(1)非接触全視野非破壊試験法の開発とその応用:レーザシェアログラフィを用いた欠陥検知への有効性について検討した。また、超高速度カメラを用いた動的変位計測システムによる振動計測法の有効性を確認した。(2)常時微動計測に基づく構造同定及び健全度評価への応用:耐震補強前後の実橋脚を対象として、レーザドップラ速度計による振動試験とFE解析から振動モード同定を実施した。補強前後の固有振動数の変化を実振動計測および振動解析で確認することができた。
著者
小路 純央 森田 喜一郎 柳本 寛子 内村 直尚
出版者
久留米大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

我々は心理教育、認知行動療法、作業療法、軽スポーツからなる復職支援プログラムを実施し、BDI-II、SDS、HAM-D、SASS-Jに加え、今回多チャンネル近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)を用いて、客観的評価としての有用性について検討した。プログラム施行前後で、診断名が変更となった方もおり、外来のみでの診断の困難さが示唆された。またうつ症状の改善を評価するだけでなく、社会適応能力を含めた評価が必要であることが示唆された。さらに多チャンネルNIRSより健常者に比較し脳酸素化Hb濃度変動がうつ病群で有意に低く、プログラムにより前頭前野、側頭領域において血流変動が改善することが示唆された。
著者
藤森 頼明
出版者
城西大学
雑誌
城西経済学会誌 (ISSN:02872072)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.1-109, 1981-11-10
著者
藤森 頼明
出版者
城西大学
雑誌
城西経済学会誌 (ISSN:02872072)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-151, 1981-07-10
著者
藤井 尚子 戸苅 創 鈴木 賢一 小松 弘和 森田 明理 小田 久美子 岩田 広子 小黒 智恵子 村瀬 裕
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、入院患者が着用する衣服である「病衣」について、名古屋市立大学附属病院の看護部や化学療法部の医師と連携し学際的研究チームを構成し、現状の病衣の実状調査をふまえ「脱着容易性」と「患者の回復意欲の向上」に重点をおき、名古屋市の伝統技法「有松・鳴海絞り」の伸縮性を応用する病衣デザインの開発と研究を進めた。成果は以下のとおりである。(1) 国内外における病衣および療養環境の先行研究調査に基づく中長期療養型病衣の提案(2) 容易な脱着性を実現する病衣の基本的構造およびデザイン要件の抽出「有松・鳴海絞り」を活用した病衣プロタイプの製作および検証(3) 病衣デザインの公的発表
著者
森 茂男
出版者
The Society for Near Eastern Studies in Japan
雑誌
オリエント (ISSN:00305219)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.63-78,266, 1977

The Avesta Yašts, which constitute the earlist part of the Younger Avesta, comprises numerous uninteligible passages. Yašt 5, 11:13 are typical hymns having such passages.<br>Parallel passages are observed between Yt. 5, 11:13 and Yt. 10, 125 (a hymn to Mithra), that is to say, <i>ahmya vaše vaz_??_mna</i> (Yt. 5, 11) with <i>ahmya vaše vazante</i> (Yt. 10, 125), and <i>caθwaro vaštara spaeta vispa hama. gaona_??_ho</i> (Yt. 5, 13) with <i>caθwaro aurvanto spaeitita hama</i>. <i>gaona_??_ho</i> (Yt. 10, 125), although they have been rejected or ignored by many Iranists. The dual form, <i>hama</i>. <i>nafaeni berezanta taurvayanta</i>, (Yt. 5, 13), which shows the very contradictory grammatical feature in context, seems to be a formula in the non-Zoroastrian original Yašts. Therefore, the agents of the verb, <i>taurvayanta</i>, are not <i>caθwaro vaštara</i> "four drawing-animals, " but two gods suggested by the dual form. The above two evidences, I think, reveal the close relation between Anahita and Mithra. On the other hand, Anahita was also worshiped as the bestower and the guardian of kingship as well as Mithra in ancient Iran, and such function of Anahita is known by several passages in Yast 5, the inscriptions of Artaxerxes II and other evidences in West Iran. Moreover, considering the dual form of Yt. 5, 13 and Herodotus' famous misunderstanding about Iranian Aphrodite, Anahita (I, 131), we could not deny the possibility that both of them were united into a pair.<br>I suppose St. 11 sings a pair of gods, Mithra and Anahita, driving the chariot, and St. 13 comprises the fragments of two different hymns, one depicts Anahita's four drawing-animals, the other the combat against <i>daevas</i> by them. Yt. 5, 11: 13 would be the remnant of the lost hymns dedicated to Mithra-Anahita. If we accept Christensen's theory that, imitating the Avestan language, Median magi converted to Zoroastrianism composed Yašt 5, we may say that the original text of Yt. 5, 11:13 was the part of θεογουιη, so-called Median version of Yašts.<br>My translation of Yt. 5, 11:13 is as follows;<br>St. 11: Who (the male god, i. e., Mithra), the first, drives the chariot, gripes the bridles for (driving) the chariot; (Anahita) driving his chariot, …<br>St. 13: Whose four drawing-animals (are), white ones, all of one colour. (Two gods, Mithra and Anahita) of the same family, high ones, overwhlmed…
著者
薮下 聡 森田 将人
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

複素座標法は、量子力学的準安定状態である共鳴状態の位置と寿命を、非エルミートな固有値問題を解くことで直接決定する理論的手法であるが、実際の応用に際して、基底関数の選択など技術的に困難な側面を持つ。本研究は、複素数軌道指数を含む基底関数を用いてそれをエネルギー勾配法で最適化するなど、いくつかの計算科学的な技法の開発によってその問題点を解決するとともに、具体的な系に応用するものである。