著者
橋本 あゆみ
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

前年度を引き継いで、戦後の主要な戦争文学との比較を通じ、大西巨人『神聖喜劇』の文学的特徴を検討した。まず前年に口頭発表した野間宏との比較論を基に、論文「大西巨人『神聖喜劇』における兵士の加害/被害―野間宏『真空地帯』との比較から―」を『文藝と批評』に発表した。小説発表当時の社会情況を踏まえつつ、『神聖喜劇』が早くに応召兵士の加害性を問題化した点や、物語の進行とともに暴力否定のモチーフが深まりを見せた点をテクストの検討から指摘した。また、同じく『真空地帯』を主な比較対象に、両作における「法」や「規定」の捉え方が、軍隊と社会の関係や知識人の描き方の違いに関わることを指摘した論文「軍隊を描く/法をとらえる―大西巨人『神聖喜劇』・野間宏『真空地帯』比較―」を『昭和文学研究』に発表した。第二の軸として研究を進めていた大岡昇平『野火』『俘虜記』等との比較は、所属機関内で構想発表を行ったものの有効な焦点を導き出すに至らず、別の比較対象を立てることも視野に入れて再検討中である。2014年3月12日の大西巨人死去を承けた追悼出版物『大西巨人 抒情と革命』(河出書房新社)には、「「別の長い物語り」のための覚書―『精神の氷点』から『神聖喜劇』へ―」を寄稿し、小説第一作と『神聖喜劇』の間での問題意識の継承と発展の見取り図を示した。夏からは二松學舍大学・山口直孝教授を中心とする大西巨人旧蔵書の整理に研究協力者として参画し、リスト作成やワークショップの開催(第1回は2015年2月)を行っている。9月の日本社会文学会拡大例会では、依頼により集英社『コレクション戦争×文学』の『日中戦争』『9.11 変容する戦争』収録作を論じる口頭発表を行い、内容を機関誌『社会文学』に掲載した。『二松學舍大学人文論叢』には、前年から続いて、大西とも交流のあった編集者・玉井五一氏への聞き書きの最終回を掲載した。
著者
高須 俊明 高島 郁夫 上村 清 橋本 信夫 高橋 三雄 土井 陸雄 五十嵐 章 ANWAR Wagar 石井 慶蔵 磯村 思〓 吉川 泰弘 山内 一也 近藤 喜代太郎 YASMEEN Akba MUBINA Agbor AKRAM D.S. SHAISTA Rauf AKHTAR Ahmed AKBANI Yasmeen AGBOATWALLA Mubina AHMED Akhtar RAUF Shaista WAQAR Anwar
出版者
日本大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1988

研究代表者らは、昭和57年度以後の調査研究で、カラチでは亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の発生頻度が日本や欧米の大多数国に比べ数十倍以上高く、また血清学的にみて日本脳炎(JE)が疑われる患者が発生していることを知った。この事実に立脚して、今回SSPE多発の要因解析とJE様脳炎の病原研究に取り組んだ。成果の概況としては亜急性硬化性全脳炎(SSPE)については著しい進展があり、特にSSPEおよび麻疹の疫学やウイルス学での成果が目立っている。しかし、日本脳炎(JE)様脳炎については目立った進展は得られなかった。1.パキスタンにおけるSSPE多発の要因解析SSPEは麻疹ウイルスが個体に持続感染している間に生じた変異株が遅発性に脳を侵して起こる疾患である。今回の研究で、パキスタンにおけるその多発の要因は、以下の点でかなり明らかになった。(1)疫学的成果:SSPE患者の麻疹罹患年齢がパキスタンでは日本や欧米の大多数国と異なりearly measles(EM;2歳未満罹患麻疹)0.353、late measles(LM;2歳以上罹患麻疹)のうち5歳未満罹患麻疹(LM5>)0.340、5歳以上罹患麻疹(LM5≦)0.307(いずれも全measlesに対する比率)とLMが大多数を占めているという事実が判明した。これに基づき麻疹罹患年齢層別に計算されたパキスタンにおける麻疹罹患者からのSSPEの発生率は、EMからは308.1×10^<-6>、LM5>からは197.4×10^<-6>、LM5≦からは585.2×10^<-6>、麻疹罹患者全体からは280.2×10^<-6>と推定され、いずれも日本におけるそれぞれの数値に比べ高く、特にLM5>は46倍、LM5≦は296倍と著しく高いことがわかった。一般人口からの麻疹発生率のパキスタン対日本比は麻疹罹患年齢で層別しても高々2倍に留まる。したがって、パキスタンにおけるSSPE多発の最大の理由は、麻疹罹患者からのSSPEの多発、特にlate measlesからの多発にあると考えられた。[高須]第2に、SSPEのcase control studyの結果、患児は対照に比べて生下時体重が低く、出生後頭部外傷やけいれんに罹患している頻度が高い傾向がみられたことから、麻疹罹患前および後の環境因子がSSPEの発生に何らかの役割を果たしている可能性が示唆された
著者
後藤 仁 明石 博臣 酒井 健夫 高島 郁夫 橋本 信夫 品川 森一
出版者
帯広畜産大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1985

我が国で分離されている代表的なアルボウイルスとして、日本脳炎ウイルス(JEV),ゲタウイルス(GTV),アカバネウイルス(ABV)があげられる。日本脳炎の発生は近年日本では激減しているが、東南アジアではしばしば流行して多数の患者が出ている。GTVは馬に発疹,浮腫を伴う熱性疾患を起こし、ABVは牛の死、流産の原因となり,ともに周期的に流行している。またダニ脳炎ウイルスも分離されているが、その生態学的意義は不明である。本研究では、日本各地の家畜についてウイルス抗体の変動,ウイルス分離,抗原分析などからこれらウイルスの動物間での動向を明らかにしようと試みた。その結果、北海道で収集した馬血清のGTV抗体は道南と道北で抗体保有率が高く、7月〜11月間に本ウイルスの伝播のあったことを明らかにした。一方、1985年6月札幌近郊で豚のJEVによる異常産の発生と媒介蚊の収集成績から自然界におけるJEVの基本的な存続様式に新たな問題を提起した。JEVの全国的動態では、牛の血中抗体を指標とした場合、南部の鹿児島県から北部の岩手県に、4月から9月にかけて抗体陽性牛が漸次北上する傾向を明らかにした。ABV日本分離株10株とオーストラリア分離株2株のフィガプリント法によるRNAの解析では、両国分離株間はもちろん、日本分離株間でも相違がみられ、本ウイルスの変異がかなりの頻度で起こっていることが推定された。このことは単クローン抗体によるウイルス抗原蛋白の分析でも確認され、ABV感染の疫学を解明する上に極めて重要である。次にダニ脳炎ウイルスの根岸株の単クローン抗体による中和反応の機序に関する基礎的研究では、多種類の抗体を混和したとき、本ウイルスの中和活性が著しく増強され、この反応系はmulti-hit modelとなることが示唆され、今後のアルボウイルスの基礎的研究に大いに寄与するものと考えられる。
著者
渡邉 修 山口 武兼 橋本 圭司 猪口 雄二 菅原 誠
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.118-125, 2009-02-18
被引用文献数
1 11

厚生労働省は,2001年から2005年まで高次脳機能障害支次援モデル事業を実施した.そのなかで,都道府県の実態調査をもとに全国の高次脳機能障害者数をおよそ30万人と推定した.しかし,以後,高次脳機能障害者数を推計する報告は極めて少ない.そこで,東京都は,高次脳機能障害者支援施策を展開するうえで対象となる高次脳機能障害総数を把握する必要から,脳損傷者の発生数に関する調査および通院患者に関する調査を行った.方法:(1)年間の高次脳機能障害者発生数の推定:都内全病院(651病院)に対し調査票を配布し,調査期間(2008年1月7日〜20日)中に退院した都内在住の脳損傷者を調査し,性別年齢別に年間の高次脳機能障害者の発生数を推計した.(2)高次脳機能障害者総数推計:高次脳機能障害有病者数は,性別年齢別に平均余命に当該年齢の発生数を乗じ,これの合計を求めて都内の総数を算出した.結果:回収病院数は419で回収率は64.4%であった.東京都内の1年間の高次脳機能障害者の推計発生数は3,010人,都内の推定高次脳機能障害者総数は49,508人(男性33,936人,女性15,572人)であった.高次脳機能障害を引き起こす主な原因疾患は脳血管障害および頭部外傷であった.これらの疾患による高次脳機能障害の発生頻度を文献的に考察すると,本調査の結果は妥当な数値と考えられた.
著者
橋本 典征 上原 秀幸 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.131, pp.13-18, 2009-07-09
被引用文献数
2 1

無線センサネットワークにおけるMAC層では消費電力削減のために効率的にスリープを行うプロトコルが提案されている.その中でも非同期型MACプロトコルはアクティブ状態の同期を必要としないため,同期型に比べてスケーラビリティは優れており,近年盛んに研究が行われている.しかし一方で,スリープの同期を取らないことから,宛先ノードがアクティブ状態に遷移するまでプリアンブルを送信し続けなければならない.それにより,遅延時間および消費電力が増加するという問題を抱えている.そこで本稿では,通信手順の中にアクティブ状態に遷移するまでの時間情報を付加することによって非同期状態から擬似的にリッスン状態のタイミングの同期を取る擬似同期MACプロトコルを提案する.これにより,送信ノードは宛先ノードがアクティブ状態に遷移するときに送信開始できる.実機実験により,提案方式はX-MACに比べ,デューティサイクルを約76%,遅延時間を約44%削減できることを示す.
著者
橋本 悠希 小島 稔 三谷 知晴 宮島 悟 永谷 直久 山本 暁夫 大瀧 順一朗 稲見 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.59, pp.9-12, 2005-06-04
被引用文献数
1 1

「Conspiratio」は、吸い込む感覚というものを体感可能なインタラクション作品である。この作品を通して、吸うという行為の楽しさや新鮮さ、唇に伝わる感覚の心地よさを味わうことができる。我々は、吸うという潜在的イメージをもっている「ストロー」を用いたインターフェース、SUI(Straw-like User Interface)を開発し、吸い込むことにおいて味覚や香りと口に伝わる感覚を世界で初めて分離し、心地よく刺激的な口への感覚を提示することに成功した。この作品では、様々な食品を吸い込む感覚を体験できる。この作品を国内外で展示し、エンタテインメントとしての有用性を確認した。This work is installation art that allows a virtual experience of the sensations of drinking. Through this work, we can experience the happiness, freshness and comfortableness of drinking.We have produced "Conspiratio" using straw that is based on the action of "drinking". And about action of drinking, we accomplished to separate and extract of drinking sensation to the taste and smell, and present a comfortable and exciting sensation to the lips and mouth the first time ever in the world.In this work, the user can experience the sensation of drinking foods. We exhibited this work inside and outside the country, and proved it to be useful as the entertainment.
著者
橋本 昂宗 植松 裕子 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.375, pp.85-90, 2010-01-14
被引用文献数
1

本論文では,多視点のカメラの映像を合成することにより,中央カメラに映る障害物を取り除くとともに,障害物に隠れていた物体を透視することで,シースルー映像を生成する手法を提案する.本手法を野球の試合映像に適用し,審判とキャッチャーに隠されたピッチャーの姿を透視した映像を生成する.本手法は,ピッチャーの合成,審判とキャッチャーの除去,ボール軌跡の可視化の処理から成る.ピッチャーの合成では,左右カメラにおけるピッチャー領域を,Homographyによって中央カメラ視点へ変換して合成する.審判とキャッチャーは,Graph cutを用いた領域検出によって除去する。ボール軌跡は,左右および中央カメラ間に成立するTrifbcal Tensorを用いて中央カメラでのボール位置を推測することで可視化する.最後に,それぞれの処理によって生成された結果を領域ごとに合成することで,シースルー映像を生成する.実験では,球場にて撮影した多視点映像に本手法を適用し,障害物であるキャッチャーと審判を除去したシースルー映像を合成することができた.
著者
桐山 勝枝 柳 奈津子 戸田 美紀 橋本 三智重 柴田 明子 時田 潮
出版者
群馬大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、ヒーリングタッチによって生じる生理的・主観的効果を検証することであった。生理的反応では、ヒーリングタッチを施術する者のバイタルサインや唾液アミラーゼの数値が上昇し、ヒーリングタッチを受ける者の数値が下降する傾向がみられた。主観的反応では、ヒーリングタッチによるリラクセーション効果の他にも様々な反応がみられた。生理的反応と主観的反応を確認することにより、ヒーリングタッチは数値では測定できない反応が多くあることが示唆された。
著者
三宅 晶子 橋本 雄一
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

【烟台大学・魯東大学研究者受け入れと共同研究】(2017年1月~8月)李文哲准教授(烟台大学)・朴銀姫講師(魯東大学)を千葉大学大学院人文公共学府に「外国人研究者」として受け入れ、共同研究と打ち合わせを行った。【中国研究調査】(2017年9月3日―9月11日)青島:ドイツ統治期・日本統治期建築群調査(ドイツ水兵クラブ、徳華銀行旧址、山東鉄道公司旧址、旧モルトケ砲台、旧青山中学校、青島福音堂、天主教堂、聖保羅教堂、青島徳国総督楼旧跡博物館等)烟台:招遠芸術センターにおける抗日戦争期の資料展示、東砲台調査、魯東大学・烟台大学との打ち合わせ 大連:日本・ロシア統治期建築調査(ダーリニー市役所旧址、旧満鉄本社、大連賓館、大連図書館、旧西本願寺、旧東本願寺、旧日本人住宅街等)【徳島県調査】(2017年11月23日-26日)鳴門市:坂東俘虜収容所跡、ドイツ館、ドイツ村、香川豊彦記念館 徳島市:ドイツ兵慰霊碑、松江豊寿旧居調査、資料収集:『Die Baracke』CD-ROM,『青島戦ドイツ兵俘虜収容所研究』等。シンポジウムの準備、発表内容の打ち合わせを行った。ドイツが模範的植民都市として建設した青島を調査し、1914年第1次世界大戦での日独戦敗北後ドイツ兵が俘虜として収容された鳴門市坂東俘虜収容所跡を調査することによって、ドイツ兵俘虜たちが、狭い収容所敷地内において、かつての青島の地域の名を命名し、都市を模した活動を行うことによって、都市共同体を作り出そうとしていたことが分かった。また、ドイツ兵の慰霊という想起は、そのつどの日本のドイツとの政治的関係、敗戦体験が深く関わっていることが分かった。
著者
吉田 哲也 五十嵐 敏文 朝倉 國臣 宮前 博子 彌富 信義 橋本 晃一
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
資源と素材 (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.120, no.10,11, pp.577-583, 2004 (Released:2006-05-09)
参考文献数
22
被引用文献数
1 3

To reduce the volume of precipitates generated by the neutralization of acid mine drainage (AMD) containing high concentrations of Fe and As, ferritization of the precipitates was attempted by a two-step neutralization process in which magnesium oxide (MgO) was used as the first neutralizer and sodium hydroxide (NaOH) as the second. Batch neutralization experiments with MgO and continuous flow experiments by the two-step neutralization were conducted in laboratories and an AMD treatment plant. The results showed that the precipitates by the neutralization were magnetized in the continuous flow experiments, although there was Al and Si that prevented the generation of ferrite in the AMD. This indicates that ferrite was formed from the precipitates after removing most of the soluble Al and Si by the first neutralization. In addition, aging of the precipitates under reducing conditions and returning the aged precipitates to a ferrite tank were required to form ferrite. The molar ratio of As to Fe in the precipitates reached a constant value at pH>3.5. This suggests the coprecipitation of As and Fe.
著者
橋本 弥弦
出版者
FIT(電子情報通信学会・情報処理学会)運営委員会
雑誌
情報科学技術フォーラム一般講演論文集
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.357-360, 2006-08-21
被引用文献数
1

Captchaとは、相手がコンピュータではないことを確認するシステムの総称である。一般によく見かける形式に、画像の中に描かれている数字やアルファベットをユーザに入力させるものが多く、不正にWebサービスの登録を試みるボット(bot)への、有効な対策手段とされている。しかし、近年のOCR技術の発展と共にその解析コストは低下し、世界的に有名なCaptcha"Gimpy"が約30%の精度で解析され、世間を騒がせた事は今も記憶に新しい。本研究では、未だ理論的に解明されていない錯覚現象「主観的輪郭」を応用することにより、本質的に解析の困難なCaptcha画像生成の可能性を示した。
著者
橋本 弥弦
巻号頁・発行日
2008-02-04

修士論文
著者
太田 一樹 三好 由里子 横須賀 路子 平井 三鈴 橋本 周太郎 小島 拓人 宮本 彰俊 林 康博 小林 修 黒田 博之 渡辺 純夫
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.66-67, 2014-06-14 (Released:2014-06-21)
参考文献数
3

A 37-year-old male visited a nearby medical clinic with a history of recurrent vomiting after taking a commercial calcium supplement (calcium tablets) and drinking water. Since fiberoptic laryngoscopy revealed no abnormalities, the patient was referred to our hospital for further examination. Emergency endoscopy revealed a supplement-like white substance incarcerated in the upper esophagus. We crushed it with forceps, followed by washing. A proton pump inhibitor (PPI) and alginic acid were prescribed. At the second endoscopy performed on June, 2013, transnasal endoscopy was needed and insertion of the endoscope was found to be difficult due to ulceration and stenosis of the upper esophagus. When we performed the third endoscopy on June, there was no improvement in the stenosis and the ulceration was cicatrized, and minor bleeding was caused by the transnasal endoscope insertion. The patient was prescribed oral PPI therapy for the following month. The subjective symptoms disappeared and food intake became possible. Recently, a large number of subjects have begun to take a variety of supplements available in the market, and various types of complications related to the use of these supplements have been reported. We report this rare case of esophageal ulceration/cicatricial stenosis caused by oral administration of a commercial calcium supplement, with a discussion of the relevant literature.