著者
北郷 悟 木戸 修 橋本 明夫
出版者
東京芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

研究目的芸術分野における立体表現の研究として、アナログ的な造形表現とデジタル造形表現の違いについて。またその両面における可能性について探り、教育研究としての新しい芸術表現の獲得を目的とした基礎研究を行う。研究方法15年度研究 仮想空間による立体造形表現と教育研究のためのデータ収集と考察。(1)レンジファインダー型立体スキャナーによるデータ収集として、人間の頭部及び人体のデータ収集。・JAXA宇宙航空研究開発機構との大学共同研究に研究参加した際の航空機無重力実験において本研究を実施。人間頭部の立体フォルムデータ取得、また地上データとしての頭部フォルム・人体フォルムデータを比較検討することにより形状変化について研究をした。・人の歩く姿を立体データとして取得。人体のバランスとフォルムの美についての彫刻における研究題材とした。(2)コンピュータ造形システムを使用した立体造形の研究・東京大学情報工学部の協力により出力造型機を使用し、(1)における収集データを立体に置き換え20cmサイズのワックスの彫刻としての可能性を研究した。16年度研究 コンピュータ造形システムを使用した立体造形の研究(1)立体スキャナーの実写データとコンピュータ造形によるフォルムを組み合わせた研究。造形制作の比較による新しい制作方法と表現関係を見出し、彫刻におけるデジタル表現の可能性を研究。また古美術品のデジタルデータ化における応用研究も行った。(2)セラミック鋳造研究としてデジタルデータからブロンズ彫刻として新しい鋳造法の研究を行った。研究成果としての仮想空間環境のデジタル制作と実素材によるアナログ的制作の比較による新しい制作方法と表現関係は、彫刻表現におけるデータとしての記録の有効性と生産性、表現性に多岐に可能性が拡散し今後の研究重要性を認識した。
著者
武田 邦彦 橋本 淳 棚橋 満
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
資源と素材 (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.120, no.3, pp.139-145, 2004 (Released:2006-04-15)
参考文献数
52

Resource saving is thought to be one of the concepts and the acts necessary for environmental preservation. However, resource saving and its effect were examined and discussed from historical, regional, value and ethical viewpoints. From a historical viewpoint, the conversion from a society that used mainly sustainable resources to a society that uses non-sustainable resources was considered. From a regional viewpoint, Japan as a special region where there are little non-sustainable resources and a lot of consumption was taken up, and the influence of monopoly of worldwide resources by Europe and the United States was considered. In addition, in terms of value, the size of the overall gain of the acquisition of resources between generations was considered, and from an ethical viewpoint, the North-South problem was mainly analyzed. Also, regarding the conversion between resources, as the first approximation, the possibility of converting a general material into energy such as oil was shown, and the examination was advanced based on this. And then, it was pointed out that resource had not been saved in terms of the construction of a sustainable society even in the Edo period when resource had generally been maintained.
著者
橋本 康弘
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,ソーシャルネットワーキングサービスや電子掲示板といった時刻情報を持つソーシャルコミュニケーションの履歴データに対して,ネットワーク時系列分析,コミュニティ時系列分析,可視化分析を統合的に行うための基盤を与えることを目的とし,これまでにない自由度を持ったネットワーク分析ツールとして「s.o.c.i.a.r.i.u.m」を開発するとともに,それを用いた実証分析を行った.
著者
橋本 力 鳥澤健太郎 黒田 航 デサーガステイン 村田 真樹 風間 淳一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.293-307, 2011-01-15

テキスト間含意関係認識と呼ばれる技術は,深い自然言語理解を必要とするタスクにおいて重要な役割を果たす.この技術が実用レベルに至るには,大規模な含意知識ベースの構築が不可欠である.本稿では,動詞間含意関係知識の大規模な獲得を目的として,条件付き確率に基づく方向付き類似度尺度を提案する.提案手法の評価実験では,WWW上の日本語1億文書から得られた52,562動詞(異なり)を対象とした.この動詞セットには,日常的に使用される動詞も特定の専門的な領域でのみ用いられるような動詞も区別せず含まれている.提案手法と先行研究の手法それぞれのスコア上位20,000位までの出力からランダムに選ばれた200サンプルを人手評価したところ,比較対象のすべての先行研究の手法の精度を提案手法の精度が上回ることを確認した.また,提案手法のスコア上位100,000の出力を人手評価したところ,大規模動詞含意知識ベースを構築する出発点としてリーズナブルな精度が得られていることを実験により確認した.Textual entailment recognition plays a fundamental role in tasks that require in-depth natural language understanding. For entailment recognition technologies to serve for real-world applications, a large-scale entailment knowledge base is indispensable. This paper proposes a conditional probability based directional similarity measure to acquire verb entailment pairs on a large scale. We targeted 52,562 verb types that derived from 108 Japanese Web documents, regardless whether they were used in daily life or only in specific domains. Evaluating 200 samples that were chosen randomly from the top 20,000 verb entailment pairs acquired by previous methods and ours, we found that our similarity measure outperformed the previous ones. For the top 100,000 results, our method worked well too.
著者
橋本 實
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.201-206, 1991

埼玉県の廃棄物は, 近年急激に増加し, その種類も多様化するなど, 適正処理に困難をきたしている。特に, 本県の場合, 首都圏の内陸県という立地性から, 中間処理施設地や最終処分場の確保が年々困難になってきている。<BR>そこで, これらの現状を踏まえ, 本県では, 減量化対策としてのリサイクルの推進と最終処分場確保策としての広域処理を2本柱として, 次のとおり廃棄物対策に取り組んでいる。<BR>(1) リサイクルの推進策は, (1) 排出された「廃棄物」を廃棄物としない対策, (2) 廃棄物そのものが出されないようにする対策を実施していく。<BR>(2) 県内広域処理対策は, 埼玉県環境整備センター, 第2広域処分場の建設についての対策を講じることとし, さらに, 都県域を越える広域処理の必要性を認識し, 廃棄物対策を講じていく。
著者
野村 信威 橋本 宰
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.75-86, 2001-07-15
被引用文献数
2

本研究における目的は,老年期における回想という行為と適応との関連について検討することである。また回想において適応と関連を示す要因は,回想行為そのものよりも回想の質であるという仮説のもとに,「回想の情緒的性質」および「過去のネガティブな出来事を再評価する傾向」を測定する尺度を作成し,これらの要囚と人生満足度や抑うつ度などとの関連について,老人大学受講者208名および大学生197名を対象に質問紙調査による検証を試みた。その結果,世代や性別によりその関連の仕方は異なるものの,回想の情緒的性質が適応度と関連することが認められ,ネガティブな出来事の再評価傾向は主に青年期で,回想量は老年期の男性で特徴的に適応度を説明した。そのため老年期の男性で頻繁に過去を振り返ることは適応度の低さと関連すると考えられた。さらに老年期の男性のみに,ポジティブな回想の想起しやすさと回想量との交互作用が認められ,ポジティブな回想と適応度の関連する程度は回想量によって異なると考えられた。
著者
橋本 博之
出版者
立教大学
雑誌
立教法学 (ISSN:04851250)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.295-323, 2006-03-25
著者
橋本 良夫 斉藤 敏克
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.69, no.687, pp.3029-3033, 2003-11-25

A method is proposed to analyze dynamic response of a rocket-launcher system at lift-off. In this paper, rocket-launcher system is modeled as finite element Bernoulli-Euler beams connected with two slippers which are modeled as linear springs. A beam element with a moving spring is devised to represent the rocket-launcher interaction. Coupled equations of motion with time-varying coefficients are derived and solved by using direct method such as the Wilson θ method to calculate the dynamic response of the system. To verify the validity of this method, dynamic response is calculated by using the data of M-3S rocket-launcher system. Two rocket models, rigid-body and elastic-body models, are used in this calculation. The numerical results obtained from two models are compared and discussed.
著者
古谷 宏一 横田 弘 橋本 勝文 花田 祥一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_159-I_168, 2011 (Released:2012-03-30)
参考文献数
6

社会基盤施設の維持管理において,事後保全型から予防保全型へとその枠組みを転換することにより,施設の有効活用やライフサイクルコストの低減を図る試みが進められている.この場合,劣化進行予測の信頼性を向上させることが重要になる.本論文では,係留施設の劣化に対する対策の実施推奨年をマルコフ連鎖モデルにより予測する場合の,予測結果の信頼性を議論する.つまり,係留施設の劣化度調査データを用いて次の検討を行う.1) 構造物ごとの劣化速度を算出し,K.S.検定により劣化速度の分布系を決定する.また,2) 分布に従う劣化速度乱数を発生させ,モンテカルロシミュレーションにより構造物の対策推奨年の分布を求める.さらに,3) 施設全体の代表劣化度の相違が対策推奨年の予測結果に与える影響を把握する.その結果,1) 係留施設の構造形式ごとに推定される対策推奨年の分布系が確認できた.2) 構造物に期待される対策推奨年の最頻値と最小値との差を定量的に示すことができた.また,3) 代表劣化度の相違に起因する対策推奨年の予測結果の差異を定量化する算定式を提案した.
著者
菅野 純夫 中井 謙太 橋本 真一 山田 智之 土井 晃一郎
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

われわれが開発したオリゴキャッピング法による完全長cDNAライブラリーを基盤に、特定領域研究「生命システム情報」及び特定領域研究「比較ゲノム」と連携し、多種類の生物の完全長cDNAリソースの整備とトランスクリプトーム解析を行った。同時に、次世代シークエンサーとオリゴキャップ法を組み合わせて、ゲノムワイドに転写開始点を同定し、その発現量を半定量的に測定する方法を確立した。
著者
飯山 宏一 板倉 章太郎 前田 隆宏 橋本 松進 高宮 三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.41, pp.79-84, 1998-05-11
被引用文献数
2

長尺の光ファイバの内部診断を目的としたFMCWリフレクトメトリについて述べた。本システムでは、参照光と被診断光ファイバからの反射光との光路長差が光源の可干渉距離よりも長く、参照光と反射光とのビートスペクトルを測定する。空間分解能は光源のスペクトル線幅が狭く、光周波数掃引の繰り返し周波数が高いほど向上する。実際に、外部共振器構造の半導体レーザを光源に用い、外部共振器長変調により光周波数掃引を行って実験を行ったところ、5km長の光ファイバ出射端で23m、11km長の光ファイバ出射端で100m以下の空間分解能を得た。また、光源の位相揺らぎを考慮してビートスペクトルの理論解析を行い、測定結果とほぼ一致した結果を得た。
著者
廣川 佐千男 中藤 哲也 殷 成久 鈴木 孝彦 橋本 喜代太
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

食べ物の評価は主観的であり、日本語ではその感覚を表すたえmにオノマトペ が使われることが多い。料理とスイーツでは使われるオノマトペが違う。オノ マトペの意味を捉えるには、個々のオノマトペがどのような状況で使われるか を見なければならない。本発表では、著者の提案するDouble Rank法をBlog文 書に適用し、料理とスイーツにおけるオノマトペの違いの分析システムを紹介 する。
著者
岡田 真 橋本 喜代太
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

レビューは評価を目的とするため、評価・判断に関わる表現の意味・評価値を獲得するのは重要である。本研究ではオンラインカスタマーレビューを対象に評価表現の一種としてのオノマトペに着目して、それらを収集しどのような特徴が見られるかを考察する。その上で、ユーザの嗜好を感覚的に捉えてレコメンデーションに応用する手法を検討する。
著者
肥塚 隆 淺湫 毅 橋本 康子 深見 純生 小野 邦彦 上野 邦一 榎本 文雄 渡辺 佳成 丸井 雅子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

クメール王国の刻文に頻出する devaraja の語は、 「神のような王」を意味し、王の没後にその墓廟として寺院が造営され、神仏と一体化した王像が安置されたと考えられてきた。また東部ジャワでも、同様な信仰があったとされてきた。しかしインドではこの語は「神々の王」の意味で用いられるのが一般的で、王を神格化する信仰が盛行した形跡はない。南インドでは王像が神像と並べて寺院に安置されることは珍しくないが、むしろ王権の神聖さの明示にあったと考えられる。
著者
塩沢 昌 田野井 慶太朗 根本 圭介 吉田 修一郎 西田 和弘 橋本 健 桜井 健太 中西 友子 二瓶 直登 小野 勇治
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
Radioisotopes (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.323-328, 2011-08-15
被引用文献数
10 31

福島第一原子力発電所事故で放射性物質が多量に降下してから約2か月後に,耕起されていない水田の深さ15cmまでの表土を厚さ1~5cmの6層に分割してサンプリングし,放射性セシウム(<SUP>134</SUP>Csと<SUP>137</SUP>Cs)の鉛直濃度分布を求めた結果,放射性Csの88%が0~3cmに,96%が0~5cmに止まっていた。しかし,量的に大半は表面付近に存在するものの,15~20cmの層まで新たに降下した放射性Csの影響が及んでいた。濃度分布から求めた放射性Csの平均移動距離は約1.7cmで,70日間の雨量(148mm)から蒸発散量を引いて体積含水率で割った水分子の平均移動距離は約20cmと推定され,土壌への収着により,Csの移流速度は水の移流速度に比べて1/10であった。しかし,文献にみられる実験室で測定した収着平衡時の土壌固相と土壌水との間の分配係数から計算される移流速度よりは2~3桁大きく,現場の移動現象が収着平衡からほど遠いことを示している。一方,耕起された水田では,表層の高濃度の放射性セシウムが0~15cmの作土層内に混合されて平均値(約4000Bq/kg)となっていた。