著者
橋本 憲幸
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (教育学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6164号)
著者
橋本 淳 吉野 秀幸
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. I, 人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.15-39, 2005-02-21

J.S.バッハは敬虔なキリスト教信者であり,特に彼のオルガン作品は教会のための音楽が大部分を占める。彼はそのような楽曲に,ある感情や情念を象徴的に表す方法や言語的ともとれる特徴的な表現方法を用いている。本研究の目的は第1に,バッハのオルガン作品を作品が生まれた時代,文化,慣習など様々な文脈から捉え,特に作品の中の言語的な表現に注目しその具体的表現手法について明らかにすることである。第2に,それらが実際の演奏にどう生かせるかについて検討することを通し,現代におけるバッハ演奏はどうあるべきか,また筆者自身バッハの演奏にどう取り組んだらよいのかについて発展的に考察することである。バッハの言語的表現について本研究は,バッハの著名な研究家であるA.シュヴァイツァーの解釈を拠り所とする。彼はバッハの形象的表現や象徴的表現また言語的表現を「痛みのモチーフ」「喜びのモチーフ」といった「モチーフ(動機)」として抽出している。シュヴァイツァーによるこのような解釈に基づいて本研究では,諸々のモチーフによってバッハのオルガン曲がどのような内容を表現しているかを独自の視点を交えながら分析,考察し,その成果を実際の演奏法に応用してみたい。また,過去に創作された作品と演奏者との現代における相互の関わり方,およびバッハの演奏を現代においてどう響かせるかについて考察することも本研究の主要な課題となる。
著者
橋本 孝雄 長谷川 裕晃
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ジョイント・シンポジウム講演論文集 : スポーツ工学シンポジウム : シンポジウム:ヒューマン・ダイナミックス : symposium on sports engineering : symposium on human dynamics
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.201-203, 2008-11-05

In the present study, impact force measurements and biomechanical analysis were carried out during the KERI (kicking) of SHORINJI-KEMPO. The impact force and kinetic parameters were measured by using the proposed impact force measuring device with strain gages, accelerometer and three-dimensional rate gyro sensors. Furthermore, the force of pivot leg was measured by a 6 degree-of-freedom force sensor, and the movements of KERI-ASHI (moving leg during KERI motion) were measured by using accelerometer. The trained SHORTNJI-KEMPO players showed the larger impact force in contrast to that for un-trained players. The impact force was affected by the pivot leg movements. It is important to increase the impact force that the player supports the body with the toe side and the inside of the pivot leg and the body is stabilized by the large reaction force of pivot foot when the player starts the KERI motion.
著者
長井 千枝子 籔内 智 橋本 健一 菅井 康祐 横川 博一
出版者
全国英語教育学会
雑誌
ARELE : annual review of English language education in Japan (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.61-70, 2010-03

This study investigated the use of verb subcategorization information during sentence comprehension by Japanese EFL learners, using a self-paced reading task with the embedded anomaly technique. In order to observe when the syntactic structure was determined, filler-gap sentences were constructed as stimuli. Four types of verbs were used: simple transitive verbs, dative verbs, infinitive complement verbs and intransitive preference verbs. The plausibility of the direct object of the embedded verb was also manipulated. The results demonstrate that the high proficiency learners utilize verb subcategorization information of simple transitive verb; however they do not use it automatically as natives. The results also indicate that they cannot utilize that of other types of verbs. The low proficiency learners show the difficulty in processing the sentences with long-distance dependencies.
著者
郡司 篤晃 古川 俊之 橋本 廸生 養老 孟司
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1994

ヒトの特性を行動科学的な立場から解析し、先進国の社会構成の安定性を論じ、高齢化に伴う様々な変化を、経済問題、生産構造、包括的生活様式や価値観、生死観にいたる広範な視野から捉え、将来の破局や予兆を推定した。(1)日本の医療システムの研究で、健康寿命の概念を提案した。また寝たきり率の地域差の調査、医療実態の日米比較などでは、医療・ケア・ニードに大きな差がないことが分かった。医療費のマクロ分析では、日本の医療費に見られる地域差と医療費の国際比較により、国民皆保険制度下ではサービスの購入量は需要者がほとんど決定するもとであること、わが国の医療は需給者の両側面から、根本的な構造改革と意識改革が急がれることを明らかにした。(2)日本的身体観の変遷は、医学の将来に重要な影響をもつ問題で、学問的・系統的に扱うべく、中世以降から近代社会の身体観から西欧的身体観に至る幾つかの側面から研究を行っている。客観として外界を捉えるのは脳、捉えている意識自体は主観という矛盾が生じるが、これが身体問題の基本である。ケアとキュアの分離は、そこでの態度の違いに起因する。この4月には、東京大学総合資料館にて、プラスティネーション標本の展示を行う予定で、成人全身4体、全身断面5体、臓器などを多く含め、展示に対する一般人の反応をアンケートなどの調査で確かめる。(3)医療費高騰と病院建築に注目して日本の医療の後進性を系統的に調査した。現代の医療の実態はゲリラ戦に譬えられる。ゲリラが、超大国の軍隊を翻弄するように、正規軍同士の戦闘における理論は成り立たず、ランチェスターの法則は変形されて、正規軍の損耗は組織の大きさに比例する。これが先進国の医療費高騰の重要な素因である。詳細は、冊子体報告書および総括班報告書に記載した他、多数の論文・著作として発表した。
著者
澤田 秀之 橋本 周司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.452-459, 1996-02-25
被引用文献数
21

意志や感情の伝達においては, 言語以上に非言語的手段によるところが大きいと言われる. 身振り手振りなどのジェスチャーはその代表的なものである. ジェスチャーにおいて人間の意志や感情は, 手などの位置よりもむしろ身体に加えられる力に顕著に現れると考えられる. ここでは運動中に働く力は加速度によって検出することができることに注目し, 3次元加速度センサによるジェスチャー認識を試みた. 試作システムでの実験では, 一連の3次元加速度データから運動の特徴量として, 加速度の変化, 回転力, 加速方向の分布などを求め, 標準パターンとのマッチングを行うことによって10種類程度のジェスチャーをほぼ100%の識別率で認識できることがわかった. また, 提案手法を適用して試作したジェスチャーによる実時間音楽制御システムについても述べる. 試作システムは, 従来の画像処理やデータグローブを用いた場合に比べて, テンポ検出の遅れも少なく構成も簡単であり, ジェスチャーによる柔軟で感性的なマン・マシンインタフェースの実現への手掛りが得られた.
著者
加藤 進昌 小野寺 節 毛利 資郎 岩城 徹 橋本 大彦 有村 公良
出版者
東京大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2001

本研究は、新変異型プリオン(PrPSc:スクレイピー型プリオン)が原因と考えられるヒト海綿状脳症(変異型Creutzfeldt-Jakob Disease : vCJD)および食物連鎖の上でvCJDの原因と考えられる牛海綿状脳症(BSE;より一般的で動物種を越えた名称としては、伝達性海綿状脳症Transmissible Spongiform Encephalopathy : TSEとも呼ばれる)について、諸外国の医療機関・政府機関における、1)感染予防対策、2)発症機序解明、発症予防、診断・検出方法の開発動向、および関連する基礎研究、3)発症者への対策、についての調査研究を目的とした。具体的にはスコットランドを中心に一時2万頭を越えるBSE牛が発見されたイギリス(エジンバラNCJDSU、ロンドン神経研究所)を中心に、vCJDが発見されたフランス(パリBioRad社、サルペトリエール病院)、イタリア(パレルモ大学、ローマ大学)、アイルランド(サーベイランスセンター)を歴訪し、各国での感染対策、汚染組織の処理や食品安全確保対策、診断方法開発の現状、さらにはヒトでの発症例の具体的な症状と、発見からマスコミ発表に至る事実経過などにわたって、詳細な調査を行った。それぞれの調査報告書をまとめ、一部は国内医学雑誌に小特集の形で報告した。また、フランスから専門家2名を招聘して、共同研究者を加えて2002年11月に東京大学において国際シンポジウムを開催した。わが国でも既に数頭のBSE牛が発見され、今後診断技術の普及によってその数が増えることが想定されている。肉骨粉での汚染はアジアでは更に深刻であるとの観測もあり、ヒトへの感染対策、食品安全確保対策の早急な整備が必要であることが痛感された
著者
吉川 昌之介 山本 達男 寺脇 良郎 笹川 千尋 江崎 孝行 檀原 宏文 渡辺 治雄 岡村 登 橋本 一 吉村 文信
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

組換えDNA実験技術を始めとする分子生物学的、分子遺伝学的技術を病原細菌の病原性の解析に応用することを目的としてこの総合研究班を結成し、3年間補助金を受けた。研究分担者総数21名という大規模な班員構成からなり、各分担者の対象とする菌種も多岐にわたり、ビルレンス遺伝子の存在部位も染色体性、プラスミド性、およびバクテリオファ-ジ性と異るため各分担者の研究達成の難易度には著しい差があった。組換え体の選択方法、汎用される宿主・ベクタ-系でクロ-ン化できるか否か、EK系を用いることができるか否か、仮にクロ-ン化できたとしてそれが完全に形質発現するかなどにも大きな差があった。この壁を乗り切るためにベクタ-系を開発するところから始めたり、新たに宿主に特殊の変異を生じさせたり、遺伝子導入のために特殊の方法を採用したり多くの試行錯誤が行われた。幸に長時間にわたる班会議の議論を通じてこれら問題点の克服の方法が模索され、解決のための示唆が与えられた結果、各分担者それぞれがほぼ所期の目的を達した。セラチアの線毛、サルモネラの病原性、赤痢菌の病原性、大腸菌の表層構造、赤痢菌の抗原、らい菌の抗原、バクテロイデスの病原性、とくに線毛、腸管感染病原菌の粘着因子、コレラ菌の溶血毒、ナグビブリオの溶血毒、腸炎ビブリオの溶血毒、緑膿菌のサイトトキシン、Pseudomonas cepaciaの溶血毒などにつき、その遺伝子の存在様式、遺伝的構造、塩基配列の決定、形質発現の調節機構、前駆体物質のプロセツシング機構などを明らかにし、その病原的意義の解明に一定の知見を得ることができた。これらは多くの原著論文の他、シンポジウム、講演、研究会、総説などに発表したが、各分担者それぞれにより深く研究を堀り下げ、より完全な形で完成するべく努力を続けることになろう。ともあれ本邦のこの領域の発展に大いに寄与したことは間違いないと思う。
著者
山口 史朗 橋本 治 須賀 昭信 矢野 誠司 内藤 克輔 高橋 睦夫
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.347-350, 2002-06
被引用文献数
3

63歳女.B型肝炎の加療中に超音波断層検査で副腎腫瘍が疑われたが,無症状であった.Gd-DTPA MRIにて内部が造影されず嚢胞状の腫瘤が認められ,その他画像所見,血液内分泌検査より副腎血腫,内分泌非機能性腫瘍が疑われた.CTでの経過観察を考慮したが,患者の希望で腹腔鏡下右副腎摘除術を施行した.病理組織学的所見から,腫瘤はコレステリン結晶を伴った陳旧性の出血巣で,硝子様の結合織からなる被膜が認められ,明らかな腫瘍性病変は認められず,副腎血腫と診断された.副腎皮質細胞の集塊が残存していることから副腎髄質からの出血が考えられた.術後経過良好である.突発性副腎血腫の報告は日本で13例あったWe report a rare case of idiopathic adrenal hematoma. Including our case, 13 such cases have been described in Japan. A 63-year-old [correction of 65] woman was admitted to our hospital for further examination of a right adrenal mass on ultrasonography. Laboratory tests including hormonal assay were within the normal ranges. Computed tomography showed a tumor with calcification measuring 3.0 x 2.0 cm in the right adrenal gland. Magnetic resonance imaging (MRI) revealed a mass with heterogeneous low to iso signal intensity on T1-weighted images and high signal intensity on T2-weighted images. A peripheral rim of the mass was slightly enhanced on dynamic MRI. The patient underwent laparoscopic adrenalectomy. Histopathological examination revealed an old hematoma without neoplastic cells or vascular lesions and these findings were evidence of idiopathic adrenal hematoma.
著者
矢野 正 下村 容子 橋本 健次郎 金谷 末子
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.107-118, 1993-08-01
被引用文献数
12

照度レベル, および, 光源の光色が高齢者と若年齢者の色識別性に与える影響を調べるために100hueテストを用いて実験検討した。実験条件は, 照度レベルが10, 100, 1000lxの3条件で, 相関色温度が3000, 5000, 6700Kの3段階で, 光源として3波長域発光形蛍光ランプを用いた。その結果, (1)照度レベルが1000lxの場合は, 高齢者, 若年齢者ともに光源の光色によって色識別性に差はなかったが, 照度レベルが100lxの場合は, 高齢者のみで, その識別性が3000Kと6700Kとで差がみられ, 照度レベルが10lxでは, 高齢者, 若年齢者ともに光源の光色によって色識別性に差が生じた。(2)高齢者は若年齢者の色識別能カよつどの色相でも劣り, 特に紫赤色系で劣った。(3)各色票に対するエラースコアは, 隣合う色票の色相差と関係があった。(4)高齢者が若年齢者と同等に色識別を有するためには約1.5倍の色相差が必要であった。
著者
上田 学 橋本 孝之
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. V, 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.133-143, 1989-08

市販のソフトウェアの1つであるグラフィック・ツールを用いて,「情報基礎」の授業を試みた。指導時間は6時間とし,グラフィックスの製作課題は「歴史上の人物」とした。その結果,生徒は短時間で,完成度の高い作品を製作した。また,生徒の授業に対する興味・関心についてアンケート調査をした結果,生徒は「1 マウスでのグラフィックスの入力に難しさを感じながらも,授業に高い興味・関心を示し,積極的に参加していること」および「2 課題を仕上げながら,課題そのものの知識を増やしていること」が分かった。これらの諸結果から,グラフィック・ツールを用いて授業を展開した場合でも,第1報,第2報で述べたプログラミング学習の場合と同様に,学習意欲の高揚,課題解決学習,自己教育力の育成に効果があることが示唆され,コンピュータ・リテラシー教育の観点からも望ましく,「情報基礎」教育の1方法として非常に有効であることが明らかになった。The authors tried to have pupils use the computer graphic-tool,one of the application softwares,as a method of teaching Basic Information Science.We gave them six classes and made the subject"a historical person".During the class,the pupils were accustomed to using the computergraphic-tool and could create fine graphics of the historical person.And the authors gave a questionnaire to pupils on their emotional factors such as curiosity and interest in studying Basic Information Science.As a result,we found that the pupils were interested in studying Basic Information Science by the teaching method tried here,and that this method had remarkable effects on awaking pupils' desire to use the computer graphic-tool,finding and solving problems and developing pupils' selfeducating-ablilty,as well as learning their computer-literacy.And this method will thus surely became one of the valuable methods for teaching Basic Information Science.
著者
橋本 太郎
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.17, no.79-80, pp.163-171, 1962-12-31 (Released:2008-12-24)
参考文献数
2
被引用文献数
2

1. 年令の識別についてこの地域における幼鳥成鳥の識別は季節的に分けるのが適当であると考える。1) 4月~7月 腮腺の羽色のちがいと,嘴色のちがいを標識として識別できる。2) 8月~9月 成鳥の嘴色は変化して幼鳥と同色になるので標識としてつ(170)1962 農村地帯に於けるスズメ群の生態 171かえない。腮腺は旧羽の残存するかぎり標識としてつかえるが以後は脱羽のため適当な標識がないから8月下旬から9月下旬の調査は除外したほうがよいと考える。3) 換羽の終った幼鳥は若鳥として区別したい。また嘴色全黒色となれば成鳥としたい。4)10月~翌年3月 若鳥と成鳥の識別は再び嘴色のちがいを標識として識別できる。2. 性の識別について1) 野外観察において群全体を区別する標識はないと考える。生殖腺による識別は正確であるが新鮮な個体によらねばならない。