著者
川崎 美里 阿部 晶子 橋本 律夫
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.442-451, 2022-12-31 (Released:2023-01-17)
参考文献数
21

本研究の目的は, 左半側空間無視 (以下, 左 USN) 患者を対象に, 横書き文の改行位置による左無視性失読 (以下, 左 ND) の出現率および眼球運動の差を明らかにすることである。対象は左 USN 患者 5 名と健常者 18 名であった。課題は横書き文章の音読課題を用いた。課題文は改行位置を統制し, 語頭から始まる行 (以下, 語頭条件) と語中から始まる行 (以下, 語中条件) が半数ずつになるようにした。 改行時の左 ND は 5 名中 3 名に認められた。左 USN 患者においては, 左 ND がみられるか否かにかかわらず, return sweep (改行時に行末から行頭に向かうサッケード) の終了位置が行頭よりも右側にとどまった。著明な左 ND がみられた 1 名では, 語中条件よりも語頭条件において行頭文字の読み落としが多く, 語中条件よりも語頭条件の最左停留位置 (視線が最も左方に達した位置) がより右側であった。
著者
橋本 征二 寺島 泰
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.271-279, 2000-09-30 (Released:2010-05-31)
参考文献数
26
被引用文献数
13 8

建築物を対象として解体廃棄物の発生予測手法を検討するとともに, わが国の近未来における建築物解体廃棄物 (いくつかの有害廃棄物および有害物質を発生させる可能性のある廃棄物を含む) の発生予測を行い, 以下の結論を得た。1) 解体建築物量の予測手法を, 既存の統計データおよび建築物の寿命変化に対応できるものとして改善した。2) 建築物解体廃棄物量の統計値は, 過小推計となっている可能性が高い。3) 解体廃棄物の発生量は2010年には1990年比で2倍程度になると予測された。木造と非木造を比較すると, 今後は非木造からの発生が相対的に大きくなるが, その増加の主要因はコンクリートがらである。また, CCA処理木材, 塩化ビニルの増加が顕著であり, 2010年には1990年比で3倍程度になると予測された。
著者
藤瀬 武彦 橋本 麻里 長崎 浩爾 高橋 努 岩垣 丞恒 山村 雅一
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.143-158, 2003-03-20

The purpose of this study was to determine whether hyperoxic gas inhalation following anaerobic exercise hastens recovery or enhances subsequent performance. Eight male and four female university students performed two bouts of bench press exercise to exhaustion at 70% of 1RM (performance test: PT-1 and 2). Interval of two exercises was separated by a 30 min recovery period during which the subjects breathed either room air (NOX) or hyperoxic gas (60% O2 in nitrogen: HOX) for 20 min (1-21 min of recovery time). The entire procedure was repeated on each subject using the opposite gas on another day. The work load in PT was 41.3+10.9 kg (70.2% of 1RM). The numbers of repetition of bench press in NOX and HOX conditions were 15.0+4.7 and 14.5+4.4 repetitions in PT-1, and 13.7+4.1 and 13.0+4.0 repetitions in PT-2 (NOX, -8.7%: HOX, -10.3%), there were no significant differences between both conditions, respectively. The changes of blood lactate concentration and its peak values (NOX, 4.00+1.08 mM: HOX, 3.90+0.88 mM) during recovery periods were not significantly different between NOX and HOX conditions. In conclusion, these data indicate that hyperoxic gas inhalation offers no advantages on recovery from exhaustive anaerobic exercise or on subsequent exercise performance.
著者
松岡 友実 五十嵐 公嘉 齋藤 智之 高田 希望 橋本 玲奈 一條 聖美 小林 悠 田中 裕也 川本 俊輔 宮里 紘太 秋谷 友里恵 小林 洋輝 堀越 周 馬場 晴志郎 高島 弘至 逸見 聖一朗 功力 未夢 岡本 裕美 阿部 雅紀
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1-6, 2023 (Released:2023-01-28)
参考文献数
8

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において透析患者は重症化リスクが高く,COVID-19流行初期は,原則として全例入院加療で対応していた.しかし,東京都においては受け入れ可能な入院施設は限定され,新規陽性患者数の急増により,入院調整が困難な状況に陥っていた.そのため,東京都は2021年12月中旬に透析患者の受け入れが可能なCOVID-19透析患者の収容施設として,旧赤羽中央総合病院跡地を活用した酸素・医療提供ステーション(東京都酸素ステーション)を開設した.2022年1月1日~8月31日まで,酸素ステーションで受け入れたCOVID-19透析患者の現況を報告する.入所患者は211人,平均年齢は65歳,転帰は,自宅退院194例(92%),転院16例(7.5%)(そのうち肺炎の疑い13例(6.1%)),死亡1例(0.5%)であった.当施設は東京都のCOVID-19透析患者の入院待機者数の減少および病床ひっ迫の緩和の機能を果たし,また,治療の介入により重症化や入院を予防しており,施設の運用は有効であった.
著者
橋本 修 佐藤 進 田中 智夫
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.102-111, 1980-01-01 (Released:2010-01-18)
参考文献数
40
被引用文献数
19 15

For the purpose of investigating the formation mechanism of the texture which is developed by ferrite (α)→austenite (γ)→ferrite (α) transformation, the effects of heating and cooling rates during phase transformation and specimen thickness on the transformation texture have been studied by using extra low carbon sheet steel with the initial texture of {111}. The results obtained are summarized in the following: (1) Rapid heating and rapid cooling produced weak {100} and {111} texture. (2) Rapid heating and slow cooling exhibited both {110} texture and the orientation shifted 2030 degrees away from {100}. (3) Slow heating and slow cooling produced distinct {100} texture. (4) There was much difference in texture between surface and midsection of thick specimen: In the midsection, the texture similar to (1) was formed, independent of heating and cooling rates. While, specimen surface exhibited such textures as (1) to (3). (5) Those results were reasonably and consistently explained on the assumptions that the orientation relationship between bcc and fcc follows the Kurdjumov-Sachs relation, and that during α→γ→α transformation with slow rate such variants preferentially operate that undergo larger elastic work in normal direction of sheet.
著者
井上 浩三郎 市川 満 橋本 正之 野村 民也 林 友直 広沢 春任 高野 忠 INOUE Kozaburo ICHIKAWA Mitsuru HASHIMOTO Masayuki NOMURA Tamiya HAYASHI Tomonao HIROSAWA Haruto TAKANO Tadashi
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集: ハレー彗星探査計画報告 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.33-46, 1987-03

Telecommunications systems are indispensable to control spacecraft and gather telemetry data from space. After the launch of each spacecraft, the telecommunications systems worked well and supported the observation around the encounters with Halley's comet. The system performances have been confirmed to be coincident with the design through operations. This chapter describes the design principle and constitution of the telecommunications systems, and the operational results together with system evaluations.
著者
橋本 徳蔵 田中 和明
出版者
Japanese Society of Water Treatment Biology
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.19-34, 1979-09-01 (Released:2010-02-26)
参考文献数
14

相模川上流域 (桂川) において, 本流4地点, 支流等9地点の汚水生物学的水質調査を1973年6月に実施したが, 水質判定の結果は, 次のとおりである。付着藻類 底生動物桂川・鐘山橋 βms os桂川・院辺橋 βms os桂川・強瀬橋 βms βms~os桂川・川合橋 βms~os os忍野八海・湧池 βms~os 測定せず宮川・鴻ケ池 αms αms鹿留川・大沢橋 βms~os os柄杓流川・中央高速道下 βms~os os大幡川・流末 βms os朝日川・落合橋 βms~αms αms笹子川・大月インター上 βms os葛野川・流末 βms os鶴川・厳島橋 βms os(―はこれに近いことを示す)
著者
橋本 将人 井ノ上 寛人 佐藤 美恵 郭 素梅 小黒 久史
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 36.39 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.13-16, 2012-10-08 (Released:2017-09-21)
参考文献数
4

カメラワークは映像作品のクオリティに大きく関与する要素の一つである.CG空間上にカメラワークを設定することで映像を作成する場合,映像の作成者にはカメラワークに関する専門家の持つ感性が必要とされる.このような背景から,適切なカメラワークを自動制御する技術に関する研究が進められている.本研究ではCGによる映像の作成に関して,観賞条件に適合したカメラワークを自動的に決定する手段を感性評価に基づき検討してきた.本稿では,感性評価の要因を解明する一つの指標として,観賞時の視線の推移に注目し,視線計測実験を実施した.その結果から,カメラワークが観賞者に与える印象と視線の動きの関係性を探った.
著者
細川 崇 橋本 博 平松 真知子 石田 肇
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.264-270, 2022 (Released:2022-02-11)
参考文献数
10

本研究は,踏み間違いが発生しやすい状況を運転シミュレータで再現し,ペダル操作を分析した.対象とした咄嗟の制動時,足関節を内転させる踏み替え方は,脚全体を動かす踏み替え方より移動量が不足し,アクセルペダル寄りの位置を踏みやすいこと,心理的に動揺した状況では,ペダル踏み込み速度が増加することが示された.
著者
橋本 慎吾
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
vol.2000, pp.17-24, 2001-02

本稿は,初級前半教科書である『みんなの日本語I」の各課別の語彙頻度を調査した。特殊モーラについて分析した結果,次の3点が明らかになった。(1)促音登場回数は撥音,長音より少ない。(2)促音は各課の文法項目に関連する語彙に多く現れ,いくつかの大きなグループにまとめることができる。(3)促音について詳しく見ると,促音を含む出現頻度の高い語彙は各課1つ程度である。この3点から,従来から難しい音とされている促音の導入及び音声特徴としての練習は,必ずしも初級前半から行なう必要はないことを主張する。この主張に関連して,音声教育における「音声の問題」と「規則の問題」についても説明する。
著者
橋本 慎吾 ハシモト シンゴ HASHIMOTO Shingo
雑誌
岐阜大学留学生センター紀要 = Bulletin of the International Student Center Gifu University
巻号頁・発行日
no.2000, pp.17-24, 2001-02

本稿は,初級前半教科書である『みんなの日本語I」の各課別の語彙頻度を調査した。特殊モーラについて分析した結果,次の3点が明らかになった。(1)促音登場回数は撥音,長音より少ない。(2)促音は各課の文法項目に関連する語彙に多く現れ,いくつかの大きなグループにまとめることができる。(3)促音について詳しく見ると,促音を含む出現頻度の高い語彙は各課1つ程度である。この3点から,従来から難しい音とされている促音の導入及び音声特徴としての練習は,必ずしも初級前半から行なう必要はないことを主張する。この主張に関連して,音声教育における「音声の問題」と「規則の問題」についても説明する。
著者
林 俊介 橋本 晃男 鶴原 亜紀 相羽 裕子 荒毛 将史 大類 伸浩 野見山 武徳 小林 朝夫
出版者
航空医学実験隊
雑誌
航空医学実験隊報告 (ISSN:00232858)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.37-45, 2017 (Released:2018-01-16)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Vigilance maintained at all times, or “See and avoid” concept recommended is a primary means of mid-air collision avoidance. It is well known to be difficult to detect aircraft mid-air on a collision course which has constant relative bearing to another aircraft and constant velocity of each aircraft. To understand the collision course making other aircraft appear motionless is essential for pilots to avoid mid-air collision. Since 2008, Aeromedical laboratory has conducted flight simulation of a collision course for cadets. This simulation flight consists of three sections, including the comparison of a collision course with a non-collision course, attention distribution, and visual scanning. Our collision course simulation effectively provides knowledge of visual scanning, attention distribution, see-and-avoid other aircraft, and human perceptual limitation.
著者
川辺 理恵 橋本 敬子 栗田 加代子
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.38-39, 1997

The language institute of Fukuoka Nihongo Center has been conducting 'Nihon-jijou' classes as ordinal lessons one or two periods a week since starting the institute (February 1989). We have been developing original 'Nihon-jijou' textbook as beginners material with revising for eight years. In 1997 "Let's speak and think on Japan" was published based on the material. This report describes the purpose, structure and contents of the textbook, and further how it is utilized in the actual classrooms, students' reponse and future developments.
著者
橋本 敬造
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.29-46, 2008-03-30

フランスから生野銀山に招かれた鉱山技術者コワニエFrancois Coignetが来日した翌年に横浜に上陸した、いわゆる「お雇い外国人」、ザ・ヤトイ、がブラントンである。技術者として幕府に招かれ、次いで維新政府に雇われて、横浜におかれた「燈明台機械方頭」として多数の燈台を設計・建造したことで知られている。ブラントンはまた、鉄道敷設の必要性を建言し、まず京浜間の鉄道、次に両京・大坂間にも鉄道を敷設すべきこと等を建議し、さらに横浜はいうまでもなく、大阪や新潟の築港計画、あるいは橋梁設計なども手がけたことで知られる。こうした技術の導入が日本に近代化にとって極めて重要な意味をもったことを、ここに改めて強調しておきたい。
著者
橋本健二編
出版者
弘文堂
巻号頁・発行日
2015