著者
鴨井 久一 玉澤 修 岡本 浩 渡辺 隆 湊 貞正 服部 惇 岩田 正之
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.221-226, 1978-09-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
4

The purpose of these experiments are to detect on the stability of dextranase that was absorbed through either oral mucosa or skin of animals.The methods and materials are described as follows.MethodOne is the radioimmunoassay with 125I (RIA). (limited detection 25ng/ml)The other is enzyme activity (EA). The absorption through skin were detected with radioimmunoassay, other enzyme activity.Only the hair of rabbits on the back are trimmed, the skin was injured and dextranase was dressed on it.The absorption through oral mucosa.Gingivae in the mandibular anterior portion are applied for this research.Only control group is covered on lower oral mucosa, test group is injured in the marginal gingivae with dental hand instruments.The result was obtained as follows.(1) In control group, dextranase absorption into the tissue was not detected in normal skin, whereas it was detected on the injured skin of rabbits.(2) Neither normal oral mucosa nor injured one as to dextranase absorption was detected.(3) Dextranase absorption by means of subcutaneous injection to rabbits was detected decreased rapidly on the half life by two hours.(4) The absorption of dextranase was not significant factor as to surface active agents.
著者
渡辺 理文 森本 信也 小湊 清隆
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.469-480, 2016-03-19 (Released:2016-04-23)
参考文献数
10
被引用文献数
2

本研究では, キー・コンピテンシーを基にして, 理科教育において育成すべき資質・能力を, 協同的な問題解決によって科学概念を構築し表現する能力と捉えた。その育成を促す教授・学習方略の実践を行うことを目的として, Taylorらの提案した学習環境のデザインの枠組みである「構成主義に基づく学習環境の五つの鍵となる要素(five key dimensions of critical constructivist learning environment)」に基づいて理科授業を計画・実践した。実践した授業は, 小学校第4学年の空気の温度変化による体積変化の学習である。授業を分析した結果, (1)児童が協同的に問題解決を行っていた, (2)児童は自らの考えをパフォーマンスとして表出し, 学習を進める中で, それを深化させていた, (3)教師は児童のパフォーマンスをアセスメントし, それに基づいて支援を行っていた, ことが明らかになった。本研究で計画・実践した理科授業は, 資質・能力の育成を促す教授・学習方略が具現化されており, 理科授業を計画する枠組みとして, Taylorらの提案が有用であることが明らかになった。
著者
本庶 佑 中西 重忠 湊 長博 北 徹
出版者
京都大学
雑誌
特別推進研究(COE)
巻号頁・発行日
2000

本庶グループは、AIDの突然変異体を用いてAIDのN末端が体細胞突然変異に、C末端がクラススイッチ組換えに必要な機能特異的ドメインであることを証明した。一方、DNA deamination学説において、中心的な役割をすると考えられているウラシルDNAグリコシラーゼ(UNG)がDNAの切断には関与せず、この酵素の役割は酵素活性を通じてではなく、そのタンパク質として関与することを明かにした。一方、PD-1の自己免疫制御についてはPD-1欠失が自己免疫性糖尿病の発症を著しく促進し、この実験系を用いてNODマウスの糖尿病感受性遺伝子座の解析が可能であることを示した。湊グループは、SPA-1 KOマウスの新しい病態形質として、抗DNA抗体・抗核抗体の産生とそれによる典型的なループス腎炎の発症を確認した。これは異常な自己反応性B1細胞の出現とその抗原特異的免役応答によるもので、構成的Rap1シグナルによる転写共因子OcaBの過剰発現による免疫グロブリンL鎖の編集(レセプター・エディション)異常に起因することが示された。レセプター・エディションの異常による自己免疫病の発症は従来、自己抗体遺伝子トランスジェニック・モデルを用いて精力的に研究が進められてきたが、今回の結果により、通常の動物のシグナル遺伝子変異によるレセプター・エディションの異常が確かにヒトのループスに相当する自己免疫病態に至りうることが示された。中西グループは、グルタミン酸受容体と共役するイオン・チャンネル及び新たな足場蛋白質(GIRK・K+チャンネル、ubiquitin ligase、tamalin等)を明らかにし、これらの複合体形成がグルタミン酸伝達の制御に重要な役割を果たしていることを示した。さらに小脳発達期の顆粒細胞の増殖、移動、分化、シナプス形成にカルシニュリン・シグナル系が重要な役割を果たし、BDNFとCa2+シグナルの協調的作用がグルタミン酸系シナプス成熟に必須であることを示した。また、大脳皮質の構築を制御するCaja1-Retzius(CR)細胞の特異的遺伝子を同定し、CR細胞が細胞増殖、分化、シナプス成熟に特異性を持って作用していることを示した。北グループは、彼らが同定した酸化LDL受容体LOX-1の血清濃度が急性冠症候群で上昇しており血清LOX-1値は急性冠症侯群の予知因子となる可能性を示した。北らが同定した別の酸化LDL受容体SR-PSOX(CXCL16と同一)は感染性心内膜炎等で心臓の弁内皮細胞に強発現しCD8T細胞のVCAM-1への接着を促進し、IFNγの産生を増加さることを発見した。GFP発現マウスの骨髄移植マウスで実験的動脈硬化を解析し血管平滑筋様細胞も含めて浸潤した多くの細胞が骨髄由来であることを見出した。アダプター蛋白ShcAがインテグリンβ3のチロシンリン酸化依存的に結合し、血小板凝集に重要であることを証明した。
著者
橘 誠 才野 慶二郎 久湊 裕司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.22, pp.1-6, 2013-12-12

HMM 音声合成は統計的な韻律のモデル化により,話者性やスタイルを柔軟に多様化することができる.本稿では,その表現力を波形素片接続型の歌声合成システムである VOCALOID™ に取り入れる方法として,歌唱表現が現れる重要な特徴と考えられるピッチの変化をHMMでモデル化,生成する歌唱スタイル生成手法を提案する.HMM音声合成手法を歌唱スタイルのモデル化に利用する際には,未知の音高に対しても適切なパラメータ生成を行う必要がある.そこで本研究ではピッチベンドチェンジを用いたモデル化を提案する.また,長い時間伸ばされる音符に対して自然な変動を付与するため,ノート内を複数のセグメントに分割した単位でモデル化し,多段階のコンテキストクラスタリングを導入して楽曲構造と音符内の変動を階層的に表現する.また,この手法をVOCALOID™3の機能である Job Plugin として組み込んだ例を紹介する.Recent HMM-based speech synthesis systems have the capability to control speaker/style characteristics by statistically modeling prosodic features of speech. In this paper, we aim to introduce such flexibility into VOCALOID™, a singing voice synthesizer based on concatenative synthesis. An HMM is used to model the pitch trajectory, which is an important feature for expressing singing style. In order to synthesize appropriate results for pitches which do not have training data, we propose using pitch bend change as a feature for training the HMM. We also propose a segment-level unit modeling and multiple-stage clustering technique for the expression of long note sequences. We show the proposed technique implemented as a VOCALOID™3 Job Plugin.
著者
湊 耕一 小倉 直美
出版者
日本大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

近年、高齢者医療に対する関心が高まり、老化に伴う生理的変化や老化機構の研究が進展している。一方、マクロファージは、免疫系において重要な細胞であると共に、collagenase等も産生することから細胞外基質代謝にも重要な働きをしている。歯科領域でも高齢者の炎症の慢性化や免疫能の低下、創傷治癒遅延が問題となっており、老化に伴うマクロファージの機能的変化の解明が求められている。本研究では、老化促進マウス(SAM)を実験モデルに、腹腔マクロファージ(Mφ)にPorphyromonas gingivalis(P. g. )LPSを作用させて炎症性因子の産生を測定した。〈方法〉腹腔に誘導物質を接種後、腹腔浸出細胞を回収してplate中に蒔き、2時間培養後付着した細胞をMφとした。このMφにP. g. LPSを作用させて24時間後、培養液中のPGE_2をRIA kitにて、IL-1β及びIL-6をELISA法にて測定した。〈結果及び考察〉Mφの回収率は誘導物質投与後4日目が最も高く、誘導物質にスターチ、グリコーゲン、プロテオースペプトンを用いたところ、Mφ回収率はプロテオースペプトンが高値を示した。SAMP1(老化促進)及びSAMR1(control)の3ヶ月齢、6ヶ月齢間でMφ回収率に顕著な差はみられなかった。次に、Mφ培養液中のPGE2、IL-1β及びIL-6を測定したとこと、LPSを作用した系、作用しない系とも、SAMP1とR1間で、また各月齢群間で有意な差は認められなかった。これは、老化モデルには6ヶ月齢では十分でないこと、各因子産生量の個体差が大きく各群の例数が少ないことなどが考えられる。今後、各群の例数を増やすこと、12ヶ月齢までの動物群について実験する必要がある。また、Mφのcytokine産生には細胞外基質に接着することが重要であるとが報告されたことから、collagenやfibronectinなど細胞外基質をcoatingしたplateにMφを蒔き、各炎症性因子の産生量を測定することも必要であろう。
著者
湊 三郎
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.6-12, 1978-04-30

"数学とは何かの考察"は高次言語に関する理論を用いて数学から導かれたものであった。これは数学教青学の,数学にかゝわる研究内容の一つであることか示されている。この小論では,"数学とは何かの考察"をより明確に基礎づけることを試みる。その際用いられる理論モデルは高次言語に関する理論を土台として作られている,ある探究のモデルである。
著者
湊 秋作 饗場 葉留果 岩渕 真奈美 湊 ちせ 小山 泰弘 若林 千賀子
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
巻号頁・発行日
pp.118, 2013 (Released:2014-02-14)

ヤマネ科は,ヨーロッパ・ロシア・アフリカ,中央アジア,サウジアラビア,イラン・中国・日本等に分布する.ニホンヤマネ(Glirulus japonicus)は,本州・四国・隠岐の島(島後)・九州に生息し,樹上性で冬眠する天然記念物の哺乳類である.私たちは,1988年から巣箱を用いてニホンヤマネの自然史を調べてきたが,巣箱を用いない自然巣の調査結果を得たので報告する.ヤマネの自然巣調査は,目視観察と一部,発信器調査を用いて,1993年から 2012年まで行った.ニホンヤマネの調査地は主に山梨県北杜市で,ヨーロッパ産ヤマネの調査地は,ハンガリー(バーツ市)等である. ニホンヤマネの樹上の自然巣を営巣する樹はヤマツツジであった.営巣する部位はヤマツツジの枝がてんぐす病となり小枝が束状になっている所であった.巣のサイズは,11.0cm × 9.5cm ×9.5cm 程であった.巣材は,樹皮と蘚苔類から構成されていた.樹皮は,サワフタギ,ズミ,ヤマブドウなどの繊維性の材料を使用していた. 巣の構造は,多くの巣において,外側は蘚苔類で覆われ,内部の材料は樹皮で何層にも頑丈に編み込んでいた.巣はてんぐす病の小枝の間の狭い空間にすっぽり入れ込むように造られていた.樹皮をてんぐす病の小枝に巻き付けることもあった.ヤマツツジの枝に接する自然巣の土台には,幅の広い樹皮を用い枝の隙間を埋めるように配置することもあった.てんぐす病の緑の葉と自然巣を覆う蘚苔類の緑色は,カモフラージュの効果を呈していたが,巣の上にヤマネの糞が置かれていることもあった.巣の地上高は,0.65m~2.2mであり,繁殖場所として使用していた. たまに,地中に営巣することもあった.ヨーロッパ産のオオヤマネの巣材は青葉や枯葉であり,ヨーロッパヤマネは,草・葉・樹皮で,ニホンヤマネの巣材とは異なっていた.
著者
有村 博紀 宇野 毅明 湊 真一 平田 耕一 伊藤 公人 下薗 真一 喜田 拓也
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,実世界と情報世界が融合した巨大な情報空間から有用な知識を効率よくとりだすための大規模半構造マイニング技術の確立を目指す.とくに,大規模規模知識基盤形成システムのための基礎技術として,超高速半構造マイニングエンジンと,時空間情報を用いた半構造マイニング技術の研究開発,周辺技術として,確率的情報スキーマの導入と,知識連係技術と知識索引技術の研究開発を行った.開発した技術の実装と最適化によりプロトタイプシステムの構築を行った.
著者
湊 宏
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.7-11, 1995-10-31
著者
湊 宏
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.44-48, 1995-12-31
被引用文献数
3

14 species of 9 families was systematically and biogeographically discussed and illustrated from Kourijima, attached to Okinawa Island. Sitalina japonica Habe is the first record from Okinawa Prefecture.
著者
湊 清之
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.12-17, 2007-01-20

Vehicles are one of the dominant of urban air pollution in Asia. While this problem is common to growing metropolitan areas throughout the world, it is particularly severe in Asia, where over half of vehicles are older vehicles and use of poor quality fuel. Emission from the existing fleet of vehicles can be reduced by (a) improving vehicle maintenance, (b) improving the quality of fuel. Some of these measures can be achieved through regulation. This report analyzes different technical and policy options for reducing emissions from vehicles.
著者
峯島 道夫 茅野 潤一郎 大湊 佳宏 今井 理恵
出版者
新潟医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、日本人学習者が不得手であると言われる批判的思考力(クリティカルシンキング)を伸ばすための英語読解教材と学習形態を開発することを目的とした。英語読解教材としては、Steve Jobsのスタンフォード大学における卒業式でのスピーチスクリプトを題材とし、学習者の批判的思考力を伸ばすことをねらった発問やタスクを考案した。授業形態については、協同学習の一技法であるLTD(話し合い学習法)の手法を援用し、発問やタスクに対する学習者の回答のピアとの共有を活用してテキストの理解の深化と自己の世界観の拡充を目指した。
著者
馬場 新悟 菅 幹生 大城 理 湊 小太郎 松田 哲也 小森 優 高橋 隆 徳富 義宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.350, pp.23-27, 2000-10-06
被引用文献数
4 1

近年, ロボット手術支援など医療分野で力覚提示技術が注目されている.しかし, そのヒューマンインターフェースに関する性質は必ずしも十分には検討されていない.この研究では, 力覚フィーフォバックディスプレイ装置でペン型ジンバルのインターフェースを利用する場合を対象に, 人間の力覚特性, すなわち, 振動刺激閾値周波数特性とその弁別閾の特性を心理物理的実験によって明らかにした.これらの結果は, 力覚デバイスを用いてVRシステムを設計する際の基礎的データとして利用できる.
著者
奥乃 博 湊 真一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1789-1799, 1995-08-15
被引用文献数
2 1

BDD(二分決定グラフ)はブール関数のコンパクトな表現方法である。我々は、BDDを使用して組合せ問題の複数の解を同時に表現したり、ATMSといった多重文脈型真偽維特システムの機能拡張をする方法を検討してきた。与えられた問題記述あるいは制約条件からBDDを構築する過程は制約充足問題の解法とみなすことができる。本稿では、2種類のBDD、算術諭理式が使用できる通常のBDDと組合せ集合が使用できるZBDD(Zero?Suppressed BDD)を取り上げ、それらを用いた割約充足問題の解法を検討する。制約充足問題のデータと制約条件のコーディング方法を提案し、N?Queens問題や魔方陣の問題などの具体的な問題を取り上げ、2種類のBDDによる解法を評価する。さらに、BDDによる解法を、制約充足問題での一貫性アルゴリズムやATMSと比較し、評価を行う。BDDでは、一旦適用された制約条件が以降ずっと成立するという単調一貫性維持が成立する、一方、ZBDDでは、組合せ集合演算の性質から、制約条件が適周する対象によって制限される。しかし、この結果ZDDDでは段階的解法が容易となる。
著者
金田 悠作 吉澤 真吾 湊 真一 有村 博紀 宮永 喜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.393, pp.131-136, 2010-01-19

本稿では,重要なデータストリーム処理問題の一つである正規表現パターン照合に対して,ビット並列型パターン照合手法に基づいた高速なハードウェア指向アルゴリズムを提案する.並列ビット分配と呼ぶ新しいビット並列手法を用いて,文字と,連接,和,Kleeneプラスから構成させる非消去的正規表現のクラスに対して,O(mdlogb+m|Σ|)前処理時間とO(mdlogb/w+m|Σ|/w)領域を用いて,O(mdlogb/w)領域の高速なアルゴリズムを与える.ここで,nは入力長を表わし,mとd,bは,それぞれ,パターンの長さと,深さ,最大戻り幅を,wは計算機のワード長,|Σ|はアルファベットの要素数を表わす.さらに,このアルゴリズムを用いて,回路の再構成を伴わずにパターンの変更を可能なハードウェア実装のアーキテクチャをしめす.