著者
三浦 尚之 渡部 徹 藤井 健吉 金谷 祐里 田中 宏明 村上 道夫
出版者
一般社団法人日本リスク学会
雑誌
日本リスク研究学会誌 (ISSN:09155465)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.71-81, 2018-05-25 (Released:2018-06-09)
参考文献数
44

In developed countries with water supply and sewerage systems, risk of waterborne infectious diseases caused by pathogenic bacteria has been controlled at a certain level employing the water quality standards using fecal indicator bacteria. However, behavior of viruses and protozoa in water treatment processes or environmental water is different from those of indicator bacteria, and a quantitative microbial risk assessment (QMRA) approach for the management of risk from specific pathogenic microorganisms has been used in the U.S., etc. In this review article, we overview the waterborne microbial risk studies on the leading edge with pointing out some critical issues in this field. The topics include environmental survey on microbial contamination, risk assessment and modeling, risk management, and risk communication.
著者
田中 宏和
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.317-320, 2019-12-25 (Released:2019-12-23)

多くの企業では働き方改革の必要性が求められている。しかし、その多くは残業時間の短縮や福利厚生の充実に力点が置かれており、個人が自分らしく生き生きと働くことに対する配慮はあまりなされていない。本来、組織は利益を追求するために個人の組織化を行うため、個人が自分の人生のなかで自己を探求し成長していく過程については組織マネジメントの対象とはなっていない。そこで、本研究では、先行研究である内容モデルと過程モデルをもとに、組織マネジメントに埋め込むべき、自己探究モデルを考察する。
著者
淺間 一 田中 宏和 井澤 淳 近藤 敏之 矢野 史朗
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-07-10

四肢の欠損した患者や統合失調症の患者は,自分の身体への所有感が低下することや自分の運動に対して主体感が持てなくなり,健常者と比べて脳内身体表現が変容していることが知られている.本年度はこの身体所有感や運動主体感が脳内身体表現の変容に対してどのように影響を与えるのか定量的に評価し,数理モデルの構築を行った.具体的には,健常者に対してラバーバンド錯覚という現象を起こした上で,身体所有感と運動主体感がそれぞれ感じられない条件で,脳内身体表現がどのように変化するか調べた.その結果,被験者が能動的に動くことで,運動主体感は増し,ラバーバンド錯覚で呈示する腕の映像が実際のものと異なる時には,身体所有感が低下することがわかった.次に脳内身体表現の変容に対して,身体所有感と運動主体感が与える影響を定量的にモデル化した結果,対象とする被験者の数回の試行データを用いることで,変容がどの程度進むかを推定することができるようになった.またこのような知見を実際のリハビリテーションに応用可能なプラットフォームとして,バーチャルリアリティ環境の運動介入システムの実装を行った.これは使用者の腕の運動と筋活動を計測し,それをリアルタイムで使用者にフィードバックするシステムである.このシステムを使うことで,実際に使用者が行っている運動とは異なる結果を返したり,あえて運動を過剰に表示することで,運動を誘導することができることが分かった.
著者
田中 宏尚
出版者
熊本県立大学文学部
雑誌
熊本県立大学文学部紀要 (ISSN:13411241)
巻号頁・発行日
vol.19, no.72, pp.1-22, 2013-02
著者
田中 宏尚
出版者
熊本県立大学文学部
雑誌
熊本県立大学文学部紀要 (ISSN:13411241)
巻号頁・発行日
vol.18, no.71, pp.1-18, 2012-02
著者
田中 宏尚
出版者
熊本県立大学文学部
雑誌
熊本県立大学文学部紀要 (ISSN:13411241)
巻号頁・発行日
vol.17, no.70, pp.47-65, 2011-03
著者
田中 宏尚
出版者
熊本県立大学文学部
雑誌
文彩
巻号頁・発行日
no.5, pp.62-55, 2009-03
著者
齋藤 友紀雄 五関 善成 荒井 悌子 大滝 裕香 山下 淳 田中 宏和 石山 泰三 田中 信大 山科 章
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.SUPPL.2, pp.S2_87-S2_91, 2011 (Released:2012-12-05)
参考文献数
7

症例は42歳, 男性. 自宅で夜間就寝中に突然うなり声を発した後, 意識消失したため, 妻が救急要請した. 娘が心肺蘇生術(CPR)の講習受講者であったため, 確認したところ, 心肺停止状態で消防庁司令室の指示により協力して, 11歳の息子が胸骨圧迫を開始した. 救急隊現着時, モニター上, 心静止であったため, 救急隊がCPRを引き継いだところ心室細動(VF)波形となった. DC 200J施行し, CPR継続したところ心拍再開した(心停止時間16分). 当院救急センター搬送後, 低体温療法開始し, 神経学的な後遺症は認めなかった. 冠動脈造影上有意狭窄なく, アセチルコリン負荷は陰性であった. ピルジカイニド負荷試験では右側胸部誘導にST変化を認めなかった. 心臓超音波検査では心機能良好で, 器質的心疾患を認めなかった. 重度睡眠時無呼吸症候群を認めたが, CPAP療法は希望しなかった. 特発性心室細動の診断で, 第21病日に植込み型除細動器(ICD)植え込み術を施行し, 以後経過良好にて退院した. 現在までのところ, ICD作動は認めていない.
著者
田中 宏子 乾 康代
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.93-102, 2015 (Released:2018-01-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1

本研究は、東日本大震災発生時に茨城県内に居住し、震災によって避難を強いられた住民を対象として、災害発生1年半後に追跡調査を行い、取得したデータのうちから、"子どものいる避難世帯の生活状況"というテーマを設定して研究を行った。子どものいる世帯の避難生活は、原子力災害からの避難が背景にあるがゆえに、周辺被災地である茨城県でも、特異な心理、生活上の困難を、他の世帯型より多く抱えていることが明らかとなった。震災により茨城県外に避難した若い子育て世帯の意向は、帰還が約1割、他所で定住が約5割であり、将来どこに住むかわからない避難継続は約4割であった。原子力災害がもたらす放射能に対する恐怖感に基づく避難は、いずれ元の場所に戻るという明快なものではなく、複雑で深刻な局面を包含していた。また、避難継続世帯は、帰郷世帯や避難定住世帯に比べて、子どもの健康問題を抱える世帯が多かった。
著者
田中 宏樹 タナカ ヒロキ Tanaka Hiroki
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha policy and managemant review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.31-37, 2019-03

論説(Article)地方公務員給与の規定要因を検証した国内の実証分析として、太田(2013)、石田(2015)一瀬(2017)等があるが、対象職種が一般行政職あるいは警察職であり、教員は対象に含まれていない。加えて、給与水準に労働組合が与える影響は小さくないと考えられるが、石田(2015)を除いて、給与と組合との関わりに焦点を当てた研究は乏しい。本研究では、公立学校の教員給与の規定要因について実証分析する。特に、都道府県毎に異なる組合活動に焦点を当て、それが給与水準に影響を与えているか否かを、都道府県パネルデータをもとに検証する。
著者
田中 宏 江口 由紀 松本 明子 杉井 健祐 坂口 智香 丹後 ゆかり 丸濱 勉 藪嶒 恒夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.248-253, 2016 (Released:2016-11-02)
参考文献数
12

終末期における抗がん治療の現状を知り緩和ケア病棟(PCU)の意義を検討する目的で,2013年10月からの2年間に当院で死亡したがん患者414例(PCU 219例,一般病棟195例)を対象に,抗がん治療歴や緩和ケア状況を検討した.その結果,一般病棟ではPCUに比べ高齢で,診断が遅く,病勢進行が速い患者が多く,これらが標準的な抗がん治療や緩和ケアの機会を妨げる要因となった可能性が示唆された.一方,化学療法施行例においては,最終治療日から死亡までの中央値がPCU 110日に対し一般病棟は55日と有意に短く,死亡前1カ月間の化学療法施行率もPCU 2%に対し一般病棟は32%と高率であった.終末期の抗がん治療を適正化する上でPCUの意義は大きいと考えられたが,診断時期や病勢進行速度にかかわらず早期からの緩和ケアを実践するには,社会全体に向けた緩和ケアやアドバンスケアプランニングの普及啓発が大切である.
著者
杉山 統哉 田中 宏太佳 鄭 丞媛 松本 大輔 近藤 克則
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.B3O2093, 2010

【目的】<BR> 脳卒中後の機能回復の予後において社会的サポートのレベルが高いほどActivities of Daily Living (以下ADL)点数が高くなるという報告がある.社会的サポートとは周囲の人々から得られる有形・無形の援助のことであり,家族介護者は社会的サポートの主な提供者の1つである.そこで介護力の有無により自宅退院率だけではなく,脳卒中後の機能回復に影響があるのかどうかを明らかにすることを目的とした.<BR> 日々の臨床においてもリハビリテーション(以下リハ)の対象となる患者は,関わる人が多い場合,帰結が良くなるという印象がある.仮説として特に家族介護者の関わりが多い方がより早く治したい,動けるようになりたいという感情が強くなり,帰結に影響を及ぼしているのではないかと考えた.しかし脳卒中後リハ対象患者において人の関わりがADLにどう影響を及ぼしているかを検討した報告はほとんどない.そこで多施設参加型データベースであるリハビリテーション患者データバンク(リハDB)に登録されている脳卒中患者のデータを使用し,検討したので報告する.<BR>【方法】<BR> 2009年5月までにリハビリテーション患者データバンク(以下リハDB)に登録された3,930名(30病院)のうち入院病棟区分が「一般病棟」の2,238名(19病院)から今回の検討するデータが入力されている9病院から入院時歩行不可である618名(男性365名,女性253名)を対象にした.患者選択基準は「発症前modified Rankin Scale(以下mRS)0~3」,「入院時mRS4・5 」,「55歳以上84歳以下」,「在院日数8日以上60日以下」,「発症後リハビリ開始病日21日以下」,「発症後入院病日7日以下」,以上の基準を満たすものを分析対象とした.対象の内訳は年齢72.4±7.9歳,発症から入院までの日数1.3±0.7日,発症後リハ開始病日2.8±2.8日,在院日数29.1±12.3日,リハ期間26.0±12.3日,1日あたりのリハ単位数(保険請求分)4.0±2.3単位であった.今回の検討は転・退院時の歩行状態が自立か非自立を帰結にした.そこで対象を転・退院時歩行自立294名と歩行非自立324名に分類した.転・退院時の歩行の自立・非自立の定義は入院時のFunctional Independence Measure(以下FIM)とmRSを掛け合わせることで設定した.リハDBのデータ項目の中から転・退院時の歩行状態を予測する因子として性別,年齢,確定脳卒中診断分類(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血),在院日数,糖尿病の有無,高血圧の有無,合併症の有無,脳卒中既往歴,発病前mRS,発症後リハ開始病日,認知症の有無,意識レベル,下肢運動,入院時半側空間無視の有無,入院時感覚障害の有無,入院時FIM運動項目合計,入院時FIM認知項目合計,介護力の有無,装具処方の有無,リハ専門医の関与の有無,カンファレンスの実施状況,休日・付加的な訓練の有無,1日あたりのリハ単位数を選択した.上記の項目を独立変数とし,転・退院時の歩行自立・非自立を従属変数としてSPSSver12.0を用いてロジスティック回帰分析を行った.また,有意水準は5%未満とした.<BR>【説明と同意】<BR> 本研究において用いたデータは,リハDBについて説明の上同意した協力施設から,匿名化処理をし個人情報を削除したデータの提供を受けた.<BR>【結果】<BR> 選択した各変数の単変量解析(χ2検定)を行った結果,糖尿病の有無,高血圧の有無,発症後リハ開始病日,装具の処方の有無,カンファレンスの実施状況,1日あたりリハ単位数以外は有意確率0.05以下であった.<BR> ロジスティック回帰分析の結果は性別が「男」,脳卒中確定診断分類のうち「脳梗塞」,脳卒中既往歴「なし」,発症後リハ開始病日が「3日以内」,下肢運動「正常」,感覚障害「正常」,入院時運動・認知項目合計得点が高い,介護力「0~1人」「1人以上」,リハ専門医の関与「あり」が転・退院時の歩行自立が多い因子(p<0.05)であった.判別的中率は87.3%,HosmerとLemeshowの検定ではχ2=4.485(p=0.811)であった.今回の検討項目である介護力の有無に関してのオッズ比は歩行非自立を「1」としたとき,介護力「なし」に対して「0~1人」が7.142(95%信頼区間:1.846~27.625),「1人以上」が7.448(95%信頼区間:1.799~30.832)であった.<BR>【考察】<BR> 入院時の他の条件が同じ患者でも介護力が大きい人ほど歩行自立する確立が高いことが示された.1993年StrokeのGlassらによると高いレベルの社会的サポートは脳卒中後の機能回復に関連し,重要な予後因子であるかもしれないと報告している.今回の結果においても介護力の有無が脳卒中患者における歩行自立の重要な予後因子であるかもしれないということが示唆された.<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 本研究の結果から,急性期脳卒中患者において集約的合理的にリハを行う・予後予測する一助になると考えられる.
著者
清水 惠子 浅利 優 奥田 勝博 田中 宏樹 塩野 寛 松原 和夫
雑誌
法医病理 (ISSN:13415395)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.11-19, 2017-07

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著者
田中 宏子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, 2012

【目的】内閣府の有識者会議は、東海・東南海・南海地震が今世紀前半にM9として発生すると想定している。さらに、日本全国には約2,000に上る活断層があると言われており、それらの活断層の中にはM7クラスの地震をもたらすものが確認されている。大規模地震発生の切迫性が高まっている中、生徒たちも自分や家族の命は自分たちで守るという重要性を強く自覚し、その実効性が今緊急に求められている。先の東日本大震災では津波防災教育を受けていた岩手県釜石市の子ども達の多くが生き残った。津波防災教育の有効性が確認されたが、これらは地震発生時の津波を主としたものである。本研究は地震災害全体を取り上げ、山崎<sup>1)</sup>が提案する、教科を主軸とする減災教育カリキュラムの理論に基づき、地震災害という非常時に生徒が即時に有効に対応できる家庭科授業の開発と強化を目的とする。<br>【方法】まず、学習指導要領の中に分散している減災の要素を全て拾い集めて整理し、児童・生徒の発達段階を考慮しながら、家庭科授業に於ける地震災害対応授業の内容とそのねらいを明らかにした。次に2009年11月に滋賀県公立の小学校90校と中学校40校の教諭と2011年7月に開催された滋賀県学校安全研修会防災教育指導者研修に参加した教諭を対象として、減災教育に関する調査を実施した。以上を踏まえ、既往の防災・減災教育に関する実践報告を参考にしながら、家庭科教育に於ける地震災害対応授業案を作成し、その一部の実践を試みた。<br>【結果及び考察】<br>1. 教科の中に組み込む地震災害に関する学習<br> 2009年の調査では、小学校で約4割、中学校で約5割の教室で大型備品の転倒・落下防止対策がなされていなかった。中学校においては自然災害の内容を含まない教科を担当する教諭は備災行動が遅れがちであり、教諭の担当教科と対策の間に関連がみられた。学校の減災を推進するには、全ての教科に災害に関する学習を組み込むことが有効であると考えた。そこで災害に関わる学習を、どの学年の何の教科で、どのような内容でできるかを自由記述で教諭に尋ねたところ、2009年、2011年の調査とも、どの教科においても授業案がだされ、全教科に災害教育を組み込むことができることを確認した。家庭科はその特性から、学校の災害対応力を強化するための先導的役割を果たしていきたい。<br>2.東日本大震災を経ての災害教育の変化<br> 2009年と2011年の調査から得た授業案を精査した結果、震災前と震災後で、生徒自身が自分で対応方法を「考える」指導方法をとる授業案が25.2%から55.6%へと増加した(p<0.001)。そこで地震災害対応授業では、生徒自身が自分で対応方法を「考える」ことを重視した。<br>3.災害状況のイメージ<br> 2009年の調査より、被災地に赴いての体験が減災行動に影響することを確認した。従って全ての教職員、児童・生徒が被災地を訪れることが望ましいが、時間的、空間的、経済的制約がある。また、女性教諭は現地に赴く比率が低いという性差もみられた。そこで現地体験が困難な場合、災害状況を感性で捉えて実体化するために映像による疑似体験を地震災害対応授業に導入した。<br>4.家庭科授業案<br> 災害時に対応できる冷静で俊敏な行動性を高める避難訓練授業をベースに、非常持ち出しベストのポケットに入れる物、家族災害計画、家庭にある危険要素、地震に強い家や地盤、地域の危険、エネルギー依存型のライフスタイルを考える授業などを作成した。これらの授業は宿題を通じて家庭と協働し、生徒自身に加え、家族や地域住民の減災に対する意識や行動を促すことをねらいとする。<br>1)&nbsp; 山﨑古都子、田中宏子:滋賀県における巨大自然災害にともなうリスクについての総合的研究、滋賀大学教育研究プロジェクトセンター報告書、2010.
著者
田中 宏昌 石橋 忠良
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.3-11, 1981-06-15 (Released:2013-04-26)
参考文献数
6
被引用文献数
1

鉄道構造物の高架下は現在多目的に利用されている。そのため, 高架下からの火災の発生により列車の運行に支障の生ずることもある。本稿は, 鉄道高架橋の火災被害とその復旧方法について紹介するものである。
著者
表 摩耶 脇本 裕 亀井 秀剛 浮田 祐司 原田 佳世子 福井 淳史 田中 宏幸 柴原 浩章
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.134-142, 2018

<p>慢性早剥羊水過少症候群(chronic abruption oligohydramnios sequence;CAOS)は,一般に周産期予後は不良で初回出血の週数が早いほど予後が悪いとされている.今回,われわれは異なる経過をたどり,CAOSの予後規定因子について示唆に富む2症例を経験したので報告する.症例1は妊娠14週4日より性器出血と絨毛膜下血腫(sub-chorionic hematoma;SCH)を認め,妊娠23週4日に腹痛と多量の性器出血により当院に救急搬送され入院管理となった.入院後も性器出血は持続し,妊娠24週1日で羊水過少を認めCAOSと診断した.妊娠31週6日に陣痛が発来し経腟分娩となり健児を得た.胎盤病理は絨毛膜羊膜炎(chorioamnionitis;CAM)を認めなかった.症例2は妊娠15週4日に性器出血を認め当院に受診し,SCHを認めた.妊娠16週1日より持続する性器出血と子宮収縮を認め入院管理とした.同時期より羊水過少を認めCAOSと診断した.妊娠21週3日より子宮内胎児発育停止を認め,妊娠24週1日で子宮内胎児死亡となり,妊娠24週6日に経腟分娩した.胎盤病理はCAM III度であった.2例の経過を比較すると,CAOSにおいてもCAMという炎症の長期持続が児の予後不良因子であった可能性が示唆された.SCHに羊水過少を認めた場合はCAOSを念頭に,児の関連合併症に注目するとNICU併設の高次医療機関での周産期管理が推奨できる.〔産婦の進歩70(2):134-142, 2018(平成30年5月)〕</p>