著者
篠竹 昭彦 松崎 眞六 国友 和也 内藤 誠章 橋本 操 圃中 朝夫 長根 利弘 永嶺 謙忠 田中 宏幸
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.95, no.10, pp.665-671, 2009
被引用文献数
1 7

The visualization of the inner state of a blast furnace was investigated by exploiting the feature of cosmic-ray muon that attenuates according to the density and the thickness of the object through which it penetrates. The distribution of the cosmic-ray muon accumulated in an object in a blast furnace during a certain period has been determined by a probing system provided with two sets of a pair of panels with plastic scintillation counters segmented in parallel along each direction of both sides. First, measurement was performed in the furnace hearth structure that had been taken out after the shutdown of Oita No. 2 Blast Furnace repaired in 2004. Next, another measurement was performed in the same manner in the renewed furnace hearth of Oita No. 2 Blast Furnace which had just started working after its repairs. The density of the material at the iron-rich portion inside the hearth was estimated from the accumulation ratio obtained from the relation between the intensity of the muon channel passing through the iron-rich part in the hearth and that passing through its opposite channel symmetric to the coordinate origin. Then, the level of the furnace bottom brick, meaning its eroded thickness, was estimated from those accumulation ratios in relation to each channel crossing both the iron-rich part and the furnace bottom brick. The possibility of the density distribution of the material inside a blast furnace and the remaining thickness of bricks being estimated by this measurement method was identified.
著者
宮本 英昭 石上 玄也 田中 宏幸 尾崎 正伸 日野 英逸
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

数値計算とデータ解析により火星表面は水平方向に飛来するミュオンが地球上より多く存在し,ミュオグラフィが適用しやすいことを確かめた.ピンゴ状地形の内部氷コアをモデル観測シナリオとして,30日程度で観測可能となる超小型ミュオグラフィ装置を設計し,この原理実証モデルを開発した.地上の3地点で5週間に渡り実証試験を実施し,開発した装置が十分な精度で密度構造を計測可能なことを確かめた.3年と短い研究期間であったが,世界発の宇宙版ミュオグラフィ装置の原理実証機の作成と運用,さらに火星で運用するための移動手段の開発・運用に成功し,予定以上の大きな成果を得ることができた.
著者
吉田 索 浅桐 公男 朝川 貴博 田中 宏明 倉八 朋宏
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.169-175, 2019 (Released:2019-09-15)
参考文献数
19
被引用文献数
1 3

近年,生体電気インピーダンス分析法(以下BIA)は,日常の診療や栄養評価,スポーツなどのさまざまな分野に用いられている.このBIAを利用して算出されるPhase angle(以下PhA)は細胞膜の抵抗を表した角度であり,細胞や細胞膜の栄養状態と関係が深く,体細胞量に反映する.健常者やアスリートなどの構造的完成度の高い細胞膜をもった正常細胞では,PhAは高く計測され,老化やがんなどの細胞膜の構造的損傷や細胞密度の低下した障害細胞では,PhAは低く計測される. PhAは細胞の健常度や全体的な栄養状態を反映することから,各種疾患の予後予測因子や栄養指標として注目されている.また,PhAは人体に微弱電流を流し細胞膜の抵抗値を直接測定して算出する実測値であるため,身長や体重だけでなく体液過剰の影響を直接受けない利点がある.そのため,通常の体成分分析には則さない重症度の高い患者や重症心身障害者などの正確な栄養評価が困難な患者にPhAは有用と思われる.
著者
IWATSUKI Yukio NAGINO Hayato TANAKA Fumiya WADA Hidetoshi TANAHARA Kei WADA Masaaki TANAKA Hiroyuki HIDAKA Koichi KIMURA Seishi 岩槻 幸雄 投野 隼斗 田中 文也 和田 英敏 棚原 奎 和田 正昭 田中 宏幸 日高 浩一 木村 清志
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
雑誌
三重大学大学院生物資源学研究科紀要 = THE BULLETIN OF THE GRADUATE SCHOOL OF BIORESOURCES MIE UNIVERSITY
巻号頁・発行日
vol.43, pp.27-55, 2017-09

Annotated checklist of marine and fresh water fishes is reported from the Hyuga Nada area, including Miyazaki Prefecture, southern coastal area of Oita Prefecture and eastern coast of Kagoshima Prefecture, southwestern Japan. Such fishes are classified into 228 families, 680 genera and 1,340 species including 24 subspecies and 1 hybrid, consisting of natural inhabitants in the area, and invasive and introduced fishes as alien species out of Japan or from the other areas. Confirmation of each species on identification is based on voucher specimens kept in Miyazaki University and other museums, photographs of fishes taken in the area, confirmed photographs in websites and references formerly reported before August 2016. Fish occurrence tendency by our gross observation is noted at each species.
著者
田中宏巳編
出版者
緑蔭書房
巻号頁・発行日
2011
著者
進藤 宗洋 池田 正春 黒岩 中 清永 明 田中 宏暁
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

高齢者を対象に、適度な運動習慣が免疫機能に及ぼす影響を、以下の視点から検討し知見を得た。1.中高齢者の非特異的免疫能に対する定量的運動の影響:運動習慣のない健常な高齢者を対象にして、ザイモザン刺激に反応した好中球の活性酸素(ROS)産生能は80%LTとLTの軽強度長時間有酸素性運動によってのみ一過性に高められる可能性が示唆された。次に、LTとほぼ同等である50%V02max強度のトレーニングを定期的に継続している高齢者と運動習慣のない高齢者を対象にして、安静時とLT強度で1時間の一過性の運動を負荷して、運動中と運動終了直後、運動終了1時間後のROS産生能を検討し、この軽強度の有酸素性運動の長期間継続が高齢者の非特異的免疫能を高め得る可能性を明らかにした。次に、健常高齢者を対象に縦断的研究を行ったところ、トレーニング効果はLT強度で1回1時間、週3回の頻度では5週間以上で有酸素性作業能を、10週間以上では非特異的免疫機構の中心を担う好中球の機能を十分に高め得る可能性が示唆された。2.中高齢者の習慣的運動がT,Bリンパ球およびNK細胞におよぼす影響:若年(20-39才)、中年(40-59才)、高齢(60才以上)の年代でジョギングやサイクリング、テニス、水泳など運動習慣を持つ運動群と持っていない非運動群のリンパ球サブセットと好中球のROS産生能及び貪食能を測定比較した結果、自然免疫については、NK細胞の割合は年齢によっても運動習慣によっても変わらないが、好中球のROS産生能及び貪食能は高齢非運動群に比べて高齢運動群の方が高かった。3.中高齢者のストレスと免疫能〜若年者および運動群非運動群での比較:ストレスで起きる免疫能への悪影響も防ぐ可能性を、2と同じ対象についてSTAI心理テストによるストレスレベルとリンパ球サブセットを測定し検討した。適度な運動はストレスを軽減し免疫機能を改善する可能性が示唆された。
著者
田中 宏樹 神谷 淳文 大村 愛花 村松 久圭
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.141, no.7, pp.413-416, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)
参考文献数
2

1.はじめに広島県東広島市の郊外に目を引く巨大な工場がある。マイクロンの広島工場(図1)である。マイクロンはアメリカ アイダホ州ボイシに本社を置き,世界中でさまざまなメモリの生産を行っている世界有数の半導体メーカである(図2)(1)。特に広島工場はDRAM(Dynamic Random
著者
田所 幸浩 山里 敬也 田中 宏哉 荒井 伸太郎 中島 康雄 平岡 真太郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J102-B, no.6, pp.445-458, 2019-06-01

確率共鳴(Stochastic resonance: SR)とは,系の雑音強度の増大に対して系の応答が向上する非線形現象のことである.従来,雑音は工学的には邪魔なものとしてフィルタ処理等を駆使して積極的に取り除かれてきた.しかし,確率共鳴では異なるアプローチをとる.すなわち,雑音を積極的に利用することで,系の応答を改善する.例えば,生態系は雑音を巧く信号処理に活かすことで,雑音に埋もれた微弱な信号であっても感知できるしくみを有している.このしくみを情報通信に応用することができれば,従来の系では感知できないような微弱な信号を用いた情報通信システムの構築が期待される.そこで本サーベイ論文では,まず確率共鳴現象についての初期の検討から現在に至る研究動向を俯瞰し,確率共鳴現象を支える基礎理論についての概説を試みる.次に,確率共鳴現象の情報通信への応用を促すため,1bit A/D変換器による多レベル信号の復調,仮説検定においても一定の条件下で信号検出確率を改善できるなど,具体的な応用例について概説し,読者の現象応用の手助けとしたい.
著者
山地 祥隆 古城 直道 樋口 誠宏 山口 智実 島田 尚一 田中 宏明
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2009年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.61-62, 2009 (Released:2010-02-25)

本研究では,ダイヤモンドと被削材種間の標準自由エネルギー変化の計算,および拡散実験の結果により工具の摩耗メカニズムを推定した.その上で,炭素拡散により摩耗させる鉄,酸化物の還元により摩耗させる銅,炭化物の生成により摩耗させるアルミニウムの切削実験により,摩耗形態と耐摩耗性を調査した.その結果,明らかになった事柄について論じる.
著者
田中 宏昌 関雅 樹 阿部 英彦 野辺 武 稲葉 紀昭
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.105-116, 2000-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
6

The paper deals with the pin-connected railway truss bridges, which were used for as longas 114 years across Daiyagawa River. The authors present their brief history, structuralfeatures, and deterioration of structural parts which was caused by such a long service, especially wearing of pins and holes in eye bars. Also the restoration works for preservationis described.

2 0 0 0 OA 測量法の改正

著者
田中 宏明
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.11-23, 2003-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
2
著者
田中 宏明
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.77-100, 2011-03-04

国際政治経済学にはアメリカン学派とブリティッシュ学派の間に「相互無視」という状態がある。ブリティッシュ学派の創始者の一人としてスーザン・ストレンジにその責任の多くが負わせられている。しかしながら、ストレンジは、国際政治経済学におけるブリティッシュ学派の確立ではなく、むしろ国際政治経済学という学問分野の確立をめざしてきたのである。ストレンジは、安全保障、生産、金融、そして知識からなる構造的権力に基づくリアリズムを主張し、そして既存のリアリズムには批判的であった。この立場からすると、古典的リアリズムの多極システム、ネオリアリズムの双極システム、そしてリアリズムの覇権国モデルが批判されることになる。そしてストレンジはグローバル政治経済のリアリティを直視するという意味でもリアリストであった。それゆえ、ストレンジは変貌するグローバル政治経済についての認識を欠くアメリカの政策とアメリカの国際政治経済学にはきわめて批判的であった。なぜならば、ストレンジは、アメリカの衰退どころかアメリカを非領土的帝国であると捉え、そしてグローバル政治経済において国家から市場へと権威がシフトし、グローバル・ビジネス文明が出現していると捉えたからである。さらに、ストレンジは、経済学の方法論を援用するアメリカン学派の国際政治経済学にも批判的であった。こうした意味でストレンジを批判的リアリストと呼べるかもしれない。最後に、アメリカン学派からの批判とそれに対するストレンジの反論を検討するとともに、ストレンジの国際政治経済学を批判的に考察する。
著者
八十島 誠 山下 尚之 中田 典秀 小森 行也 鈴木 穣 田中 宏明
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.707-714, 2004-11-10 (Released:2008-01-22)
参考文献数
45
被引用文献数
4 5

In recent years, antibiotics resident in sewage and in the water environment have become an emerging public concern in many developed countries. However, limited knowledge is available on the occurrence of antibiotics in sewage and discharge from wastewater treatment plants (WWTPs) in Japan. Moreover, little is known on the significance of their occurrence in the water environment from the viewpoints of biological adverse effects. The objectives of this research were, therefore, to determine the occurrence of selected antibiotics, namely levofloxacin (LVFX) and clarithromycin (CAM). That are commonly used in Japan, in discharge from WWTPs and then to evaluate their possible effects on algal growth. Therefore, we developed a novel analysis method for LVFX and CAM in wastewater by LC/MS/MS whose detection limits and recovery ratios are 2-3ng·l-1 and 53-87%, respectively. We also conducted algal growth inhibition tests using Pseudokirchneriella subcapitata, and results showed that the EC50s of LVFX and CAM are 1200μg·l-1 and 11μg·l-1, LOECs are 630μg·l-1 and 6.3μg·l-1, and NOECs are 310μg·l-1 and 3.1μg·l-1, respectively, LVFX and CAM concentrations in secondary effluent of five WWTPs that use the activated sludge process ranged from 152-323ng·l-1 and 303-567ng·l-1, respectively, which indicates that the PEC/PNEC ratio of LVFX is less than one but that of CAM exceeds two at the maximum secondary effluents if a safety factor of ten is considered. This suggests a possibility of algal growth inhibition due to CAM in WWTP discharge in the case of insufficient dilution of the receiving waters.
著者
中村 哲 須藤 克仁 松本 裕治 田中 宏季 サクリアニ サクティ 吉野 幸一郎 高道 慎之介
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

①-A)常時音声認識:音声、非音声音響モデルに基づく常時音声認識の検討を始めた。B)自動音声同時通訳:シフトリデュースパーザを音声認識に組み込み、逐次的に音声認識デコーダで構文解析しながら次の文構成要素を予測し、訳出、待機を行う方法の高度化について文献調査を行った。C)機械翻訳の高度化:再帰的ニューラルネットワークの一種であるLSTMによる注意形ニューラル機械翻訳(NMT)の高度化に向けて研究を進めた。D)対話制御:LSTMを用いた対話状態推定法の利用、POMDPを利用した音声翻訳の高度化に向けて検討を始めた。②パラ言語:元言語の発話から強調抽出し、アライメントを求めた後、CRFおよびLSTMニューラルネットで対象言語に強調を付与する技術の改良を進めた。③リアルタイムコミュニケーション:視線検出装置Tobi、モバイル心拍計などを用いてプロの同時通訳者の作業時、および同時通訳ユーザの聴取時の聴取負荷の観察を行うため、実験計画の検討を行った。④コーパス構築:2012年から介した基盤研究Aで収集したコーパスの整理を行い、H29年度に実施すべきコーパス収集の計画を検討した。
著者
田中 宏 高井 利之 三浦 梓
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
鉄道技術連合シンポジウム(J-Rail)講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2000, pp.429-432, 2000-12-12
被引用文献数
1

BTM (Belt Type Transit System by Magnet) has timing belts at whose surface permanent magnet devices are fitted. It uses magnetic attraction-force to steel beam for driving force. As this force is more powerful than adhesion force between wheel and rail, it is possible that BTM runs at steep slope like 30 degrees. This paper describes design policy and experiment results of BTM, concerning structure of belt, method of driving, brake system and automatic operation.
著者
田中 宏宜 板井 陽俊 安川 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.467, pp.7-10, 2014-02-27

人間の足音には固有の特徴があり,我々は足音を聞くことで個人を認識することがある.近年,歩行足音による個人識別が可能であることが示され,足音の解析や識別率の向上に関する研究が進められるとともに,足音から様々な情報を抽出するシステムへの応用が期待されている.足音を用いた個人の自動判別が可能となればセキュリティシステムの一環として防犯対策,早期犯人逮捕などに貢献できるシステムを実現できる.本研究では従来研究では適用されていないHMMを用いた歩行足音の識別を試みる.