著者
山本 巌 田中 距聰 藤本 哲也 太田 和親 松崎 啓
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.7, pp.1227-1230, 1987-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
14
被引用文献数
4

1,1-ジフェニルポスホリナニウムプロミド[1]を出発物質として,二硫化ジメチルによるα-位へのメチルチオ基の導入,それにつづくデカナールとのWittig反応を行ない,対応するビニルスルフィド[4]を収率56%で得た。つぎに[4]を,ヘキサナールとWittig-Horner反応すると,アルコール[5]が収率67%で得られた。ついで,[5]を水素化ナトリウムで処理すると,Douglas Fir Tussock Moth(Orgyiapseecdotsugata)の性フェロモン前駆体であるジエン[6]が収率31%で得られた。さらに,[6]を塩酸水溶液で加水分解し,目的の性フェロモンて[7]を収率82%で得た。
著者
伊﨑 祥子 田中 覚 田島 孝士 中道 一生 西條 政幸 野村 恭一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.345-348, 2015 (Released:2015-05-30)
参考文献数
9
被引用文献数
4 6

症例は77歳,女性.6ヵ月にわたって緩徐に進行する小脳性運動失調を主訴に受診した.頭部MRIで左橋上部背側と両側の中小脳脚から小脳白質にかけて鍬型に異常信号をみとめた.本例は,非HIVであり,膠原病や免疫抑制剤を使用するような基礎疾患をみとめなかった.髄液中にJCウイルス(JCV)のDNAを検出したことから,小脳症状で発症したまれな小脳・脳幹型の進行性多巣性白質脳症と診断した.また入院後の検査でCD4+リンパ球減少症をみとめた.メフロキン単独による治療で髄液JCVは陰転化し,神経症候の改善をみとめた症例を経験した.
著者
吉村 研治 大森 庸子 吉松 隆夫 田中 賢二 石崎 文彬
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.897-903, 1996-11-15
参考文献数
6
被引用文献数
7 7

In a high density culture of rotifer (beyond the levels of 10<sup>3</sup>ind./m<i>l</i>), the amount of aeration needed to maintain an optimum dissolved oxygen (DO) level increases. In order to investigate the effect of aeration on the population growth of rotifer, a series of experiments were carried out. The S-type rotifer <i>Brachionus rotundiformis</i> was cultured at high density using 10<i>l</i> vessels under different aeration conditions. Air or oxygen gas was introduced into the culture media through two types of sparger which formed different sizes of bubbles, at aeration rates from 0.1 to 2.0vvm. The bubble-size from the two kinds of sparger were estimated from the value of <i>KLa</i> (volumetric oxygen transfer coefficient). When the aeration rate was high or the ceramic sparger that formed smaller bubbles was used, DO in the culture system remained at a high level. However, under these conditions, the growth of the rotifer population was seriously inhibited due to very high aeration rates and small bubbles, possibly as a result of foaming separation. When oxygen gas was introduced into the culture system, the density of rotifer was higher than that when air was introduced. Therefore, it is recommended to introduce high-purity oxygen gas for a high density culture to avoid any growth inhibition and to maintain optimum DO.
著者
小西 智也 小野寺 康 田中 宏昌 杉村 丈一
出版者
一般社団法人 日本トライボロジー学会
雑誌
トライボロジスト (ISSN:09151168)
巻号頁・発行日
pp.21-00010, (Released:2021-09-17)
参考文献数
20

Smoothing surface roughness by the use of additives is one of the promising approaches to reduce friction loss and wear under boundary lubrication. Effect of phosphorus anti-wear agents on controlling surface roughness is focused in this study. Zinc dithiophosphate (ZnDTP), generally used as an anti-wear agent for engine oil, formed rough surface by forming inhomogeneous phosphorus and sulfur films. In contrast, a particular neutral phosphorus agent that reduced surface roughness and prevented wear was found, which forms homogeneous phosphoric acid film. An acidic phosphorus agent also reduced surface roughness and reduced friction and promote low shear stress molybdenum disulfide film formation with Molybdenum dithiocarbamate (MoDTC), but it was accompanied with a large amount of wear. Use of the neutral and the acid phosphorus agents together realized low friction, reduced wear, and very smooth surface by forming reaction films composed of sulfur and phosphorus type films. The study indicates that forming a homogeneous phosphoric film of low shear strength by the use of specific phosphorous agents is one of a promising approach to establish and sustainable boundary film of low friction and low wear.
著者
田中 一志 荒川 創一 藤澤 正人
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.565-568, 2010 (Released:2011-02-03)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

高齢者の尿路感染症の特徴として,加齢や併存疾患に関連する感染防御能の低下や,前立腺肥大症などの尿路の基礎疾患による排尿機能障害にともなった複雑性尿路感染が多くみられることが挙げられる.また,基礎疾患による日常の活動性の低下や障害などにより尿道カテーテルが留置されていることが多く,これらに生じた尿路感染症は難治性であり院内感染症の原因にもなる.さらに尿道カテーテル留置は無症候性細菌尿が高頻度に認められることとも関係しているが,これらは特別なハイリスクグループをのぞいて抗菌薬投与の適応とはならない.一方で自他覚症状に乏しいことから,時に重症化する場合がある.原因菌については,複雑性尿路感染症の頻度が高いため大腸菌以外の感染も多く,ほとんどで抗菌薬の曝露歴が有るため耐性菌の頻度も高い.治療に際して想定される菌種に有効な抗菌薬を選択する必要がある.また,重症化した場合には,抗菌化学療法に加え,外科的処置およびそのタイミングが重要となってくる.
著者
吉井 美奈子 大本 久美子 岸本(重信) 妙子 田中 洋子 藤川 順子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, 2012

【目的】<br> 近年、消費者庁の設立などの機会によって、消費者教育の重要性が改めて認識されつつあるものの、今なお教育現場では消費者教育に関わる問題が山積している。消費者教育はこれまで必ずしも体系的に実施されてきたとは言えず、日本消費者教育学会も消費者基本計画に関する提言の中で、「系統的・計画的な消費者教育の欠如」を指摘している<sup>1)</sup>。消費者教育は、主に家庭科や社会科で行われているが、特に家庭科では衣食住などの各分野における体系立てた消費者教育が必要であると言える<sup>2)</sup>。これまで、本研究メンバーの一部で、食生活分野での教材を作成し、その効果を検証してきた<sup>3)4)</sup>。本研究では、体系立てた消費者教育を目指し、「安全」「契約・取引・家計」「生活情報」「環境・責任・倫理」の各領域の目標を設定し、その目標が達成できるような消費者を目指す消費者教育教材作りを衣生活分野において行う。<br>【方法】<br> 消費者教育を体系的に行うための領域別目標を掲げ、その各目標を達成できるような教材作りを「衣生活分野」において行った。具体的には、衣生活の流れに沿ったスゴロクを作成し、カードなどを使うことで購入、使用、管理、廃棄(環境への配慮)などが一連で学べるようにした。小・中・高全ての校種で活用できることを目的としているが、今回はまず中学・高校で活用できる教材作りを行い、改良を重ねながら小学校等でも活用できるようにしていく予定である。<br>【結果と考察】<br> スタートからゴールまでの間にあるイベントマスで「商品カード」「表示カード」「エコカード」を引きながら、自立した消費者を示す星マークを多く集めてゴールを目指す教材を作成した。スタート近くでは、衣服を購入するための金銭的なイベントマスを用意し、目標を立てて貯蓄することの大切さなどを感じられるようにした。「商品カード」では、様々な視点から商品を捉えられるように工夫した。「表示カード」では、商品についている表示をクイズ形式で答えるようにし、知識を確認できるようにした。「エコカード」では、環境に配慮した廃棄や再活用について考えられるようにした。また、全員がゴールした後、講師が「お知らせ」を発表することで、知的財産への配慮などの必要性を感じることができるようにした。 本教材の特長は、消費者教育を体系立てて学べるということの他に、ゲームを援用したことで、生徒が自ら学ぼうという意欲が高まるようにしたことである。加えて、ゲームを活用することで、単に「楽しかった」で終わらせず、知識を付けながらコマを進められるように工夫した。また、ゲーム終了後の振り返りを利用して、既にゲームを通して獲得したポイントの数を変動させて意外性を持たせることで、より強い印象を付けることができる。<br>&nbsp;1)日本消費者教育学会「消費者計画に関する提言」(2004年12月13日)内閣府へ提出した意見書<br>2)「消費者教育体系化シートの領域別目標の達成と課題-大学生の消費行動に関する意識調査を手がかりにして―」吉井美奈子、他(2010)消費者教育第30冊、日本消費者教育学会<br>3)「食生活における消費行動に関する領域別達成度と課題」岸本(重信)妙子、他(2011)消費者教育第31冊、日本消費者教育学会<br>4)「食生活分野における消費者教育教材の検討-教材開発の成果と課題-」吉井美奈子、他、日本消費者教育学会第31回全国大会、2011.10.23
著者
河野 博行 岡田 裕之 平岡 佐規子 田中 健大
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.7, pp.1326-1333, 2015-07-05 (Released:2015-07-05)
参考文献数
29

症例は67歳女性.61歳時小腸大腸型クローン病と診断.生物学的製剤(Adalimumab)にて寛解維持状態であった.67歳時に空咳が出現.胸部CTで両側下葉に間質影を認めた.血液検査でSS-A, B抗体陽性,唾液腺生検でリンパ球浸潤を認めたが,乾燥症状は認められず無症候性シェーグレン症候群と診断した.感染や薬剤性の肺障害は否定的で,間質性肺炎はシェーグレン症候群の腺外病変であると考えられた.
著者
田中 千枝子 本名 靖
出版者
日本福祉大学
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.121, pp.43-54, 2009-09

医療財資源の効率化を目的にした, 第五次医療法改正の目玉である 4 疾患 5 事業制度が始まった. 各疾患や事業ごとの地域連携を促進する仕組みである. それに先駆けて, HIV/AIDS 医療体制でも整備事業が行われている. これは HIV/AIDS に関するブロック・中核の各拠点病院間また拠点・非拠点病院間の地域医療連携体制づくりの試みである. そこでは医療ソーシャルワーカーには, ミクロレベルの個別事例の直接支援のための連携のみならず, 組織や地域に介入するメゾからマクロレベルの連携行動が必要とされる. しかし従来病院に所属している医療ソーシャルワーカーはミクロレベルへの直接介入のサービスマネジメントにとどまり, 組織や地域に展開するメゾ・マクロレベルの連携行動としてのソーシャルワークを, 通常業務として行っているとは言い難い状況にあるのではないかと考えられた.そこで HIV/AIDS に対する医療ソーシャルワーカーの地域連携活動についての認識とその実態について, 全国の全拠点病院 (368 名), 非拠点病院 (800 名) のソーシャルワーカーに対して量的調査を平成 20 年 12 月から 21 年 1 月にかけておこなった. 回収率は前者 50.8%で, 後者で 43.8%であった. 調査の結果, 回答を行った拠点病院の 75%のソーシャルワーカーは HIV/AIDS 事例体験を有しており, 非拠点病院では 15%であった. 対象の集団は, 専門職団体である日本医療社会事業協会会員とほぼ同じ基本属性を持つ集団であり, 性別で 8 割弱が女性, 8 割弱が社会福祉士資格をもち, 拠点病院ではさらに精神保健福祉士や介護支援専門員資格も 3〜4 割程度と有意に多く持っていた. しかし拠点病院のソーシャルワーカーの経験年数は非拠点病院よりも有意に少なく, 比較的若年層が多かった.HIV/AIDS 拠点および有事例者集団の連携行動の特徴は, メゾのチーム・組織レベルでの認知や理解は得られており, また経験を積んでいることによって, 外部との連絡を自分なりに吟味して動き出すという専門職としての自律性を有していることが分かった. また事例経験のないソーシャルワーカーほど, 他組織との連携の必要を強調しているが, 経験を積めば積むほど, 拠点病院として他のスタッフや組織的な認知が深まっていると思われる状況では, むやみに他と連携するような行動はとらず, 状況をアセスメントした上で, 必要な連携の形を吟味していることが推察された.さらに有事例者のみに対して, 保健師や地域権利擁護専門員を対象に信頼性妥当性があるとされる筒井の 4 領域 15 項目にわたる地域連携活動尺度を援用した. その結果 HIV/AIDS へのメゾレベルへの介入行動としての連携活動は, 地域に軸足を置くコミュニティワーカーとしての保健師や, 権利擁護専門員とは異なる連携の型を持っていることが考えられた. それは病院内に軸足を置きながら, 組織の人間として地域や組織をアセスメントし, 組織の代表として地域と繋がっていこうとする行動と関連があるように考えられた. この点の具体的な確認作業が今後の課題であると考える.
著者
稲津 哲也 田中 輝幸 片山 将一
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

Cyclin-dependent kinase-like 5 (CDKL5)はタンパク質リン酸化酵素であり、その遺伝子の変異は精神発達遅延、てんかん等を伴う重篤な疾患であるレット症候群を発症させることが知られている。しかし、有効な治療法は存在しない。本研究では、日本古来より用いられる漢方薬である「抑肝散(ヨクカンサン)」を用い、ヒトiPS細胞、Cdkl5ノックアウトマウス(KO)等における抑肝散の効果について検証し、最終的に有効成分の単離を実施し、レット症候群(特にCDKL5 欠失症(CDKL5 deficiency disorder))の治療薬創製を最終的な目標と定める。
著者
鯉渕 幹生 田中 宗一郎 高尾 契太 晝間 崇史 植田 寛 林 正樹
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.4, pp.63-64, 2005

NHK技術研究所が開発したテレビ番組記述言語TVML用いて楽曲のイメージを表現した映像作品の試作に挑戦した。誰もが共感できる「愛」をテーマに主人公BOBが愛するMARYのために奮闘する姿を描いた。MARYに会いたいという、たった一つの目的に向かってひたすら進むBOB。あえて難解なストーリーを廃し、デフォルメされたCGを使う事によってストレートに作品のテーマを感じてもらおうと試みた。BOBはMARYに会いたいという一心でどんな試練でも乗り越えていく。その姿を見て自分の愛する人、家族や友人、恋人と共に励ましあい頑張っていく大切さ、また一人ではないという事の心強さに気づいて欲しいと思った。
著者
奥井 誠人 本田 稔 田中 豊 久保田 啓一 熊田 純二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.16, no.47, pp.9-16, 1992-07-23

Narrow-MUSE is a system which NHK has developed for a simulcast ATV system in the United States. Adopting the same multiple subsampling technique as used in the MUSE system, and the new modulatin scheme, the Narrow-MUSE can deliver a high-resolution picture in the 6-MHz bandwidth without causing intereference with existing NTSC services. ATV laboratory tests conducted by the ATTC and ATEL were completed in February 1992. The good performances of Narrow-MUSE in interferernce, and picture/audio quality were confirmed by the results of the tests.
著者
本田 稔 田中 豊 須崎 俊彦 岩舘 祐一 渋谷 一彦 西田 幸博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会年次大会講演予稿集 (ISSN:09191879)
巻号頁・発行日
no.26, pp.413-414, 1990-07-25

NHK has developed the Narrow MUSE system as an ATV system in the United States. This paper describes the modulation schemes to solve interference issues with the introduction of the Narrow MUSE system in the existing terrestrial environments.