著者
伊藤 茂樹 田中 奈緒子 加藤 美帆 居郷 至伸 加藤 倫子 後藤 弘子 仲野 由佳理
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

少年院に送致された非行少年に対する社会復帰支援は、少年院での矯正教育(施設内処遇)と出院後の保護観察(社会内処遇)として行われているが、日本において両者は制度的に分離しているほか、統制された施設とノイズに満ちた社会の間の環境面での「落差」が様々な困難を生んでいる。しかし更生保護の現場においては、施設内処遇の成果を踏まえつつ、保護司と保護観察官、更生保護施設の職員らがこの落差を調整しながら、少年の社会への「ソフトランディング」を可能にするべく支援や調整を行っている現状が明らかになった。
著者
田中 裕士 本間 伸一 今田 彰浩 菅谷 文子 阿部 庄作 西 基
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.64-69, 1995
参考文献数
25
被引用文献数
1

霧の発生が気管支喘息患者に及ぼす影響について検討する目的で, 45歳, 女性の喘息患者のピークフロー値と, 霧などの気象条件との関係について検討した. 患者は以前より, 香水, 野焼き, 工場からの煤煙などの臭気で発作が誘発されていたが, 2年前に転居してから発作が頻発するようになり, 霧との関係が疑われた. 平成6年6月から71日間のピークフロー値 (n=251) の中で, 霧と臭気のない時間帯 (n=195) の値は403±40L/分 (平均±標準偏差) であった. 霧の発生時間帯 (n=40) では347±60L/分, 臭気のあった時間帯 (n=5) では333±60L/分, 霧および臭気が同時に発生した時間帯 (n=11) では340±53L/分であり, いずれも有意(p<0.01)に低下していた. また, 1日の平均気温, 最低気温, 平均相対湿度, 気圧, 風向きとは有意な関連性はなかった. 気管支喘息患者において, 霧の吸入によりピークフロー値は低下し, 発作誘因の一つとなりうることが示唆された.
著者
畝見達夫 田中穂積 市川惇信
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1980, no.1, pp.1-10, 1980-04-18

コンピュータによる自然言語処理は様々な面で、その重要性を増しつつあるが、本研究では、そのための道具の一つとして、1978年に電総研で開発された「拡張LINGOL」をベースに、より柔軟な文法規則表現が可能なパーザを基礎とする自然言語処理のためのプログラミングシステムを作成した。LINGOLは文脈自由文法を基礎にしてはいるものの、実際に計算機上で動かすという都合上、各文法規則における右側非終端記号の記述個数を高々2つに制限しており、そのため、非終端記号および文法規則の数が増し、文法大系の記述が繁雑になるという欠点を有していた。本研究では、その記述個数制限をなくし、それに加えて、非終端記号の不定数回繰り返しの指定も許すこととし、より柔軟な文法表現を可能にした。本システムによる構文解析木がn進木となることから、これを「n進木LINGOL」と呼ぶことにする。尚、こういった機能拡張に伴い、システム自体のプログラムをほぼ全面的に作成し直す結果となった。
著者
田中 雄二
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.638, pp.68-73, 2011-11-28

モバイル機から直接印刷/専用アプリで無線LANから直接印刷/アプリで印刷&スキャン/AirPrint機能を使う/クラウド経由で印刷を実行する/メールのファイルを印刷
著者
田中 とも江 エーニン プインアウン 神谷 直輝 石川 翔吾
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.2H5NFC04c1, 2014

<p>生きる力を奪う拘束(身体/薬/言葉)が、ケア現場では大きな課題である.拘束の主要因となる排泄の問題に着目して、ケア現場における排泄ケアと拘束の関係性ついて示し、関係性を表現したネットワーク型知識映像コンテンツについて述べる.</p>

1 0 0 0 OA 性名判断

著者
田中茂公 著
出版者
神霊館[ほか]
巻号頁・発行日
1925
著者
水口 幹記 洲脇 武志 喜多 藍 名和 敏光 佐々木 聡 高橋 あやの 清水 浩子 藤井 誠子 松浦 史子 田中 良明
出版者
藤女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は、ベトナムと中国を中心対象地域に設定し、研究を進めていった。1、研究検討会の開催:国内において、計三回の研究検討会を開催した。特に第二回には、立教大学日本学研究所と「前近代東アジアにおける術数文化の伝播・展開―日本とベトナムを中心として―」と題した大規模検討会を共催した。ここでは、ベトナム(ハノイ国家大学)からファム・レ・フイ氏を招きご報告を頂いたほか、外部スピーカーもお招きし、広く意見交換を行い、一般聴衆へも本研究課題の意義を伝えることができた。この概要は『立教日本学研究所年報』に掲載予定である。2、『天地瑞祥志』研究会への参加・翻刻校注の刊行:毎月一度開催される『天地瑞祥志』研究会に参加し、本資料の輪読・校注作業が進展した。本年度は、本書第十六・第十七の翻刻校注が刊行でき、研究作業が大いに進展した。3、国内外調査:複数の研究班メンバーが共同でベトナム調査を敢行した。多くの漢籍を所蔵するハノイの漢喃研究院を中心に文献調査、史跡調査を行った。調査先は、漢喃研究院のほか、国会議事堂地下展示室・タンロン王城遺跡・ベトナム国立歴史博物館・文廟(以上ハノイ)・バクニン省博物館・陶おう廟碑・延応寺(以上バクニン省)などであった。特に、漢喃研究院の院長や研究員と懇談し、今後の協力を取り付けたこと、また、国宝に指定されている隋代の仁寿舎利塔銘を実見・調査できたことは、今後のベトナムの歴史と術数との関連を考える上で大きな収穫であった。また、現地の道教研究者とも意見交換を行うことができ、今後の研究の足がかりを得ることができた。その他、各研究班により、各地の資料館・図書館・文庫での調査が行われた。4、関連論文の翻訳:ベトナム語の論文としては、グエン・コン・ヴィエット「漢喃暦法の文献における二十八宿に関する概要」を日本語に翻訳することができ、研究班メンバー全員での共通認識形成に役立った。
著者
栗山 恵都子 田中 辰明
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.250, 2005

<b>目的:</b>本研究は、素材や表面性状が異なる内装材の汚れ付着の特性について検討を行うことを目的とした。まず、コルクシート、たたみ(イグサ)、カーペット、布クロス(凹凸あり)(平滑)、紙クロス(凹凸あり)(平滑)、塩ビクロス(凹凸あり)(平滑)、じゅらく、珪藻土の11種の壁床材に対し、居室内部の湿度の変化による吸湿性の違いを調べた。次いで、空気中に浮遊する粉塵等の汚れが内装材へ付着することを想定して、タバコ煙による汚れの付着実験を行った。これは、内装材の素材や表面の性状の違い、また素材が持つ吸湿性の違いにみられる汚れ付着の特徴を確認することが目的である。<br><b>方法:</b>内装材の吸湿性能比較の実験は、低湿度内に長時間置いた試験片を高湿度に移し、その際の質量変化から吸湿性の違いを計測した。汚れ付着実験は、ビーカー内に試験片を置き、一定条件に従ってタバコの副流煙によって気体曝露させ、汚れの付着の仕方、付着量は顕微鏡による観察を行うと同時に、表面付着汚れ簡易評価法によって比較した。本評価法は、視覚的な色差の濃淡と量をヒストグラムで示し、色差の変化によって汚れ付着や汚れの除去の評価を容易に行うことができるものである。<br><b>結果:</b>本実験で使用した内装材がもつ吸湿性は、一般的に言われているとおり、布素材、紙素材、たたみ(イグサ)が高く、塩ビ素材は低い結果であった。本内装材を使用した気体曝露汚れの付着は、素材別にみると珪藻土、たたみ(イグサ)は他の素材と比較して汚れが多く付着し、続いて、紙素材、布素材の内装材は曝露汚れが付着しやすい傾向がみられ、素材が持つ吸湿性能との関係があることが示唆された。また、表面性状の細粗の違いによる特徴的な差は見られなかった。
著者
田中 裕子 小野 梨奈
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

本研究は、オーロラ現象やその生成に関係する太陽風・磁気圏・電離圏相互作用メカニズムの解明を目的とした研究機関、国立極地研究所 宙空圏研究グループのWebサイトリニューアルを、サイエンスアウトリーチの視点から企画・開発したプロジェクトの効果を検証するものである。科学技術のさらなる発展に向けて、研究内容や成果を国民にわかりやすく説明し、双方向コミュニケーションを通じて国民のニーズ把握を行う「アウトリーチ活動」の重要性が年々高まってきている。本研究の目的は、アウトリーチ活動の取組みのひとつとして、大学や研究機関が、最新の研究成果をわかりやすく、かつ簡単・スピーディに公開するためのWebサイトのデザイン設計・構築を行い、Webをベースにしたアウトリーチ活動の効果を検証する。情報拡散手段としていまや欠かせないソーシャルメディアとも連携し、Webサイトを情報収集源として活用している国内外の優秀な大学院生や若手研究者に向けて情報を効果的に発信することで、優秀な人材を確保し、研究グループの研究力強化につなげるWebサイトを目指した。
著者
田中 美帆 齊藤 誠一
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.160-169, 2016

本研究では,成人期における生と死に対する態度尺度を作成し,成人期の生と死に対する態度に影響を与える要因について探索的に検討した。研究1においては,成人期の261名のデータに基づく因子分析の結果,死への不安・恐怖,人生の目標,死後の世界への信念,生と死のつながり,生への執着の5因子が抽出された。各因子に対応する下位尺度を構成し,クロンバックのα係数を算出したところ,十分な内的整合性が得られた。次に,構成概念妥当性の検討の結果,人生の目標と信頼・時間的展望―不信・時間的展望の拡散との間,死後の世界への信念と霊魂観念との間などに相関関係が認められ,尺度の妥当性が支持された。研究2では,研究1において作成された尺度を用いて成人期および中年期の465名を対象に質問紙調査を実施し,死別経験が生と死に対する態度に与える影響を検討した。その結果,死別経験のある人においては中年期より成人期のほうが,女性においては死別経験のない人よりある人のほうが,より死に対する不安や恐怖を抱いていることが示された。
著者
安廣 重伸 佐藤 俊彦 田中 啓充 上野 亜紀 鶴岡 浩司 西江 謙一郎 柚上 千春 江戸 優裕
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ab0709, 2012

【はじめに、目的】 臨床場面において、足底板やテーピング等を用いて腓骨の操作をすることで、下肢の前額面上の運動をコントロールする場面を経験する。これに関する先行研究では、上島ら(2007)は入谷式足底板での外果挙上が、歩行時の骨盤の外方加速度を減少させたと報告し、腓骨の挙上が近位脛腓関節を介して脛骨を内上方に向って押し上げる力になった事をその要因として挙げている。このことから、腓骨の挙上または下制は、脛骨を介して膝関節の内外反運動に影響を及ぼす事が考えられる。そこで本研究では、膝の内反ストレスによって進行する(Andriacchi ら2004)とされる変形性膝関節症(以下膝OA)の症例を対象に、レントゲン画像を用いて脛骨に対する腓骨の高位と膝関節のアライメントの関係性について検討を行ったので報告する。【方法】 対象は2009年8月から2011年10月に当院で内側型膝OAに対し、片側人工膝関全置換術(以下TKA)を施行した症例のうち、レントゲン画像の使用に同意を得る事の出来た20名(40肢、男性5名、女性15名、平均年齢75±7.1歳)とした。対象者のTKA施行に際して医師の処方の下、術前検査の目的で放射線技師により撮影されたレントゲン画像(膝関節正面像・側面像・下肢全長の正面像)を用いて、以下の項目を計測した。計測項目は、腓骨下制量・腓骨長・Femoro-Tibial Angle(以下FTA)・Femoral Condyle-Femoral Shaft angle(以下FC-FS)・Tibial Plateau-Tibial Shaft angle(以下TP-TS)・Femoral Condyle-Tibial Plateau angle(以下FC-TP)・Posterior Proximar Tibial Angle(以下PPTA)とし、1mm及び1度単位で計測した。尚、腓骨下制量は、腓骨長軸に対して腓骨頭の外側隆起部及び脛骨高原最外側部からの垂直線をひき、成された2つの交点の距離として定義し計測した。そして、体格の影響を排除する目的で、腓骨下制量を腓骨長で除し、更に百分率で表すことで、腓骨下制率を算出して分析に使用した。統計学的分析にはFTA・FC-FS・TP-TS・FC-TP・PPTAの各々における左右差と腓骨下制率に関係があるかを対応のあるt検定を用いて検討した。尚、各項目において左右差がなかった対象者は群間比較からは排除して分析した。また、各膝関節アライメントと腓骨下制率に関係があるかをPearsonの積率相関係数を用いて検討した。有意水準は危険率5%(p<0.05)で判定した。【説明と同意】 対象者には本研究の主旨を説明し、レントゲン画像の使用に書面にて同意を得た。【結果】 計測の結果、腓骨下制量は28.1±4.2mm・腓骨下制率は8.7±1.2%であった。膝関節アライメントの指標として挙げた、FTAは181.4±3.9度・FC-FSは83.6±3.2度・TP-TSは94.5±3.5度・FC-TPは3.9±2.1度・PPTAは81.3±4.8度であった。膝関節アライメントの左右差と腓骨下制率の関係については、FTAの左右差による分類において有意な群間差を認め、FTAの大きい側の腓骨下制率は大きいことが分かった(p<0.01・n=19:1名は左右差なし)。FC-FS・TP-TS・FC-TP・PPTAの左右差による分類ではと腓骨下制率に群間差は認められなかった。膝関節アライメントと腓骨下制率との関係については、FC-FS・TP-TS・FC-TP・PPTAの全項目において有意な相関を認めなかった。【考察】 本研究の結果、左右の比較においてはFTAと腓骨の高位に関係が認められた。上島ら(2007)の研究を踏まえると、FTAの増大により腓骨が下制させられるのではなく、腓骨を上位で維持できなくなる事で、歩行時の膝関節外方化の是正が困難となり、内反ストレスが増大することで、FTAが増大すると考える。即ち、腓骨の挙上によって膝関節の内方化、腓骨の下制によって膝関節の外方化を促せる可能性があると考える。このことから、FTAなどの骨形態の変化がない場合でも、膝関節の内外反ストレスをコントロールする目的で腓骨の高位を操作することは効果が期待できると考えている。【理学療法学研究としての意義】 本研究により腓骨の高位とFTAに関係が認められ、腓骨の挙上は歩行時の膝関節の外反運動を生じさせ、下制は内反運動を生じさせると推察された。膝関節のアライメントを評価・治療する際、腓骨の高位を把握する事は重要であり、特に今回対象とした膝OAにおいては臨床的に有用と考える。
著者
田中 信之
出版者
富山大学国際機構
雑誌
富山大学国際機構紀要 = Journal of the Organization for International Education and Exchange, University of Toyama (ISSN:2434642X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-11, 2018-12

本研究では初級文法クラスにおける授業引継ぎの授業記録の分析により,教師が共有しようとする中身を明らかにした。テキストマイニングにより授業記録を分析した結果,「授業の様子」では日本語学習や体調や態度について,どのような学生が多かったかを記述していた。また,文型や会話の練習に関する記述があり,そこには教師の振り返りも見られた。「学生の様子」では,理解と形の頻度が高かった。理解は文法や文型と共起し,形は活用形として使用される場合や,変換や間違えるなどの語と共起していた。これには文法積み上げ型の授業の実施が背景にあると考えられる。授業記録と講師ミーティング議事録と比較した結果,語の一致率が低く,両者は異なる役割があることが確認された。その一方で,どちらにも教師の内省があまり見られなかった。今後,授業引継ぎや講師ミーティングは教師が振り返り,それを教師間で共有していく場としていく必要がある。
著者
保谷 剛志 田中 克 浴野 泰甫 竹内 祐子
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

マツノザイセンチュウ(以下線虫)は、世界の広範囲で激害を及ぼしているマツ材線虫病の病原体である。先行研究において、線虫の病原性因子を精査するために、病原力の異なる2つの近交系系統から17系統の組み換え近交系(RIL)が作出された。RILにおいて増殖力と病原力の間には高い正の相関があることが明らかになっており、増殖力が線虫の病原性因子の一つである可能性は高い。本研究では、これまで菌叢上培養時の個体数増加速度として評価してきた増殖力の要因を細分化し、RIL及びその親系統を対象に表現型評価を行った。各系統を同調培養し、ほぼ同時に産卵された卵を分離して水中で静置後、孵化していなかった卵の数から各系統の孵化率を算出した。その結果、孵化率はRILにおいて連続的に変異していた。また、孵化率と増殖力の間で明確な相関関係は認められなかった。現在、各系統の雌の増殖型4期幼虫を一頭ずつ分離し、雌成虫へ脱皮後に雄成虫と交配させ、4日分の累計産卵数を計数することで各系統の産卵数を評価している。発表では、重回帰分析の結果などを基に、各形質が線虫の増殖力にどの程度関与しているかを議論したい。