著者
金井 光代 中村 弥生 田中 直人 近藤 尚子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.56-59, 2018-03-09 (Released:2018-05-18)
参考文献数
2

本事業では、服飾分野における機関横断型デジタルアーカイブの構築に向けて、服飾資料収蔵機関への訪問調査を行うとともに、服飾資料収蔵機関・有識者・先進的取り組みを行っている機関との連携構築に向けてのネットワークづくり、情報収集に努めてきた。その結果、データベースを一般公開している機関は約半数にとどまることが明らかになった。各機関とも、公開に意欲はあるものの、構築・継続的公開のための人員、予算、ノウハウがなく、実際に公開するには至っていない。また、公開の目的、想定利用者が各館で異なることが分かった。横断検索システム構築には、共通の目的、利用者を設定することが重要であるため、その先導役、取りまとめ役を担う拠点の存在が必要不可欠であることも明らかになった。本報告では、機関横断型デジタルアーカイブ実現に向けて取り組んできたこれまでの活動を報告すると共に、今後の展望についても言及する。
著者
TANAKA Yoshio タナカ ヨシオ 田中 祥雄 田中 祥雄(東京学芸大学数学分野)
出版者
東京学芸大学学術情報委員会
雑誌
東京学芸大学紀要. 自然科学系 (ISSN:18804330)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.1-9, 2009-09-30

We recall that an ordered field is a field which has a linear order and the order topology (by this order). Order fields have played important roles in the theory of the real number field R in terms of Archimedes axiom or the axiom of continuity. Ordered fields give algebraic and topological principles in Analysis, Algebra, etc. with respect to the structure of the field R. In this paper, we give metrization theorems on ordered fields, and examples on non-Archimedean ordered fields, etc. Also, as materials around ordered fields, we consider metrizability of ordered (additive) groups, and definitions of real number fields.
著者
吉井 博明 田中 淳
出版者
文教大学
雑誌
情報研究 (ISSN:03893367)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.139-151, 1999
被引用文献数
1

Since Great Hansin-Awaji Earthquake short term prediction is perceived to be difficult at almost area in Japan. Instead of it long term probabilisic forecast is expected to be realized, and central government issued trial estimate of long term probabilisitic forecast of several large earthquakes as a first step. This long term forecast is expressed by a probability of occurring an earthquake within 30 years. According to the report issued by Headquaters for Earthquake Research Promotion in Prime Minister's Office in May, 1998 the probability of Earthquake at Kannawa-Kouzu-Matsuda Fault in Odawara city was 3.5%. In this paper the result of survey on responses of residents in Odawara city to this probabilistic long term forecast are shown. It is revealed that residents responded very wisely to the forecast. They don't neglect the long term forecast with very small probability of occurrence and they are willing to make it a good chance to promote earthquake preparedness. この30年間にわたる地震予知研究は、当初の期待に反して、場所、規模、時間を特定した短期的地震予知の困難さを明らかにした。一方、1995年に発生した阪神・淡路大震災は、普段、頻繁には地震が起きない地域でも大きな地震が発生し、大被害をもたらすことを改めて明らかにし、地域社会が予め地震に対する準備をしておくことの重要性を再確認させた。しかし、「地域社会が予め準備をするためには、何らかの手がかりが必要である。そこで、阪神・淡路大震災後、政府の地震調査委員会は、その手がかりとして、確率表現を用いた長期的予知(地震発生の長期確率評価)情報を提供する提案を行い、その試算結果1)を公表した。研究者の中には、活断層調査結果の社会還元としては、これが精一杯の情報ではないかと考える人もいる。 このような地震の長期確率評価情報は、①国や都道府県・市町村の防災対策の一般的支援(優先順位づけ、対策を具体的に考える手がかり)、②防災まちづくり(進行スケジュール等)への活用、③建物や土木構造物の耐震基準への反映(地域による上乗せ基準の設定)、④保険の掛け金算定基準、⑤立地コントロール(原発、危険物施設、一般住宅、その他の施設の立地規制)等に活用されることが期待される。しかし、現実に長期確率評価情報を利用するとなると、多くの困難があることも事実である。たとえば、地震という破壊現象には、大きな時間的ばらつきがあることから一定期間内の発生確率はかなり低くなり、その結果、切迫感がなくなり、むしろ安心情報と理解され、防災対策促進にはかえって逆風になるのではないかとか、この評価の信頼性が乏しく、しかも発生可能性がある、すべての地震を網羅した情報ではないために、コストが大きな対策の根拠としては不充分ではないかといった問題点も指摘されている。 この長期確率評価情報の有効性は、地域社会が、この情報をどう受け止め、地震防災対策の促進にどの程度結びつけられるかにかかっているのである。そこで、本調査研究では、長期確率評価情報の試算例のひとつとされた神縄・国府津一松田断層を抱える小田原市民を対象に、この長期確率評価情報をどのように受けとめているかを実証的に明らかにする。 なお、この調査研究は、文教大学情報学部共同研究費及び同教育研究特別予算の配分を受けて実施されたものである。
著者
今里 雅之 林 恒男 田中 精一 上田 哲哉 竹田 秀一 山本 清孝 武藤 康悦 磯部 義憲 上野 恵子 山本 雅一 小林 誠一郎 羽生 富士夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.80-84, 1990-01-01
被引用文献数
5

症例は50歳男性で,主訴は心窩部痛である.胃潰瘍の診断とともに,超音波検査で肝右葉に蜂巣状内部構造を有する比較的境界鮮明な直径7cmの腫瘤を認めた.Computed tomography(CT)では腫瘤は低吸収域で造影後には菊花状で各花弁にあたる部位の辺縁が濃染される特異な像を呈した.腹部血管造影では,腫瘍血管や圧排所見はないが毛細管相で腫瘍濃染像を認めた.腫瘍マーカーは正常であった.腫瘍の穿刺吸収細胞診では,白色の濃汁の中に線維性組織が吸引されたが炎症性変化のみで悪性所見は認めないため厳重な経過観察とした.2年後,画像的に腫瘤の増大が認められ,悪性腫瘍が否定できないために拡大肝右葉切除術を施行した.病理学的にinflammatory pseudotumorと診断された.肝原発の本疾患は文献上17例の報告しかなく,経過を追い増大を認めた症例はいまだ報告されていない.ここに文献的考察を加え報告する.
著者
大平 功路 田中 和哉 山村 俊一 入谷 誠
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.A0845, 2006

【目的】第40回日本理学療法士学会において、歩行時の骨盤回旋に影響する因子として立位における上部体幹の回旋の可動性が下肢の回旋を含む骨盤回旋運動より影響が大きいことを報告した。この報告より、歩行では上部体幹と骨盤は協調して動いていると考えられる。また、骨盤回旋運動は股関節を中心として生じることから、上部体幹の可動域と股関節の可動域には関係があると考える。そこで今回、入谷が考案した上部体幹の可動性を評価する自動体幹回旋テストを用い、上部体幹の可動域と股関節の可動域の関係について調べたので報告する。<BR>【方法】対象は健常成人14名(男性7名、女性7名)、年齢24.9±2.2歳である。測定はゴニオメーターを使用し、1)自動体幹回旋テストでの上部体幹の可動域(左右の後方回旋)2)股関節可動域(腹臥位での左右の内外旋角度)の2項目を測定した。自動体幹回旋テストは立位において骨盤を固定した状態で上半身を後方に回旋するものである。分析は、上部体幹の可動域の左右角度差と左右の股関節内旋及び外旋の角度差の相関関係を調べた。また、股関節内旋の角度差と外旋の角度差の相関関係も調べた。なお、左右差については各項目において右側から左側を減じた。統計処理は、Spearman順位相関を用いた。<BR>【結果】上部体幹可動域の左右差と股関節内旋角度差の関係では負の相関関係を認め(r=-0.588、p<0.05)、股関節外旋角度差とは相関関係を認めなかった。上部体幹の後方回旋の大きい側が股関節外旋の大きくなったものが14名中10名、反対側の外旋が大きくなったものが14名中2名、外旋角度に左右差がないものが14名中2名であった。上部体幹の後方回旋の小さい側が股関節内旋の大きくなったものが14名中13名、内旋角度に左右差がないものが14名中1名であった。また、股関節内旋の角度差と外旋の角度差の関係では負の相関関係を認めた(r=-0.759、p<0.01)。<BR>【考察】第40回日本理学療法士学会では上部体幹の後方回旋の可動性が大きい側が歩行時の骨盤の前方回旋が大きくなるという報告をした。この報告と今回の結果より上部体幹の後方回旋の可動性が大きい側が歩行時の骨盤の前方回旋が大きくなり、歩行時の骨盤の後方回旋が大きい側は股関節内旋角度が大きく、前方回旋が大きい側は股関節外旋角度が大きくなる傾向があると考えられる。骨盤の後方回旋に伴い股関節は内旋運動を、前方回旋では外旋運動を伴うために股関節の回旋可動域に左右差が生じたと考える。日常生活において歩行は日々繰り返される動作であり、歩行時の形態と関節可動域角度の左右差との間に関係があったことは、歩行動作によって関節可動域が規定されたと考えられる。理学療法において、関節可動域の特徴と動作との関係を明確にすることは評価・治療において有意義なものと考える。<BR><BR>
著者
田中 佐代子 小林 麻己人 三輪 佳宏
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション = Japanese journal of science communication (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
no.21, pp.41-57, 2017-06

研究成果の理解を助けるビジュアルデザインは,研究者にとり重要な位置を占めるようになった.しかし研究者自身によるビジュアルデザインは,煩雑でわかりにくく,審美性の低い場合が多い.そこで私たちは,研究者のために有用なビジュアルデザインのルールについて考察した.まず,研究者に即したビジュアルデザインのルール案を考案し,それを掲載したハンドブックを作成した.次に,これを研究者に配付し,彼らに対するアンケート調査を介して,提案ルール案の研究者にとっての有用性と問題点を検証した.その結果,有用と判明したのは,第1に「画面の構成方法」に関するルール,特に「視線の流れを意識する」,第2に「効果的な配色方法」に関するルール,特に「3色(メインカラー,アクセントカラー,無彩色)でキメる!」,第3に「PowerPointによる描画」に関するルール,特に『頂点の編集』をマスターする」であった.一方,有用性が低いとされたのは「グラフ・表・フローチャート」に関するルールで,改善の余地があるとわかった.配布ハンドブックは概ね評判が良く,国内の理系研究者に有用とわかった.学ぶ機会が少ないデザインの基本ルールと技術を学習できたため,「役立つ」実感を与えたと推察する.Visual designs aiding the understanding of research results are becoming important for researchers. However, many researchers use incomprehensible and unattractive visual designs, which is why we attempted to formulate effective visual design rules for researchers. First, we published handbooks that presented plans of these visual design rules. We distributed them to researchers in Japan and conducted surveys using questionnaires. We then inspected the effects and problems of these plans. Consequently, the most effective rules were about the "Layout," particularly the rule" Being Conscious of the Flow of the Eyes." The second most effective rules were about "Color Methods," particularly the rule "Deciding Three Colors (Main Color, Accent Color, and Neutral Color)." The rules about "Drawing using PowerPoint" were also effective, particularly the rule" Mastering Edit Points."
著者
白浜 幸高 田中 利昭 藤本 英明 神田 勝利 東海林 麻里子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.G0433, 2007

【目的】<BR> 臨床実習において、レポート等の提出物における個人を推定できると考えられる項目の記載方法、並びに実習終了後の実習中収集した情報の取り扱いは重要な問題である。「個人情報の保護法」の施行以降、各施設間での対応は様々で養成校で書式を統一するのは困難である。<BR> 我々は第28回九州PT・OT合同学会において、追跡調査で実習終了後提出されたレジュメから「臨床実習における個人情報管理の動向」について発表を行った。今回、臨床実習指導者(以下SV)がチェックした「匿名化に関する確認事項」より、流出しやすいデジタル情報の実習中及び実習後の取り扱いなどを新たに加えて、個人情報に関する取り扱いの対応の動向を調べた。またそれに対する本校の取り組みも加えて報告する。<BR>【対象と方法】<BR> 本校学生が平成18年5月~平成18年11月にSVから指導を受けた「匿名化に関する確認事項」の中から、この研究の趣旨の説明に対して同意のあった61施設を対象とした。<BR> その中で個人の特定に関する項目、(1)実習施設名、(2)患者氏名、(3)生年月日、(4)年齢、(5)現病歴、(6)家族構成、(7)家屋情報、(8)病名、(9)疾患部位画像(CT、X-p など)、(10)動画の記載方法、(11)実習終了後の学生パソコンの中のデータの取り扱い方法について項目毎に分類し、割合を検討した。<BR>【結果】<BR>(1)施設名記載許可92%、不許可8%、(2)患者氏名の記載方法イニシャル52%、姓のみのアルファベット25%、代替表示(症例1など)23%、(3)生年月日記載許可42%、不許可13%、簡略表示(年と月のみ)45%、(4)年齢記載許可64%、不許可1%、簡略表示(70歳後半など)35%、(5)現病歴記載許可79%、簡略表示(年と月のみ)21%、(6)家族構成記載許可80%、記載制限(キーパーソンのみ)20%、(7)家屋情報記載許可87%、記載制限(関連箇所のみ)13%、(8)病名記載許可98%、不許可2%、(9)疾患部位画像手書きによる写しのみ許可43%、デジタルカメラによる撮影画像許可57%、(10)動画撮影許可85%、不許可15%、(11)実習終了後のデータ保存についてテキストデータのみ保存可54%、動画データも保存可30%、保存全て不許可16%<BR>【考察及びまとめ】<BR>・各項目において、施設毎、また同施設でも実習時期における取り扱いには違いが見られた。<BR>・動画、画像などのデジタルデータは、多くの実習で活用されているが、保存の許可は30%であった。<BR>・本校で臨床実習初日に、SVに「匿名化に関する確認事項」として紙面上に記載してもらい、学生は厳守して実習に臨むよう指導を行っている。<BR>
著者
岸本 三香子 海野 知紀 田中 敬子
出版者
一般社団法人 日本食物繊維学会
雑誌
日本食物繊維学会誌 (ISSN:13495437)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.23-31, 2007

健常な女子学生38名(年齢19.8±0.9歳)を対象に,難消化性デキストリン(食物繊維4.2g)を含有したデザート飲料を摂取することによる排便状況に及ぼす影響を検討した。対象者を2群に分け,シングルブラインド・クロスオーバー試験を実施した。飲料摂取試験は全7週間であり,非摂取(I 期:1週間),飲料摂取(II 期:2週間),非摂取(III 期:1週間),飲料摂取(IV期:2週間),非摂取(V 期:1週間)とした。対照飲料は試験飲料に配合した難消化性デキストリンを含まない飲料を用いた。試験期間中,排便状況に関するアンケートを毎日,また健康状態に関するアンケートを1週間ごとに記入させた。その結果,便秘傾向者(n=12)において試験飲料の摂取により非摂取期間と比較して排便日数,排便回数,排便量いずれにおいても有意に増加した。さらに,難消化性デキストリンを配合した飲料は対照飲料摂取期間と比較して排便日数は有意な増加が認められた。また,愁訴発現からみた身体的・精神的健康状態調査からも,飲料摂取により便秘の改善はみられた。
著者
田中 健
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.351-358, 2005-04-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
31
被引用文献数
14 17

A novel intramolecular trans-hydroacylation of 4-alkynals leading to cyclopentenones was accomplished by using a cationic rhodium (I) complex. We also developed three types of new reactions, 1) reaction of 4-alkynals with phenol to provide cis-4-alkenoates, 2) [4 + 2] cycloaddition of 4-alkynals with alkynes to provide cyclohexenones, and 3) isomerization of 4-alkynals to 1, 3-dienals, through five-membered rhodium metallacycles generated from 4-alkynals. The asymmetric variants of this intramolecular hydroacylation reaction were successfully developed by using 3-methoxy-4-alkynals as the substrates. The present method represents an attractive new route to highly functionalized cyclopentenones and cyclobutanones.
著者
豊田 正和 田中 太郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー = Nikkei ecology (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.205, pp.56-59, 2016-07

—原子力については、今年3月に大津地裁が、高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止めの仮処分申請を認める決定をしました。世論調査でも原子力に対する不支持が増え続けているようです。豊田 世論調査は、聞き方によって回答が変わってくるのではないでしょ…
著者
橋本 亮治 高見 勝次 田中 博之 松村 昭 野口 和子
出版者
中部日本整形外科災害外科学会
雑誌
中部日本整形外科災害外科学会学術集会 抄録集
巻号頁・発行日
vol.105, pp.262, 2005

長管骨転移性骨腫瘍の治療で整形外科医が実際に携わるのは、病的骨折を起こしてからが多い。骨折により、疼痛、上下肢の著しい機能障害などを引き起こすが、一般骨折と異なり予後や原発腫瘍の病態などにより積極的治療を躊躇することがしばしば起こる。治療の方法として手術は医療側にとってもリスクは大きいが、早期に強固な固定により疼痛の緩和を図り、QOLの改善とADLの維持を求めることは、患者側での治療の満足度を決して低くするものではないと考える。今回1998年から2005年に当科で手術を行った四肢長管骨転移性骨腫瘍について、原発巣、転移部位、病的骨折の有無、インフォームドコンセント、手術方法、疼痛緩和、予後などを中心に検討をおこなった。症例は12名(男7名、女5名)で年齢は39歳から86歳までであった。原発巣(重複癌を含む)は、肺癌5名、肝細胞癌2名、乳癌2名、腎癌1名、前立腺癌1名、中咽頭癌1名、胆嚢癌1名で、病的骨折は10名に認めた。手術は本人の最終決断によることが多く、手術方法としては、1例(人工骨頭使用)を除く11例に髄内釘による固定を実施した。髄内釘は侵襲が少なく固定力が強固なため、上肢では早期からの症状緩和が図られ、下肢では早期の動作訓練が可能であった。以上の結果も踏まえ当科での四肢長管骨転移性骨腫瘍の治療方針についても考察する。
著者
田中 宗彦 田口 武
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.1169-1173, 1985
被引用文献数
3

The rate of non-enzymatic browning reaction taken place during thermal processing of canned sardine was determined. Losses of glucose and G6P in the meat and liquid portions of canned sardine during thermal processing were found to follow first-order kinetics. The loss rate of G6P was greater than that of glucose. Losses of glucose and G6P in meats were larger than those in liquids. However, the activation energies for these losses were approximately 20kcal/mol for both meat and liquid portions. The available lysine degraded at a slightly slower rate, but its activation energy was also equivalent to those for glucose and G6P losses. The development of brown color in liquids of canned sardine increased with the increase in processing time by a first-order reaction (activation energy= 18.8kcal/mol). On the other hand, browning was not visually detected in the meat portion. It was found that canned sardine meats softened with the processing time at every temperature employed in this study (activation energy=35.0kcal/mol).
著者
田中 敏郎 嶋 良仁 仲 哲治
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

アレルギー疾患の有病率が増加している現状において、その増加要因の解明と、発症を予防する手段の開発は急務の課題である。本研究においては、遺伝子多型がどのように喘息発症に関与するのか、また抗アレルギー作用を有するフラボノイドの適切な摂取によるアレルギー疾患に対する補完代替療法や予防法の確立を目指して、新たなフラボノイドの作用、作用機序に関して検討を加えた。IL-18の遺伝子多型IL-18-105A/Cは、アトピー型、非アトピー型喘息の発症に関与する多型であることが示された。IL-18-105A/Cは、IL-18遺伝子発現に関与するプロモーター領域のIL-18- -137G/C多型と連鎖不均衡にあり、これらの多型が末梢血単核球からのIL-18産生能に影響するのか検討したところ、遺伝子型がIL-18-105A/AやIL-18- -137G/Gである場合、それぞれ、IL-18-105A/C、IL-18- -137G/Cに比較して、単核球からのIL-18産生が上昇していた。このことは、IL-18が過剰産生されやすい遺伝子背景が、喘息発症のリスクとなることを示唆する。フィセチン、ルテオリン、アピゲニンなどのフラボノイドは、好塩基球からのIL-4やIL-13の産生を抑制するのみならず、CD40リガンドの発現も抑制する。したがって、好塩基球において、B細胞のIgE産生細胞への分化に必須なサイトカイン(IL-4、IL-13)とCD40リガンドの発現を抑制することより、フラボノイドは間接的なIgE産生抑制物質であることが示された。その作用機序として、転写因子のAP-1の活性化を抑制することが明らかとなった。また、フラボノイドのin vitroでのIL-4産生抑制活性と経口投与における体内への吸収性を考慮して、高活性、高吸収性のフラボノイドを合成した。
著者
田中 啓介 鈴木 健太 藤井 貴之 渋江 隆治 藤山 一成
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集A編 (ISSN:18848338)
巻号頁・発行日
vol.79, no.799, pp.266-280, 2013 (Released:2013-03-25)
参考文献数
14

Fatigue crack propagation tests of center-notched plates of lead-free solder were conducted under displacement-controlled conditions with mean strain and load-controlled conditions with mean stress. The J-integral range was evaluated from load-displacement curves by using the simple estimate method. The mean stress introduced by the initial (mean) tensile strain in displacement-controlled tests was relaxed very quickly with cycles. The crack propagation rate was nearly constant during crack extension and was not much influenced by the mean strain. The crack closure did not take place under tensile mean strains, while it occurred under compressive strains. In load-controlled tests with mean stress, the ratcheting deformation was accumulated during fatigue tests. The crack propagation rate increased with crack length, and was not influenced by the tensile mean stress. The crack propagation rate was lower as the mean compressive stress was larger and as the stress range was lower. The crack closure took place only for the cases of compressive mean stresses. When the J-integral range was evaluated by taking into account of crack closure, the crack propagation rate was expressed as a power function of the J-integral range for all cases examined, The effective fractions of the applied load, strain and J-integral were unity for zero and positive mean stresses. They deceased linearly with increasing mean compressive stress down to -4 MPa, and remained nearly constant below -4 MPa.