著者
田中 敏弘
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.155-158, 2000

TVなどで見るコヒーラスイッチを,生徒実験など持ち運びを考えてパチンコ玉とフィルムケースを用いて試作した。フィルムケースにアルミテープを張り付け,中にパチンコ玉を入れ,これをスイッチとして用い電波の発生を確認する実験を行った。このコヒーラスイッチによる動作距離を長くするため,ヘルツが電磁波の実験でやったように,大面積の受信板にガスレンジ用の熱遮断用アルミ板を2枚取り付けたところ,受信距離を10mと大幅に改良できた。この実験をすることにより,電磁波とアンテナについて簡単に説明することが可能となった。
著者
友永 雅己 酒井 基行 田中 由浩 佐野 明人
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第31回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.94, 2015-06-20 (Released:2016-02-02)

霊長類の比較認知研究においては、視覚を対象とした研究が圧倒的に多く、聴覚や嗅覚の研究は視覚に比べると少なく、さらに触覚に関する研究はきわめて少ないのが現状である。そこで今回は、触覚の中でも力触覚に関する研究をチンパンジーを対象に実施した。力(触)覚とは、触覚の中でも物体と接触したときの反力に対する感覚を指す。今回の実験では、モータを利用して力覚(摩擦力)を精密にフィードバックすることのできるトラックボールを開発し、これを用いて条件性弁別課題をチンパンジーに訓練した。課題はまずカーソルを画面上に提示し、トラックボールを用いてこれを一定距離動かすことが要求される。この時の力覚フィードバックの量(8N対0.5N)に応じて、その後画面の上下に提示されるキイのいずれかにカーソルを移動させると報酬を得ることができる。4個体のチンパンジーが実験に参加した。この課題は、これまでに経験していない力触覚の弁別であるということ、また、各刺激に対して異なる反応を要求する条件性弁別課題を導入せざるを得なかったこと、の2点から、きわめて難しい課題であり、すべてのチンパンジーで最終的な学習基準に至ることができなかった。しかしながら、各個体の課題遂行を詳細に分析したところ以下のことが明らかとなった。まず、8N条件と0.5N条件を数試行ずつのブロックとして提示したところ、ブロックが切り替わった試行での正答率が弁別が成立していないと仮定した場合に予測される正答率よりも有意に高いことが明らかとなった。また、摩擦の小さい条件から大きい条件に切り替わる場合の方が逆の場合よりも正答率が高いことが明らかになった。これらの結果から、チンパンジーにおいても力触覚を手がかりとした条件性弁別が成立する可能性が示唆された。
著者
市川 有二郎 井上 智博 内藤 季和 田中 勉 高橋 良彦
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.521-533, 2015
被引用文献数
2

降雨による土壌中の放射性セシウムの移行状況を確認するために,2013年度の梅雨期前後と台風後の千葉県柏市内の土壌を対象に調査した。本調査は,福島原発事故から約2~3年後に行われたが,地表面から深さ5cm以内に95%以上の放射性セシウムが含まれ,降雨による放射性セシウムの鉛直方向への浸透はほとんど進行していないことが示唆された。水平分布については,同一敷地内でも最大で2~3倍程度の差があることが確認された。本調査では,放射性セシウム濃度が明確な粒径依存性を示さなかったが,関東ロームの特異性が影響している可能性がある。
著者
田中 和夫
出版者
家屋害虫研究会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
no.29, pp.34-52, 1987
著者
田中 政子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.19-28, 1973-12
被引用文献数
5

personal spaceの構造が異方的そあることを検証するため,「近すぎて気づまりな感じがする」という基準によって二者の間にとられる物理的距離(対人距離)の測定がされ,この距離は「自己にとっての他者の刺激価が一定である距離」と見徴された。測定は,明空間と時空間において,被験者が特定の人物(同年齢の初対面の同性)に近づいて行く場合(接近距離)と,その人物が被験者に近づいて'くる場合(被接近距離)について,それぞれ,身体を中心とする前後・左右の両軸によって照合される等角度の8方向に関してなされた。被験者はMPIによって抽出された内向群,外向群の男子学生であった。
著者
田中 雄一 田中 聡久 京地 清介 小野 峻佑
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は主に大規模センシングデータ処理の高速化手法や次元削減手法に関する研究を行った.以下簡単に成果の概要を述べる.1) 大規模行列の特異値縮退処理の高速化大規模時空間センシングデータを数理的に表現する際には,センサ数x計測回数のサイズを持つ行列が用いられることが多い.センサ数や計測回数が増えるに連れて行列サイズは爆発的に増加するため,行列の処理にも大きな計算コストがかかるようになる.行列を特異値分解し,その特異値を操作(縮退)することは様々な信号処理アルゴリズムの一部で利用されているが,特異値分解は一般に非常に計算量が多い.本年度はチェビシェフ多項式近似と行列のスパース性を利用した特異値縮退の高速化に取り組んだ.結果として,縮退の精度を保ちつつ,最大5倍程度の高速化を達成した.本成果は信号処理分野の一流論文誌である IEEE Trans. Signal Processing へ掲載された.2) マルチモーダルデータの次元削減手法センシングの際,同一計測地点で様々な属性のデータを計測することが多い.例えば気温・気圧等の環境データが最たるものである.このマルチモーダルデータを信号のスパース性を利用して次元削減を用いて圧縮することができれば,大規模センシングデータの効率的な表現が可能となる.従来手法ではチャネルごとに次元削減を行う手法が主流であり,チャネル間の相関をうまく利用できなかった.本年度はコンピュータビジョンで利用されている画像の色モデルである Color Lines をマルチモーダルデータの次元削減に利用することで,新しい視点からのマルチモーダルデータ圧縮に取り組んだ.結果として,PCA等の従来手法と比較し,同圧縮率で最大10 dB 以上のS/N比改善を達成した.本成果は IEEE GRSS のフラッグシップ国際会議である IGARSS 2017 で発表した.
著者
相澤 章仁 田中 愛子 小林 弘和 小林 達明
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.527-533, 2015
被引用文献数
4

外来種を管理・防除するためには,どの外来種が在来生態系に影響を与えているかを評価する必要がある。本研究では千葉県北西部を流れる利根運河の堤防植生を対象として,コドラートを使ったランダムサンプリングによる植生調査を行い,TWINSPANと統計モデリングを用いて外来種の在来生態系への影響評価を行った。TWINSPANの結果,対象地の植生はセイバンモロコシ・セイタカアワダチソウを指標種とした 2つの外来植物群落と 2つの在来植物群落に分かれ,統計モデリングでもこの外来種 2種が在来種の分布に影響を与えていることが示された。影響の度合いはセイバンモロコシの方が強く,個体レベルでの影響 (50 cm × 50 cm)と個体群レベルでの影響 (5m × 10 m)の両方の空間レベルで在来種に影響を与えていた。セイタカアワダチソウは個体レベルでの影響は検出されなかったため,本種の完全排除というよりは,低密度管理を行うことで在来種の回復が望める可能性があることがわかった。現地において防除活動を進める際には本研究の調査方法を用いてモニタリングを進めていくことが有用であると考えられる。
著者
花田 惇史 吉田 裕一 佐藤 卓也 後藤 丹十郎 安場 健一郎 田中 義行
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.161-169, 2016
被引用文献数
4

近年,受粉用ミツバチがしばしば不足し,果実を中心に園芸作物の生産コスト増大や品質低下を引き起こしている.その解決策の一つとして,医療用の無菌ウジ増殖技術を応用して生産したヒロズキンバエについて,施設栽培作物の花粉媒介昆虫としての実用化の可能性を検討した.イチゴ,トマト,ナスおよびメロンを対象として,開花期にヒロズキンバエをハウス内に放飼し,着果率や果実形態の比較によって,各作物への受粉効果を調査した.トマト,ナスおよびメロンにおいては,明確な着果促進効果は得られなかった.一方,イチゴでは,ハエは羽化直後から盛んに花に飛来する姿が観察され,ハエ搬入前と比較して受精不良果発生率は大きく低下した.ただし,90 m2当たり400頭の搬入では品種によって効果が不十分であった.しかし,1000頭搬入した場合は,ミツバチと同等の効果が得られたことから,ヒロズキンバエはミツバチの代替ポリネーターとして十分利用可能であると考えられた.
著者
田中 久徳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.305-314, 2016

<p>国立国会図書館は果たすべき使命と5年間にわたって取り組む6つの中期目標を2012年に公表したが,そのうちの一つとして「情報アクセス(の向上)」がある。本稿では,情報アクセスの改善に向けた国立国会図書館の最近の取り組み状況について概観し,併せて,資料デジタル化,視覚障害者へのテキストデータの提供,次世代検索手段としての統合オンラインサービス,国立国会図書館サーチと国のアーカイブ利活用促進策について,課題と方向性を説明する。</p>
著者
ドーリン アレキサンダー 小林 健二 合山 林太郎 渡辺 浩一 田中 大士 伊藤 鉄也 野網 摩利子 山本 和明
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
国文研ニューズ = NIJL News (ISSN:18831931)
巻号頁・発行日
no.43, pp.1-16, 2016-05-06

●メッセージ日本語の書物の価値●研究ノート国文学研究資料館蔵『狂言絵』を読む「高橋智先生の中国目録学講座」受業記日英比較出版事情――人間文化研究機構連携研究の成果から――●トピックス文部科学省での特別授業国際連携研究「日本文学のフォルム」の成果を『もう一つの日本文学史』として刊行平成28年度アーカイブズ・カレッジ(史料管理学研修会通算第62回)の開催平成27年度日本古典籍講習会通常展示「和書のさまざま」ギャラリートーク平成27年度連続講座「くずし字で読む『百人一首』」市民参加イベント「古典」オーロラハンターを開催総合研究大学院大学日本文学研究専攻の近況
著者
伊藤 裕一 小川 登志男 田中 智基 佐藤 景一
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1-6, 2016-01-29

We have developed the creating and manufacturing contents for elementary school students to convey the attractiveness of mechanical engineering. In last year, we have developed the content related to fluid dynamics. The participants made a special model glider which was like "winged seed". In this year, we have developed the content using shape memory alloy. We demonstrated the unique properties of the shape memory alloy and then the participants made the strap of the shape memory alloy in the content.